- アニメ『新機動戦記ガンダムW』及びその関連作品に登場する架空の人型機動兵器、モビルスーツ(MS)。 トールギス(プロトタイプリーオー)、トールギスII、トールギスIIIの3モデルがある。本稿にて記述。
- ニコニコ大百科編集者の一人。(→ユーザー記事)
概要
A.C.175年頃、5人のガンダム開発技術者とハワードが設計、開発した最初の試作型戦闘用MS。地球圏統一連合のMS規格(頭頂高:15~16m)より一回り大きく、リーオーよりも更に分厚いチタニュウム合金装甲。その強度は「ガンダニュウム合金に匹敵する」とゼクスの部下であるワーカーは語ったが、同時にこの強度を維持するために大型化を招いてしまったという。結果的にこの大型化による重量増加を背部の大型推進装置「スーパーバーニア」の大推力を補っている。
主武装の大型携行火器「ドーバーガン」(トールギスIIIは「メガキャノン」)と「スーパーバーニア」、円形型(サークル)のシールドを持つ姿が特徴的な機体。VHS・DVD2巻ジャケットイラストからも、そのデザインが騎士や騎兵的なものであることがわかる。全機種共通の頭部フェイスカバーの頭頂部に鶏冠(トサカ)状の装飾も施されている。
機動性や運動性は3モデル共に一級品である。ゼクスに「殺人的な加速だ!」とまで比喩されるスーパーバーニアは、一瞬にして15Gに加速する超推力を発揮し、旋廻性能はエアリーズの3倍以上、地球大気内最高速度は計測中にオットーが高Gに耐え切れずに気絶したため計測不能であった(エアリーズの巡航速度マッハ2を遥かに凌駕する。また、これは大気圏内に限った話であり、宇宙空間での最高速度は不明)。当然、この機体を完璧に扱えるのはゼクス・マーキスやトレーズ・クシュリナーダ等の相当の腕を持ったパイロットに限られてくる。
装甲に関してもガンダニュウム合金に匹敵するとされるその強度は、劇中の描写だけでも「エアリーズを破壊できるビームの猛攻を受けて無傷(小説版は全て回避)」「(サンクキングダム)基地に最大速で特攻して、基地が壊滅した中で無傷」という恐ろしいもの。資料や媒体によって設定にバラつきや諸説あるが「ガンダニュウム合金に近い組成のチタニュウム合金」「ガンダニュウム合金も多用されている」という設定も見受けられる。
また、深海の水圧に耐える強度を持ったキャンサーを真っ二つに引き裂くパワーもある。これ以外にも、リーオーでは反動が大き過ぎて扱いづらいドーバーガンを、片手で取り回し連射できるほど。
並のパイロットには到底扱えない性能と、機体の大型化により量産機として失格と判断されたこと、また開発者が行方をくらませたことで完成直前に開発は中止された。その後トールギスを大幅に小型・簡素化することで実用性を高めたリーオーが開発された。
小説版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』では、老子Oが製造した青いトールギスが登場する。L5コロニーがOZによって襲撃された際、竜妹蘭(ロン・メイラン、張五飛の婚約者)が搭乗し応戦したが、強烈なGに耐え切れずに死亡した。
メカニックデザインはカトキハジメが担当。名前の由来は「テウルギスト」(サージスト、独:Theurgist、「呪術師」、「降霊術師」の意)から。
ガンダムビルドファイターズではグレコ・ローガンがトールギスをベースに改造を施したガンプラ「トールギス・ワルキューレ」が登場している。カラーリングが深緑主体になったほか、武装がドーバーガンからメガキャノンに変更されており、バーニアも強力なものに改造されている。作中ではニルス・ニールセンの戦国アストレイ頑駄無に敗れている。
OZ-00MS トールギス
Tallgeese (Prototype Leo) | |
---|---|
型式番号 | OZ-00MS |
設計者 | ドクターJ |
プロフェッサーG | |
ドクトルS | |
H教授 | |
老師O | |
ハワード | |
製造者 | OZ |
所属 | OZ |
ピースミリオン | |
頭頂高 | 17.4 m |
重量 | 8.8 t |
材質 | チタニュウム合金 (TV版設定) |
