ミトノオー(Mitono O)とは、2020年生まれの日本の競走馬。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2023年:兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)
2024年:平安ステークス(GⅢ)
父ロゴタイプ、母*シダクティヴリー、母父*サンダーガルチという血統。
父はGⅠ未勝利のローエングリン産駒の格安馬ながら、2012年の朝日杯FSと2013年の皐月賞を勝ち、その後3年にわたる長い長い苦闘を経て6歳の安田記念でマイル王モーリスを破ったGⅠ3勝馬。社台SSで種牡馬入りを果たしたが、初年度産駒のうち中央2歳戦で勝利を挙げたのがラブリイユアアイズ1頭のみという惨憺たる成績で、2022年限りで社台SSを追い出されてしまった。現在はレックススタッドで種牡馬をしている。ミトノオーは2年目の産駒。
母はカナダからの輸入繁殖牝馬で、自身はG3を2勝している。
母父は1995年のケンタッキーダービーとベルモントSを勝ったアメリカ二冠馬。種牡馬としても同じく二冠馬ポイントギヴンなどを送り出した。日本でも1年だけリース種牡馬として供用されたが目立った産駒はない。日本での母父としての産駒にはMCS南部杯などを勝ったサンライズノヴァがいる。
2020年4月24日、新ひだか町の築紫洋牧場(主な生産馬にモズアトラクションなど)で誕生。2021年の北海道セレクションセール1歳の部で600万円からスタートし、1700万円(税抜)で落札された(下記動画の44:08から)。
オーナーはグラスワンダー産駒のニンジャや、障害重賞勝ち馬エムエスワールドなどを所有した、組合馬主のロイヤルパーク。
ムラマサノヨートー(2007年NHKマイルカップにて最低人気で3着)や、アニメイトバイオ(2010年ローズS勝ち馬。2009年阪神JF・2010年秋華賞2着)を管理した、美浦の牧光二厩舎に入厩。
2022年8月7日、新潟・ダート1800mの新馬戦にて、牧厩舎所属の木幡巧也を鞍上にデビュー。15.4倍の4番人気とそれほどの評価でもなかったが、好位追走から悠々と突き抜けて2着と2馬身半差、3着は9馬身以上突き放す圧勝デビューを飾る。
2戦目は11月12日、東京・ダート1400mのオキザリス賞(1勝クラス)。19.2倍の5番人気だったが、馬群の中からのレースになり、不利を受けたりキックバックを嫌がったりで、直線でも何の見せ場もなく11着に撃沈。2歳シーズンを終えた。
明けて3歳、初戦は距離を戻して中山ダート1800mの黒竹賞(1勝クラス)。ここでは3.6倍の1番人気に支持されると、前走で砂を被るのを嫌がったこともあり木幡騎手は外目の枠から押し気味にハナを切る。そのまま1000m61秒6のハイペースで逃げると、直線でも後続を突き放して3馬身半差で快勝。木幡騎手は「将来的には、砂を被らせて慣らしたいと思いますが、力が通用するうちは今日のような競馬をしていきたいと思います」とのコメント。
4戦目は3月の同条件・伏竜ステークス(OP)。浦和の新星・ヒーローコールの参戦が話題になったレースだが、その中でも2.5倍の1番人気に支持される。ここでも1000m61秒2のハイペースで逃げ、ついてきた先行勢が直線で総崩れになる中、悠々一人旅。後方待機勢の追い込みを歯牙にもかけず2馬身半差という着差以上の逃げ切り圧勝。木幡騎手も「直線でもしっかりと反応してくれましたし、後ろの足音が段々と聞こえなくなってきました。力があります。これからがとても楽しみですね」とのコメント。
というわけで5月、園田の兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)で重賞初挑戦。ここではオーナーサイドの要望で、逃げの名手でもある武豊に乗り替わりとなった。単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持される。
