- プロ野球選手一覧 > 則本昂大
則本昂大(のりもと たかひろ、1990年12月17日-)とは、滋賀県出身のプロ野球選手(投手)である。現在は東北楽天ゴールデンイーグルスに所属。
概要
| 東北楽天ゴールデンイーグルス #14 | |
|---|---|
| 則本昂大 | |
| 基本情報 | |
| 国籍 | |
| 出身地 | 滋賀県多賀町 |
| 生年月日 | 1990年12月17日 |
| 身長 体重 |
178cm 81kg |
| 選手情報 | |
| 投球・打撃 | 右投左打 |
| 守備位置 | 投手 |
| プロ入り | 2012年ドラフト2位 |
| 経歴 | |
| 国際大会 | |
| 代表チーム | |
| プレミア12 | 2015年 |
| WBC | 2017年 |
| プロ野球選手テンプレート | |
八幡商業高校時代は2年次からエースとなるが、県大会ベスト4が最高で甲子園出場はなかった。
三重中京大学に進学後、2年春から主力投手となり、大学通算33勝0敗、防御率0.56という成績を残す。4年次の大学選手権1回戦で大阪体育大学相手に延長10回で20奪三振(参考記録ながら、大隣憲司・藤岡貴裕の持つ19奪三振の記録を上回る)という快投を見せ、スカウトからも注目を集めた。
2012年のドラフト会議で、東北楽天ゴールデンイーグルスに2位で指名され入団。背番号14。三重中京大学は2012年度限りで閉校が決まっており、則本らは最後の卒業生だった。指名時には「大学はなくなってしまうが、名前を残すことができた」とコメント。
楽天時代
2013年はキャンプから高い評価を集め、オープン戦でも5試合で3勝0敗、防御率1.44と結果を残した。WBCに参加した田中将大が疲労を考慮して開幕戦を回避したため、なんとルーキーにして開幕投手に抜擢されることになった。[1]
開幕戦では7回途中4失点で敗戦投手となったが、2戦目の千葉ロッテマリーンズ戦でプロ初勝利を挙げると、その後は1年間ローテーションを守り、終わってみれば15勝8敗、防御率3.34を記録し、田中将大と先発2本柱としてチームの初優勝に大きく貢献、新人王のタイトルを獲得した。[2]
読売ジャイアンツとの日本シリーズでは開幕1戦目に登板(新人のシリーズ開幕登板は61年ぶり)、好投しながら敗戦投手となったが、続く5戦目に2番手で登板して自ら延長戦で勝ち越しのホームを踏み勝利投手に。さらに第7戦では美馬学のあとを受けて2番手で登板、無失点に抑えて田中将大へ繋ぎ、チームの日本一に貢献した。
2014年は2年連続の開幕投手を務め、開幕戦でプロ初完投勝利を挙げた。その後もチームの先発の柱として奮闘。セ・パ交流戦4完封(新記録)や、28と2/3回無失点等の記録を残す。7月は勝ち星に恵まれず、8月には中継ぎに配置換えされるなど2桁勝利手前で足踏みしファンをやきもきさせるが、先発復帰登板で10勝目、2年連続2桁勝利を達成。奪三振マシーンと化し、リーグ全出場野手から三振を奪った。
最終成績は30登板14勝10敗防御率3.02でエースとして定着。また、9完投7完封でリーグ最多完封・最多完投を達成し、204奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得した。
2015年、なんと新人から3年連続で開幕投手に選ばれ、2リーグ制となった1950年以降では1958~1960年の杉浦忠以来2人目の快挙を達成。開幕戦では北海道日本ハムファイターズの大谷翔平と投げ合い、5回途中までは完全試合ペースだったものの、味方のエラーもあり6回3失点(自責点0)で敗戦投手となっている。その後もシーズン中は援護点がなかなか得られず、6月には無援護の試合が2試合続くなどして大きく負け越す。7月以降も相変わらず援護と勝ち星には恵まれずにいたが、それでも先発ローテーションを一人で守り続け、この年の楽天の投手陣ではただ一人規定投球回に達し、自己最多となる215奪三振で2度目の奪三振王を獲得したが、10勝11敗、防御率2.91とプロ入りして初めて負け越した。
オフにプレミア12の日本代表に選出された。開幕の韓国戦において自己最多の157km/hをマークしたが、準決勝の韓国戦で4失点を喫し、敗戦投手となった。
2016年は2リーグ制以降では初となる4年連続の開幕投手となり、その開幕戦では前年王者の福岡ソフトバンクホークス相手に7回3失点11奪三振の力投で勝利をもぎ取った。8月6日の埼玉西武ライオンズ戦にてシーズン10勝目を挙げて4年連続二桁勝利を達成するも、ここから調子を落として5連敗を喫する。シーズン最後の登板となったソフトバンク戦では6回無失点で勝利をおさめたが最終成績は11勝11敗に終わり、一部では「暗黒エースのようだ」という声も上がってきている。またこの年は216奪三振を記録し、3年連続で最多奪三振を獲得した。
