クソゲーオブザイヤー2015

クソゲーオブザイヤー2015（KOTY2015）とは、2015年の1月1日から12月31日の間に発売されたゲームの中で一番のクソゲーを選評・総評したものである。

この年について

据置部門は2011年携帯部門以来となる僅か2本のノミネートとなったが、その質の濃さは例年にない水準であった。かたや大袈裟すぎて邪魔なエフェクト、ブロック操作の余地を奪い取る致命的バグ、勝敗判定が滅茶苦茶なオンライン対戦、果ては語り草となった「クソゲー公式生実況」でテトリスシリーズの安全神話を完全にぶち壊し、同シリーズの30周年を盛大に呪った空の究極『テトリスアルティメット』、かたやタツノコプロ作品とのコラボレーションを銘打っておきながら声優を専門学校生に代行させるという暴挙をはじめとする数々の原作殺害を盛り込み、旧作ソースを適当に流用した結果ゲームバランス破綻+自由度ほぼ0という拷問を強いられ、更にはパッチ配信によりデータ初期化という伝説級のバグを発症した地の伝説『アジト×タツノコレジェンズ』。この両雄の激突はプレイヤーに極限のストレスを与える程の手抜きが評価されたアジノコが制することとなった。

携帯部門はパズルを自称する薄っぺらのゲー無『パズルボトル』を皮切りに次々と刺客が現れていき、据置とは対照的に7本のソフトが犇めく混戦となる。その中で頭一つ抜きんでたのがロード地獄とエラー頻発でそもそもまともに遊ぶこと自体が絶望的なうえに、いざプレイできてもゲームバランス・AI・操作性どれをとっても劣悪というほかなく、参戦作品と使用可能機体の偏りも尋常ではない『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』とラングリッサーシリーズ待望の完全新作の筈が発売前からうるし原智志氏のリストラで半ばお通夜ムード、実際の内容もあまりにしょぼ過ぎるキャラや背景のグラフィック、カビが生えたような古臭すぎるUIで戦略も極薄であってないようなもの、シナリオは過去作との整合性ガン無視の惨状である『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』。バトルフォートレスがまともにプレイできる期間が結局無かったのに対し、後にラングリッサーがパッチで若干の改善を果たした事が明暗を分け、前者が王座を勝ち取った。

乙女ゲー部門では2009年でクソゲー三銃士を排出した前科のあるフリューより『新テニスの王子様～Go to the top～』が投入され幕を開ける。過去作より大幅に劣る攻略対象の数、原作付きゲームにあるまじきキャラ崩壊、主人公の設定破綻、CGの低クオリティで逃げ道を悉く封じる隙の無さを見せつける。ミステリー詐欺のシナリオやエロに傾倒しすぎて恋愛をおざなりにした『POSSESSION MAGENTA』、掘り下げ不足もいいとこなキャラや超展開でプレイヤー置いてけぼりにした上、心折設計の3Dミニゲームにより携帯部門にもノミネートした『Rear pheles -Red of Another-』が対抗馬として挙がるも、恋愛ゲーおよび読み物としての出来の悪さで差をつけたテニプリが逃げ切りで大賞となった。
余談であるが同年、乙女ゲー的KOTYを間接的に発足させた偉大なる始祖『Quin Rose-クインロゼ-』の親会社が潰れクインロゼがこの世から消えることとなったことをここに記しておく。

エロゲ―部門は古豪『戦極姫』シリーズより不快指数が天元突破した新主人公を引っ提げ戦場に降臨した『戦極姫6～天下覚醒、新月の煌き～』、しょぼい演出や立ち絵、CGの無理矢理な水増し、理不尽の域を出ない推理もどきが飛び交う悪い意味でシュールなシナリオという手抜きの嵐『不条理世界の探偵令嬢～秘密のティータイムは花園で～』、CG数やHシーン数などあらゆる面がスカスカの超薄っぺらで、『アイ惨』の再来を思わせる『猫撫ディストーション 恋愛事象のデッドエンド』、異常なまでのテンポの悪さと高難度を兼ね備えエロシーンを見るのも一苦労、13人ものライターを起用した弊害で矛盾だらけのシナリオという『Love and Peace』が名乗りをあげた。前年、チーズによりクソエロゲーの境地というものを見せつけられた住人に対し、「糞主人公」という刀一本でクソゲーとして成立させ、新たな角度からクソエロゲ―としてのアプローチを行った戦極姫6が並居る候補作を次々と切り伏せて天下を取り、初代と合わせてシリーズ通算3度目の大賞獲得と相成った。