このレースのパドックで初めて乗ったという武豊だったが、スタートからハナを主張すると、2番人気の牝馬メイショウオーロラが競り掛けてきたが、気にせずホームストレッチでもう離して悠々と単騎逃げの形に持ち込む。抜群の手応えで持ったまま後続を突き放していき、4コーナーの時点でもうついて来られる馬はおらず後続も追いつきそうにない、誰が見てもここで勝ち確定。そのまま直線でもほとんど追うことすらなく、持ったままで6馬身差という圧巻の内容で重賞初制覇を飾った。実況の三宅きみひとアナがゴール後「強い強い強い!」と叫んだのも納得しかない。ロゴタイプ産駒も待望の重賞初勝利となった。
というわけで武豊とともに3歳ダート王決定戦・ジャパンダートダービー(JpnⅠ)へ。海外遠征組のデルマソトガケやマンダリンヒーローが回避したため、羽田盃と東京ダービーをレコード圧勝した無敗の二冠馬ミックファイアと、3連勝のJustify産駒ユティタムとの三強ムードとなり、オッズもこの3頭で分け合い3.7倍の3番人気となった。
レースはもちろんスタートから逃げを図ったが、武豊いわく「前半力んで、掛かってしまったようです」とのことで、最初の3ハロンが34秒9という超ハイペースの入りとなってしまう。周りも楽に逃げさせはしまいとテーオーリカード、オマツリオトコ、そしてユティタムがそのペースについてくる展開。3コーナーでユティタムとミックファイアを除く先行勢がついていけなくなり、ミトノオーは後ろを突き離して直線に入る。直線でも後ろを5馬身離して逃げ込みを図り、残り200mまではほぼ勝ち確の流れに見えたが、そこでユティタムを振り落として猛然と追ってきたのがミックファイア! みるみる差が詰まっていき、ミトノオーは前半の掛かりもあってか残り100mで力尽きて脚が止まって並ぶ間もなく抜き去られ、最後は追い込んできた兵庫CS2着の6番人気キリンジにもクビ差かわされ3着。それでも上がり3ハロンは全体3位、4着ユティタムには3馬身半差をつけてみせた。
夏休みを経て、秋は日本テレビ盃(JpnⅡ)から始動。ここにはBCクラシックに向けて始動するドバイワールドカップ覇者のウシュバテソーロが叩きとして参戦、古馬との初対決がいきなり現役最強ダート馬との顔合わせとなった。とはいえウシュバはあくまで叩きであるし、1800mはミトノオーの適距離であろうと人気を集め、ウシュバ1.6倍に対し2.4倍の2番人気に支持される。
しかしこれだけ人気を集めてしまうとなかなか楽に逃げさせてはもらえない。ハナを切ったものの、古豪スワーヴアラミスにがっちりマークされ、さらにウシュバテソーロがいつもと違い好スタートですぐ後ろに構える態勢。これでは息も入れられず、4コーナーであっさりウシュバにかわされると、あとは力なく沈んでまさかの6着。古馬戦線デビューは厳しい結果に終わった。
この結果を受け、11月の浦和記念(JpnⅡ)へ。武豊が負傷離脱中のため、松山弘平に乗り替わりとなった。JDDで最後力尽きたことから2000mは長いのではという距離の懸念と、同じ逃げ馬のメイショウフンジンがいることから今回も楽逃げはさせてもらえなさそう、ということで日本テレビ盃2着のテンカハル、メイショウフンジンに次ぐ4.3倍の3番人気。
レースは今回もハナを切る。メイショウフンジンが思ったほど前に行けず、テイエムサウスダンが絡んで来る展開になったが、1000m通過63秒0と上手く息を入れながらスローペースの逃げに持ち込む。3コーナーから5番人気ディクテオンが外から進出してきて、直線ではそのままディクテオンとの一騎打ちとなったが、最後は振り落とされて2馬身半差の2着。とはいえコースとペース次第では2000m保つことを示しつつ収得賞金をゲットし、同期の地方の雄ヒーローコールにもJRA勢の貫禄を示せたので、前走の不安を払拭する結果と言えるだろう。
年内ラストはなんとさらに距離を伸ばして2100mの名古屋グランプリ(JpnⅡ)へ参戦。鞍上には武豊が戻り、距離は大丈夫?とやや不安視されつつも、牝馬グランブリッジと前走で敗れたディクテオンに次ぐ4.5倍の3番人気に支持される。
