害虫女子コスモポリタンとは (ガイチュウジョシコスモポリタンとは) [単語記事]

害虫女子コスモポリタンとは、講談社の雑誌『イブニング』にて不定期連載される、一話完結型ショートコメディ漫画である。（作者：小谷真倫）

内容は、害虫を中心とした虫類を美女・美少女に擬人化し、その生態をネタにしたコメディである。

不快害虫は、あなたの心身に悪影響を及ぼします。思わずペットとして飼いたくなった時は、くれぐれも周りの人に迷惑にならないよう注意しましょう。（単行本表紙より）

登場人物

人間

五木小兼: レーゾン消毒に勤める害虫オタ害虫研究者ゴキブリを専門として研究している。肩書きだけなら一流大学卒、エリート研究者でさらにイケメン…だが、ゴキブリを眺めて悦に入るほど害虫を愛して止まない非常に残念な青年。部屋ではゴキブリを大量に飼育し、髪にはしらみを飼っている。害虫に関して非常に深い知識を持つ。小学校のときのあだ名は「昆虫博士」。そして、少年時代より家で密かにゴキブリを飼っていた模様。
そのルックスゆえ女性が寄ってくる事もあるが、その残念な中身に幻滅することが多い。というかみんな逃げる。
五木卓也: 小兼の弟で兄と同居している。普通の青年で彼女持ち。彼女が家に来るのを必死になって止めている。
兄の趣味をよく知っているため、下手な黒魔術師より恐ろしいと思っている。
が、日々吹き込まれる害虫知識に知らず知らずのうちに毒されている。
藤岡: 小兼の同僚。研究に没頭しすぎて熟年離婚の危機に瀕している。

