海老原あいはゲーム『ペルソナ4』およびアニメ化作品『Persona4 the ANIMATION』の登場人物。
「月」コミュニティの担い手である、波立つロングの茶髪と広い額が特徴の、派手目な容姿の少女。少しタレ目。
八十神高校の2年生で、「剛毅」コミュニティの一条康&長瀬大輔(なお一条は同じ2年1組のクラスメイト)が所属する運動部(アニメ版ではバスケ部)のマネージャーを務めている・・・・・・というのは名ばかりで、実際には部活にもあまり顔を出さず、暇さえあれば(というかしょっちゅう授業をサボっては)はるばる沖奈市まで出掛けブランド品を買い漁るという何ともフリーダムな日々を送る。
そういう訳で、公言を憚られるような浮ついた噂は後を絶たず、当然、教師陣の評価は全く以て芳しくない。しかし、そのワガママお嬢様然とした放埓な言動と小悪魔的な媚態で、対照的なタイプの天城雪子と校内を二分するほどの凄まじい男子人気を誇っている(アニメ版ではそれほどではない模様)。
(※以下はネタバレ過多につき、ご覧になりたい方は反転でどうぞ。)
だが、それらは実体を持たない束の間の虚栄に過ぎない。
かつて、八十神高に入る前は容姿を揶揄われ壮絶なイジメを受けていた。「自分が綺麗じゃないからバカにされるんだ」と悟った海老原は必死に減量に励み、あらゆる情報をかき集めて美しく見えるよう努めた。ただひたすら、「綺麗になれば誰もバカにしない。きっと皆が愛してくれる」と信じて・・・・・・。
しかし得られたのは好奇と侮蔑と情欲の視線に縁取られた虚飾の栄光ばかり。「陰では皆が私をバカにしてる。どうして誰も愛してくれないの?」自分の直向きな努力を全く理解しない周囲に苛立ちをぶつける、ますます皆との距離が遠のく、更にブランド品を買い漁り着飾っていく、しかし誰も解ってくれない・・・・・・。
そんな堂々巡りが心と体を蝕む日々の中、海老原は見慣れぬ一人の男子生徒に出会った――。
(※以上、「・・・これなんてエロゲ?」風味でお送りしました。)
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この節はアニメ『Persona4 the ANIMATION』第5話の ネタバレ成分を多く含んでいます。どうかご注意ください。 >なるほど いいんですか。ならば結構。 |
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※以下はアニメ版に基いた文章です。項目「>なるほど」もご覧ください。
アニメ『Persona4 the ANIMATION』#5「Would you love me?」では、転校したばかりの主人公・鳴上悠がひょんなことで寄せ集めばかりのバスケ部に仮入部することになり、そこで女子マネージャーの海老原に出会う。
翌日(4/20)、鳴上は階段で偶然出会った海老原に誘われて学校を抜け出し、何故かデートっぽいイベントをこなしてしまう。爆発しろ。・・・・・・以下ははその時のやりとり。
「アンタ、他の男子とちょっと違うね。・・・割と気に入ったかも。」
(頬杖ついて、やや上目遣いで)>!
全く、上目遣い(超重要)で「気に入ったかも」だの、「ちゃんと放課後に」(ッテソノ後ニ一体何ヲナサルオツモリデ)だのと・・・ホビロン!
まあそんなこんなで更に翌日(4/21)、部員たちの心無い陰口を聞き走り去る海老原を、鳴上は追い駆けて何とか呼び止めるのだが・・・。
(胸の前に手をかざし)
「ドキドキしてるっ、どうしようっ! ずっと気になってたんだよねぇ・・・。」
(伏し目がちに)>!