レースは好スタートからもちろんハナを切りに行くが、内から浦和の3歳牝馬マテリアルガールが絡んできて、さらに前走は控えたメイショウフンジンが外から突きにくる展開。結果、この3頭で競り合って明らかなハイペースの流れになってしまい、こうなると距離不安のあるミトノオーにはあまりにも厳しい。3コーナーで捕まるとあとはずるずると沈没し、勝ったディクテオンから4.6秒も離された9着に撃沈。他の逃げ馬に絡まれたときの脆さは当面の課題となりそうである。
明けて4歳初戦は1800mに距離を戻し、3月のマーチステークス(GⅢ)へ。武豊が同日の高松宮記念に行っていたこともあり、久々に手綱は木幡巧也騎手に戻った。大外8枠13番に入り、7.5倍の4番人気。
スタートから勢い良くダッシュをつけたミトノオーは迷わずハナへ。今回は競り掛けてくる馬はおらず、2番手のペイシャエスが控えたためそのまま後ろを離した楽逃げに持ち込んだ。この距離で楽逃げできれば脚は止まらない。直線に入っても後ろを離して逃げ込みを図ったが、猛然と追い込んできたヴァルツァーシャルの末脚に屈して2着。敗れはしたが、適性距離でリズムよく運べば強いということは改めて示した。
続いて向かったのは1900mの平安ステークス(GⅢ)。武豊はクリノドラゴンに騎乗しており、鞍上は松山弘平。浦和記念・名古屋GPに続いてメイショウフンジンと顔合わせとなり、前残り馬場で有利か、名古屋GP同様ハナ争いでハイペースで潰れるか……という感じで8.8倍の5番人気。
レースは内枠からすっとスムーズにハナを主張。外からメイショウフンジンが出鞭を入れて追いかけてきたが、ハナ争いにまでは至ることなく1コーナーに入り、そのままメイショウフンジンを引き連れてマイペース逃げに持ち込んだ。後続を引きつけて持ったまま4角最内を回ると、直線入口でスパートをかけて一気に後続を突き放す。伸びあぐねる後続の中からハピが猛然と追い込んできたが、最後はクビ差凌いでゴール。
1年ぶりの勝利で中央重賞初制覇。ロゴタイプ産駒も中央重賞初勝利。牧厩舎はアニメイトバイオの2010年ローズS以来14年ぶりの中央重賞制覇、馬主のロイヤルパークはエムエスワールドの2012年京都HJ以来12年ぶり、中央平地重賞は初制覇となった。
2023年クラシック世代のダート代表、ロゴタイプ産駒の希望の星を目指してミトノオーは進む。
ロゴタイプ 2010 黒鹿毛 |
ローエングリン 1999 栗毛 |
Singspiel |
In The Wings |
Glorious Song | |||
*カーリング |
Garde Royale | ||
Corraleja | |||
ステレオタイプ 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス |
Halo | |
Wishing Well | |||
スターバレリーナ |
Risen Star | ||
*ベリアーニ | |||
*シダクティヴリー 2003 鹿毛 FNo.11 |
*サンダーガルチ 1992 栗毛 |
Gulch | Mr. Prospector |
Jameela | |||
Line of Thunder | Storm Bird | ||
Shoot a Line | |||
Torrid Affair 1997 黒鹿毛 |
Alydeed | Shadeed | |
Bialy | |||
Lover's Talk | Vice Regent | ||
Lover's Walk |
クロス:Halo 5×4(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/26(日) 11:00
最終更新:2024/05/26(日) 11:00
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