仮面ライダー THE NEXT 単語


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カメンライダーザネクスト

6.4千文字の記事

アクションに酔え。

怪奇に震えろ。

これがNEXTエンタインメントだ。

仮面ライダー THE NEXT[1]とは、2007年10月27日東映系列で開された仮面ライダーシリーズ映画作品である。

概要

2005年開された映画仮面ライダー THE FIRST』の続編。本作は昭和シリーズ2作仮面ライダーV3リメイク(リブート)要素を含んでおり、本郷猛一文字隼人に加えて風見志郎 / 仮面ライダーV3が設定も新たに登場する。

風見志郎役は、開の前年に『仮面ライダーカブト』で風間大介 / 仮面ライダードレイクを演じた加藤和樹が担当。奇しくも2年連続で「トンボ繋がりの第3のライダー」を演じたことになった。
また、ヒロインの2人も過去ライダー作品に出演経験のある女優が演じており、菊間琴美役は劇場版仮面ライダー剣』で14歳栗原天音を演じた石田未来が、風見ちはる役は『仮面ライダー響鬼』で持田ひとみを演じた森絵梨佳が担当した。
他にも、後に『仮面ライダー鎧武』で呉島貴虎 / 仮面ライダー斬月を演じることになる久保田悠来もチョイ役で出演している。

ラブロマンスの要素が強かった前作に対し、本作は昭和作品の初期や漫画版で見られた怪奇性を強調しており、『リング』や『呪怨』などに代表されるジャパニーズホラーの演出技法を取り入れている。またホラー要素以外にも、しいバイオレンス描写[2]や、おっぱいの露出など子供向けとは言い難いシーンも多い。このため本作は映倫よりPG-12(12歳未満は保護者の判断が必要)を受け、名実ともに子供向けではないライダー作品となった。企画当初はR-1515歳未満鑑賞禁止)定も視野に入れていたとのことなので、これでも抑えられた方なのかもしれない(※レーティングはいずれも開当時のもの)。
他にも、引きこもり学級崩壊芸能界の闇といった現代社会の負の要素も多く描かれており、全体的な作品のトーンはかなり暗い。

主題歌は『CHOSEN SOLDIER』。前作同様ISSAが歌唱しているが、DA PUMPボーカルとしての担当だった前作と異なり、今作はISSAのソロ活動扱いである。また、劇中歌である『Platinum Smile』は小坂りゆが歌唱している。

評価は前作と似たり寄ったりであり、「ホラーアクションが噛み合っていない」「ホラー要素は不要」とするも多いがデザイン面やアクション面は高評価、という形で落ち着いているようだ。

行成績が振るわなかったのか、あるいは当初から本作で終わらせる予定だったのか[3]はたまた翌年以降何本も制作されることになる『仮面ライダー電王』の映画に予算が回されたのか、続編は制作されておらず、昭和ライダーのリブート作品も2016年の『仮面ライダーアマゾンズ』まで途絶えることになる。

一方、「昭和の敵怪人リファイン」については『仮面ライダーディケイド』以降のクロスオーバー作品において断続しており、中でも劇場版ディケイド』に登場した新デザインキングダーク(『仮面ライダーX』の敵キャラクター)は、本シリーズ同様に出渕裕デザインを手掛けている。
他にも2015年映画スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』に登場した仮面ライダー3号デザインは、どことなく本シリーズライダーに通じるものがある。

あらすじ

本郷猛一文字隼人秘密結社ショッカーを裏切ってから2年――

世間ではの連続殺人事件が起きていた。死体はいずれも顔面を残に切り裂かれており、さらに事件現場には必ず、人気アイドルChiharu風見ちはる)ヒット曲「Platinum Smile」が流れている、という都市伝説も広まっていた。

一方、高校教師になった本郷は、ふとしたきっかけで教え子の菊間琴美と共に、彼女友であるちはるの事件を追うことになる。そんな彼の前に立ちはだかるのは風見志郎。ちはるのであり、ショッカーの新たな改造人間ホッパー Ver.3だった。

本郷の危機一文字も駆けつけ、3人のライダーによる闘が幕を開ける。

登場人物

本郷猛(ほんごう たけし) / 仮面ライダー1号(演:川田将也)

主人公現在大学研究を離れ、城南大学付属高校教師として過ごしている。しかし教師としての威厳は皆無で、生徒からは「ほんごうたけし→ほんとうバカし→本当のバカ童貞とからかわれる始末。教え子の琴美と共に事件を追う中で、再びショッカーとの戦いに身を投じていく。
改造人間としての人的な力は健在であり、琴美がチンピラに連れ去られそうになった時は、発進しようとする左手1本で制止させ、さらにウィリー走行で突っ込んでくるバイク右手で制止させて前輪をもぎ取る、という離れ業を見せた。しかしこの一件で、今度は打って変わって生徒が怖がる存在になってしまう。

