ニコニコ大百科

調べた限りだと、量子テレポートは距離が関係なくなるって話で通信速度は物理現象に準ずる感じだな。
SFで量子テレポートと言うテレポート技術は出てくるけど、通信技術は別系統になってるのってやっぱりそういう理屈なのか。

>>599>>600
残念（？）ながらそのネタの作品はもうある……互いに2秒先の行動を予測してコマンド入力するってオチだったかな

>>601
要は、こちらでコインの表（裏）が出たらあちらは裏（表）が出るってことが確定してるだけで、出る面を指定できない（方法がないわけではない）から、結局出た面（の組み合わせ）に合わせた符丁を他の通信手段で伝える必要があるんだよな
よく「情報を伝える」と言われてるが情報理論的には完全に誤解で、出る面がランダムである以上符丁が届くまで表が出ようが裏が出ようが情報量が全く変化してない
そういう数学的な意味でも量子テレポートによる物質転送は不可能だったりするんだがな

まぁ超遠距離によるラグ問題を解決する手っ取り早い方法は、コンピュータ関係では基本的な「ボトルネック（一番足を引っ張っている部分）に全体を合わせる」を採用して、何らかの手段でプレイヤーの思考速度を停止ないし停滞させるだな

>>596
SFを書くのに必要なのは科学知識やセンスオブワンダー（想像力・発想力）じゃなく過去のSFガジェットに関する知識だから…

話変わるんだけども。
図書館戦争ってSF？

wikipediaで「図書館戦争」が「パラレルワールドやディストピアの世界を描いたSF小説にも分類される」ってことでジャンルにSFにも入ってるんだけど、いまいち納得いかない。
（全部は読んで無いから自信無いけど、多分架空兵器とかは出て無いはず）

ディストピアでも「虎よ！虎よ！」みたいにSFギミックが出るわけでも無く、近未来ものと言ってもタイムスリップしてるわけじゃない。
これは歴史IFってだけじゃないのか……
歴史IFって一般的にSF認識なのかな？

ちょっと雑談ついでに誰かの見解を聞かせて欲しい。

書いといてアレだけど歴史IFは違うか
歴史IFは史実と違う話だけど、図書館戦争は未来予想だし

>>605
図書館戦争は明確に現実と異なる歴史を辿った世界を描いた
改変歴史近未来ものだから問題なくSFに分類できると思う

図書館戦争は「もし検閲に対抗するために図書館が武装したら」っていう設定の話だけど
「もし○○が××だったら」っていう現実と違う設定をひとつ作って
そうなったら世界や社会がどうなるかをシミュレートするのはSFの定番だし
（最近の小説だと村田沙耶香の『殺人出産』『消滅世界』なんかが典型）

>>607
なるほど、納得した。ありがとう。
と言うか自分が最初からこの記事ちゃんと読んでれば良かったんだなぁ、ごめん
スペキュレイティヴ・フィクションは知らなんだ。
SF名乗るのに科学は必須じゃないんだなぁ

個人的にはやっぱりサイエンス・フィクションとスペキュレイティヴ・フィクションを同じジャンルって言われると「ミステリと歴史小説くらい違くない？」って思っちゃうけど、なんとなく考え方はわかった気がする。

SF作品で引っかかる点は
人間の寿命が現代と殆んど変わっとらんことだな。死にたくなければ生身の肉体を捨てるしかないと?

機械の体には生命が無いんだから 当然不老不死にもなれないだろうし
(ファンタジー世界だったら 妖怪だの吸血鬼だのになれば、平気で数百年〜数万年も生きられるんだよな)

言われてみれば、SFで「人間」として長寿命って少ないな
見た目は人間に似た何か、もしくは改造体に延命処置などを施すって形がよく見るパターンだっけ
まぁ人間を使ったハードSFだと、下手に寿命伸ばすとリアリティが剥がれるって懸念があるのかも知れないな

ちゃんとしたSF作家ならみんな一度は考えたと思うぞ
考えた上で、それを描く意味がないから描かない

生来の分子を一つとして有していないたかしくんは、果たしてたかしくんだと言えるんでしょうか？　っていうサイボーグ化で散々やった問答を繰り返さなきゃならんからな

今までさんざん描きつくされてきたテーマを、より地味で分かりにくい方法でなぞる必要ってないでしょ

今まであまり手を付けてこなかったSF小説を読んでみようと思ってるんだけどこれは読んでおくといいみたいなものある？
できればこれが源流でそこから派生してこんなのがあるみたいな感じである程度概略というか全体を網羅できるように教えてくれるとすごく助かります

