「イキリツカ」
イキリ鯖太郎とは、fate/grand order男性主人公の藤丸立香に対する蔑称であり、転じて一部FGOファンに対する蔑称である。
本記事では当該蔑称の誕生経緯及びそれにまつわるネット上の騒動を記述する。
参考→太郎(ネットスラング)
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概要
FGOではゲームの特性上主人公は後方サポートに徹しサーヴァント(美しい女性や可憐な少女も多い)が戦うという、ポケモンスタイルの分担を取っている。
発端は2019年10月放送開始のアニメ『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』において、ゲームの役割分担をそのまま映像にした結果、傷つく女性の後ろにいる男性主人公の姿が特にアニメ初見勢を中心とした視聴者にはシュールに映ったというもの。
やがて「主人公が女の子達の後ろに隠れながらイキり散らしてる」などの揶揄が広まり、なろう系アニメにつけられる蔑称”太郎”を流用した「イキリ鯖太郎」なる蔑称が爆誕。twitterやまとめブログなどで流布され大規模な議論を巻き起こした。
なおキャラ名を一切無視して○○太郎とするのは太郎系蔑称のお約束であり、鯖はサーヴァントの略称からと思われる。
参考
Fateシリーズにおける「サーヴァント」とは魔術師が召喚する使い魔の中で最高位の存在、たった七騎集めれば文字通りの戦争ができる人型兵器。一般人はおろか、基本は超人である魔術師でも高位じゃなければ歯が立たない。実際魔術師が自分のサーヴァントに殺されることがよくある。
「マスター」とはサーヴァントを使役する魔術師、サーヴァントの行動のための魔力を供給する。マスターを失ったサーヴァントは弱体化、もしくは消滅する。
そのため、マスターはサーヴァントの弱点に当たり、サーヴァントに守られる立場にある。囮作戦や前線のサーヴァントの補給のために止むを得ない時以外は基本的に敵の攻撃の矢面には立たない。
FGOの主人公はマスターでありながら魔術の知識が一切無い一般人である。48人もあるマスター候補の中で数合わせとして訓練すら受けていない。本来は前線に出る機会がないが、黒幕によって他の候補が倒れ、主人公が「人類最後のマスター」になり、人類を救うために闘うことになった。
つまり主人公は弱い上に死んだら人類が滅亡するという立場にある。
性格面は没入型のスマホゲーであるため基本的には無味無臭なのだが、時折英霊を小馬鹿にするような頓珍漢な選択肢が提示されたり、セクハラでしかない選択肢しか選べなかったり、性格の悪い行動を率先して行ったり、逆にとても紳士的だったり仲間想いだったりと人格がよく定まっていない。
原作の主人公そのものについては、どの辺りをピックアップして考えるかとどこまでをネタだと割り切るかで「強力なサーヴァントの後ろでイキがってる」のか、「自分に出来ることを頑張っているだけ」なのか意見が分かれるだろう。
ここまでなら「それぞれ意見があるんだね、アニメ版はどうなるだろうね」で軽く流せる話だったのだが、これに過剰反応を起こした人々と焚きつけた人々による論争が起きたために話がややこしい方向へ行くことになる。
論争
イキリ鯖太郎流行に伴い、twitter上などでぐだ男/藤丸立香を擁護する人達とそれに反論する人達の大規模な論争が巻き起こった。以下は両陣営の主な論調。
藤丸立香は悪くないよ派
「バビロニアアニメを見たFGO未プレイ勢(批判勢のみ)に言わせてもらう。
お 前 ら 世 界 を 背 負 っ て 戦 場 に 立 つ こ と が で き る の ?
なろう主人公みたいにすごい力を持たずやむを得ずに戦場に立つことができるの?
