グランド・セフト・オート・サンアンドレアス(Grand Theft Auto: SanAndreas)は、アメリカの「Rockstar Games」が販売しているクライムアクションゲームである。略称はGTASA。
概要
GTASAはGTAシリーズの5作目にあたる作品で、ロサンゼルス(ロスサントス;LS)、サンフランシスコ(サンフィエロ;SF)、ラスベガス(ラスヴェンチュラス;LV)をモデルとした街と砂漠、山岳地帯が点在するサンアンドレアス州を舞台にシリーズ初であるギャングの黒人主人公「カール・ジョンソン(CJ)」が失墜した故郷の兄が率いるグローブストリートファミリーズを再興させる為に奔走する物語である。 北米では2004年10月26日PS2版発売 PC・XBOX版2005年6月発売。
最大の特徴としては、服装や髪型の変更、体型の変化等の要素が取り入れられた他、車やバイク、ボート、ヘリは勿論、今回から自転車、航空機、戦闘機、列車に乗ることが可能になり、デートやカジノ・ビリヤード等の要素も追加された。また、3やVCでは水に突入すると即溺死であったが、この作品からは泳げる様になり、潜れる様にもなった。他にも格闘術や武器も大幅に追加され、マップもVCの5倍近く(?)と相当広くなっている。
だがGTAお約束の問題もあり、SAではシリーズ最大級の騒ぎとして、HotCoffee問題(詳細は後述)が存在する。
この事態にモロに影響されてしまったのが日本語版の発売である。結局モメにモメた挙句、発売は延びに延びて2007年1月25日にようやく発売された…が、高所からスナイパーライフルで撃とうがサイレンサーピストルで撃とうが人を撃った瞬間に手配が付いたり、格闘時に追い討ちを掛けられない等60箇所以上にも及ぶ修正が加えられる等規制だらけの改悪(簡単に例えれば炭酸の抜けたコーラ、わさびの抜けた寿司)が施されてしまい、中古価格が極端に暴落してPC環境がある者は北米PC版を購入して日本語化パッチを当てる人が急増した(この影響か、カプコンはGTA4発売時に無修正で発売)。
2021年現在はPS4/Switchにて本作とGTA3、GTAVCを一つにした『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』がリリースされている。日本語化は勿論の事、GTAV基準に対応した操作方法の変更や時代に準拠した細部の変更などがなされている。最近のGTAから入る人にはこちらがお勧め。
ニコ動では軍隊から逃げてみたシリーズやMODを使用したネタ(CJの兄をはじめデフォのキャラがアニメキャラにされてしまい色んな役を演じさせられるとか)、暴動+武装チート(後述)の中でミッションをこなす動画や農夫シリーズ等の動画が数多く上げられている。が、ユーザー年齢層は意外にも低い様な気がするのは気のせいであろうか。
用語集
- チート
Rockstarが公式で用意しているシステム。PCでは特定のワードをキーボードで打つ(例:STATE OF EMERGENCY(暴動チート)、FOOOXFT(市民武装チート)等)、コンシューマー版はコントローラーで特定のコマンドを打ち込むことで、HPが増えたり市民が暴動を起こしたり、特定の乗り物を出現させたりすることができる。なお、後述の暴動チート等一部のチートはその後のゲーム進行に悪影響を及ぼすことがあるので、十分関連情報を収集し、セーブを別にするなどの注意が必要である。 - 指名手配度
GTAシリーズでは馴染み深い要素。何らかの犯罪を犯すと右上に☆が表示され、最大6まで増える(途中までは5までしか増えない)。車を盗んだり警官ないし一般市民を警官の目の前で殴ると☆1、警官を殺害すると☆2となり、以降警官を殺害ないし市民を殺害、または車両の爆破、ヘリコプター撃墜などを繰り返すと☆が上がって行く。☆3~4ではヘリコプター+SWAT、☆5ではFBI、☆6ではアメリカ州兵が出動し、強力な武器を持ってプレイヤーを抹殺しにやって来る。特に戦車は火炎放射器でなければ倒せない上に、航空機に乗っていると戦闘機が攻撃しに来る。また、序盤に存在する進入禁止エリア、サンフィエロの軍港エリア、エリア69(エリア51のパロディ)エリアに侵入すると問答無用で☆5が付き、後者の場合、航空機やジェットパックで飛んでいると地対空ミサイルで攻撃される。