据え置きゲーム機部門 大賞＆次点作

大賞作 ”勝利のポーズ！　ヤッター、ヤッター……やってられんわ！！！！”

• アジト×タツノコレジェンズ （Xbox One/ハムスター）
  PS時代に「基地作成シミュレーション」という独自ジャンルを打ち立てた「AZITOシリーズ」の第5弾で、タツノコプロ作品とのコラボレーションタイトル。その実態は徹底した手抜きに起因するクソ要素の罠が跳梁跋扈する難攻不落の要塞であり、総評では「最小限の労力で最大限の苦痛を作り上げた」と評された。
  内部データや一部ボイス・ドット絵を旧作から、タツノコキャラのカットイン・顔グラを原作の作画からそのまんまコピペするというやる気の無さを見せつけ、新録ボイスはコスト削減に固執するあまりオリジナルキャストどころかプロの声優自体を全く起用せず専門学校の生徒、つまりタマゴとはいえ素人で代用というガイアセイバーやメジャー惨部作も裸足で逃げ出す程の原作ディスリスペクトぶり。実際のプレイも自由度など無きに等しい環境下で只管連打を強いられる単純作業に加えて長大な待ち時間の合わせ技という極限の苦痛が待ち受けており、「100時間耐久ルーチンワーク」などと揶揄される有様。
  バグに関しても抜かりなく、最初の段階ではフリーズの頻発・ゲームのクラッシュによりプレイどころではなく、いざパッチが配信されてもフリーズは頻度が減っただけで解消には至らなかった。寧ろフリーズし難くなった事でゴミの様なゲームバランスが明るみになり、パッチ配信前から存在した「魔のエレベーターバグ」(とある状況でユニットがエレベーター諸共上空に消えて戻って来ない)と共にプレイヤーを苦しめた。二度目のパッチ配信でもエレベーターバグは治らないどころか「ソフト終了時にミッション進行度はそのままに、所持ユニットのデータを確実に初期化する」というゲーム史上稀に見る極悪バグ「賽の河原バグ」が追加されてしまい、最後までクリアするには一度もゲームを終了させる事なくフリーズに怯えながら最後まで通しプレイをするか、初期データ縛りの二択を余儀なくされてしまった。
  余談だがXbox系列機専用ソフトが大賞を獲得したのはKOTY12年目にして史上初であり、同系列機専用ソフトおよび改悪パッチという共通点を持つジャンラインのメジャー2に大賞を阻まれた無念を見事に(?)晴らした。

次点作

• テトリスアルティメット （PS4・Xbox One/ユービーアイソフト）

※ 各作品の詳細はこちら

据置機ゲーム部門 関連動画

携帯ゲーム機部門 大賞＆次点作

大賞作 ”まっ、いいか。　こ　い　つ　は　死　ん　で　い　い　ク　ソ　だ　か　ら”

• 機動戦士ガンダム バトルフォートレス （PSVita/バンダイナムコエンターテインメント）
  「機動戦士ガンダム 一年戦争」を皮切りに幾度か次点入りを続けたガンダムシリーズ初の大賞作品。敵基地を攻略し、入手したユニットを使って自らの要塞を作り上げるという基本無料のオンラインゲー。
  ありとあらゆる場面で飛び交うローディングの嵐によりプレイヤーにまともに遊ぶ事自体を許さず、一部を除くスキルが使い物にならない粗悪極まりないゲームバランス、自滅や棒立ちが多発する馬鹿AI、タッチ感度の悪さに起因する最悪の操作性、ガチャの確率告知詐欺というタダでもやりたくないボロボロのゲーム性。参戦作品の偏りも問題だが作品ごとに登場ユニット数の格差があまりに激しくキャラゲーとしても完全に失格。
  アップデートの度にほぼ毎回30分足らずで不具合が発見されるという負のスパイラルに加え、C2エラーの頻発を放置するという運営の姿勢も問題視された。結局このゲームはまともにプレイできた時期がないまま、2016年5月26日にサービス終了となり1年にも満たない短命に終わった。
  バンナムのソフトとしては据え置きと合わせて3年連続の、基本無料ゲーとしては2年連続の大賞受賞である。

次点作

• パズルボトル （3DS/レイニーフロッグ）
• ラングリッサー リインカーネーション-転生- （3DS/エクストリーム）
• アトリエ デコ ラ ドール コレクション （3DS/スターフィッシュ・エスディ）
• Rear pheles -Red of Another- （PSVita/ワークマン）
• エアシップQ （PSVita/Cygames）
• ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド （3DS/アルケミスト）

※ 各作品の詳細はこちら

乙女ゲー部門 大賞＆次点作

大賞作 ”なるほど、K O T Y じゃねーの。”