鳴上ざまあ。鳴上は生来の乏しい表情と抑揚の中でも少なからぬ戸惑いを見せている。まあ前日にあんなことのあった後じゃ仕方ないね。
ま、こんな事があったにも関わらず、その後も怒涛の展開(概略:(一条くんの)好きなタイプ訊いてほしいの!→さ・・・里中さん・・・(°д°●)→死ーんでーやるー!→>落ち着け→代わりにアンタが私のこと愛して→>え)が続き、鳴上は海老原の仮恋人になってしまう。つくづく仮の好きな男である。
まあこうした経緯もあり、後の公式配信のコメントでは「えビッチ(えびはら+ビッチ)」だの「メンヘラ」だのといった悲しいワードが見られるようになってしまったが、どうか海老原を誤解しないでやってほしい。
試しに、無気力なマネージャーの仮面(ペルソナ)の下に隠れた彼女の心の動きを追ってみるとしよう。
例えば某スタバでの発言「他の男子とちょっと違うね」というのは、寄せ集めバスケ部の連中(部長除く)のような「海老原(のような女子)を見るのが唯一のお楽しみ」だとか「真偽の知れない噂話や陰口」で盛り上がってる男子ども(無論、それらはそれらで年頃の健全な男子高校生としてはごく一般的な態度ではあるが)とは、鳴上は一線を画しているということ。
鳴上はデートの最中も普段通りのクールさを貫き(なにしろ談笑中に番長鶴(紙ナプキンの折り鶴)を折るほどのマイペース)、それでいてきちんと海老原の言葉に耳を傾けて実のあるかつ肯定的な答えを返した(無口な分、短い発言でも重みが感じられる)。しかもデートに連れ出す時の嘘(部の備品の買い出し)にも薄々だが勘付いていた。
ならば当然、海老原はこう考えるだろう。すなわち、
「――鳴上くんならきっと、他のバカな男子と違ってエロい目や変な色眼鏡で私を見ないで、私の恋の相談にも真摯に乗ってくれる。そして私の望むような言葉を選んで、たぶん頼んだら断らないで協力してくれる。しかも頭の回転もいいみたいだから、きっとうまくやってくれる。・・・・・・ルックスもまあそこそこだし(そこそこ重要)」
この位の打算なら意識・無意識問わず誰もがやる(やってしまう)範囲のものだろう。
しかもこの人物評は例の陰口事件の際にすっかり的中してしまうのである(噂話には乗らない、心配して来てくれる、でも下手な慰めはしない、頼みを聞いてくれる)。もしも海老原のこうした鋭い人物観察眼が、他者による蔑みの視線に怯えるかつての日々の中で育まれたものだとしたら、人の縁とはまこと異なものである。
ただ、例の陰口事件のせいで気が逸り、予定よりもずっと急に鳴上の協力を仰ぐハメになってしまったこと(「また今度、遊んであげる」という発言からして、もっと交友を深めてから頼むつもりだったのだろう)、そして鳴上もそこそこ年頃の健全な男子高校生であったのが根底にあったからこそ、今回の不幸な出来事が生まれてしまったのだ。
何しろ海老原には友達と呼べる人間がいない(バスケ試合中での里中との口論で「・・・愛されてる上に、友達までいてさ・・・っ」と漏らしている)ので、他者との適正な距離の取り方がよく判らない。自我形成において重大な思春期初期をすっかり他者の視線に怯えて過ごし、結局それを自ら行動の規範とする(自分の内部世界に取り込む)ことで克服しようとした海老原にとって、自分と外部世界との境界(ボーダー)は思春期以前の極めて曖昧な状態のままなのだ。だから他者から観れば極めて傍若無人に振る舞い、気を緩めるとすぐに感情が面に表れ、ごく手近にあって「自分の手足に等しく自由にできる世界」である鳴上を従わせようとしてしまう。
そして鳴上もそれを拒まない。果たしてこれは、どこまでを見越した上での相槌だったのだろうか。少なくとも鳴上は、一連のやり取りで生まれたであろう様々な感情をこの一言で韜晦(つつみかく)してしまったかのように見える。
「愚者」は語る言葉を持たず、ただ観客を愉しませるのみ・・・白く塗られた顔の下に本心を隠して。
(歩きながら視線を前方に落とし、何かに言い聞かせるように)
「――もう、一人でも大丈夫だから。」>!?
