ゼルダの伝説 神々のトライフォース2とは、2013年12月26日に任天堂から発売されたニンテンドー3DS専用ソフトである。
概要
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1991年11月21日にスーパーファミコンで発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の続編。前作から22年ぶりの発売となる。ゼルダシリーズは基本的に全ての作品が裏設定で繋がっており(ゼルダ史参照)、中には『時のオカリナ』→『ムジュラの仮面』、『神々のトライフォース』→『夢をみる島』のような直接的な続編もあるが、明確に「2」と銘打たれた続編は本作が初めてである。
2013年4月17日のニンテンドーダイレクトで初めて発表された。
発売直前よりCMが公開されており、かつて『神々のトライフォース』のCMソングを歌ったスチャダラパーが再びCMソングを歌っている。
前作『神々のトライフォース』から長い年月が流れたハイラルが今作の舞台である。
また、他にロウラルという異世界が登場し、この2つの世界を救うことが今作の舞台となる。
海外では日本に先んじて2013年11月に発売されており、高い評価を獲得している。そして、大手レビューサイトGameSpotにより、2013年のGame of the year大賞に選出された。(ソース)
あらすじ
かつて世界を救った勇者の伝説が伝わる土地・ハイラルに住む鍛冶屋見習いの少年・リンクは、ある日おつかいの途中で、教会のシスター・セレスが謎の男・ユガに襲われ、不思議な力で絵画にされるところを目撃してしまう。この事件を知らせるためにハイラル城の姫君・ゼルダに謁見し、代々王家に伝わるお守りを託されたリンクだったが、直後にハイラル城はユガによって封印されてしまう。
ハイラル城の封印を解くために冒険の旅に出たリンク。その過程で、ユガがハイラル各地の人々を次々と絵画に変えていく理由、そしてハイラルとよく似た異世界・ロウラルの存在が明らかになっていく。
本作のシステム
高低差を活かした謎解き
『神々のトライフォース』をほぼ忠実に再現している本作のマップだが、3DSの立体視機能をフルに活かし、マップには高低の差が明確に設けられている。これにより、ジャンプで上に上がったり穴に落下したりといったゼルダお馴染みのアクションが、よりダイナミックに感じられる。
壁画システム
第一報から大きく取り上げられていた、本作最大の特徴その1。
序盤で入手するあるアイテムの力により、リンクは壁に触れることで、壁画となって壁の中を自由に動き回ることができる。これによって離れた足場へ壁伝いに移動したり、普通では通れない細い隙間を通ったり、はたまた壁に逃げ込んで敵の攻撃を緊急回避したりと、今までのシリーズではなかった様々なアクションが行なえる。
また、ハイラルとロウラルは世界各所にある不思議な亀裂によって繋がっており、この亀裂に入り込むためにも壁画になる必要がある。
アイテムレンタル
ゼルダの当たり前を見直すことから生まれた、本作最大の特徴その2。
ゼルダシリーズと言えば、「ダンジョンで新しい装備アイテムを入手する」→「そのアイテムを使ってボスを倒し、新しいダンジョンへ進む」という流れが当たり前だった。だが本作では、装備アイテムはダンジョンではなくショップで店売りされており、かつほぼ全てを序盤から、低料金で自由にレンタルできる。
これにより、一部の例外を除いて「ダンジョンを攻略する順番」というものがなくなり、プレイヤーがどのダンジョンから攻略するか、どのような戦略でボスを倒すかの自由度が飛躍的に上がった。逆にレンタルしない自由もあるため、その気になれば剣とカンテラだけでラスボスに挑んだりもできる。
ちなみにレンタルした品はゲームオーバーになると全て返却されてしまい、また金を払って借り直さなければならない。高い金を払ってアイテムを買い取ればゲームオーバーになっても没収されなくなり、同時にとある場所で改造による強化が可能になる。どのアイテムから買い取って強化していくかもまたプレイヤーの自由である。