• 新テニスの王子様～Go to the top～ （3DS/フリュー）
  テニプリにおいては久々の乙女ゲー。なのだが発売前から作画崩壊、社会人主人公、キャラクターの名前間違い等の大きな不安要素から「見えている地雷」と大きく騒がれ、見事大爆発を遂げることとなった。
  DSから3DSに変わったにも関わらず前作まででは攻略可能であったキャラクターが大幅にリストラされており、特に不動峰、山吹、六角の人気キャラが属するはずの3校は学校ごとシナリオから削除されている。期待の集まっていた前作発売以降登場したキャラクター達は当然ですと言わんばかりにこぞって攻略不可であり、新規攻略キャラクターは財前光ただ一人となった。
  だがそれら発売前に惨状を予測できる情報を見越してでも溜息をつかせるのが『キャラ崩壊』と『クソシナリオ』のダブルパンチ。全員揃って原作の面影をほとんど吹き飛ばしているためアニメ通りの声優の起用も無駄にし、シナリオ面では二言三言の短い会話を交わすのみで大したイベントは無くエンディングに入ると突然恋愛感情を持ち始めるキング・クリムゾン仕様。だがキャラ数の多さ･社会人主人公(攻略対象は中学生なため、10近い歳の差が確定している)がネックとなり複数のエンディングもまともな恋愛描写もゲーム内に組み込むことができず、最終的に全てを通して恋愛らしい恋愛をしない恋愛アドベンチャーゲームが出来上がることとなった。
  システム面でももっさりレスポンスやミニゲームでのアナウンス無しでの操作方法の変更など、全体的にプレイヤーを苛立たせる要素も完備している。

次点作

• POSSESSION MAGENTA （PSVita/COMFORT）
• Rear pheles -Red of Another- （PSVita/ワークマン）

※ 各作品の詳細はこちら

エロゲー部門 大賞＆次点作

大賞作 ”咲かせて熱く、夢と舞う焔　苦しいほど美しく　この手に強く輝く未来をきっと掴むために――疾風れ”

• 戦極姫6 ～天下覚醒、新月の煌き～ （unicorn-a&げーせん18）
  初代から7年ぶりに最悪の形でKOTYeへと凱旋した戦極姫シリーズの新たなる刺客。
  PS2/PSP版『1』のような重篤なバグはほぼ見当たらないが、代わりに本作は前年大賞「チーズ」の主人公並に殺意が沸く最低新主人公・榊月冴というメインウェポンを携えストロングスタイルのクソへと変貌。
  主人公は選択式だが旧主人公の颯馬は攻略対象が6人だけなのに対し月冴は82人という極端すぎる格差であり、小学生でも思いつかないようなチートスペックの新主人公が続投ヒロインに崇拝されるというまさかの公式メアリー・スー。こいつ一人だけのせいでシナリオが根っこから崩壊する事態となった。だからといって颯馬を選んだところでこっちはこっちでシナリオの作りこみが甘く実質逃げ場らしい逃げ場はない。
  公式が謝罪を余儀なくされ、後日発売されたアペンドディスクの追加要素では月冴の存在自体が無かった事になるという点を見ればその炎上ぶりがご理解いただけるだろうか。
  なお、戦極姫シリーズは今回で通算3度目の大賞獲得、5度目のノミネートである。

次点作

• 不条理世界の探偵令嬢 ～秘密のティータイムは花園で～  （アーベルソフトウェア）
• 猫撫ディストーション 恋愛事象のデッドエンド （WHITESOFT）
• Love and Peace （ミンク）

※ 各作品の詳細はこちら（R-18注意）

エロゲー部門 関連動画

関連項目

• クソゲーオブザイヤー

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クソゲーオブザイヤー2014	クソゲーオブザイヤー2015	クソゲーオブザイヤー2016
[据え置きハード大賞] 仮面ライダー サモンライド!	[据え置きハード大賞] アジト×タツノコレジェンズ	[据え置きハード大賞] 古き良き時代の冒険譚
[携帯ハード大賞] インフィニタ・ストラーダ	[携帯ハード大賞] 機動戦士ガンダム バトルフォートレス	[携帯ハード大賞] Wizardry 囚われし亡霊の街
[乙女ゲー大賞] クローバー図書館の住人たち	[乙女ゲー大賞] 新テニスの王子様 ～Go to the top～	[乙女ゲー大賞] 該当作なし
[エロゲー大賞] 新世黙示録 ―Death March―	[エロゲー大賞] 戦極姫6 ～天下覚醒、新月の煌き～	[エロゲー大賞] グリモ☆ラヴ ～放課後のウィッチ～