リシュリューとは、実在の軍艦を擬人化したDMMのブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場するキャラクターである。モデルはフランス海軍のリシュリュー級戦艦1番艦〈リシュリュー〉。
2017年8月10日23時40分から開始された期間限定イベント「西方再打通!欧州救援作戦」の第4ステージ【遥かなるスエズ】(E4)を突破すると艦隊に合流する、いわゆるクリア報酬艦。本イベントE4をクリアさえすれば難易度にかかわらずだれでも入手することができる。
入手時のボイスの「Je suis vraiment~」は、そのあとの日本語「お逢いできて嬉しいです、提督」とほぼおなじ意味。フランス語では提督を「Amiral」という。誤字ではない。
フランス国籍の艦娘としてはコマンダン・テスト(艦これ)に続き2隻め。その容姿は、雪を欺く白い肌に、輝くようなブロンドの髪、非常に色素の薄い虹彩の目と、まばゆいばかりの美貌をもつ。彼女自身の明度の高いカラーリングに加え、入手画面の背景がもっとも派手なSホロであるため、とても豪華に見える。
普段の立ち絵ではわかりにくいが、改造承認画面で拝めるアップの絵をみると左目の下と唇にほくろがあるようだ。また、こちらも改造承認画面でしか確認できないが、唇はプルプルである。
前腕の深指屈筋が意外にも発達している。深指屈筋はバットやラケットを用いるスポーツをしていると自然と鍛えられる。が、時報などにそういったスポーツを嗜んでいる描写はない。
〈リシュリュー〉の最大の特徴といえる四連装砲の存在感も抜群である。
性格は自立心が強く、言いたいことをはっきり言うタイプ。母港でつつくと「Amiral? なあに!?」とやや半ギレで返され、なおもお触りを続けると「ふ・ざ・け・な・い・で!」と怒られる。
一方で時報では提督の寝顔を覗き込んで「可愛いのね、ふふ」と独り言をもらしたり、朝には朝食とコーヒーを用意してくれたり、間食の時間には「ふたりでゆっくりしちゃいましょ♪」と笑ったり、夜には手間のかかるフルコースを振舞ったりと、わりと提督に好意的な一面も見せてくれる。また、同郷のコマンダン・テストのほかにもおなじく戦艦の大和や榛名たちと交流を持ったりしているようだ。
〈リシュリュー〉は後述のとおり実に数奇な運命をたどった波乱万丈な艦であるが、図鑑において「あの戦いは両陣営でも戦ったわ。まあ、色々あるの。C' est comme ca(仕方ないわよね).」と彼女自身も思うところがある様子。
準公式作品『今宵もサルーテ!』ではバーテンダーの一人としてお酒に造詣が深く主演の三人(コマンダン・テスト、ガンビア・ベイ、タシュケント)にも先輩として厳しい反面、自立心の強さが要因で親友であるリットリオと疎遠になったのを後悔したりと表情豊かである。
性能としては、改造すれば「金剛型の改二とほぼ同等の火力と回避と燃費」であり、耐久と装甲はやや上回る。対空だけは劣るが、計算上は撃墜数にして1機~2機程度の差である。しかも彼女は高速戦艦であるので汎用性も高い。改造に設計図が不要であることも利点として挙げられる。総じてバランスのよい高性能な艦といえよう。5-4周回や日々の任務消化で心強い戦艦となってくれるはずである。
なお、彼女が入手できる17夏イベントでは、次のE5のボス最短ルート固定の要件が「一定数(甲なら3隻)の欧州艦を編成に組み込むこと」となっていた。リシュリューもフランス艦なのでこの条件に当てはまる。というわけで、入手したばかりの彼女を旗艦にしてE5へ突撃する提督も少なくなかったようだ。その提督たちからの感想は「意外とうまくいった」というものが多い。欧州最強の戦艦の面目躍如といったところか。
二期になってからの初めてのイベント『抜錨!連合艦隊、西へ!』の最終マップE5の二本目ゲージでも古巣であるフランス・ブレスト港への進出のため、彼女自身とコマンダン・テスト含めてドイツ艦との合計数によりルートを固定でき、かつ欧州艦特効があるため彼女の有無が文字通り攻略難易度にダイレクトに響くほどの影響力があった。
