FC岐阜とは、岐阜市を中心とした岐阜県全域をホームタウンとするプロサッカークラブである。
概要
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2001年に創設され、東海社会人リーグ、JFLを経て、2008年よりJリーグに加盟。チームカラーは岐阜県花である「蓮華草」をイメージした緑色。
クラブ名はFootball Club岐阜の略であり、岐阜のシンボルとなるサッカークラブを目指す意味で命名されている。エンブレムには県花である蓮華草を配置。木曽三川の流れに、それぞれ情熱の赤・知性の青・調和の緑の彩を添えて、選手・フロント・サポーターが一丸となって闘おうという想いでデザインされた。また、岐阜を取り囲む山々や岐阜城の要素も取り入れ、岐阜らしさを表現している。
クラブマスコットは県花レンゲをモチーフとした「ギッフィー」。2017年にJリーグ加盟10周年を記念する特別企画として公募によって誕生した。元イタリア代表のアレッサンドロ・デル・ピエロと交流を持つようになり、2018年・2019年と実際にデル・ピエロ本人が岐阜へやって来た。
歴史
Jリーグ加盟までの歴史
チームの発足は2001年。国民体育大会に向けて強化する目的で岐阜県サッカー協会により創設。
2005年にサンフレッチェ広島の創始者ともいえる今西和男がクラブ顧問に就任(後にクラブのGM、社長に就任)。地元出身の元日本代表・森山泰行が加入したこともあり、Jリーグ入りへの機運が高まる。
チームは2005年の東海リーグ2部から翌年には東海リーグ1部へ昇格。このときの東海リーグ2部の最終節で、圧倒的不利な状況(昇格には7点差での勝利が必要)からの奇跡の昇格は、試合会場の名前をとって「口論議の奇跡」として語り継がれている。
2006年に運営会社が設立。戸塚哲也が監督に就任したこの年は、東海リーグ1部で優勝。全国地域リーグ決勝大会では、準優勝を果たし、翌年からのJFL昇格を決める。
2007年にJリーグ準加盟が承認。この年のJFLでは6月に監督が松永英機に交代となるが、最終的にシーズン3位以内に入り、条件を満たしたことで翌年のJリーグ加盟が決定。
Jリーグ加盟以降の歴史
Jリーグ ディビジョン2昇格1年目となった2008年当初は昨年の勢いを引き継ぐかのような快進撃を見せる。その時の様子の一端は関連動画での「ぎっふぎふにしてあげる」からもうかがい知れる。しかし、シーズンが進むにつれ、徐々に相手に研究され、さらには選手層の薄さも露呈。初年度は15チーム中13位で終えることとなった。
シーズン終了後にはチームが経営危機に陥った(ユニフォームのスポンサーが付かないなど、表面的にもそれは窺えた)。結局、15人もの選手を解雇、さらにJリーグからも5000万円の融資を受けることとなった。
2009年は実力未知数な大量の新卒選手を軸としたチーム編成を強いられることとなった。そのためか序盤こそ出遅れ気味だったものの、シーズンが進むにつれ徐々にチーム状態は良化。特にプロ2年目となる佐藤洸一は16得点を量産する大ブレイクを遂げる。また、大卒1年目の西川優大も二桁得点を決め、佐藤と西川の若いツインタワーの活躍が光った。最終的には18チーム中の12位と、チーム数が増えた中で前年より順位を1つ上げて終える。
さらに、天皇杯ではベスト8進出と将来への期待を感じさせるシーズンとなった。
しかし、恒常的に経営危機に陥っている状況に変わりはなく、慢性的な赤字体質のためチーム強化もままならない状態で2010年は14位、エースとして奮闘していた押谷祐樹がレンタル先に戻った2011年はついに最下位にまで転落。2012年も21位と低迷し、この年経営状態がさらに悪化したことで今西社長が辞任する事態となった。2013年も21位でシーズンを終え、2年続けてJFLでライセンス持ちのチームがもう1チーム2位以内にいれば入れ替え戦に回っていたところだった。
2014年クラブは低迷打破のために本気を出す。大口スポンサーとなったJトラストの社長が個人的に強化費を投入。監督にラモス瑠偉を招聘し、元日本代表の川口能活、三都主アレサンドロといった実績・知名度のある選手を補強する。シーズンは第36節磐田戦から5連敗を喫するなど終盤に息切れしたものの、開幕前の評判通りの高い攻撃力を発揮し、残留争いに巻き込まれることなく前年から4つ順位を上げた17位でシーズンを終える。また、ラモスや川口のおかげで平均入場者数が前年よりも倍増した。
2015年はシーズンを通して得点力、守備力両面で振るわず、20位に終わる。2016年も開幕から失点を重ねて勝ち切れず、ついに7月にラモス監督が解任となる。吉田恵コーチが後任となるが、その後もチームは連敗が続き、J3降格の危機に直面。それでも最終節に勝利し、20位で残留を果たす。