2017年はWBC日本代表に選出される。2戦に登板したがいずれも中継ぎで、4失点防御率9.82とイマイチだった。レギュラーシーズンでは開幕投手を譲ったが開幕を一軍で迎える。4月19日の西武戦から5月25日のオリックス・バファローズ戦まで、野茂英雄以来となる6戦連続二桁奪三振を記録。6月1日の巨人戦でNPB新記録となる7戦二桁奪三振を記録した。その後メジャー記録の8戦まで記録を伸ばしたが、6月15日の東京ヤクルトスワローズ戦では7回6失点8奪三振と乱調のまま降板し、二桁連続奪三振記録は8で止まった。オールスターゲームでは2戦目に先発登板し、自己最速となる158km/hを計測した。8月からチームが9連敗を喫し3位に転落した中、9月3日のソフトバンク戦に先発登板。8回無失点と好投したが、援護がないまま9回裏に志願してマウンドに上がる。ところがランナーをためてアルフレド・デスパイネにサヨナラタイムリーを打たれ、マウンド上で泣き崩れた。
2018年は開幕投手を務める。4月6日のソフトバンク戦で通算1000奪三振、5月19日の日本ハム戦で通算1000投球回を達成した。27試合の登板で10勝11敗と負け越したが、5年連続で最多奪三振のタイトルを獲得した。
2019年は3月に右肘のクリーニング手術を受けリハビリを重ね、7月9日のオリックス戦で復帰。6回無失点でシーズン初勝利を挙げた。12試合の登板で5勝5敗だった。
クライマックスシリーズ1stステージではソフトバンクのエース千賀滉大と投げ合い、ポストシーズン5試合目の登板にして初勝利を挙げた。
2020年は6度目の開幕投手を務め、開幕3連勝と好スタートを切ったが、その後は炎上の続く時期と好投の続く時期との波があり、9月にはベンチ裏で転倒して右手を切り1ヶ月近く抹消されるアクシデントもあった。結局規定投球回数にも届かず、5勝7敗に留まった。
2021年は投球フォームをワインドアップに戻して復調。23試合に登板し11勝を挙げた。
2022年は6月12日の巨人戦で通算1500投球回と100勝を同時に達成した。21試合の登板で10勝8敗だった。
2023年は一年を通して先発ローテーション入りし、24試合に先発登板。8勝8敗、111奪三振、防御率2.61を記録した。オフに投手キャプテンとなった。
2024年は松井裕樹がサンディエゴ・パドレスに移籍したことに伴い、抑えを務める。3月31日の西武戦でプロ初ホールド、4月2日の日本ハム戦でプロ初セーブを記録した。リーグ最多の54試合に登板し32セーブを挙げ、最多セーブ投手のタイトルを獲得した。
2025年は56試合に登板し、3勝4敗16セーブ10ホールドだった。10月1日には海外FA権を行使したことを発表した。
人物・プレースタイル
尊敬する選手は「炎のストッパー」津田恒実。背番号14も津田と同じ番号を希望して付けている。
最速158km/hのストレートにフォークやスライダーといった変化球を投げ分け、高い奪三振能力を誇る。反面チームの救援陣が弱いためか、投球回・球数共に多くなりやすく、場合によっては1試合で150球近く投げることもある。
成績
年度別投手成績
| 年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ | ブ |
ホ | ル ド |
勝 率 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2013年 | 楽天 | 27 | 25 | 3 | 0 | 15 | 8 | 0 | 0 | .652 | 170.0 | 142 | 14 | 51 | 6 | 134 | 4 | 65 | 63 | 3.34 |
| 2014年 | 30 | 28 | 9 | 7 | 14 | 10 | 0 | 0 | .583 | 202.2 | 187 | 14 | 39 | 6 | 204 | 1 | 73 | 68 | 3.02 | |
| 2015年 | 28 | 28 | 3 | 1 | 10 | 11 | 0 | 0 | .476 | 194.2 | 176 | 14 | 48 | 4 | 215 | 6 | 68 | 63 | 2.91 | |
| 2016年 | 28 | 28 | 2 | 0 | 11 | 11 | 0 | 0 | .500 | 195.0 | 192 | 12 | 50 | 6 | 216 | 5 | 87 | 63 | 2.91 | |
