『僕の心のヤバイやつ』とは、秋田書店のウェブコミック配信サイト「チャンピオンクロス」で連載中の漫画作品である。略称は『僕ヤバ』。
概要
陽キャが憎くてたまらない…。
只今、中二病真っ最中の市川京太郎は、
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を企む!
だが、山田の意外な一面を知ってしまい…!?陽キャ美少女と陰キャ男子。
縮まるハズのない2人の距離に
奇跡は起きるか!?
陰キャ・京太郎の青春が今、かなり静かに動き出す…!!(チャンピオンクロス連載ページ
より引用)
| 僕の心のヤバイやつ | |
| 漫画 | |
|---|---|
| 作者 | 桜井のりお |
| 出版社 | 秋田書店 |
| レーベル | 少年チャンピオン・コミックス |
| 掲載 | 週刊少年チャンピオン →チャンピオンクロス →マンガクロス →チャンピオンクロス |
| 掲載期間 | 2018年3月- |
| 巻数 | 既刊12巻(2025年6月時点) |
| 漫画テンプレート | |
週刊少年チャンピオン2018年15号から18号まで、序盤の4回分が連載。その後同年4月にウェブコミック配信サイト「チャンピオンクロス」に移籍。7月にChampionタップ!との統合によりマンガクロスへ移籍したが、その後マンガクロスがチャンピオンクロスへ改名したため、改めてチャンピオンクロスで連載されている。(なお、本作は当初から秋田書店の漫画配信サイト用の漫画として企画されている。)
東京都目黒区洗足を舞台に、陰キャ男子・市川京太郎と陽キャ美少女・山田杏奈が、お互いを観察し、相手と自分を知りながら距離を縮めていく過程を描いたラブコメ未満まんが(Karte.15まで)→思春期ラブコメ(Karte.16より)。
タイトルの『僕の心のヤバイやつ』は、作者の「自分の中にある恋心なのか何なのかわからない感情を表現したい」という思いから付けられている。[1]
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https://twitter.com/lovely_pig328/status/1189465284442116096
ツイヤバ
チャンピオンクロスにて隔週更新されている本作だが、それとは別で、僕ヤバのイラストやおまけの短編漫画、通称『ツイヤバ』が作者Twitter(X)
にて不定期で投稿されている。
これらのイラストや短編の一部はTwitterで投稿後、作者のpixivアカウント
にも投稿されている。
二人の距離が徐々に近づいていく本編に対し、ツイヤバはラブコメらしく関係性が分かりやすい、キャッチーな内容となっている。[2]これは僕ヤバ初期の展開がラブコメとしては求心力がない・ラブコメというより観察系コメディになっていた[3]ためであり、ラブコメとしての僕ヤバの魅力をわかりやすく伝えるためのショートストーリーという位置づけで、ツイヤバの掲載が決定された。[4]
わかりやすく尊い2人の関係はネットバズを連発。ツイヤバがきっかけで本編も、展開によってはTwitterでトレンド入りする程の盛り上がりを見せている。
また、最新話掲載日に作者がTwitterに投稿する【更新】告知では、チャンピオンクロスでは見られない扉絵(カラーイラスト)も投稿されている。本編の内容を補完・象徴するシーンのイラストは、各話の考察・理解の一助となっている。
一部エピソードはコミックスにも収録。第3巻に収録された『おまけ1 闇の能力者』『おまけ2 身長測ってもらった』は、ツイヤバが初出。
登場人物
- 市川京太郎 CV:堀江瞬
- 主人公。中学二年生で身長152cmと小柄で、右目を隠した髪型が特徴。血液型はB型。
- 学園カースト底辺を自認する陰キャ男子であり、斜に構えた態度と内向的な性格で友達はいない。 猟奇的な内容の本をよく読んでおり、同級生を殺す妄想をしてはニヤニヤする「中二病」を患っている。
