【 東方昭和伝第七部 日中激突編 】 [ 昭和12年6月 ~ 昭和14年(1939年)1月 ]
≪ 主なできごと ≫ 盧溝橋事件 通州事件 大山中尉殺害事件 第2次上海事変 北一輝らの処刑 石原莞爾作戦部長更迭 トラウトマン和平工作 南京陥落(南京事件) 国家総動員法制定
≪ 役名・肩書き・演者 肩書きは原則として作中の現職。元職は特記のみ ≫
宮中
外国要人
そのほかモブ役として、魂魄妖忌(偉そうな軍人)・射命丸文(マスコミ)・レイセン(中・下級軍人)・毛玉(中国兵)・高木社長(随時)
1901年、いわゆる『義和団の乱(北清事変)』の鎮圧について、日本・アメリカ・欧州諸国(英・仏・独・露・伊・墺・西・蘭・白)と、当時の清国との間で調印された『北京議定書』(北清事変に関する最終議定書)のこと。この議定書によって列強各国は、清国(中国)国内の要所への軍隊駐留権や、ほとんど各国の領土に等しい程の治外法権を持つ租界・居留地の設置権を獲得。清王朝滅亡後も、結局第2次世界大戦終結までそれは有効であった。
さらに清国は国家予算の5倍とも10倍ともいわれる賠償金を課され、賠償負担は中華民国政府に引き継がれ、最終的に1938年まで支払いが続けられた。
大本営設置により設立された「大本営陸軍部」と「大本営海軍部」より発せられる命令のこと。正式呼称は「大本営陸軍部命令」と「大本営海軍部命令」であり、陸軍は「命」、海軍は「令」を用いる。
支那事変における「軍」の区分け
支那事変以前、日本本土以外に駐屯する陸軍部隊には朝鮮軍・台湾軍・関東軍・支那駐屯軍があったが、支那事変以後様々な「軍」や「方面軍」「派遣軍」が設立された。ここで、支那事変に関する主要なものについて整理する。
※キャスティングされていなくて、作中登場の多い人物につき
昭和期の陸軍軍人。最終階級は大将、加えて元帥府に列する。福岡県出身、陸軍大学校22期。同期生に小磯国昭・畑俊六など、昭和の陸軍史を彩る高級将官が多数いる。大正期より宇垣一成の派閥であり、宇垣陸相(浜口)と南次郎陸相(第2次若槻)の下で陸軍次官。小磯・二宮治重(陸大22期)・建川美次(陸大21期)らとともに「宇垣四天王」と称されるも、満州事変と陸軍皇道派の台頭によって一時中央の要職を追われる。しかし二・二六事件で皇道派が壊滅すると、権力闘争外にいたことが幸いして教育総監に就任。続いて林銑十郎内閣・第1次近衛内閣で陸軍大臣となり、支那事変開戦期の戦争指導に関わることとなる。
昭和15年には閑院宮元帥のあとを継いで参謀総長に就任し、太平洋戦争の開戦と作戦指導の中枢に位置。東条内閣末期の政軍一元化問題で東条と対立して参謀総長を追われるが、直後の小磯内閣では陸軍大臣に返り咲いた。
大正期の上原勇作元帥に続いて、陸軍三長官(大臣・総長・総監)を全て経験した史上2人目の将官という華やかな経歴を誇るが、その性能は周囲から全く評価されておらず、「ボケ元」「グズ元」「便所のドア」(当時のトイレのドアは押しも引きもできるようになっており、他人の言動に簡単に左右される様を揶揄)等々、悪評のアダ名は豊富。また太平洋戦争開戦直前、昭和天皇に対米戦の見通しを問われて楽観的に答えたところ、支那事変の際にも同様の楽観論を唱えながら未だに終わらないことを詰問され、苦し紛れに「支那は広すぎるので」と回答。天皇に「太平洋はもっと広いではないか」と切り返された逸話が有名である。
終戦直後の9月12日、夫人とともに自決。参謀総長時代に御前会議等の様子を記録した『杉山メモ』があり、開戦・戦中についての一級資料となっている。
・「昭和 二万日の全記録 第4巻日中戦争への道」(講談社)