擬人化して登場している虫

ゴキブリ: クロゴキブリ。黒髪にゴスロリふう衣装の美女の姿で描かれている主人公。三億年間進化していないパーフェクト・ボディーとしぶといまでの生命力は、彼女にとってプライドでもありコンプレックスでもある。その美貌と生命力は多くの虫たちに慕われるが、時々棘があったり嫌味だったりもする。
アシダカグモ: ゴキブリに比べかなり大きめの姿で描かれ、ふわふわのファーを纏っている。ゴキちゃんが大好きで、見つけ次第、抱きしめてかぶり付かずにはいられない。ゴキブリを駆除する益虫とされるが、その不気味さからゴキブリ以上に彼女を嫌うニンゲンも多い。小兼の職場では飼育しているゴキブリを食い荒らすため純粋に害虫扱いだが、害虫大好きな小兼でさえ彼女を不快害虫として怖がっている気がある。（関連動画）
シマ蚊: 縞々の服を着た少女の姿で描かれている。食べ物は植物の密と動物（本命は鳥類だがニンゲンもOK）の血で、密と血は体内で別の器官に送られる文字どおりの別腹。血にありつくと性格もスイーツ系からブラッド系に変わる。一話完結が原則の本作において比較的登場頻度が高い。
セミ: 本作の虫としては珍しく男性がメインキャラ。害虫ではないので殺虫剤をかけられる感覚は親戚（カメムシ）から聞いたことがある程度。大人になってからわずか７日の寿命を嘆き男泣きする（ついでに失禁もする）が、セミの世界では泣くほどモテるという事情もある。
ヒメカツオブシムシ: 卓也が昔買った勝負服に生息。卓也が服の処分に困っていたところを小兼に見つかり、服ともども小兼が譲り受けることになる。
蝶: 小兼自作の紙芝居に登場。そのためか唯一（？）美化されていない。ホウ酸団子で黒ゴキ姫の殺害に成功するも体内のグリセリンを使いきり凍死してしまう。
イエダニ: 小さな女の子の姿で描かれる。昆虫とは別種でクモの仲間。頭胸腹の区別が無く、腰や首のクビレが無い。人間の赤子の肌や女性の乳房が好きだが、一番の好物はネズミ。食べ物を見つけるとそれまでのかわいい姿から一変、牙を剥いた凶悪な姿になって飛びつく。
ミット: イエダニとは顔は同じだが、服装が異なる。食品に付くダニでチーズ「ミモレット」の作成に欠かせない。そして、ダニが死ぬとチーズが不味くなる。
シラミ　（アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミ）: 小兼が自分の体をルームシェアさせている。頭大好きなアタマジラミ、服大好きなコロモジラミ、陰毛大好きなケジラミがいるが、彼女らは人間の血でしか育つことができず、人間が絶滅すると彼女らも絶滅してしまう。
タバコシバンムシ: 小さな少女の姿で描かれる。普通の虫が苦手（ただしゴキブリは好き）なタバコを好むが、更にゴキブリでも即死するトリカブトも好きで、麻薬のフルコースは大好物。逆に普通の食べ物は苦手。さらには、水無しでも生きていける。そのあまりの非凡さの前に、世界一強い女を自認するゴキブリのプライドはもろくも崩れ去る。
ハエ　: 複眼メガネの体育会系ギャル。本作に登場するのは「Satori（悟り）」という変異体を持つハエで、異性に求愛しないため自分には煩悩は無いと言うが、実際には同性に求愛しておりゴキブリの女子力に夢中である。（外部リンク）
アブラムシ: 独特な髪型の少女の姿で描かれる。親戚のセミ同様に失禁症。植物を見つけると満腹になっても飲み続け、聖水をたれ流して作物に肉体的・精神的暴力を加える。聖水はアリなど他の虫たちの好物にもなっておりスカトロ産業が成立している。仲間の糞を食べるゴキブリにドン引きされる言われは無いと思う。
アリ: 黒い服の少女の姿で描かれる。アブラムシから聖水をもらう代わりに番兵をしている聖水パートナー。アブラムシの尻からダイレクトに聖水をもらうプレイを楽しんでおり、彼女らを百合系と疑うゴキブリをプレイに誘う。親戚はハチ。（関連動画）
カイガラムシ: 貝殻に入った女性の姿で描かれる。足が退化して動けない身を不憫に思い「私は貝になりたい」とつぶやくが、当の彼女が既に誰よりも貝である。人間の都合で害虫としても益虫としても扱われてしまう我が身を嘆き自殺を望むが、動けないので無理である。
カブトムシ: 人気者の男子と違い、交尾を強いられ子供を作るためだけに飼われている女子。外の世界に憧れ、ゴキブリによって虫カゴから連れ出される。ゴキブリに「デブ」と言われただけで傷つき、シマ蚊から「でっかいカナブン」と言われただけで致命傷を負うなど非常にメンタルが弱い。
ムカデ: ゴキブリの天敵の肉食系女子（物理）。髪型は一つ三つ編（一節一足）
ヤスデ: 草食系女子。自身をムカデと比べてやたらプラスイメージで語る。ちゃっかりとキツいことを言ったり、青酸カリ入りの体液を出したりと、ある意味ムカデよりタチが悪い。髪型は二つ三つ編（一節二足）
ハナアブ: ガラの悪い女子。ゴキブリの天敵のハチにそっくりだが実はコスプレで、正体はハチでもアブでもなくハエの仲間。幼虫の頃はナメクジのコスをし腐った水に住んでいたが、それは消したい過去である。（関連動画）
ツチハンミョウ: 触っただけで危険な女子。劇薬「斑猫の粉」は彼女の体液「カンタリジン」から作られるが、この成分は育毛にも効果があり、セクハラオヤジの美意識に貢献してしまっている。
コガネグモ: 派手目の女子の姿で描かれる。小兼の実験で卓也のコーヒーの中に入れられる。カフェインで酔える。（関連動画）
テントウムシ: 背中の水玉模様が人間から人気の女子。だが、ワキガ。優しそうなイメージとは裏腹に、仲間にはアブラムシやカイガラムシを食い殺すナナホシテントウや菌を貪り食うキイロテントウ（いずれも益虫）もいるが、本作に登場するのはナス科の植物を好んで食べる草食系（害虫）。人間から嫌われたいのには訳があるらしい。（外部リンク）
カゲロウ: マスクをしたセーラー服の女子の姿で描かれる。羽化しても亜成虫のまま一生を終えるため成虫になれず、さらに羽化後は食事もできず、生殖のために自分を叩き売りする。すぐに滅んでしまいそうなはかない存在だが、実は３億年前から生きているゴキブリの同期。
ユスリカ: オスが蚊柱を作る。そのため女子にはすさまじい規模のモテ期が来る。名前にカと付くが血は吸わない。
スズメガ: ギャル風の女子の姿で描かれる。白熱電球の出す紫外線に引き寄せられるため、紫外線を出さないLEDは彼女らにとって魅力ゼロである。
シロアリ: 家庭内メイド。ゴキブリの親戚…ではあるが他の虫(こ)には言いにくい事柄のようだ。国土交通省認定「建築物の破壊者」
カマキリ: 両手に刃物を持った姿で描かれる。ゴキブリとシロアリの遠い親戚。交尾中に旦那の頭を食いちぎり、哺乳類さえ捕食する（関連動画）。同じプロトファスマを先祖としながら、進化の過程でどうしてこうなった。
ムツトゲイセキグモ: キャンギャルのような衣装を着ている。性フェロモンを空気中に散布しガのオスを誘引する「化学擬態」を行う。引っ掛けたたガは、投げ縄状の糸で捕獲する自然界のキャッチガール。（関連動画）
ヒトリガ: ナンパでチャラいオス。まんまとムツトゲイセキグモの擬態に騙された。