- しかしその心根は優しく困っている人を放っておけない性格で、周りの人の気持ちを推し量って一人ハラハラしたり、困っている人にこっそり手助けしたりすることもあり、時には思い切ったことをする行動力もある。
- 昼休みの図書室で、隠れてお菓子を食べる山田と出会い、人生が一変。自分を見下すスクールカースト上位の陽キャだと一方的に思っていた彼女と交流するうちに、次第に彼女に恋心を抱くようになる。
- しかし、陰キャ故の自己評価の低さから、当初は山田が自分に好意を持っていると思えず、彼女の言動や行動を悲観的に捉えてしまうこともあった。後に山田との交流を経て、自分自身の心・山田の思いと向き合えるよう少しずつ成長していく。
- 本作は彼の一人称視点で描かれており、表に出さない心情をモノローグとして語りながら進んでいく。(あくまでその時の彼自身のモノローグであり、語り手としては信頼できない存在。)
- 各回の題名は「僕は~」という彼が回顧したような一文となっており、ナンバリングの「Karte.XX」は「中二病の治療」という本作の初期のテーマに由来している。
- 山田杏奈 CV:羊宮妃那
- ヒロイン。中学二年生女子にして身長171cmとかなりのスタイルの持ち主。目黒区一の美少女と言われ、雑誌のモデルとして活動をしている学園カースト最上位の陽キャ女子。血液型はAB型。
- 見た目に反して子供っぽい一面があり、よくわからない所で笑ったり泣いたりする。何事も一生懸命に取り組むが、大雑把で不器用な性格故に、上手く行かないことのほうが多い。
- 給食だけでは足りないのか、昼休みに図書室でお菓子などを隠れて食べており、そこでほとんど接点のなかった市川と出会う。交流が進むにつれて市川の不器用な優しさに気付き、図書室にも頻繁に顔を出すようになっていく。
- 市川への恋心を自認してからは積極的にアプローチをかけており、何かと理由をつけてボディタッチを試みている。
- 基本的に彼女の内面は語られないが、言葉や表情・仕草などに表出した感情が非常に緻密に描かれており、台詞やモノローグがなくても彼女のその時々の感情の変化を想像できたり、何気ない描写が後々の思わぬ伏線となっていたりするなど、ラブコメながらミステリ小説のようなテイストがあるのも本作の魅力となっている。
- 小林ちひろ CV:朝井彩加
- 山田の親友。愛称は「ちぃ」「ばやしこ」。山田によく椅子にされたり不器用なスキンシップの餌食にされたりしている。スナックアレルギー。
- 山田に言い寄る男子の盾になっているため、市川は心の中で「彼氏さん」と呼んでいる。市川に対しては多少気を許しているが、たまに発する市川の中二病には平然と「キモッ」と言えるくらいにはドライ。また、自身はガードがゆるい。
- 市川と山田の関係に気づかない鈍感さを持つ。
- 関根萌子 CV:潘めぐみ
- 山田の親友。見た目も言動もギャルで平然と毒を吐く。市川は心の中で「ビッチ(さん/氏)」と呼んでいる。
- 男漁りに余念がなく、山田を釣り餌にナンパ待ちしたりクラス男子全員とのLINE交換を目論んだりしている。しかし性格は軟派どころかその反対で、周囲の心の機微を繊細に汲み取っては人知れず気を遣っている。
- 学年5位と成績は優秀で、オタクの兄がいる。
- 吉田芹那 CV:種﨑敦美
- 山田の親友。愛称は「にゃあ」。ヤンキーっぽい見た目で情に厚く、市川は心の中で「ヤンキーさん」と呼んでいる。
- 『クローズ』『WORST』の大ファンで、全巻読破している。
- 足立翔 CV:岡本信彦
- 市川・山田のクラスメートの男子。山田に好意を持っている。
- 神崎・太田とよく猥談をしており、ゲスな妄想や言動で山田たち女子に白い目で見られては自爆している。
- 神崎健太 CV:佐藤元