「アンタ優しいからさ、ちょっと甘えさせてもらったの。フられたショックから立ち直るまで・・・・・・。」
(伏せた瞼をパッと開き、眼だけで鳴上を見る)
「そのまんま、アンタを好きになれるかも? って想ったけど。」
(苦笑い)>・・・・・・
第5話の幕引きは、海老原のこの告白から始まる。この発言の後も彼女をビッチ扱いする悲しいコメントが流れた。その気持ちも解らなくもないが、ちょっと待ってほしい。これは海老原による最大級のお詫びと感謝の言葉なのだ。
鳴上と仮契約仮のお付き合いを始める直前、海老原は自分の暗い過去と、現在に繋がるトラウマとルサンチマンを鳴上に打ち明けている。つまりカードゲームでいえば手札と戦略を一度完全に晒した状態である。となると鳴上はポーカーフェイスがまあまあ得意で、しかもゲスト(海老原)の意を汲み、誰も損をしないゲーム展開を構築しようと陰で努力するディーラー、といったところか。
だから、ここで素直に「甘えちゃってごめん。惑わせちゃってごめん。お互い違う出会い方だったら良かったのにね」などと謝罪の言葉を述べてしまえば、鳴上のディーラーとしてのこれまでの苦労や資質を見失い却って貶めてしまうことになる。第一、そんな素直なのエビちゃんらしくないやい(本音)。ここはあくまで自分も海老原として仮面を被り続け、いつも通りの自分で勝負するのが最もベターな選択なのではないだろうか。少なくともそんな気遣いができる位に、他者と自己との境界を認識できるまでに彼女が成長できたことは実に喜ばしいことである。
大丈夫、言葉にしなくてもちゃんと心は伝わっている。その証拠に鳴上の口から、相手の言葉に対するあらゆる感情を韜晦してしまう「>なるほど」が出てこないではないか。
「・・・しんどいけどさ、しばらくちゃんとマネージャーやってみようかな。」
>!
(視線を前方に落としながら)
「こんな気持ちになれたの、アンタのお陰。ありがとねっ、鳴上くん!」
(振り向いて満面の笑顔。そして一条のもとへ走り去る。)
乙女心はかくも複雑、男心もまた然り。ともあれ番長、お勤めご苦労様です。
ここで少し視点を変えて、例のオサレOP「sky's the limit」(※青天井、つまり「限界の無い、望むままに」という成句)の歌詞と絡めて考えてみよう。以下、オリジナルの歌詞は斜体で示す。まずはBメロから。
(※追記:以前参照していた歌詞は若干正式の歌詞と異なっていた為、本小節は若干説明を増補しています)
What was so much of transparency turned into bright expectation...
「あんなに目に見えないものばかりだったのに、それらが明るい可能性に変えられただなんて・・・」
それまでの海老原が見せてきた「きっと皆に愛されるだろう美しい少女」という transparency (透明性=素のままの自分、と想い込んでいたもの)は、本当は「ただの欲望や興味の対象でしかなく、本当は誰にも愛されていない、雑誌等を真似ただけ」の、他者にとってはただの透明でしかない空虚な理想像に過ぎなかった。
しかし彼女は鳴上の前に過去をさらけ出し、仮の恋人として共に現在を見つめ直し、愛されるとはどういうことなのかを手探りで模索していく過程の中で、自分が本当に身にまとうべき面――「誰かに愛されたい他律的な海老原」ではなく「本当は誰かを愛していたい自律的な海老原」。この両者は真逆に視えて実はペルソナ&シャドウと同様に同じ仮面の裏返し同士である。何故ならば真に誰かに愛される喜びを知る者は真に誰かを愛する喜びを知り、その逆もまた然りであるから――を見つけた。里中とのキャットファイト取っ組み合いはそれに気付く為のトリガーで、同時に里中の言葉と互いの暴力による刺激によって、鳴上を含む世界と自分との境界にも気付かされる(そして里中の方も自身の気持ちに・・・?)。
そしてこれからもバスケを続けていくという一条の前向きな翻意という最後の一押しがあって、ようやく海老原は身にまとっていた虚像の仮面の表裏を返し bright expectation (輝ける可能性)へと変えることができたのである。人の心と云うものは歌の冒頭で glasiers of ideas ((氷河のように)じわじわと伝わっていく想いの数々)と例えられるように、一朝一夕でどうこうなるものでもないのだ。
My instinct tells me to keep going together (going together)
「直感が告げてるの、『進み続けなよ、皆と一緒に』ってね」
「・・・あの、一条くん・・・。」
「?( °д°)」
「私は、バスケ部にいてもいい・・・?」
「ん、当ったり前じゃん! ( ^д^)」
「・・・・・・・。」
Hey sky's the limit we can spread wings / To roadless travel together we go!
