「ブレスオブファイアⅡ」とは、1994年にカプコンからスーパーファミコン用ソフトとして発売されたRPGである。2001年にはゲームボーイアドバンス用としてリバイバル移植された。正式タイトルは「ブレスオブファイアⅡ ~使命の子~」。略称はBOFⅡ、ブレスⅡなど。
概要
1993年に発売された「ブレスオブファイア」の続編。前作の合体、釣り、狩りといったBOF独自のシステムを継承しつつ、Ⅱでは新たに自分の街をつくる「共同体」というシステムが追加された。シリーズを通して合体や釣りといったサブシステムが廃止されていく中、共同体だけはV(ドラクォ)にまで継承されたサブシステムである。
共同体は建設を依頼する大工や連れてくる商人によって、見た目や商品がガラリと変わる「自分だけの街」を作れるのが売りで、ストーリーの進行にともなって次第に巨大化し、主人公たちの重要な拠点となる。自分たちの家もあるので、ここで休息するぶんにはタダという特典もついている。
合体システムはいくぶん変化し、前作ではダンクという専用の仲間を介してのみ可能だったが、今回では火、水、風、土、光、闇のシャーマンと各仲間が合体してパワーアップという形式になった。合体の中には特別な組み合わせで仲間の見た目がガラリと変わる「究極合体」があり、この形態になった仲間は戦闘能力が著しくアップしたり、キャラによっては能力の方向性が変わったりする。
あらすじ
かつて邪悪な女神ミリアの力を巡って黒竜族と白竜族が戦い、白竜族の勇者がミリアを封印して争いを治めた「女神戦争」から数千年、黒竜帝国皇帝ゾーゴンがミリア復活を画して白竜族を襲う。かろうじて難を逃れた白竜族の少年は、様々な種族からなる仲間たちと力を合わせてゾーゴン、およびミリアを倒して二つの竜族を統合したという。しかし統合された竜族の力はあまりにも大きくなりすぎ、彼らはその姿を歴史の表舞台から消した。
それから500年ほどが過ぎ、白竜族の少年とその仲間の伝説が遠いものになったころ、少年リュウは父ガナーと妹ユアとともに小さなケイト村で暮らしていた。村のはずれには巨大なドラゴンを思わせる彫像が、重い扉をふさぐように覆いかぶさっている。ドラゴンの威容に気圧されて村人の誰もが近づかないその「ドラゴンの丘」に、ひとり妹ユアだけは「ここで寝ていると母の夢が見られる」と言ってよく訪れているのだった。
妹に触発されてリュウも目を閉じる。それが全ての始まりだった。
キャラクター
リュウ
本編主人公の16歳。竜族。6歳までは父と妹と一緒に暮らしていたが、ある事件をきっかけに天涯孤独となり、相棒のボッシュとともに10年をどうにか生き抜いてきた。現在は冒険者ギルドに所属し、レンジャーとして何でも屋的な仕事をこなしている。主人公なので、パーティーから外すことはできない。典型的戦士タイプだが、若干の魔法も使える。ドラゴンに変身してすべてのAPと引き換えに強力な攻撃が可能だが、残りAP数が攻撃力に変換されるため、使いどころの見極めが肝要。
ボッシュ
最初に加わるパーティーメンバーで、リュウにとって無二の相棒。15歳の野馳せり(犬)族。やや小太りだが、意外と運動神経がよくお調子者。弓矢と回復魔法が得意な後衛タイプ。若干防御力に不安があるが、究極合体すると全身装甲に覆われて弱点がカバーされる。飛び道具を使うので、フィールド場で狩りをするときには重宝するメンバー。「ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター」にも相棒の立ち位置で登場するが、あまり面影は残っていない。
ランド
強靭な装甲に身を包む甲殻(アルマジロ)族の冒険家。31歳。巨漢で鈍重だがパワーと防御力はあるという、BOFⅡパーティーの壁役。フィールド上で体を丸めてスピンダッシュすると、高速で移動できるうえ敵にも遭わない。究極合体すると長所である防御力が各段に上昇する。
リンプー
Ⅰ~ⅢまでのBOF世界では希少な虎人(フーレン)族の少女で15歳。生まれながらの孤児で、希少価値ゆえ商品として扱われ続け、現在はその戦闘力を生かしコルセア闘技場50連勝のチャンピオンになっている。上半身には服を着ているが、下半身は何もはいていない。ケモナー大歓喜。防御力を犠牲に素早さと攻撃力で立ち回る、ランドとは対照的な前衛タイプ。究極合体すると戦闘力がアップするのみならず、すっぽんぽんになる(ただし炎のようなマーキングにより肝心な部分は隠れている)。「ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター」にリン=XXという近い名前と容姿のキャラクターが登場するが、どうやら無関係のようである。
ニーナ
シリーズお馴染みのメインヒロイン。飛翼族ウインディアの王女で17歳。Ⅰ、、Ⅳでは快活なお姫様であるが、Ⅱでは異端ともいえる黒翼の持ち主で「黒い翼の持ち主は国に災いをもたらす」との言い伝えから人々に忌み嫌われ、王家との関係も断ってこの世から消え去りたいと願っている。こういった性格に加え、スリットが大胆に入ったスカートをはいていることもあって、シリーズ随一の大人びた印象を受ける。いわゆる魔法担当の後衛タイプ。究極合体ではAPの増加に加えて、魔法の成功率も上昇する。飛行能力を持つため、フィールド上で彼女を先頭にしていると落とし穴を回避できる。
ステン
東方の高地民族ハイランダー(猿)族のお調子者。19歳。一見口の軽い道化師然としているが、隠された素性があるらしい。リンプーに類似した魔法戦士タイプで、若干撃たれ弱い。しかし彼がいないと通れないフィールドがある。究極合体では炎の猿となり攻撃力が大幅に上昇する。
タペタ
本名エカル=ホッパ=ド=ペ=タペタ。17歳。匍匐(カエル)族カエル王国第131代王子。ナルシストでフェミニストでおしゃべりでキザ、そのうえ戦闘ではあまり役に立たないというネタに近いキャラ。ステン同様に、彼がいないと通れない場所があるためパーティーに加える必要性がある。ただし究極合体するとリュウと同等に頼れる前衛にパワーアップする。
アスパー
植物系種族である草の人。111歳。一見女性に見えるが性別はないらしい。草の人はある年齢に達すると地面に根を下ろして賢樹となる定めであり、その時まで各地の先祖である賢樹を巡る旅を続けている。その旅の中で、アスパーは「どうして自分たちが存在するのか」という哲学的疑問を抱くようになっていた。見た目通りに華奢な後衛タイプだが、究極合体が三種類もある唯一のキャラクターで、花の化身では防御力と賢さ、少女タイプでは賢さとAP、球根タイプでは防御力と攻撃力が上昇する。球根タイプになると前衛もこなせるという万能型である。
ディース
Ⅰ~Ⅳを通して登場する下半身が蛇の大魔女(Ⅰ~とⅣでは別の存在)。ある条件を満たした場合にのみ仲間になる。能力としてはニーナをより攻撃的にした後衛タイプといったところ。特技によって何度でも自分のHPを完全回復できるため、防御力の低さが気にならない。
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関連項目
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