- 市川・山田のクラスメートの男子。坊主頭で真面目そうな見た目だが、性欲にまみれた思考と特殊性癖の持ち主。市川は心の中で「ブス専くん」と呼んでいる。
- 原さんに好意を持っており、二人で出かけたりするなど関係は良好。
- 原穂乃香 CV:豊崎愛生
- 市川・山田のクラスメートでポッチャリ体型のかわいらしい女の子。体型に自信はなく、自撮り写真は引きで映ろうとしたり、ダイエットしようと決意するもポケットにチョコパイを忍ばせたりしている。
- 市川と山田の関係になんとなく気付いおり、陰ながら見守っている。
- 南条ハルヤ CV:島﨑信長
- 市川・山田の通う中学の先輩。見た目通りのチャラ男で、市川からは「ナンパイセン」「ナンパイ」と心の中で呼ばれている。イカつい先輩と交流している。
- 山田に強引にアプローチをかけており、山田の親友グループ内ではクズ認定されているが、市川が山田へのアプローチを阻止するために川に投げ込んだ自転車を率先して引き上げたりと、そこまで悪い人ではない模様。
- 市川香菜 CV:田村ゆかり
- 市川の姉。弟と同じく母親似。血液型はB型。大学生であり、軽音楽部に入っている。
- ちょっとサバサバした性格だが、弟を「京ちゃん」と呼んで溺愛しており、バイトの合間の合間に京ちゃんをいろいろな所に連れ回しては世話を焼き、京ちゃんが病気で寝込んだ際には早く帰って来て寝顔を見守ったり、LINEでスカート試着の画像を京ちゃんに送りつけたりと、とにかく構い倒している。反対に市川からは冷たく対応されているが、そんな姉を市川は「おねえ」と呼んでいる。
- 市川同様やや陰キャな気質であり、男友達はほぼいない。また、初めて山田と対面した際は「ニチャア」とした笑顔を見せた。
- 読者人気は高く、チャンピオンクロスで外伝『僕の心のヤバイやつ ラブコメディが始まらない』が連載。
テレビアニメ
これまでも「アニメ化してほしいマンガランキング」で上位に入っていた本作だが、2023年に満を持してTVアニメの制作、放送がアナウンスされた。
2023年4月よりテレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠、BS朝日にて第1期が放送された。全12話。
アニメーション制作にシンエイ動画、監督は赤城博昭と、『からかい上手の高木さん』に関わったスタッフが複数参加した。
2024年1月より第2期が引き続き“NUMAnimation”枠・BS朝日ほかで放送された。全13話。
スタッフ
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 初回放送日 | 動画 |
|---|---|---|---|
| karte1 | 僕は奪われた | 2023 4/1 |
|
| karte2 | 僕は死んだ | 4/8 | |
| karte3 | 僕は抱きしめたい | 4/15 | |
| karte4 | 僕は心の病 | 4/22 | |
| karte5 | 僕らははぐれた | 4/29 | |
| karte6 | 僕は溶かした | 5/6 | |
| karte7 | 僕らは入れ替わってる | 5/13 | |
| karte8 | 僕は夢を見た | 5/20 | |
| karte9 | 僕は山田が嫌い | 5/27 | |
| karte10 | 僕らはゆっくり歩いた | 6/3 | |
| karte11 | 僕らは少し似ている | 6/10 | |
| karte12 | 僕は僕を知ってほしい | 6/17 |
| 話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 初回放送日 | 動画 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| karte13 | 僕らは探している | 青柳隆平 | 白幡良志之 | 松尾亜希子/前田園香 北村友幸/広中千恵美 降籏秀吉 |