立香ニキいないとマシュ(と契約してる鯖)戦えないよ?」
「確かにFGOアニメは原作プレイ済み前提だからアニメだけだと分からないだろうけど…
決してイキってる訳じゃない。 自分の出来ることをしようと恐怖を誤魔化して
最前線でサーヴァントと共に戦ってるんだよね。」
「カルデアのマスターをイキり鯖太郎呼ばわりしてる奴には、
カルデアのサーヴァントはきっと従わず、グランドオーダーは遂げられないだろうね……」
「頭おかしいのしかいない地雷原だらけのサーヴァント達と仲良くできるコミュ力なめんなよ。
本家の令呪と違って弱いし、本人も弱いからコロッと死んでもおかしくない状態で生き残り、
SAN値削れる体験しまくった人間がイキってるわけないだろ、舐めんなよオリハルコンメンタル。」
やっぱイキリ鯖太郎じゃん派
「グランドくそ野郎や穀潰しや乳上や太陽ゴリラが許されてイキリ鯖太郎が許されないんですか」
「イキリ鯖太郎に笑ってるんじゃなくてイキリ鯖太郎で沸いて出た本物のイキリに笑ってるんですよね」
「イキリ鯖太郎に憤慨するのは分かるけど「ギルガメッシュにやられるぞ」とか鯖使ってイキってるの
ほんと草でしょ 自らイキリ鯖太郎を補完してどうする」
「色んなサーヴァントに変なあだ名付けてきたFGOプレイヤーが「イキリ鯖太郎」でキレてるのは
主人公に自分を投影してるから、イキリ鯖太郎にキレてる人の9割5分3厘はこれ。」
「原作の主人公勢は体張って大切なもの守ってたけどFGOの主人公は何もしていない」
「頑張ってるのは鯖なのに主人公ばかり評価されているのはおかしい」
中立派
「イキリ鯖太郎は偉人催眠NTR太郎とか塩太郎とか言われるよりはマシだよマシ」
プレイヤーの問題
- まず大前提として、アニメ作品や好きなゲーム作品のキャラクターに対し蔑称を付けて呼ぶという行為自体が褒められたものではない。例えば「グランドクソ野郎」や「おっぱいタイツ師匠」など、そういった蔑称での呼び方をする事はそういった呼び回しを嫌うユーザーの事を考えていない行為である。そして勿論イキリ鯖太郎も蔑称であり、これを率先して言って回るような行為は正当化されるものではない。
それを踏まえた上で、ここまで論争が激化したのはFate/Grand Orderのユーザー民度の低さ、より正確に言うとプレイヤー人口がとても多いため無自覚な迷惑行為をするユーザーが多いことが今回の論争の根本的原因であると推察できる。
いわゆるFGO界隈は第一部が完結した 2016年12月近辺から爆発的にユーザーを増やし、一躍トップタイトルに上り詰めた。特に6章~最終章の第一部終盤のシナリオの評価は原作者である奈須きのこ執筆の影響もあり非常に評価が高く、多くのファンを生み出したといっていい。
しかし、これを境に、ユーザー間で称賛の声とは別に「FGOへの否定的意見は許さない」という風潮が確立されて、次第に否定的意見そのものを排斥する流れが加速していった。
FGOが大きく取り沙汰されるSNSであるTwitterでは、FGOへの否定的な意見を感じた個人から有名絵師までが少しそれらの意見(周回がきつい、ガチャが渋いなどの低レベルなもの)などを書き込んだだけでリムーブ、ブロックされたなどの話はTwitterでこの界隈にいたものならば一度は目にしただろう。このため、FGO界隈では「否定はほぼ許されず、辛うじて(公式もネタにしている)ガチャの渋さや爆死、マラソンなどについてなら言及程度は良い」というような論調が定着していた。
結果、これらが長年に渡り続いたことで、FGOユーザーは「極端な作品への称賛的執着と、否定的意見への著しい耐性の無さ」を両立させてしまったと思われる。
更にこれらの行動は副産物として「かつて否定的な面を発信して排斥された者達」や「否定意見を封殺されて発言できなくなっていた者達」、及び「何かしら引き合いに出された作品のファン」、「他のTYPE-MOON作品のファンであり、FGOには興味がないもの達」…等々幅広い方向に対して多大なヘイトを溜めさせる結果となっている。その度合いは「いちいち引き合いに出してきて何か鬱陶しいなぁ…」といった軽いモノから、「原作キャラを弄り回したり変な発言させてんじゃねえぞクソが!」といったような重いモノまで千差万別であり、何かのキッカケで爆発することがあれば様々な方面まで燃え広がる可能性を秘めていたのである。