ガンダニュウム合金 (小説版設定) | |
武装 | ドーバーガン × 1 |
シールド × 1 | |
ビームサーベル × 2 |
初代トールギス。全ての戦闘用MSの原型ともいうべき機体。この機体の直接の量産型MSであるリーオーシリーズが開発されたため、初代トールギスはプロトタイプリーオーとも呼ばれている(開発はトールギスが先だが、完成はリーオーが先である)。パイロットはゼクス・マーキス。
博物資料として、ほぼ完成形でコルシカ基地の倉庫に保管されていた1機をOZが完全に復元させたもの。数機分の予備パーツも保管されていたため、後にトールギスII及びトールギスIIIも製造される。
頭部には赤い鶏冠の様な装飾が施され、顔面にはガンダムタイプに似たフェイスガードが被せられている。このフェイスガードを外すと、リーオー等によく似た四角形のカメラセンサー(通称:テレビ)が現れる。
基本武装はドーバーガン、シールド、ビームサーベルの3種。射撃と格闘の両方に優れ、5機のガンダムと互角以上に渡り合える機体だが、前述の概要通りかなりの「じゃじゃ馬」である。私の愛馬は凶暴です
トールギスのアビリティレベル
トールギスの武装詳細
- ドーバーガン
大型長砲身の携行砲。供給数の少ないドーバーガンには、ロケット砲タイプとビーム砲タイプの2種類が存在し、トールギスのものはビーム砲タイプである。ただし、劇中ではエアリーズに対してロケット弾を撃ち出しているシーンもあり(ビームとも見れなくもないが、射撃直後に砲口から白煙が出ており、砲弾の軌跡もロケット弾特有の噴煙が見られる)、トールギスのドーバーガンに限ってはビームもロケット弾も両方扱えるのではないか、との考察もある。
どちらのタイプもガンダニュウム合金製の装甲を破壊することはできないが、ガンダムタイプにダメージを与えられる威力を持つ。(前期OPではウイングガンダムの頭部の塗装装甲にダメージを与えている)
中盤から登場する量産ガンダニュウム合金製のビルゴも破壊している。
右肩アーマーのアタッチメントに装着されており、機体全高よりも長大で砲口は戦車砲の様な形をしている。
これはあえて旧式のマズルブレーキを採用しているという設定が存在する。
ビームサーベルによる近接戦や弾切れの際はアタッチメントから外し、放棄する場合もある。
漫画「敗者たちの栄光」ではウイングガンダムのバスターライフルを相殺している(出力だけでなく、ビームの性質が違う設定のためやり過ぎという声もあるが、この武装がバスターライフルを含むMS用ビーム砲の原型でもある) - シールド
円形のシールド。円の中心には鷲の紋章が描かれている。左肩アーマーのアタッチメントに固定装着されており、アタッチメントから外して手持ちで使用することも可能。 - ビームサーベル
OZ製MSの一般的な近接戦闘用エネルギービーム刀剣。シールド裏面のアタッチメントに2本のビームサーベルが装備されている。使用されている素材がガンダニュウム合金ではないため、ビームの特性状ガンダムのものより劣る。それでもトールギスのものはMSは元より艦船を両断、ビルゴ系も撃破できる出力を持つ。
前期OPではウイングガンダムの左上腕を斬り飛ばしているが、劇中ではガンダムヘビーアーム(装甲はガンダム5機中でも厚い分類)の胸部装甲は斬り裂けなかった。 - ミサイルポッド
小型の手持ち式2連装ミサイルポッド。拡散ミサイルポッド、散弾ミサイルポッドとも。アニメ第33話にて、ビルゴ輸送艇に対して2度使用されている。2発の拡散ミサイルは同時射出され、目標に着弾せずとも巡航途中で爆発、拡散する(アニメ描写では、エネルギービームらしきものを全周囲に拡散放射している様に見える)。複数の輸送艇を一撃で破壊する威力を持つ。使用後はもちろんポイ捨て。 - ヒートランス<テンペスト>装備
漫画「敗者たちの栄光」に登場したEW版トールギス用の新装備。 ランスの先端部を赤熱化させMSを容易に貫く。肩部モジュールに装備され、銃型のグリップを取り付けることでシールドやドーバーガンとの変則的な使用法も可能となる。ウイングガンダム(EW)との決闘の際には搭乗者の技能もあり戦闘を優位に持ち込んだ。