| 2017年 | 25 | 25 | 8 | 2 | 15 | 7 | 0 | 0 | .682 | 185.2 | 148 | 11 | 48 | 3 | 222 | 12 | 63 | 53 | 2.57 | |
| 2018年 | 27 | 26 | 4 | 1 | 10 | 11 | 0 | 0 | .476 | 180.1 | 171 | 18 | 51 | 3 | 187 | 5 | 78 | 74 | 3.67 | |
| 2019年 | 12 | 12 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0 | 0 | .500 | 68.0 | 58 | 7 | 10 | 3 | 67 | 1 | 27 | 21 | 2.78 | |
| 2020年 | 18 | 18 | 0 | 0 | 5 | 7 | 0 | 0 | .417 | 109.0 | 110 | 13 | 34 | 5 | 105 | 3 | 56 | 48 | 3.96 | |
| 2021年 | 23 | 23 | 1 | 1 | 11 | 5 | 0 | 0 | .688 | 144.2 | 123 | 18 | 35 | 3 | 152 | 3 | 56 | 51 | 3.17 | |
| 2022年 | 21 | 21 | 1 | 0 | 10 | 8 | 0 | 0 | .556 | 125.0 | 127 | 9 | 38 | 4 | 104 | 3 | 54 | 49 | 3.53 | |
| 2023年 | 24 | 24 | 0 | 0 | 8 | 8 | 0 | 0 | .500 | 155.0 | 134 | 7 | 44 | 1 | 111 | 5 | 57 | 45 | 2.61 | |
| 2024年 | 54 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 32 | 4 | .429 | 52.0 | 57 | 2 | 11 | 3 | 44 | 2 | 21 | 20 | 3.46 | |
| 2025年 | 56 | 1 | 0 | 0 | 3 | 4 | 16 | 10 | .429 | 56.0 | 60 | 4 | 20 | 2 | 43 | 0 | 19 | 19 | 3.05 | |
| NPB:13年 | 373 | 259 | 31 | 12 | 120 | 99 | 48 | 14 | .548 | 1838.0 | 1685 | 143 | 479 | 49 | 1804 | 50 | 724 | 637 | 3.12 | |
国際大会での投手成績
| 年度 | 代表 | 大会 | 登板 | 先発 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 奪三振 | 暴投 | 失点 | 自責点 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015年 | 日本 | プレミア12 | 4 | 0 | 1 | 1 | 0 | 13.0 | 7 | 0 | 1 | 8 | 0 | 4 | 4 | 6.00 |
| 2017年 | WBC | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3.2 | 7 | 1 | 1 | 3 | 0 | 4 | 4 | 9.82 |
タイトル・表彰・その他
| タイトル | ||
|---|---|---|
| 最多奪三振 | 4回 | 2014年-2017年 |
| 最多セーブ投手 | 1回 | 2024年 |
| 表彰 | ||
| 新人王 | - | 2013年 |
| セ・パ交流戦優秀選手賞 | 1回 | 2014年 |
| 月間MVP | 2回 | 2014年6月、2017年5月 |
| ジョージア魂賞 | 2回 | 2013年、2014年 |
| その他 | ||
| オールスターゲーム出場 | 6回 | 2014年、2016年、2017年、2021年、2022年、2024年 |
| 開幕投手 | 7回 | 2013年-2016年、2018年、2020年、2022年 |
| 8戦連続二桁奪三振 | 1回 | 2017年 |
関連動画
関連項目
外部リンク
脚注
- *新人の開幕投手は、パ・リーグでは1958年の杉浦忠(南海)以来55年ぶり、セ・リーグを含めても1984年の高野光(ヤクルト)以来29年ぶりである。
- *パ・リーグの新人投手が15勝を挙げたのは1999年の松坂大輔以来。
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