今回の騒動においては、上述したような内輪性の高いコミュニティが継続した結果として、過去の「否定意見の排斥」という成功体験を積み重ねていた過激派ユーザー層が、今回のイキリ鯖太郎にも同様の手法(否定意見の排斥、無闇矢鱈な否定意見への反論)を重ねているのが延焼の最大の原因であると考察できる。これは、コミュニティ内、ゲーム内という閉じられた範囲でならユーザー間のトラブルとして圧倒的多数であったファン層で排他的ともいえる自治行為が可能だったのに対して、アニメというマルチなメディアミックス展開により幅広い層が流入し、広範囲に及ぶ意見を交わす場でこれらの行為に及んだためである。
そもそも全ての人間に受け入れられる作品は存在しないという普遍的な価値観を度外視し、徹底排除すれば肯定意見のみになるという方法論を延々と繰り返した結果が、他の太郎ネタとは一線を画した炎上につながったと言えるだろう。
※これらの過激な主張をしているのは一部のユーザーのみであるが、穏健派ユーザーは特に自己主張することが無いため、過激派、つまり声が大きい者の言動がユーザー全体の意思と見做されている。人口の増加によりこういった過激派の数もまた増加しているのでより目につきやすくなっている。 - FGOプレイヤー達がイキリ鯖太郎という蔑称に対して大きく憤慨した理由の1つに、いわゆる”小説家になろう”作品のなろう系の蔑称に多く見られる『〇〇太郎』と同列に扱われた事が大きいとされる。参考→太郎(ネットスラング)
FGOはシナリオをメインに据えているソーシャルゲームであり、主人公=プレイヤーといった表現の強い作品の為、それらなろう系主人公と同一に視られる事に対して大きな嫌悪感を覚えたものと思われる(これは同時に「なろう系作品なら貶しても良い」という差別意識の発露でもある)。 - FGOプレイヤーの一部はサーヴァントの力を主人公の力と認識し「傲慢で威圧的な主人公が特定のキャラクターを貶める」という二次創作や発言をするユーザーも見られ、それが反感を買いプレイヤー全体にまで悪印象を持たせている。
- この蔑称が広まるにあたり、それを否定しようとしたのか「〇〇のキャラだって鯖太郎と同じ」等という論調が各所で散見された。FGO主人公を擁護する為に貶められた該当作品のファンは好意的に受け止める筈もなく、FGO全体に対するいらぬヘイトを集める結果となった。
- そしてFGOプレイヤーやFGOそのものに対してヘイトを溜めていた者達にとっては、今まさに溜まりに溜まった鬱憤をぶつけ返している最中であるといえる。彼らの層も一枚岩ではない。このワードやデリヘル偉人バトルを広めようとする者。ここぞとばかりに今までやってきたことを列挙しながら煽る者。どの辺りがどう問題なのかと懇切丁寧に伝えようとする者。障碍者手帳を絡めたイラストと共に障碍者を巻き込んで侮辱しつつ中傷するなど極めてモラルに欠けた行動を取る者。この機会に現状を変えようと動画投稿して注意喚起しようとする者。「イキリ鯖太郎は草」とだけコメントする者。……など多種多様である。
この蔑称が主人公だけでなくプレイヤーも含めたものとして爆発的に広まった原因は、FGOプレイヤーの過剰な対応とそれまで撒き散らしてきた大量のヘイトに大きく起因したと言えよう。
関連項目
- イキリツカ - fate/grand order(藤丸立香本人ではなくを彼を使ったイキり系二次創作へのもの。数年前から使われており、一部ファンやライターに向けた揶揄の先駆け的存在)
- スマホ太郎 - 異世界はスマートフォンとともに。(元祖太郎)
- イキリ骨太郎 - オーバーロード(小説) (この呼称の直接の元ネタと思われる)
- いきなりサバ太郎!- おつまみにどうぞ
- コピペブログ- 俗にいう「まとめサイト」 多くのサイトがこぞってこの蔑称をまとめた
- デリヘル偉人バトル-FGOの蔑称
初出は公式?
「そりゃあますます羨ましい。女の後ろでイキっているだけで英雄サマときた!」byベリル・ガット
※Fate/Grand Order「Lostbelt No.3 人智統合真国 シン プロローグ intro.3-3」より抜粋
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