また、イベント開催時期に恒例になったローソンコラボの商品『RichelieuのMon Amialalシュークリーム』担当として参加。ジャケットを外した普段の服の上にフランス国旗を模したトリコロールのエプロン姿で登場(ローソンスタッフの制服はガンビア・ベイが担当)同衣装は同年11月16日のアップデートで期間限定グラフィックとしても実装された。中破時にオーブン皿を持っていることから自作であり限定ボイスから提督にも振舞っている様子。
2020年3月にお花見modeが追加。ほろ酔い状態で座った姿のリシュリューが実に艶っぽい。同時期の「桃の節句!沖に立つ波」にてボス撃破でドロップ出来たので初見でこちらのリシュリューを拝めた提督は幸運と云えよう。
2020年8月の梅雨イベントのオンメンテで水着mode実装。黒味が強いブラウンの水着に髪をアップにした姿でシンプルでありながらモデルもかくやといったお洒落な姿は必見。
フランス人いわく、フランス語とは「世界で最も美しい言語」「愛を語る言葉」である。現代において英語に次ぐ世界の公用語であることは事実。そんな華麗なるフランス語をリシュリューの台詞とともに見ていこう。
台詞 | 日本語訳 | 英訳 | 備考 | |
入手時 | Je suis vraiment ravie de vous rencontrer, Amiral. | あなたにお逢いできて本当に光栄です、提督 | I'm really delighted to meet you, Admiral. | |
改ログイン | Salut mon amiral. | こんにちは、わたしの提督 | Hi, my admiral. | |
図鑑 | (まあ、色々あるの。)C’est comme ça. | 仕方ないわよね | That's how it is. | 母港ボイスでも最後にこの台詞を口にする。そちらは「仕方ないわね」と訳すべきか |
母港ボイス3 | (ふ・ざ・け・な・い・で!)Es-tu fou? | 正気なの? | Have you lost your mind? | 目上の人間に使うvousではなく、tuになっている。日本語でいえば「あなた」と「おまえ」くらいの違いがある。よってマジギレしている。 |
放置ボイス | (アカシ? いいの、見てもらっても? あ、そう、ここなんだけど、あら、ん~、そういうことなのね。)Merci! | ありがとう | Thank you. | ちなみにMerci beaucoup(メルシーボークー)は「ありがとうございます」 |
編成時 | (戦艦Richelieu出ます。)Venez avec moi! | わたしについてきて! | Come with me! | moiはoiが複合母音なので、元の字とはまた異なる発音となる。oiの発音は「ゥワ」。よってmoiは「モイ」ではなく「モワ」と発音する。 |
装備時1 | Je vous remercie. | あなたに感謝します | You have my thanks. | |
装備時2 | (こういうのもあるのね、似合うかしら。)C'est bien. | よかった | This is fine. | |
装備時3 | Ça a du sens. | いい判断ね | This makes sense! | 直訳するなら「筋が通っている」「合理的ね」「理に適っている」 |
入渠時(軽傷) | (ごめんなさい、お風呂を頂くわ。)Désolé. | ごめんなさい | Sorry. | 正しくは女性ならJe suis désolée. |
入渠時(重傷) | Je ne peux rien faire... | これじゃなにもできないわ… | I can't do anything... | |
建造 | (新しい子ね。)Enchantée de vous connaître. | お知り合いになれて光栄です | Pleased to make your acquaintance. | Nice to meet youよりフォーマルな表現。敬意を表したいときに。 |