・青柳恵介「風の男白洲次郎」(新潮文庫)
・粟屋憲太郎「昭和の歴史6 昭和の政党」(小学館)
・阿部博行「石原莞爾 生涯とその時代(上)」(法政大学出版局)
・阿部牧郎「英雄の魂 小説石原莞爾」(祥伝社)
・磯部浅一「獄中日記」
・井上寿一「昭和史の逆説」(新潮新書)
・猪木正道「評伝吉田茂3」(ちくま学芸文庫)
・臼井勝美「新版 日中戦争」(中公新書)
・生出寿「悪魔的参謀辻政信」(徳間文庫)
・生出寿「米内光政」(徳間文庫)
・大杉一雄「日中戦争への道 満蒙華北問題と衝突への分岐点」(講談社学術文庫)
・大塚健洋「大川周明と近代日本」(木鐸社)
・岡崎久彦「重光・東郷とその時代」(PHP文庫)
・岡義武「近衛文麿」(岩波新書)
・桶谷秀昭「昭和精神史」(文春文庫)
・風間道太郎「尾崎秀実伝」(教養選書)
・風見章「近衛内閣」(中公文庫)
・勝田龍夫「重臣たちの昭和史(下)」(文芸春秋)
・加藤陽子「満州事変から日中戦争へ」(岩波新書)
・亀井宏「東條英機(上)」(光人社NF文庫)
・北岡伸一「日本の近代5 政党から軍部へ」(中央公論新社)
・北博昭「二・二六事件全検証」(朝日新聞社)
・北博昭「日中開戦」(中公新書)
・北康利「白洲次郎 占領を背負った男(上)」(講談社文庫)
・児島襄「日中戦争Vol.3」(文芸春秋)
・児島襄「天皇Ⅲ 二・二六事件」(文春文庫)
・小室直樹、渡部昇一「封印の昭和史」(徳間書店)
・ゴードン・W・プランゲ「ゾルゲ東京を狙え(上)」(原書房)
・酒井三郎「昭和研究会 ある知識人集団の軌跡」(講談社文庫)
・産経新聞連載「歴史に消えた参謀 吉田茂と辰巳栄一」
・幣原喜重郎「外交五十年」(読売新聞社)
・ジョン・ダワー「吉田茂とその時代(上)」(中公文庫)
・杉森久英「夕日将軍 小説・石原莞爾」(河出文庫)
・杉森久英「参謀・辻政信」(河出文庫)
・杉森久英「近衛文麿」(河出書房新社)
・多田井善生「決断した男 木戸幸一の昭和」(文藝春秋)
・田原総一朗「なぜ日本は「大東亜戦争」を戦ったのか アジア主義者の夢と挫折」(PHP研究所)
・茶谷誠一「昭和天皇側近たちの戦争」(吉川弘文館)
・筒井清忠「近衛文麿 教養主義的ポピュリストの悲劇」(岩波現代文庫)
・筒井清忠「解明・昭和史 東京裁判までの道」(朝日新聞出版)
・豊田穣「激流の弧舟 提督・米内光政の生涯」(講談社)
・西川秀和『フランクリン・ローズヴェルト大統領の「隔離」演説』
・日本国際政治学会「太平洋戦争への道 日中戦争<上>」(朝日新聞社)
・野村浩一「現代アジアの肖像2 蒋介石と毛沢東」(岩波書店)
・秦郁彦「昭和史の謎を追う(上)」(文春文庫)
・服部龍二「広田弘毅 『悲劇の宰相』の実像」(中公新書)
・早坂隆「松井石根と南京事件の真実」 (文春新書)
・半藤一利「昭和史」(平凡社)
・半藤一利ほか「あの戦争になぜ負けたのか」(文春新書)
・福田和也「地ひらく 石原莞爾と昭和の夢」(文芸春秋)
・藤原彰「昭和の歴史5 日中全面戦争」(小学館)
・保阪正康「検証・昭和史の焦点」(文春文庫)
・保阪正康「昭和陸軍の研究(上)」(朝日文庫)
・保阪正康「東條英機と天皇の時代」(ちくま文庫)
・保阪正康「蒋介石」(文春新書)
・松本健一「評伝 北一輝 Ⅴ」(岩波書店)
・松本健一「大川周明」(岩波現代文庫)
・松本清張「昭和史発掘 13」(文藝春秋)
・矢吹一夫「昭和動乱私史(上)」(経済往来社)
・山室信一「キメラ――満州国の肖像」(中公新書)
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