深海棲艦とは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん(艦これ)」に登場する敵艦の総称である。
第二次大戦中に実在した艦艇を擬人化したことで知られる艦これにおいて、出撃するマップで戦うことになる存在。
最も弱い駆逐艦などは異形の怪物でしかないが、戦艦や正規空母などの強力な艦になると、人の姿に近くなってくる。おぞましくも美しく、洗練された見た目に一部の提督がフェティシズムを刺激されその機能美に敵ながら天晴れと感嘆しているとのこと。中でも、空母ヲ級・戦艦レ級にはファンが多い。
それぞれにelite(中間ランク)、flagship(上位ランク)、改flagship(最上級ランク)といった強化版がいる。通常版との違いは眼の色、オーラの色でわかる。命名は、駆逐○級、空母○級などであり、○には「イロハニホヘト・・・」の一文字ずつが入る。
2014夏イベントにて駆逐艦に後期型が追加された。後期型は耐久以外のほとんどの能力がflagshipを上回っており、夜戦にてカットインなしでも戦艦をワンパン大破したりする。
eliteやflagship、後期型になるとステータスが強化される他、装備も違うものになっており総じて強くなる。装備が増えた事により連撃やカットイン攻撃をするようになる者はもちろんの事、装備以外の特殊な能力を持つようになる上位クラスもいる。
これらの名前から、掲示板などでは専ら「エリ○」「フラ○」などと略して呼ばれる事もある。
(例:戦艦ル級elite →エリル、空母ヲ級flagship →フラヲ、等)
基本的にセリフはないが、イベント限定海域にいるボスにはセリフが実装されている。また、北方棲姫はイベント海域から通常海域に定住するようになった深海棲艦として初めてボイスを持つようになった。近年では港湾棲姫も該当する。
未だに謎が多い深海棲艦。 本作の主要キャラでもある艦娘と同様に、 ゲームでのチュートリアルはおろか公式サイトでも深海棲艦について触れられていないので、ゲームしかプレイしていない人にとっては本当に謎だらけの敵である。
主砲や副砲の大きさの単位にinchが採用されている、ABDA主力艦隊なる艦隊が登場する(ABDA=米英蘭豪司令部の略称)、などの点から、モチーフは米軍(もとい連合国)ではないかという説もあるが憶測の域を出ないのが現状である(海外艦としてアメリカ、イギリスも実装予定との事)。
公式4コマ漫画などでは「過去に沈んでいった艦の怨念が実体化したものって言われている」「艦娘も轟沈したらこれになっちゃうんじゃないかと言われている」との示唆がある(第2話)。また、イベントボスである戦艦棲姫も「シズマナイワ…ワタシハモウ…ニドト」という発言をしており、艦の怨霊であるという点が伺える。さらに、一部のボス戦BGMではやや聞き取りにくいものの歌詞が入っており、その内容から考察を進める人も居る。しかし、はっきりと怨霊であるとは明言されてはいないため現時点では正体不明のまま。
メディアミックスの一つで小説版では設定がより明確化されている。
10年ほど前から艦これ世界に姿を現したという。彼らは同族を除く全ての船を片端から襲撃し、沈めていった。生き残った船の乗員は捕食するという徹底ぶり。深海棲艦の跳梁はシーレーンをズタズタにし、各国を連携の取れない鎖国状態にまで追いやってしまう。そして地球上の海ほぼ全てを支配するに至った。連携を取れない状態にされながらも各国は必死に抵抗を続けているが、沿岸部を死守するのが精一杯で、その沿岸部でさえも深海棲艦の強襲揚陸部隊に度々襲撃されている。海上を封鎖された人類は、代わりに輸送機による物資の輸送を試みたが深海棲艦の艦載機に次々と落とされ断念させられている。
「鶴翼の絆」では艦娘ではない軽巡や駆逐艦(本物の戦闘艦)が登場したが深海棲艦には歯が立たず、船団を喰われてしまっている。巨大な空母まで護衛についてこの有様なところを見ると、深海棲艦は艦娘でしか倒せないようである。また艦娘が6人以上の編成を組めない理由として「6人以上の艦隊を組むと深海棲艦に探知されて、待ち伏せを受ける危険性が倍増するから」というものがある。対する深海棲艦も6隻以上の艦隊を組む事は無いが、理由は明らかにされていない。話が進むごとにこの設定が消滅しつつあるが。
また、赤いオーラを放つエリート艦の存在は前々から確認されていたが、金色のオーラを放つフラグシップ艦は沖ノ島海域で発見されたばかりとなっている。そして「鶴翼の絆」での深海棲艦はル級フラグシップを擁した艦隊を本土侵攻に差し向けており、海どころか人類が住む陸地をも制圧しようとする節がある。
しかしこれは「鶴翼の絆」での設定であり、「陽炎、抜錨します!」での深海棲艦は30以上の艦隊を組んでいた。