がんばりゲージ
『スカイウォードソード』のがんばりゲージと、『神々のトライフォース』の魔力ゲージを足したようなシステム。本作では、壁画化と装備アイテムのパワーソースが1本のがんばりゲージに一元化されており、壁画になったりアイテムを使用するとそのたびにゲージが減る。ゲージが空になると壁画化は強制終了し、アイテムはゲージが自動回復するまでの一定時間使えなくなってしまう。
これによって、爆弾や弓矢などの消耗品だったアイテムは、補充を気にせずいくらでも使えるようになった。一方で、強力なアイテムを連発しまくって強引に敵を倒すようなプレイはやりづらくなっているため、戦闘には戦略が求められる。
登場人物
- リンク
毎度おなじみ緑の主人公。今回は鍛冶屋の見習いとして登場し、数奇な冒険に巻き込まれていくことになる。『神々のトライフォース』と同じ世界観だが、同作のリンクと血のつながりがあるのかは不明。 - ゼルダ
毎度おなじみハイラルの姫。伝説に伝わる勇者に憧れており、目の前に現れたリンクに勇者の面影を重ね、大事なお守りを託してくれる。最初から最後まで超ヒロインだった前作『スカイウォードソード』の反動か、今回は割と出番少な目。 - ラヴィオ
ウサギのマスクをかぶっている旅の商人。倒れていたリンクを助けてくれた後、勝手にリンクの家を改造してアイテムショップを始めてしまう。あらゆる装備アイテムを貸してくれる、リンクの冒険の要となる存在だが、割と軽い性格のお調子者。エンディングでは驚愕の正体が明らかになる。 - ヒルダ
ハイラルと対を成す異世界・ロウラルの姫。容姿は黒髪でより凛々しいゼルダといった感じ。魔物の跋扈や天変地異によって崩壊しつつあるロウラルを憂い、ハイラルの勇者であるリンクに協力を依頼する。その真の目的とは……? - ユガ
本作の敵役。美しさを愛する謎の芸術家。不思議な術を使ってハイラルに住む人々を次々と絵画に変えていき、大魔王ガノンの復活をもくろむ。美しいものを永遠に残すという思想を持っているがエジプトの壁画のようなデッサンを好み、怪物同然の姿であるガノンを美しいと評するなど美的センスはかなり独特。 - アイリン
魔法使い見習いの女の子。占いで「緑を大切にするといいことがある」と言われたことをきっかけに、リンクの冒険をサポートしてくれる。彼女にもらったベルを鳴らすと、世界各地のセーブポイントに一瞬で運んでくれる、『神トラ』のオカリナ担当。いわゆるツンデレさん。 - グリ
リンクが働いている鍛冶屋の一家の息子。寝坊して鍛冶の仕事に遅れがちなリンクを起こしに来るのが毎日の日課。動物に好かれるらしく普段は鍛冶屋から南にある広場で動物たちと戯れているが物語が進むと突然行方不明になる。 - セレス
教会の神父の娘である女性。七賢者の血をひいていたためユガに最初の標的にされ絵画に変えられてしまう。リンクとも顔なじみのようだが、いかんせん物語が始まってすぐに捕えられてしまうため影が薄い。ハイラル城の兵士長は彼女に惚れているようだが、こちらもユガにあっさりと破れて絵にされてしまった挙句ユガにラクガキ呼ばわりされてしまう。 - インパ
ゼルダ姫の付き人を務める老婆。リンクからセレスが絵画にされたという報告を聞きゼルダ姫に謁見させる。同名のキャラは他のゼルダシリーズにも多く登場しているが今回は『リンクの冒険』以来、26年ぶりである老人の姿で登場する。 - オーレン
ゾーラ族の女王。ハイラルのゾーラ達を治める現当主だが『神々のトライフォース』のキングゾーラの末裔かは不明。本来は美しい姿だが最初は大切な「スベスベ石」を盗人に奪われた影響で肥満化しているという強烈な姿で登場する。スベスベ石を取り返せば元の姿に戻り、お礼として「ゾーラの水かき」をくれる。 - ロッソ
採掘を生業にしている男性。へブラ山にある鉱石場で集めた鉱石はリンクが働いている鍛冶屋に提供しておりリンクとも顔なじみ。重い石を持ち上げられないリンクにパワーグローブ(彼のお古)を譲ってくれる。 - アスファル
カカリコ村の長老サハスラーラの息子。ラヴィオに借りたサンドロッドを手に意気揚々とユガに挑むが、あっさり返り討ちにされた。