2024 1/6 |
|
| karte14 | 僕は大人のなりかけ | 鮫月虎太郎 | 久保太郎 | 岡田絵里香/川島尚 降籏秀吉/大野勉 らいす/前田園香 |
1/13 | |
| karte15 | 僕は山田と | 高柳哲司 | パク・キョンスン | 松尾亜希子/前田園香 北村知幸/瀬戸良兼 降籏秀吉/中山和子 壹岐悠ノ介宮暁秀 |
1/20 | |
| karte16 | 山田は僕を | 桜井弘明 | 大久保亮 | 岡田絵里香/川嶋尚 らいす/前田園香 広中千恵美 |
1/27 | |
| karte17 | 僕は知りたい | 白幡良志之 | 曽根利幸 | 川嶋尚/岡田絵里花 泰洋美/大野勉 降旗秀吉/真島ジロウ |
2/3 | |
| karte18 | 山田は僕が好き | 青柳隆平 | 榎田敬宏 | 松尾琢次/中島ジロウ 前田園香 |
2/10 | |
| karte19 | 僕らは溢れ出る | 一居一平 | 江口大輔 | 富永武志/三橋文香 瀬戸良兼/前田園香 森円美/岡田絵理香 松尾亜希子 |
2/17 | |
| karte20 | 僕らは夜更かしした | 吉川博明 | 白幡良志之 | 小原佑太/川嶋尚 宮暁秀/北村友幸 渕脇泰賀/永山志成 瀬戸良兼/らいす 前田園香/中山和子 秦洋美/茂木琢次 |
2/24 | |
| karte21 | 僕らは約束した | 稲垣隆行 | 久保太郎 | 園田絵理香/前田園香 森円美/野口孝行 らいす/瀬戸良兼 シワスタカシ/太田数春 白井英治 |
3/2 | |
| karte22 | 僕は山田に近づきたい | 桜井弘明 | パクキョンスン | 広中千恵美/北村友幸 柴田ユウジ/泰洋美 川嶋尚/宮暁秀 渡辺圭太/前園園香 小原佑太/らいす 尾津鉄平/中城悦雄 多田和春/山崎梨楽 小牧容子 |
3/9 | |
| karte23 | 僕は負けたくない | 青柳隆平 | 本間みなみ | 広中千恵美/松尾亜希子 永山志成/森円美 尾津鉄平/渕脇泰賀 前田園香/真島ジロウ 山崎梨/楽山内大輔 |
3/16 | |
| karte24 | 僕は伝えたい | 鮫月虎太郎 | 江副仁美 | 柴田ユウジ/前田園香 川島尚/北村友幸 瀬戸良兼/秦洋美 らいす/森円美 中山和子/池津寿恵 永山志成/尾津鉄平 野中美希 |
3/23 | |
| karte25 | 僕と私の恋心 | 大地丙太郎 | 江口大輔 白幡良志之 |
岡田絵里香/尾津鉄平 広中千恵美/渕脇泰賀 九重亜夜/前田園香 三橋文香/川島尚 森円美/北村友幸 松尾亜希子/真島ジロウ |
3/30 |
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関連リンク
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- ツイヤバまとめ(Twitter(X))
- 桜井のりおのイラスト・マンガ - pixiv
- TVアニメ「僕の心のヤバイやつ」公式サイト
関連項目
脚注
- *【インタビュー】『ロロッロ!』『僕の心のヤバイやつ』桜井のりお「私はずっと挑み続ける!(下ネタも)」|コミスペ!

- *【インタビュー】『僕の心のヤバイやつ』桜井のりお「読者にも、二人の初恋を追体験してほしい」|コミスペ!

- *「徐々に近づく方が恋愛のリアリティがある」「読者に二人の初恋を追体験してほしい」「共感されるために慎重に距離を縮めていきたい」という作者の思いから意図的に展開が遅くされている。
- *マシーナリーともコラム:「埼玉には、山田がいない」「ツイヤバは完全ゲリラ」 『僕ヤバ』作者インタビューで私の感情はグチャグチャになりました【ねとらぼ】

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