なお、これら小説版の設定がゲーム本編においても適用できるのかについては定かではない。メディアミックス作品では、各メディアによって設定が微妙に異なったりするのはよくあることだし。
突如として全世界の海に現れて人類から制海権を奪った謎の生命体として登場。
それによって人類がどのような被害を受けているかは不明で、人類側の兵器もどこまで効くのか効かないのかも描かれていないが、劇中冒頭で在りし日の記憶を持つ艦娘でなければ深海棲艦への対抗は不可能だと説明されている。
完全に深海棲艦のテリトリーとなった海域はそこの天候がまるで嵐でも来るかのような曇天状態となる。
こちらも艦娘側と同じく基本的に6体一組で艦隊を編成しており、時にはその艦隊が複数で連合艦隊を組んで行動する事もある。ただし、泊地棲姫の居た海域では彼女の背後に無数の深海棲艦がいたが、戦闘時には特にこれといって行動を起こす事も無く赤城らの空爆によってあっさり全滅している。
たとえチ級以上の人型深海棲艦であっても基本的に言葉を発する事はなく、戦闘中もほぼ無表情である事が多いが、場合によっては“微笑する”あるいは“歯を食いしばって悔しがる”みたいな感情的な表情を見せる事がある。
一方で、駆逐艦などの下位艦は怪獣のような咆哮を上げるのが特徴。
深海棲艦には仲間意識があるようで、右目に直撃弾を受けた旗艦のヲ級をかばうように軽巡ホ級が前に出ている。また、雷撃であわやヲ級が葬られそうになった時には指揮下のリ級が身代わりとなって魚雷を喰らっている。
言葉を話す事が無いため、隷下の深海棲艦には指差しなどで指揮をしている模様。その一方で深海棲艦は暗号を用いているとされ、もしかしたら喋らないだけで言葉や文字の概念はあるのかもしれない。
またアニメ化に伴ってゲームではわからない深海棲艦の攻撃方法も映像化されており、駆逐艦は口の中に主砲があり、軽母や空母はあの頭の円盤のような部位に在る口が艦載機発進用カタパルトとして描かれている。狭い格納庫の中に大量の艦載機を搭載するためか射出されるまで艦載機はコンパクトなサイズになっているが、射出されると元の大きさに戻る。
ゲーム同様にeliteやflagship個体が確認されており、それぞれ赤と金のオーラを放っているが、撃破されるとオーラが消えるようだ。
アニメ版では空母がゲーム以上に脅威となっており、ノーマルのヌ級2隻の航空隊に翻弄される水雷戦隊の姿が描かれた。またヲ級2隻を中破および撃沈させただけで歓喜する描写も見られた。
これまでに確認されている深海棲艦の艦種を記載する。
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 | 後期型 |
駆逐イ級 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
駆逐ロ級 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
駆逐ハ級 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
駆逐ニ級 | ○ | ○ | × | × | ○ |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 |
軽巡ホ級 | ○ | ○ | ○ | × |
軽巡ヘ級 | ○ | ○ | ○ | × |
軽巡ト級 | ○ | ○ | × | × |
軽巡ツ級 | ○ | ○ | × | × |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 | 備考 |
雷巡チ級 | ○ | ○ | ○ | × | 開幕雷撃は使用しない。 |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 |
重巡リ級 | ○ | ○ | ○ | ○ |
重巡ネ級 | ○ | ○ | × | × |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 | 備考 |
軽母ヌ級 | ○ | ○ | ○ | × | flagshipのみ対潜攻撃・夜戦攻撃可。 |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 | 備考 |
戦艦ル級 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
戦艦タ級 | ○ | ○ | ○ | × | |
戦艦レ級 | ○ | ○ | × | × | 対潜攻撃・航空攻撃・雷撃可。 eliteは開幕雷撃も可。 |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 | 備考 |