2017年、元日本代表コーチで京都や甲府を率いた実績のある大木武が監督に就任。大木によって抜擢された大卒ルーキーの古橋亨梧の活躍もあってここ数年ではマシな出来だったものの、シーズンを通しての好不調の波が大きく、失点数の多さは相変わらずで18位に終わる。2018年は前半戦に4連勝したこともあり7位にまで浮上する。ところが、8月に得点源の古橋が神戸に引き抜かれてから低迷。降格圏に落ちることはなかったが、最終的に20位と低迷。
2019年も第13節の時点で最下位に低迷。大木監督が解任となり、前讃岐監督の北野誠が後任となる。しかし、期待された前田遼一はもはや全盛期のキレはなく、夏に多くの選手を補強するがチームの成績は一向に好転せず。そして、11月16日に行われた第41節で甲府に1-3で敗戦し、J2最下位の22位が確定。クラブ史上初のJ3降格が決まる。
J3からの再出発となった2020年は元清水監督のゼムノビッチ・ズドラヴコが監督に就任。1年でのJ2復帰を狙ったものの成績は上位と中位を行き来する不安定な状態が続く。9月に仲田建二が監督に就任し、一時は上位に肉薄するが、首位秋田との直接対決に敗れたことで昇格の可能性が消滅。6位でシーズンを終える。
2021年には元富山監督の安間貴義が監督に就任。3月には不祥事で浦和を解雇された元日本代表の柏木陽介が電撃移籍。混戦となった上位争いの中、前半戦を2位で折り返す。しかし、後半戦になって失速するようになり、後退。2試合を残して昇格の可能性が消滅し、2シーズン連続で6位となる。なお、川西将太がリーグ得点王を獲得している。
2022年は統括部長の三浦俊也が監督に就任。宇賀神友弥(浦和)、田中順也(神戸)を筆頭に大型補強に動き、J2クラスのスカッドを揃えることとなる。ところが、序盤から躓き5月で三浦監督が解任。横山雄次ヘッドコーチが後任となり、一時は7試合無敗を記録するが、後半に入ると今治に0-5、更には鳥取に0-4等、大敗や連敗が響き低迷。J3降格後ワーストとなる、18チーム中14位でシーズンを終える。
2023年は前日本代表コーチの上野優作が監督に就任。上野監督はチームの若返りを図りながら、粘り強い守備をチームに植え付ける。序盤は4連敗を喫するなど苦戦を強いられていたが、夏場にかけて調子が上向きになり、6月は4勝1分と勝ち越して以降は昇格を狙える位置にまで浮上する。しかし、終盤戦に入り勝ち切れない試合が続くようになり、大混戦となった2位争いの中で第36節で敗れたことでJ2復帰の可能性が消滅。最終順位は8位となった。この年をもって元日本代表組の柏木陽介と田中順也が現役を引退。
2024年は宇賀神、ンドカ・チャールス、窪田凌と中心選手3人が退団。開幕序盤は7戦負けなしを記録し、一時は首位にも立つも、4月以降は失速。J3降格後ワーストを更新する9戦連続未勝利となる。6月27日、上野が監督を辞任。ヘッドコーチの天野賢一が監督に昇格。夏場に絶不調に陥り、一時は14位にまで低迷するも第32節から5連勝を含む7試合無敗で怒涛の追い上げを見せる。それでもプレーオフ圏には届かず、前年と同じ8位で終わる。最終節の2ゴールで19ゴールとなった藤岡浩介が得点王のタイトルを獲得。
主なタイトル
国内タイトル
個人タイトル
現在の所属選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | 天野賢一 | 1975.4.3 | 2024 | FC岐阜 ヘッドコーチ | 【新】 | |
1 | GK | 茂木秀 | 1999.1.18 | 2023 | FC今治 | ||
2 | DF | 岡崎慎 | 1998.10.10 | 2024 | ロアッソ熊本 | 【レ】 | |
4 | DF | 甲斐健太郎 | 1994.11.1 | 2024 | いわてグルージャ盛岡 | 【完】 | |
5 | DF | 石田崚真 | 1996.6.26 | 2024 | いわてグルージャ盛岡 | 【完】 | |
6 | MF | 北龍麿 | 1998.4.23 | 2023 | アスルクラロ沼津 | ||
7 | FW | 河波櫻士 | 2001.1.1 | 2024 | サガン鳥栖 | 【レ】 | |
8 | MF | 荒木大吾 | 1994.2.17 | 2024 | 京都サンガF.C. | 【完】 | |
10 | MF | 庄司悦大 | 1989.9.14 | 2022 | 京都サンガF.C. | ||
11 | FW | 藤岡浩介 | 1994.8.13 | 2022 | テゲバジャーロ宮崎 | ||
14 | MF | 生地慶充 | 1998.4.2 | 2021 | 筑波大学 | ||