>>604
確かに
昔の科学的知見や構想に基づいたガジェットを今でも脳死で使うから科学的な説得力に欠ける
結局のところ、書き手に科学教養が無いから現代に合わせたコンバートないしアップデートができない

SFガジェットを勉強するよりも、自分の得意分野を勉強して、それを極めて応用するっていう方向にしたらいいのでは。
例えば『新世界より』の設定は貴志先生の『サイコパス』っていうテーマを極めた結果できた物だと思ってる。
一分野を研究し続ければ結果的に、独自の世界やありうるだろう未来を作り出すことができるのかもしれない。

>>612
系統立てて読みたいならこんな掲示板ではなくきちんとまとめて書いてあるものに目を通すしかないのでは？

>>610
現代の時点で生物学的な老化や限界が見えちゃってるから何らかの手を加えないと長寿というのはファンタジーに見えちゃうと思う
新世界にてには超能力で不老長寿を得ている登場人物がいるけど超能力ものはSFカウントされるか難しい、分類的にはSFにカウントされているけど
科学的には無処置だと100年前後で老衰して死んじゃうのが現状だからSFにしたら迂闊にそこを避けて通れない、
光速を超えるのに一工夫いる相対性理論確立後のSFみたいなもの

視点・論点というNHKの番組にて
SF作家 小川 哲 「私たちはＳＦから何を得ることができるか」
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/449333.html

>>614
どの道自然科学系以外の分野を勉強した場合、それを応用してSFに落とし込む段階でSFガジェットの勉強は必須になる
『新世界より』も自然科学系の考察は杜撰寄りで、ガジェットが持つテンプレート的な説得力・ジャンル力に依存してる
要は、書きたい話を書くために都合の良いガジェット（条件）を用意した感じで、ノリはラボ実験や思考実験に近い
そんな感じで近年は、ガジェット（技術）から話を作るんじゃなく、話を作るためにガジェット（条件）を用意するSFが主流
科学考証が杜撰なのが多いのも、あくまで話を作るための舞台装置でしかないから二の次で良いし、むしろ詳細を詰め過ぎて首が締まると困るから
特に殆ど証明・実証されているような既知理論は詳細が割れているが故に融通が利かないから、書きたい話ベースだと変な所でコンフリクトを起こす
極論、書きたい話ベースなら別にSF由来のガジェットでなくて構わない（『新世界より』もテーマ的には別にSFガジェットを使う必要はそこまでない）のにSFガジェットを使うのって、「科学っぽい」というだけで（無知な人間に対しては）謎の説得力が生まれてしまうのが便利だからに感じる
感覚としては「水素水」とか「マイナスイオン」に近い

箱庭の科学交渉も、昔ある、たとえばシュレディンガーの猫という形で出すのも一種のSFか

大いなる倫理的な流れとか大いなる意志とか、人間の感性が宇宙の真理であるかのような、ID論的なスピリチュアリズムSFがどんどん増えてる印象がある。

それもスピリチュアリズムと無機質世界がお互いに仮説として描かれてる、現実的なSF作品までスピリチュアリズム世界観の導入が進められててなんだかなー。

>>619
そういう類は、最初から「科学」を書く気のない輩が説得力のために科学の威を借りてるだけだから仕方ない
何なら、そういう人間中心主義的な考えって宗教と相性が良いことから分かる通り、人を容易に引き付けるから結局は客商売なフィクションとも相性が良い
あと、人間の感性ないし認識っていう色々曖昧なものを中心に据えることで物語的な融通が利きやすくなって使い勝手が良いし、きっちり決まった物でないからSF警察から突っ込まれても口八丁で躱しやすい

新しくやる分には思想信条の問題だから、差別とか優生学とかに向かわなければ一向に構わないのだけど、元々乾いた無機質な性質の大きい作品を、新しい作者や関係者がスピリチュアル路線に改変していくのはかなりガッカリ。
正直原作レイプのレベル。

何より変なのは「SFはスピリチュアルで善き人間、ファンタジーは乾いた過酷で身勝手な人間」と、ファンタジーの方が無機質世界を描くのが増えてる事。

>>621
ファンタジーは好き勝手に見えて、神が明示されていたり（要は人間の天下ではない）、好き勝手にもルールがあったりで、本質的には無機質
言ってしまえば、科学によって神の正体までも解き明かした世界と大差ない
対してSFは、科学によって判明していない部分や不明瞭な部分を引き合いに出すことで、可能性を妄想の繋ぎ合わせて幾らでも模索できてしまうから実は有機的でスピリチュアルと相性が良くて、かつ科学＝理性のイメージがあるから「善き人間」が多くなる
逆にファンタジーは、好き勝手（自由）＝感情的のイメージから「身勝手な人間」が多くなる