空母ヲ級 | ○ | ○ | ○ | ○ | flagship以上のみ夜戦攻撃可。 また2014年夏以降は新型艦載機を搭載した flagshipが登場。 |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 | 備考 |
輸送ワ級 | ○ | ○ | ○ | × | ノーマルは攻撃を行わない。 |
艦名 | ノーマル | elite | flagship | flagship改 | 備考 |
潜水カ級 | ○ | ○ | ○ | × | ノーマルは開幕雷撃を行わない。 |
潜水ヨ級 | ○ | ○ | ○ | × | |
潜水ソ級 | ○ | ○ | ○ | × |
上記以外に、イベント・一部の通常海域のみ登場する「鬼」・「姫」が報告されている。
上記のように、「姫は鬼の上位種である」ことが推定できる。
あと「姫」は「鬼」の時よりも必ず露出度が上がっている。もしかして「脱げば脱ぐほど強くなる」のだろうか。また、近年では「姫」より更に上位の強さを持つ「水鬼」の名を冠する個体がボスキャラとして登場する機会が増えている。
また、イベントの深海棲艦はボイスつきで戦闘前に喋る事がある。
艦これ初イベントの「敵泊地に突入せよ!!」で初登場した泊地棲鬼・泊地棲姫の声優は野水伊織であると艦これ白書でちゃっかり明かされている。
本イベントは瑞鶴・翔鶴の五航戦姉妹の初登場イベントでもあるが、野水伊織はこの2人の声優でもある。また翔鶴は後の大和・武蔵のように終盤ステージ突破報酬であった。
このように、イベントボスの声優はそのイベントにちなんだ声優が声を当てている可能性もある。
線のはっきりとした味方側とグラフィックの雰囲気が異なり、深海棲艦たちは、駆逐艦から空母、潜水艦や補給艦に至るまで、厚塗りのように線のぼやけたホラーなタッチで描かれている。これらのイラストはイラストレーターのおぐち氏(pixivアカウント)によるものである。
デザインやタッチに漫画家の弐瓶勉氏の作品を思わせる雰囲気があるとの声もあるが、それもそのはず、おぐち氏はかねてから弐瓶勉氏の漫画作品をリスペクトしたイラストや漫画を複数公開しており、多分に影響を受けていると思われる。
なお、2013年夏イベントで初登場したボス(姫、鬼)や潜水艦などはおぐち氏ではなく、角川のアキラ氏による[1]。
最上段2つの動画はおぐち氏がツイートで言及していたりする。(1,2)
空母ヲ級 飛びぬけて人気がある、別名「敵艦隊のアイドル」。……ていうか、静画はヲ級ちゃんばかりじゃねぇか
上記のように、公式漫画でもさらりと触れられているが「艦娘も轟沈すると深海棲艦になってしまう」という説が存在している。
そこから、艦娘たちが深海棲艦と化した姿を想像した二次創作作品なども存在する。いわゆる「悪堕ち」と言うジャンルの一種と思われる。
ニコニコ動画や静画では「深海棲艦化」というタグでまとめられている。
深海棲艦の台詞・声・髪形などについて、特定の艦娘の面影を感じるという声が挙がることもある。例えば「駆逐棲姫」は容姿の点で「春雨」とかなり共通点が多い。また「重巡ネ級」の姿も「鈴谷」と似ているとの声がある。
これらの「深海棲艦化」関連の作品に、艦これとは無関係なSTGゲームシリーズ「R-TYPE」やそれに登場する敵「バイド」関連のタグやコメントが付いているケースも時折見受けられる。「不気味な敵に浸食され、かつての仲間の元に敵として戻ってくる」というシチュエーションが「R-TYPE」シリーズの一部の作品での鬱展開を連想させるからであると思われる。
ニコニコ大百科記事「⇒しばし、たたずむ」の冒頭や、「バイド」の記事の「バイド化について」の項などを見るとなんとなくわかりやすい。
上記の「深海棲艦化」と同様に、艦これの二次創作などで時に登場する。あくまで非公式なプレイヤーの想像上の存在なので正式な名称はなく、「深海提督」ではなく「深海棲提督」だったりといった表記ゆれもみられる。
「深海棲艦らが艦娘たちに相当するものだとすれば、提督や鎮守府に相当するものが存在してもよいのでは?」という発想から生まれたものだと思われる。
深海提督A「あのボスマップで出てくるキタカミとオオイっていう雷巡強すぎるだろ」
などと、深海提督側でのプレイを妄想するプレイヤーたちも居る。
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最終更新:2024/05/03(金) 15:00
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