アイテム
- 剣(マスターソード)
リンクの基本装備、『神トラ』と同様に、今回もまずはマスターソードの封印を解くことが冒険の目的となる。ダンジョン等に置かれているマスターストーンを手に入れることで2段階まで強化を施すことができる。 - 盾
同じくリンクの基本装備。道具屋で買える普通の盾と、ダンジョンで手に入るハイリアの盾の2種類がある。ハイリアの盾は普通の盾では防げない魔法弾も防ぐことができる。 - カンテラ
『神トラ』と同じく一番最初に手に入る装備アイテム。燭台に火をつけたり、暗いダンジョンを歩くのに使うほか、敵に攻撃も出来る。射程が極端に短いので攻撃手段としての実用性は薄いが、実は強化することでマスターソード並みの威力を持つスーパーカンテラに出来る。 - 虫取り網
某所でもらえるシリーズお馴染みのアイテム。今回は妖精や蜂に加えて、ハートや木になっているリンゴをすくって瓶に入れることも可能。こちらも強化するとマスターソード並みに強いスーパー虫取り網になる。 - ヒントメガネ
不思議な力を持つ鼻メガネ。これを装備すると、世界各地にいる「ヒントオバケ」が見えるようになり、このヒントオバケにゲームコインをお供えすることで謎解きのヒントや答えをもらえる。初心者救済用アイテムだが、ヒントメガネをかけている間は視界が極端に狭まるため「ヒントメガネかけっぱなしプレイ」なんてやりこみも可能。
ラヴィオの道具
- 弓矢
遠くの敵を攻撃したり、離れた場所にある仕掛けを動作させる事のできるアイテム。買い取って強化すると、扇状に3本の矢を同時発射出来るようになる。威力は高いが、高低差に弱いのが欠点。 - ブーメラン
遠くのアイテムを引き寄せたり、一定時間敵の動きを止めることができるお馴染みの便利アイテム。強化すると飛距離と速度が上がり、3本まで同時に発射できるようになる。 - フックショット
シリーズお馴染みの遠距離移動用アイテム。ブーメラン同様、遠くのアイテムを引き寄せたり、敵に当てて一定時間動きを止める事が可能。強化すると射程と速度が更に上がり小ダメージを与えられるようになる。 - ハンマー
杭を叩いて引っ込めたり、地面を叩いて衝撃波で敵をダウンさせたりする。直接攻撃もできるが、構えてから振り下ろすまでの隙が大きい。強化すると、衝撃波の効果範囲と攻撃力が倍増する。 - バクダン
脆い壁や床を破壊できるお馴染みのアイテム。弓矢と同じくストック制ではなくなったので、ゲージが許す限り何個でも置ける。とはいえ消費量もトップクラスなので計画的に。強化すると威力と効果範囲が上がるが、こちらも巻き込まれやすくもなる。 - ファイアロッド
炎を生み出すロッド。今回は火柱を発射するため上空の敵も攻撃できる。強化すると火柱の威力が倍増し、太さと射程も長くなる。ロッド系のアイテムは強力なもののゲージの消費が激しい。 - アイスロッド
氷を生み出すロッド。上空からつららを落として敵を凍りつかせ、溶岩などを固めて足場を作れる。上から落とすため、ファイアロッドとは逆に低い位置にいる敵を攻撃できるのが強み。強化するとつららを4本同時に発射するようになる。 - トルネードロッド
本作で初登場の、風を巻き起こすロッド。使用するとリンクの周囲に突風を巻き起こし、リンクを真上に飛び上がらせると同時に、風に巻き込まれた敵をダウンさせる。強化すると竜巻の効果範囲が倍になり、さらに小ダメージを与えることができるようになる。高所への移動、敵に囲まれた状況の打開、突進してくる敵の回避と応用が効くアイテムだが、がんばりゲージの消費が大きく連発できないことが欠点。 - サンドロッド
砂地で使用すると砂の柱を生み出し、足場や壁画用の壁に活用できる。砂の柱は一定時間で崩れるが、強化しておくと解除しない限り崩れない。砂地以外で使うと目の前に砂埃を巻き起こして敵をダウンさせられる。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
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