一文字隼人(いちもんじ はやと) / 仮面ライダー2号(演:高野八誠

本郷と共にショッカーを裏切った改造人間。本郷と異なり、ショッカーの手で定期的血液交換を必要とする体であるため、現在血液交換ができないことによるリジェクション(拒否反応)に苦しみ続ける日々を送っている。毎晩のようにクラブ遊している(資金は不明)のも、リジェクションから繋がる死の恐怖を紛らわすためであった。
本郷に対しては素っ気ない態度をとるが、心の底では強いで結ばれており、彼のピンチにはっ先に駆けつけた。ショッカーに心酔している志郎に対しては、かつての自分と重ねて「からっぽ操り人形」と評した。

風見志郎(かざみ しろう) / 仮面ライダーV3(演:加藤和樹

本郷の前に立ちはだかるショッカー改造人間で、第3のホッパーIT企業「エクサストリーム」を経営する青年実業だったが、ある日会社全体がショッカーナノロボット散布実験に巻き込まれ、それに適合したことで改造人間となった。趣味ワインのデキャンタージュ。
IT社長として成功を収めたものの、その心は満たされていなかったため、絶大な至福を与えてくれたショッカーに絶対の忠を誓っている。だが、ちはるに対する優しさは失っておらず、彼女に関する事件の相を知ったことで、その心は揺らいでいく。

菊間琴美(きくま ことみ)(演:石田未来

本作のヒロイン。本郷が受け持つクラス生徒。両離婚し、双方の再婚相手ともそりが合わないため、一人暮らしをしている。クラスメイトとの仲は悪く、欠席や退を繰り返すなど劇場版』の栗原天音同様に半ぐれ気味。本郷のことも当初は全然信頼しておらず、1人でちはるの事件を追おうとしていたが、ショッカーの襲撃に巻き込まれたことや、チンピラに乱暴されかけた所を救われたのを機に心を開いていく。

風見ちはる(かざみ -)(演:森絵梨佳

もう1人のヒロイン志郎アイドル歌手Chiharuとして絶大な人気を誇っている。との仲は良好であり、仕事の合間にの会社を訪れることもある。
琴美の一番の友だが、少し前から音信不通になってしまい、しかも最後に電話越しに会話した際、自殺をほのめかすような発言もしていたという。しかし、何故かちはる本人はまるでそんなことなかったかのように芸能生活を満喫している。そんなある日の彼女の元にも包帯姿の女が現れたことで事件は思わぬ側面を見せ始める。
旧作における志郎風見雪子に相当するキャラクター旧作では志郎と死に別れているが…?

志郎秘書 / チェーンソーリザード(演:益子恵)

エクサストリーム社で志郎秘書を務める女性。本名は不明。ちはるともしい。
志郎共々ショッカーによるナノロボットの散布実験を生き残り、改造人間となった。元々は清楚女性だったが、改造後はショッカーに心酔するエロいお姉さんと化した。おっぱい要員。

進藤しんどう(演:嶋田久作)

ちはるが所属する芸能事務所トライスタープロモーション」の社長ドル箱であるChiharuブランド力を維持するためなら手段を選ばない、ステレオタイプ芸能社長である。

山崎(やまざき)(演:六角

Chiharuの担当マネージャー甲斐甲斐しく彼女の世話を焼くが、進藤には頭が上がらず彼の言いなりのままとなっている。

戸塚尚子(とづか なおこ)(演:山千
谷口由香里(たにぐち ゆかり(演:川原琴)

ちはると同じ事務所に所属している新人アイドル。2人とも人気アイドルであるちはるのことを快く思っていない。

教頭(演:斉藤洋介

本郷が勤める城南大学付属高校教頭。生な本郷に対して「適当にすればいい」と進言する事なかれ義者。かつては熱血教師だった時代もあったようだ。

包帯姿の女(演:日野綾子

Chiharuの「Platinum Smile」を聴く者の前に出現する貞子神出の女。彼女の姿を見た者は皆顔面を切り刻まれるという残な最期を遂げている。その名の通り包帯で顔を覆っており、素顔は不明。

仮面ライダー

バッタの力を持つ改造人間。本作でも変身宣言や変身ポーズは存在しないが、前作同様に最終決戦では旧作変身ポーズ(V3は変身後の決めポーズ)を彷彿させるファイティングポーズを披露した。

仮面ライダー1号(ホッパースーツアクター前田浩、バイクアクション河村章夫)

本郷猛仮面を装着することで“変身”する改造人間。2年の間にショッカーの襲撃を何度も受けたため、体のあちこちに多くの傷跡が見られるが、機自体は低下していない。旧改造人間であるため、ナノロボット改造された次世代改造人間には後れを取るが、持ち前のセンス戦闘経験でカバーしている。
カラーリングは大きく変化しており、が薄いピンクからに、マスクスーツ系からに近いになるなど、桜島1号を彷彿させるものになっている。

仮面ライダー2号(ホッパースーツアクター秋山

一文字隼人仮面を装着することで“変身”する改造人間1号同様、2年間の闘を物語るかのように、至るところに傷や汚れが見られ、クラッシャー部分は度重なる吐血によって若干錆びついている。
カラーリングは全体的に暗くなり、旧2号イメージにより近いものとなっている。