- 暴動チート
ある特定コマンドを入力すると暴動が発生するチートの事。GTA2の市民デスマッチチート・GTA3の暴動チートから続くGTAの名物であった(GTA4・GTA5では除外されている為、CS版では現状SAが最後の暴動チート収録作品)。その名前の通り、入力すると市民同士で殴り合いになったり、テレビを盗み出す市民が出たり、車が所々で爆発するカオスゾーンに。因みに本編終盤の数ミッションでロスサントス一帯が暴動状態になるが、暴動チートはこれを軽くしたような物である。本編の状態にするには、市民武装チートを入力した上で暴動チートを入力すれば可能であるが、この状態ではRPG-7やM4カービンなどの重火器が飛び交うどっかのイラクさながらの文字通りカオスな状況になる。この状態でミッションを進めるのは絶対にオススメしない(やるならやるで精神的な覚悟をしておくこと)。 - MOD
GTAにおいて、外観を変えたり、性能を変化させたりするPC版独特のお楽しみ要素である。有志によりZモデラー等で製作したモデルをdffファイル・Txdファイルへエクスポートさせ、そのファイルを置き換えたい既存のファイルと置き換えることで適用させる物が著名。また、csファイルを適用させて、ミサイルの挙動を変えたり、自キャラをチェンジさせる等の効果を得る事も出来るCLEOスクリプトと言うものもある。 - SA:MP(SanAndreas:Multi Player)
PC版GTASAにおけるオンラインゲーム機能。GTA3、GTAVCにおけるMTA(Multi Theft Auto)のSA版に当たる。ロックスターが製作しているわけではなく、有志製作のプログラムであるが、プログラミングすら出来れば、色々なゲーム要素が製作出来る利点を持ち、普段ゲーム中で出来ない助手席・後部座席への乗車が可能で、乗用車・バイクに限り、チートで出来るドライブバイが特定コマンドを押すだけで出来る(要マシンガン所持)。ただし、有志製作のプログラム故に無敵チート等を使うプレイヤーがよくおり、サーバー管理人が居ない限り無法状態となる事も珍しくないが、大抵チート検出プログラムを組んでいるサーバーも多い。勿論チャットも出来、ある事をすれば日本語での会話も可能。外観を変えるMODのみ使用可能で、性能自体はサーバー準拠である。言わばGTA4・GTA5オンラインの先駆け(どっちかと言えばGTA5のフリーモードに近い)とも言える機能であった。
Hot Coffee問題
このGTASAで話題になったものにHotCoffee問題と呼ばれる事象があり、全米中で社会問題となった。事の発端はオランダのMOD開発者が、PC版用のMODとしてHot Coffee MODを発表したことである。
SAではガールフレンドを作る事が可能で、デートを重ねて新密度が上がるとガールフレンドから「自宅でのコーヒーブレイク」に誘われる。字義通りに解釈するとコーヒーを飲んで寛ぐと言うことだが、要はセッ○スである。といってもその場面がモロに出てくるわけではなく、通常のゲームでは家の外部からの視点で、中からギシアンの音が漏れ聞こえる程度に過ぎない。
Hot Coffee Modとは上記の場面に置いて、ガールフレンドとのズッコn(以下禁則事項)ミニゲームが出来ると言う、リアルタイムエロゲープログラムなのである。
(しかし言うまでもなく、萌えの要素はMODでモデルをアニメキャラに入れ替えたりしない限りは一切無い)
当初は「Hot Coffee MODとは、セック○ミニゲームを付加するMOD」という話もあったのだが、実態はそうではなく、元々ソースコードに含まれていた封印プログラムを解除するだけのものだった。つまりHot Coffee MOD自体にはセ○クスミニゲームのプログラムは入っておらず、「最初からゲームに入っていたものの、封印されていたセ○クスミニゲームのプログラム」を解除し使えるようにするだけのMODであった。プログラムがソースコードに含まれていたのだから、当然ながらこれを作ったのは開発元のロックスターノースである。
これは基本的にPC版で出来るものであるが、北米PS2版初期版にもプログラムが混じっており、PAR等を使えばプレイできる。やり方はググr(ry
