ソニンク(Soninke)とは、1996年生まれの
イギリス産の競走馬、日本の繁殖牝馬。黒鹿毛の牝馬。
概要
父Machiavellian、母Sonic Lady、母父Nureyevという血統。
父マキャヴェリアンはアメリカ産のMr. Prospector産駒で、フランスで走り2歳G1を2勝。種牡馬としてはドバイWC勝ち馬のAlmutawakel・Street Cryなどを輩出した。日本ではソニンクの他、名繁殖牝馬ハルーワスウィート(ヴィルシーナ・シュヴァルグラン・ヴィブロスの母)および*ホワイトウォーターアフェア(アサクサデンエン・ヴィクトワールピサの母)の父として知られる。
母ソニックレディは1986年の愛1000ギニー、ムーラン・ド・ロンシャン賞、サセックスSとG1を3勝、重賞7勝を挙げたバリバリの名牝。ソニンクはその第7仔で最後の仔である。
母父ヌレイエフはフランスで2度のリーディングサイアーに輝いた名種牡馬。直系よりもむしろ母系に入って優秀なタイプで、日本ではトゥザヴィクトリー、ジャングルポケット、ゴールドアリュールなどの母父としてもおなじみである。
半兄にはともに重賞馬であるHazaamとSharman(どっちも父Blushing Groom)、全兄にはドバイゴールデンシャヒーンの前身であるナドアルシバスプリントの勝ち馬で1998年の京王杯スプリングカップに出走したMudallelがいる。
1996年2月8日、イギリスに産まれる。JBISによると生産者がSheikh Mohammed bin Rashid al Maktoum……つまりムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(またの名をシェイク・モハメド殿下)として登録されているので、ダーレーグループの生産馬である。母はモハメド殿下の所有馬で、父はダーレーグループがイギリスに持っているダルハムホールスタッドで種牡馬として繋養されていたので、彼女もダルハムホールスタッドの生産馬だろう。
馬名の「Soninke」とはマリ共和国・セネガル共和国の民族・ソニンケ族のこと。2代母Stumpedから頭文字Sを継いでいるが、ドイツのSラインとは別に関係がない。
さて、結構な良血の持ち主であるソニンクだったが、競走馬としては不出走である。そんな彼女の良血に目をつけ、2001年にCape Crossの仔を受胎していた彼女を輸入したのが日本のノーザンファームであった。当時のノーザンファームは社台グループ分割で独立して8年、本家社台ファームと生産者リーディングで鎬を削っていた頃である。
というわけでノーザンファームで繁殖牝馬となったソニンク。初仔のアコースティクス(牝)こそ不出走で繁殖入りとなったが、第2仔モンローブロンド(牝、父アドマイヤベガ)は2004年ファンタジーS2着で阪神JF・桜花賞・秋華賞に出走し、最終的にオープン入り。第3仔ルミナスポイント(牝、父アグネスタキオン)もオープン入り。第4仔ヴァイスハイト(牝、父アドマイヤベガ)は1000万下までだったが、第5仔ノットアローン(牡、父アグネスタキオン)は2008年の若葉Sを勝ち皐月賞に出走、ラジオNIKKEI賞2着、神戸新聞杯3着で菊花賞にも出走と、安定して走る産駒を送り出す。
さらに第6仔ランフォルセ(牡、父*シンボリクリスエス)は2011年エルムS、2012年ダイオライト記念などダート重賞を4勝、2012年川崎記念2着など交流重賞戦線で大活躍。第8仔ノーザンリバー(牡、父アグネスタキオン)も芝で2011年アーリントンCを勝って皐月賞・ダービーに出走したあとダートに転向しさきたま杯連覇など短距離重賞5勝を挙げる大活躍を見せた。
ソニンク自身は第10仔アグスタ(牡、父ゼンノロブロイ)を産んだあと、ネオユニヴァースをつけて不受胎に終わり、2012年6月22日に死亡。16歳だった。最終的に10頭の産駒のうち8頭が勝ち上がり5頭がオープン入り、重賞馬2頭という素晴らしい繁殖成績を残した。
しかしそれ以上に凄いのが孫世代以降である。まず初仔のアコースティクスから、2009年のダービー馬ロジユニヴァースが登場。ルミナスポイントからは2016年のデイリー杯2歳Sなどを勝ったジューヌエコールが出て、デビューした産駒で唯一未勝利に終わった第7仔ライツェント(父スペシャルウィーク)からは2017年の秋華賞馬ディアドラが誕生。ディアドラの登場でソニンク牝系は21世紀の名牝系という評価を確固たるものとした。ライツェントからはさらに2023年きさらぎ賞の勝ち馬フリームファクシも出ている。
さらに曾孫世代になっても勢いは止まらない。筆頭はなんといってもルミナスポイントの第2仔ルミナスパレードの産駒ソングラインである。安田記念連覇など府中マイルGⅠ3勝を挙げ、ソニンク牝系の名声をさらに高めた。曾孫世代では他にもヴァイスハイトの初仔ロスヴァイセからは悲劇の青葉賞馬スキルヴィングが、ディアドラの妹シャルマントからは2025年ダービー卿CT勝ち馬トロヴァトーレが、そしてロジユニヴァースの妹クラークスデールからは2025年NHKマイルカップを勝ったパンジャタワーが出ている。
*ソニンク 1996
|アコースティクス 2001
||ロジユニヴァース 2006 '09東京優駿、'09弥生賞、'08札幌2歳S、'08ラジオNIKKEI杯2歳S
||クラークスデール 2016
|||パンジャタワー 2022 '25NHKマイルカップ、'24京王杯2歳S
|ルミナスポイント 2003
||ルミナスパレード 2011
|||ソングライン 2018 '22・'23安田記念、'23ヴィクトリアマイル、'21富士S、'221351ターフスプリント
||ジューヌエコール 2014 '16デイリー杯2歳S、'17函館スプリントS
|ヴァイスハイト 2004
||ロスヴァイセ 2011
|||スキルヴィング 2020 '23青葉賞
|ランフォルセ 2006 '11エルムS、'12ダイオライト記念、'13浦和記念、'14佐賀記念
|ライツェント 2007
||ディアドラ 2014 '17秋華賞、'19ナッソーS、'17紫苑S、'18クイーンS、'18府中牝馬S
||シャルマント 2016
|||トロヴァトーレ 2021 '25ダービー卿CT
||フリームファクシ 2020 '23きさらぎ賞
|ノーザンリバー 2008 '11アーリントンC、'13エルムS、'14東京スプリント、'14東京盃、'14・'15さきたま杯
強い(確信)。今後も陸続と活躍馬を輩出していくことになりそうな牝系である。ソニンク牝系からこれからも目が離せない。
血統表
| Machiavellian 1987 黒鹿毛 |
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
| Raise You | |||
| Gold Digger | Nashua | ||
| Sequence | |||
| Coup de Folie 1982 鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
| Cosmah | |||
| Raise the Standard | Hoist the Flag | ||
| Natalma | |||
| Sonic Lady 1983 鹿毛 FNo.B3 |
Nureyev 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
| Natalma | |||
| Special | Forli | ||
| Thong | |||
| Stumped 1977 鹿毛 |
Owen Anthony | Proud Chieftain | |
| Oweninny | |||
| Luckhurst | Busted | ||
| Lucasland |
クロス:Native Dancer 4×5×5(12.50%)、Natalma 4×4(12.50%)、Almahmoud 9.38%(5×5×5)
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関連項目
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