「ほら、私たちはどこへだって羽ばたいていけるでしょ/決まり切った道の無い旅に皆で出掛けよう!」
説明の尺やら権利上の都合やらで歌詞はいきなり歌の最後まで飛ぶが、この新しい面こそが現在から先に繋がる無限の未来へ自力で羽ばたくための力である。海老原が飛ぶ――つまり「エビフライ」!(この際スペリング違い等のツッコミは、鳴上のエビ電即ギリと同じ勢いで拒否)
・・・・・・では、最後に節名の質問に回答を示して結語としよう。
Q. 海老原あいは「えビッチ」か?――A. No. 自我のあまりの幼さによりそのように見える行動を取ってしまうに過ぎない。寧ろそれは罪深き純真性と稚拙な戦略性の表れである。
Q. 海老原あいは「メンヘラ」か?――A. まあ大方の定義に含まれるだろうという意味で Yes. だが情緒の発達は今後の人付き合いで徐々に改善されていく可能性が大いにある。
まだまだ若い彼らには更なる試練が降りかかる事になるだろう。しかし、それらを乗り越えた時にもたらされるであろう、彼らの本当の成長に心から期待したい。
――運命の子供よ。きみは麗しい。と、オサレED歌詞も無理矢理絡めてみたがどうか(とED冒頭オサレポーズで)。
(※追記:当記事は「>ハイカラだろ」が登場する前に書かれたものであり、現在ではやや不適切とされる「オサレ」という表現が随所に使われていますが、時代性を考慮し敢えて修正をせず記載しております。どうかご了承ください)
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この節はアニメ『Persona4 the ANIMATION』第13話、第14話 および第19話のネタバレ成分を若干含んでいます。どうかご注意ください。 ・・・ア――ア――アア――――♪ ・・・ 「――お客様の女関係h >そっとしておけ! |
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さて、アニメ版における海老原あいの主な暴走活躍はこの第5話のみとなるのだが、その後も本作の脇を固める味のあるネタキャラとして何度か現われることになる。
例えば携帯電話。鳴上は第5話以来、結局最後まで彼女の登録名を「エビ」のままで通していた。他の友人たちが本名フルネームで登録してあるのに対し、カタカナ2文字の彼女は実によく目立ち、シリアスなシーンの合間であっても携帯電話のメール受信フォルダが出ると笑わずにはいられないという、ちょっとした遊び心の入った仕掛けになっていた。
あとは最終話。部長一条&ジャージ長瀬らと共に身を寄せ合い、霧に包まれた街の片隅で不安げに空を見上げるカットがある(セリフ無し)が、まあどちらかといえば最終回にありがちなお約束的サーヴィスカットといった趣だ。
では、それ以外に彼女が登場するエピソードについて、登場シーンに絞って見ていくとしよう。
#13-14「A Stormy Summer Vacation」にて。夏休みも半ばを過ぎた夏祭りの夜、魔女探偵ラブリーンは数日前から怪しい挙動を見せる鳴上悠の素行を調査すべく奔走する中、境内の裏で海老原に呼び止められる。
「ねえ、ちょっと! それ、貸してくんない?」
「んっ・・・ふんっ・・・うんっ!」
(枝に引っかかったマフラーを取ろうとし、みごと成功)
(畳んだロッドを差し出しながら、ウィンク)
「助かったよ。あんがとっ!」「・・・ラブリーンは困ってる人の味方だよ。」
(マフラーを肩口にゆったりと纏って、見せつけるようにポーズ)
「どーお? 似合うっしょ。」「うん、カッコイイよ!」
直後ラブリーンは背後をひた走るターゲットに気付いて追いかける。 海老原はラブリーンの真正面にいたのだから当然鳴上の姿が見えていたはずだが、声を掛けた形跡すらない。つまり彼女はちゃんと空気を読んでいる。出会いの時から既に鋭い人間観察眼のある彼女だったが、それが今回はプラスの方に働いたようだ。
まあ見た所、相変わらず友達はいないようだが(かき氷難民こと一条&長瀬コンビと待ち合わせていた様子も特に無し)、元々他人と群れて何かをするタイプではないし、そもそもこの様なイヴェント事に好き好んで出かける風でもないので、寧ろきまぐれでもこうして縁日に顔を出しただけで上出来と見るべきだろう。こうしたちょっとした部分にも彼女のささやかな心境の変化を窺い知ることができる。
この時の海老原のコーディネートは、襟ぐりの開いた白いシャツとピンクのノンプリーツスカートというイージーなスタイルに、赤と白のボーダー柄の水色マフラーとパンプスにアクセサリーが少々。それにしても、これまでの海老原であればキャミソールにミニスカートくらい着ていても不思議は無さそうだが、ここまでしまむらーシンプルに徹しているのは、もう必要以上の虚飾を纏う必要が無くなったからだろう。
「夏なのにマフラー?」という趣旨のコメがあったが、これはサマーマフラーやサマーストールと呼ばれるもので、まあ解り易く言えば「ハイカラな首元用日除け兼制汗タオル」である。また8月20日は暑さの盛りを過ぎており、雲の無い夜は放射冷却で存外気温が下がるものなので、過度の体温喪失を防止する効果もある。
>頭から血が出てる! どうすればいいか教えてくれ!