さて、通常では封印されているとは言え、GTASAにはセ○クスミニゲームのプログラムが入っていたわけだ。本来であればこういうゲームは18+(18禁)のレーティングを取得しなければならない。しかし実際にはそれより一段低いレーティングで申請を出し通っていた。もしかしたらノースがプログラムを封印した事で知らなかったのかもしれないが、ロックスターゲームズは結果として消費者を欺いたことになる。なにその優良業者
- 件のプログラムは最初からソースコードに含まれており、通常のプレイの範疇では封印により「それ」を見られないとは言え、解除さえすれば何時でも遊べる状態になっていた。
- こういったプログラムが含まれるゲームのレーティングは18+(18禁)で取るべきであるが、ロックスターゲームズは北米では一段低いレーティングを取得していた。
この事実が明るみになると、アメリカの全米家族メディア研究所が批判声明を発表。またアメリカ民主党所属の上院議員(当時)で、第42代アメリカ合衆国大統領であるビル・クリントンの妻であるヒラリー・クリントンが激怒、積極的な法規制に乗り出す姿勢を見せた。
ロックスターと、その親会社であるテイクツー・インタラクティブは世間から厳しい批判を浴びた。特に強く批判していた者の一人が、件のヒラリー・クリントンである(重要)。
この問題以降初期版は全米中で回収され、当該シーンを削除したセカンドエディションに取って代わられた。しかしその巻き添えで、Hot Coffeeとは何の関係もないMODを導入する際にも干渉を起こすなどの影響も出た。セカンドエディション相当の修正パッチも公開されたが、これを当てるとセカンドエディションと同様の状態になるので、MODの導入にも不具合が出やすい。日本版もこの影響を受けて内容が変更されたが、その悲惨な惨状と末路は先述した通りである。
ちなみに問題が起こったのは主にアメリカのみであり、欧州では元々レーティングが18禁に設定されていためさほど問題にならなかった。欧州版GTA:SAは何も記述が無くとも米国版の1stEditionと同等の内容である。
この一件を通じてR☆は激しい批判をヒラリー・クリントンから受けたが、それへの揶揄なのか自虐ネタなのか、次作となるGTA4でヒラリーそっくりのStatue of Happiness(幸福の女神像)が登場した。これは自由の女神像をモチーフとしたランドマークで、リバティー島ならぬハピネス島に設置されている。そして左手に独立宣言書を、右手にホットコーヒーを持っている。
Hot Coffeeのその後
これ以後、GTA界隈ではHot Coffeeといえばセックルの事を意味するようになった。
GTA4でもPC用としてHot Coffee MODが出ているが、これは近くにいる女性PEDとどこでも致すことができるというもの。もちろんソースコードに含まれているわけではなく、MOD開発者が作ったプログラムをゲーム上で作動させるスクリプトMODである。
要注意バグ
作中にはいくつかのバグが存在する。ネタ要素となっているものもあるが、以下の二つはその後のゲームプレイに悪影響を及ぼすので、特に注意が必要である(→の後に予防策を記した)。
- コンプリート要素の一つ、タグの上書きにおいて、スプレーしている最中にスプレー残量がなくなった場合、上書きしていたタグの書き換えが完了しないままになってしまう。後から上書きすることもできなくなるので、100%クリアが不可能になってしまう。
→タグの上書きはスプレー残量が十分ある状態で行うようにする。 - 終盤で手に入るマッドドッグ邸でセーブをすると、以後各地に存在するバスケットゴールで遊べなくなってしまう。
→他のセーブポイントを利用する。
関連動画
武装・暴動チートを用いたカオスモードプレイ動画や、東方ProjectのキャラクターのスキンMODを用いた東方GTAの動画群が一大ジャンルを築いている。
他には最高手配レベルから逃げる動画、MODを多数導入したプレイ動画、本作品を題材としたMAD動画など、様々なジャンルの動画が投稿されている。
関連コミュニティ
関連項目
脚注
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