帰還 | (艦隊、無事に戻ったわ。)C'est sûr. | ええ、そうです | Yes, that's right. | 強意の肯定である。紆余曲折の果てに祖国へ帰港できた由来のためか |
出撃 | (Richelieu,抜錨、)En avant ! | 前へ! | Onwards! | |
夜戦 | Feu! | 撃て! | Fire! | |
小破 | (ぎゃあああ!)Ça fait mal ! | 痛い! | It hurts! | さげまんではない |
中破 | (ひゃあああ!)Arrêtez! | やめて! | Stop it! |
台詞 | 日本語訳 | 英訳 | 備考 | |
01:00 | (午前一時、)Bonsoir, Amiral. | こんばんは、提督 | Good evening,Admiral. | |
02:00 | vin rouge(でも頂く?) | 赤ワイン | red wine | |
03:00 | (少し寝るといいわ。)Bonne nuit! | おやすみなさい | Good night. | 優しい |
06:00 | Bonjour! | おはようございます | Good morning! | |
07:00 | Bon appétit!(午前七時、朝食を用意したわ) | たくさん召し上がれ! | Bon appétit! | 英語圏でもBon appétitはBon appétitであるようだ |
13:00 | C'est bon! (この艦隊の文化は独特ね) | 素敵! | It's good! | |
14:00 | Bon après-midi! | こんにちは | Good afternoon! | |
17:00 | (このカフェテリアから見る夕日も綺麗ね。)C'est beau! | 美しいわ | It's beautiful! | |
19:00 | (もう少しかかるわ。)la cuisine(は大変なのよ) | お料理 | Cooking | |
21:00 | Vous voulez du vin? | ワインが欲しいの? | Do you want some wine? | |
23:00 | Mon amiral | わたしの提督 | My admiral | 戦艦仏棲姫もゲージ破壊時にMon amiralと呟く |
むかしむかし、フランスは喉から手が出るほど欲しかった近代的戦艦をようやく建造することができました。ダンケルク級戦艦です。これでドイツのポケット戦艦なんかイチコロです。でもそんな強い戦艦があれば周りの国も気が気ではありません。
イタリアは対ダンケルク級としてヴィットリオ・ヴェネト級戦艦を建造し、ドイツはシャルンホルスト級戦艦を就役させました。せっかく英国のジョージⅥ世戴冠記念観艦式でみんなに褒められたのに(日本の足柄さんも参加しました)、やすやす追い抜かれたフランスは面白くありません。フランスは心に誓いました。
こうしてダンケルク級を拡大強化させたリシュリュー級戦艦を海原に浮かべたのです。これを見たドイツはなにくそと奮い立ってビスマルク級戦艦の設計に着手することになります。
時に1935年。世界がふたたび戦火に包まれる時代を迎えようとしていた日のことです。
リシュリュー級戦艦はとっても優れた戦艦でした。ダンケルク級という実験台を経て、その問題点を洗って改善していたからです。なんといっても四連装砲が名実ともにリシュリュー級の目玉といえます。砲口直径は当時の流行の最先端たる38cm。砲身長も45口径と長めにとってあるので砲口初速は785m/秒の高速を実現しました。後年の研究ではリシュリュー級の砲撃を受けて耐えられる枢軸の軍艦は大和級戦艦だけという評価もされています。
この四連装砲、火力だけが自慢じゃありませんでした。8門の大砲は連装砲なら4基必要ですが、リシュリュー級なら2基ですみます。つまり、火力を維持しつつ、むしろ重量を減らすことができたのです。このダイエットできたぶんをリシュリュー級は装甲の強化にあてました。砲弾の直撃、破片、魚雷の衝撃、予想されうるあらゆる攻撃に対してまんべんなく十分な防御が施されたのです。