仮面ライダーV3(ホッパーVersion 3≫)スーツアクター伊藤慎

風見志郎仮面を装着することで“変身”する改造人間ナノロボットによって改造された次世代であるため、1号2号かに上回る力を持つ。ベルトダブルタイフーンから周囲のエネルギーを吸収して、更なるパワーアップを果たすこともできる。
最終決戦では「V3反転キック」を彷彿させる連続蹴りを披露。現実では物理的に不可能な動きであるため、旧作ではカットを複数に分けていたが、本作ではワイヤーアクションを導入することで、反転~二度の蹴りを1カット上で表現することに成功している。
マスクカラーリング旧作に近いが、体はダークグリーン体とした暗い配色になっている。
専用マシンハリケーン。3人のマシンの中では一のショッカー製。

ショッカー

世界の支配を企む悪の秘密結社。

本作では新たにナノロボットによる改造技術を導入している。これは細胞レベルまで小化された機械数に散布し、それを吸収した人間を内側から改造する、というもの。これによって生まれた改造人間は、強力な体を得ることはもちろんのこと、リジェクションが発生せず、多少の傷なら時に回復するなど、あらゆる面で旧改造人間駕する。
欠点は改造成功率が極めて低いこと。劇中ではエクサストリーム社員数十人に対して散布実験を行ったが、その場にいた者の中で適合したのは志郎秘書の2名のみで、他は皆醜悪な姿と化した末、苦しみながら死んでいった。改造技術というよりも生物兵器と言った方が適切かもしれない。

シザーズジャガー(演:田口トモロヲ、スーツアクター渡辺

ジャガーの力を持つ改造人間旧作の『V3』第1・2話に登場したデストロン怪人ハサミジャガーリメイク。普段はレストランLEGEND OF GATHERING」のオーナーとして社会に溶け込んでおり、レストランの地下はそのままショッカーの基地となっている。ナノロボットの散布実験や広範囲への散布作戦揮する。やたらとエキセントリックな言動が特徴。
両腕のによる撃を得意とする。このは2本合わせることでハサミのように用いることもでき、その切れ味はや人体をのように切り裂くほど凄まじい。
田口は後に『仮面ライダーウィザード特別編(第52・53話)においてアマダムを演じている。

チェーンソーリザードスーツアクター日野綾子

志郎秘書変身する、トカゲの力を持つ改造人間旧作の『V3』第7・8話に登場したデストロン怪人ノコギリトカゲリメイクであり、女性怪人という点も共通している。な任務は裏切り者の殺であり、ショッカーライダーと共に本郷に襲い掛かる。
右手に装備したチェーンソーノコギリトカゲ同様、内側に市松模様が刻まれている)が武器。他にも、しなやかな体から放つ足技も得意とする。

ショッカーライダースーツアクター大橋明ほか)

上級戦闘員ともいうべき存在の量産型ホッパーチェーンソーリザード兵として裏切り者の殺を的に行動する。武器ダーツの小爆弾
6人1チームとして行動しており、連携攻撃によって本郷を幾度も追い詰めた。メンバーが負傷・死亡しても次の戦闘では新たなメンバーが補充されている。
旧作と異なりカラーリング全員統一されており、オリーブドラブっぽい色になっている。

ショッカー戦闘員スーツアクター杉原明ほか)

おなじみ戦闘員。前作同様、尽くめのスーツガスマスクを装着した姿で登場。ナノロボット散布実験に携わる化学班員もおり、こちらは黄色い防護を身に着けている。

ショッカー首領納谷悟朗

ショッカーの頂点に立つの存在。前作に登場した三幹部(本作には登場しない)よりさらに上位にいるものと思われる。旧作同様、直接姿を見せずレリーフ越しにのみでを下す。
旧作同様に納谷悟朗が担当。前作を含めた2作品の中で、オリジナルキャスト演じたキャラクターとなった。

???

ショッカー基地内部の棄場に放置されている、醜悪な姿をしたクリーチャー。どこか苦しんでいるように見えるが…?
デザインイメージは「腐ってしまった人魚」。

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2008年2月に発売されたV3と1号アクションフィギュアは、初めてS.H.Figuartsブランドで発売されたフィギュアである。同年3月2号が、6月ショッカーライダーが同ブランドフィギュア化され、その後も他の特撮作品やアニメ作品のキャラクター、さらには実在人物をモデルにしたものなど、様々なアクションフィギュアS.H.Figuartsとして発売されるようになった。

現在に至るまで連綿と続くS.H.Figuarts歴史は本作より始まったのである

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関連項目

脚注

  1. *風景を写した写真では、仮題と思わしき『仮面ライダー THE SECOND』の表記も見られる。
  2. *ではあるものの、ショッカーライダーの腕が吹っ飛びが飛び出す、といった描写がある。
  3. *セル映像ソフトに収録されている「EXTENSION Ver.」では、ある重要人物の死が描かれている。
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