15 | FW | 上野輝人 | 2000.9.14 | 2023 | 大阪経済大学 | ||
16 | MF | 西谷亮 | 2004.1.10 | 2024 | 東京ヴェルディ | 【レ】 | |
18 | MF | 小川真輝 | 1999.5.22 | 2024 | テゲバジャーロ宮崎 | 【完】 | |
19 | MF | 松本歩夢 | 1998.4.28 | 2021 | 関西大学 | ||
21 | MF | 青木拓矢 | 1989.9.16 | 2024 | FC東京 | 【完】 | |
22 | MF | 文仁柱 | 1999.8.22 | 2024 | ガイナーレ鳥取 | 【完】 | |
23 | DF | 荻野晃太 | 2000.6.20 | 2023 | 法政大学 | ||
24 | FW | 粟飯原尚平 | 1996.5.26 | 2024 | ロアッソ熊本 | 【完】 | |
26 | DF | 羽田一平 | 2000.12.15 | 2023 | 桐蔭横浜大学 | 【H】 | |
27 | FW | 横山智也 | 2000.9.1 | 2023 | 岐阜協立大学 | 【H】 | |
28 | MF | 水野泰輔 | 1993.5.4 | 2024 | 藤枝MYFC | 【レ】 | |
29 | DF | 野澤陸 | 1998.12.7 | 2024 | ヴァンフォーレ甲府 | 【レ】 | |
30 | MF | 與那覇航和 | 2001.5.8 | 2024 | 仙台大学 | 【卒】 | |
31 | GK | 上田智輝 | 1996.3.9 | 2024 | 藤枝MYFC | 【完】 | |
37 | DF | 寺阪尚悟 | 2004.6.6 | 2024 | ヴィッセル神戸 | 【レ】 | |
38 | MF | 新垣貴之 | 1996.8.12 | 2024 | モンテディオ山形 | 【完】 | |
39 | DF | 遠藤元一 | 1994.9.9 | 2023 | カマタマーレ讃岐 | ||
40 | MF | 川上竜 | 1994.10.12 | 2020 | SC相模原 | ||
41 | GK | 中山開帆 | 1993.1.11 | 2024 | 水戸ホーリーホック | 【レ】 | |
50 | GK | 後藤大輝 | 1996.6.14 | 2024 | ギラヴァンツ北九州 | 【完】 | |
65 | MF | 西堂久俊 | 2001.3.27 | 2024 | FC東京 | 【レ】 | |
99 | FW | イ・ヨンジェ | 1991.6.8 | 2024 | 全南ドラゴンズ | 【完】 |
※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手
過去に所属した主な選手
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歴代監督
国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|
勝野正之 | 2001年~2005年 | ・岐阜県リーグ1部優勝(2002年、2003年) ・東海リーグ2部昇格(2003年) ・東海リーグ1部昇格(2005年) |
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戸塚哲也 | 2006年~2007年6月 | ・東海リーグ1部優勝(2006年) ・JFL昇格(2006年) |
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松永英機 | 2007年6月~2009年 | ・J2昇格(2007年) | |
倉田安治 | 2010年 | ||
木村孝洋 | 2011年 | ||
行徳浩二 | 2012年~2013年8月 | ||
辛島啓珠 | 2013年8月~12月 | ||
ラモス瑠偉 | 2014年~2016年7月 | ||
吉田恵 | 2016年7月~12月 | ||
大木武 | 2017年~2019年6月 | ||
北野誠 | 2019年6月~12月 | J3降格(2019年) | |
ゼムノビッチ・ズドラブコ | 2020年~2020年9月 | ||
仲田健二 | 2020年9月~12月 | ||
安間貴義 | 2021年 | ||
三浦俊也 | 2022年~2022年5月 | ||
横山雄次 | 2022年5月~12月 | ||
上野優作 | 2023年~2024年6月 | ||
天野賢一 | 2024年6月~ |
関連動画
関連リンク
関連項目
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