マストと煙突を一体化させたマックという構造を取り入れたことも見逃せません。戦後の艦艇はマックがメジャーになりました。リシュリュー級こそ、その嚆矢だったのです。
同時期の英国のキング・ジョージⅤ級戦艦、ドイツのビスマルク級戦艦、イタリアのヴィットリオ・ヴェネト級戦艦と比べても、カタログスペックなら追随を許さない、まさに欧州最強の戦艦だったのです。
そんなリシュリュー級の栄えある1番艦〈リシュリュー〉は、さぞかし赫々たる武勲と輝かしい戦歴に彩られている、と思いきや……。
第二次世界大戦で、フランスはナチスドイツに敗北、降伏しました。こうしてフランスにはドイツの傀儡政権ヴィシー・フランスが誕生します。
傀儡とはいえドーバー海峡をはさんだフランスはイギリスには脅威でしかありません。もしもフランスの艦隊がドイツに組み込まれて敵に回ったら厄介です。一方でフランス海軍は「ドイツなんかにわれらの艦隊まで奪われてたまるか」と、建造途中だったリシュリュー級戦艦3隻のうち、進水していた〈リシュリュー〉と〈ジャン・バール〉をドイツが来るまえに脱出させていました。残された〈クレマンソー〉はドイツに鹵獲されました。
さて、イギリス軍が〈リシュリュー〉の投錨地ダカールへ襲来。コマンダン・テストをふくめた仏艦隊を襲ったメルセルケビール海戦と同様の最後通牒を突きつけてきます。
「イギリスに降伏して一緒にドイツと戦おう」
→無理です。そんなことをすればドイツとの休戦協定に違反することになります。どんな目に遭うかわかりません。
「いやならここで全艦自沈してほしい」
→それこそいやです。
「ならここでわれわれがすべて撃沈する」
〈リシュリュー〉艦長はメルセルケビールの例もあってイギリスが本気だとわかっていました。攻撃を受けながらも、なんとか逃げおおせます。このとき〈リシュリュー〉は英戦艦HMS〈バーラム〉(ウォースパイトの妹です)を自慢の四連装砲で中破に追い込んでいます。
しかし情勢はいかんともしがたく、弾もない、直せない、食べ物もない、未来も見えないとあって士気ががた落ちになった〈リシュリュー〉は、ヴィシー・フランスと対立するシャルル・ド・ゴール率いる自由フランスの所属となりました。晴れて連合国に復帰したのです。
〈リシュリュー〉はダカールの戦いで負った損傷の修復のため、というかそもそも未完成だったため、アメリカのブルックリン海軍工廠で完成と修復と改修の工事を受け、1943年10月10日にドックを出ました。
でも、もうそのころには大西洋で覇を競うはずだった〈ビスマルク〉は海の底。イタリアが連合国に降伏したためヴィットリオ・ヴェネト級戦艦とも戦うことはできません。仕事は沿岸砲撃や空母の護衛です。
その後も1945年5月、日本海軍の巡洋艦〈羽黒〉を迎撃するデュークダム作戦に参加しましたが、彼女自身が砲火を交えることはありませんでした。
同年8月、ついに枢軸最後の国、日本が降伏しました。こうして、欧州最強のスペックをフルに発揮することもなく、枢軸国との戦艦と戦うこともなく、〈リシュリュー〉の戦争は終わったのです。
彼女の艦歴をひとことでいうなら、連合国の戦艦なのに連合国の軍艦としか戦ったことがないという数奇なものになります。
でも、戦艦という艦種が存在意義を失いはじめていたあの時代で、まったく出番を与えられないまま沈んだ戦艦もいたことを考えれば、まがりなりにも戦艦と干戈を交えた彼女は、まだ幸福だったといえるかもしれません。
1968年9月、すべての役目を終えた戦艦〈リシュリュー〉は解体。いまでも起工の地ブレスト港には彼女の砲が1門展示されています。めでたし、めでたし。
2017年夏イベント 『西方再打通!欧州救援作戦』 新規実装艦娘 | ||
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最終更新:2024/11/08(金) 18:00
最終更新:2024/11/08(金) 17:00
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