SFは現状の科学の先を見ようとするせいで、どうしても妄想が入り込む余地を与えてしまって、結果スピリチュアルに寄ってしまうのは割と仕方のない話だとは思わなくもない
人間が本質的に「人間信者」「人間信仰」（人間第一、人間こそ至高）なせいで、安易に人間を軽視できないのもそれに拍車をかけてる
個人的には「人間なんて地球や宇宙から見れば塵芥も同然。調子に乗るな」みたいな機械的唯物論なスタンスの方が好きだけども

大いなる意志が嫌いとかそもそもSF向いてないでしょ
このジャンルで1番の名作・地球幼年期の終わりがまさにその路線なんだから

あくまで主流がそうであるだけで、機械的唯物論を扱って科学の話を淡々と進めていくSFも一定数存在しているわけで、SFは対極的なテーマや立場を内包している幅の広いジャンル
『幼年期の終わり』にしても、良くも悪くもキリスト教の宗教観が根にある宗教チックな話で科学はあくまでそれっぽい理由付けをするためのガジェット
そういうスタンスで評価されているのは『新世界より』も同様

評価されてきた作品から分かる通り、結局大半の読者は昔からSFに「科学」ないし「科学（機械的唯物論）的な考え方」を求めていない
まあ理系より文系の方がダブルスコアで多いから「科学」より「宗教」の方が肌に合う人が多い（宗教がメジャーな海外では尚更）し、そんなに「科学」を求めるなら専門書や論文でも読んでろって話でもあるし、そもそも無機質的な話はSFに限らず「つまらない」と評価されやすい（「真実は面白くない」と言われる所以）

個人的には所詮フィクション（作者の妄想・虚構）だから、SFでスピリチュアルだったり宗教だったりする話をしてくれても構わないけど、現実の概念や理論をそのままの名称で使う場合は間違ったことを言ったらそれは「誤用」になるから、ちゃんと調べるか、調べるの面倒or理解できる頭が無いのなら名称を弄れとは常々思ってる

どうでもいいけど地球幼年期の終わりと幼年期の終わりはどっちが正式名称なん？俺が読んだとき（2010年代前半）は地球幼年期の終わりだったと思うけど

正式名称は「Childhood's End」で、訳題の揺れに関しては翻訳のせいとしか言えない
さらに言えば、評価が高いが故に定期的に違う翻訳家に翻訳されたせい

というか普通に「人間が正解ではない世界観」と大いなる意志それ自体は矛盾しなかったりする。
そもそもシステム的な存在であって人間に都合の悪い側面があったりとか、遙かに強大なだけの一存在に過ぎないとか。

エヴァはファンタジーに分類する人も居そうだけど、TV版/旧劇場版は人間万能とか人間全肯定とかそう言う話ではなかった。

たぶん、私のSFへの違和感の正体って、真理性を伴う「最終的結論」を定める事なのかも知れない。
それに対してSFにしろファンタジーにしろ、時に対立し両立し得ない「自分なりの答え達」の話の方が好きなのかも。
まあ、戦争とかで勝利者になるかも知れないけど、それは真理性の会得ではなく作者なりの一見解を明示しただけだと思う。

SFや特撮を趣味とする50代overの古参オタクにありがちな「僕はオタクですが、その辺の奴らとは違い、先進的なアップデートが行き届いているオタクなので、その辺の若い奴らと一緒にしないでください」という自意識

不老不死の話はほじくり返すと結構あるかも。
マルペはシリーズの早い時期に不老不死になったし。ニーブンの時間外世界では不老不死になる二種類の方法がある。A.E.ヴォークトのイシャーの武器店の主人公も不老不死。
ハインラインのメトセラの子らは長命種族の話、A.Cクラークの銀河帝国の崩壊/都市と星は数億年未来の話で長命と短命の人類がいる。フレドリック・ブラウンの短編で不死鳥への手紙はひょんなことから極端に長寿命になった男の話。

小林泰三の人類宇宙進出後に産まれて重力に捉われた生活をあまり知らない人が書いたという設定の推理小説は面白かったな
終始ギャグ調なのにSF推理小説としてはしっかり成立してた