『は? ・・・ちょっと、どういu』
>頼む!
『・・・解ったわ。まずは長い布で傷口を縛って。』
>長い布? ・・・・・・はっ!
>エビっ! これ貸してくれっ!
「っはあ?」
まあまさか、そのマフラーがこんな形で活躍することになろうとは誰しも予測し得なかったわけであるのだけれど。
ついでにこの際、彼女の呼称そのものが「エビ」であることが判明。携帯電話の登録名のみならず・・・ぐぬぬ。
さて、これまたコメで指摘があったが、海老原は縁日に来た小学生としては明らかに奇異な姿であるラブリーンを(実際、他の縁日の客たちは走る彼女を振り返っている)何の躊躇も無く呼び止め、あまつさえラブリーンのロッドが伸び縮みすることすら熟知している様子。ということは・・・・・・。
・・・ア――ア――アア――――♪・・・
「――おめでとうございます。どうやら彼女はお客様方大きいお友達のお仲魔のようですね(微笑)。」
「鳴上くーん!」
>! エビっ!
>っ違u
「へ?」
>何をi
「教えてくれないの? ・・・あっ、じゃ丁度いいトコあんだ。ちょっと付き合いなさいよ。」
>嫌だa
(有無を言わさず連行)
お次は#19「It's School Festival Day! Time to have fun!」。これまでに数多くの(主に)女子たちと絆を深め、夏休み中には怒涛の勢いでコミュを乱立し、修学旅行では場に酔った勢いとはいえセクハラし放題(※ただし番長に限る)、ついには素面でメンバーの女子たちにミスコン参加を強要する程の猛者となった鳴上であるが、海老原には対しては相変わらず終始ペースを掴まれっぱなしの「遮られ系主人公」と化してしまう(緊急時を除く)。
まあ、鳴上が作中で初めて意識するようになった異性は海老原であり、たとえ仮初めのものだとしても恋が恋であることに変わりはないとするならば、海老原は鳴上にとっての初めての女初恋&初失恋の相手ということになるのだから、これは致し方の無いことなのかもしれない。ま、恋愛というモンはちょっとでもヨロめいちまった方の負けなんで。
この時の鳴上の反応は、逆に積極的アプローチを仕掛けてくる久慈川りせに対する淡白過ぎるとも云える態度とは好対照である。丁度この回でりせは鳴上の言葉によって「りせちー=アイドルとしてのりせ」も自分の一部であることを改めて確認し、「本当の自分は何なのか(何をしたいのか)」を模索していたりせが一応の結論を下す回でもある。しかし、本当の自分が判らないのはこの町に来るまで他者との関わりに乏しくて確固たる自己(キャラ)を築いてこられなかった鳴上自身にもあてはまる問題であり(夏休み~文化祭の間で鳴上が面白キャラ化複雑にそのキャラを変化させていたのは、手探りで自己を模索する過程をやや極端に描写したものと解釈できる)、鳴上にとってりせは同種の悩みを抱き共に道を探す同志の様な存在なのだ。
もちろん、りせがアイドルとして復帰する可能性がある以上、あまり恋愛に深入りする(させる)べきではない、という彼らしい配慮もあるだろう。また、りせの方も、一線を決して越えられないことに何となく感づいていたからこそ、却って大胆に甘えてこられたのかもしれない。これまた自他の境界が曖昧であったかつての海老原の、年齢不相応の幼い甘えとは対照的な、やや成熟した人間関係の構図と云える。
なお、海老原に連行された後の鳴上については・・・>そっとしておこう
第5話まとめ 第5話まとめ キャラメルソース多め
第13話まとめ(6:40あたり~) 第14話まとめ(11:00あたり~)
第19話まとめ(7:35あたり~)
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最終更新:2025/12/16(火) 11:00
最終更新:2025/12/16(火) 11:00
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