ウイングガンダムゼロのビームサーベルを装備したガンダムデスサイズヘル(EW)とビームシザースを持ったヒルデのリーオーの同時攻撃により、衝撃に耐えきれず左腕ごと破壊されている。
OZ-00MS2 トールギスII
Tallgeese II | |
---|---|
型式番号 | OZ-00MS2 |
製造者 | OZ |
所属 | 地球圏統一連合 |
頭頂高 | 17.4 m |
重量 | 8.8 t |
材質 | チタニュウム合金 |
武装 | ドーバーガン × 1 |
シールド × 1 | |
ビームサーベル × 2 |
2代目トールギス。保管されていた予備パーツを用いて製造された機体。パイロットはトレーズ・クシュリナーダ。
エレガントになった黄金の鶏冠や更にガンダムタイプによく似たフェイスガード(ツインアイ化)が施され、一部の機体色が白から青に変更されたくらいで初代とほぼ同一の機体である。性能もほぼ同一とされている。
武装も初代と同じく、ドーバーガン、シールド、ビームサーベルの3種。
企画段階では機体色が黒のブラックトールギスが検討・紹介されており、漫画版ではこちらが登場している。
MSパイロットとしても天才的なセンスを持つトレーズはエレガントにビルゴⅡを撃破しているだけでなく、トールギスの超加速もエレガントに受け流し、フルスロットルさえ問題なく(躊躇なく)耐えている。
トールギスIIの武装詳細
前述の2連装ロケットランチャー以外は、初代トールギスと同様の武装である。「トールギスの武装詳細」を参照。
OZ-00MS2B トールギスIII
Tallgeese III | |
---|---|
型式番号 | OZ-00MS2B |
製造者 | OZ |
所属 | プリベンター |
頭頂高 | 17.4 m |
重量 | 8.2 t |
推力 | 87,003 kg |
材質 | チタニュウム合金 |
武装 | メガキャノン × 1 |
シールド × 1 | |
ヒートロッド × 1 | |
ビームサーベル × 2 | |
バルカン × 2 |
3代目トールギス。トールギスIIと同時期に予備パーツを用いて製造された機体だが大戦中(アニメ本編)では登場せず、バートンの乱(『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』)にて登場する。新装備であるメガキャノンの調整が遅れたため使用されることなく、マリーメイアの反乱が起きるまでプリベンターが保管していた。
パイロットはゼクス・マーキスコードネーム・火消しの風、プリベンター・ウインド(誰も呼んでくれない)。
トールギスIIよりも更にエレガントな鶏冠になり、初代に似たフェイスガードを施している。推力は更に強化されており、単独で軽々と大気圏離脱を行っている。
武装は、メガキャノン、シールド、ヒートロッド、ビームサーベル、バルカンの5種。
劇中ではマリーメイア軍の大気圏降下を阻止するために、ウィンドを名乗るゼクスが駆り出撃。資源衛星MO-IIIを破壊するものの、マリーメイア軍の降下を許してしまう。その後は地球に降下し、他のガンダムパイロットとともに最後まで戦い抜いた。その後の本機の処遇は不明となってる。
トールギスIIIの武装詳細
- メガキャノン
大型長砲身の携行ビーム砲。右肩アーマーのアタッチメントに装着されている。
最大出力時は上下二本のレールが突出し、レールと共に砲身が更に上下に開く。その威力はツインバスターライフルに匹敵する程であり、実際に資源衛星MO-IIIを一発で完全に破壊している。これはあくまで最大出力の状態であり、通常の状態でも射撃が可能とされている(近年のゲームなどでも再現)。
大統領府への進撃の際には装備されなかった。 - シールド・ヒートロッド
内部にヒートロッドを収納する攻防一体型のシールド。左肩アーマーのアタッチメントに装着されている。
ガンダムエピオンと同系統のものであるが、トールギスIIIのものはシールド内に収納できるように伸縮機能がある。OVAでは赤熱化の描写はなかったが、劇場版の特別篇において赤熱化することでサーペントの装甲を溶解させている。 - ビームサーベル
前述の「トールギスの武装詳細」を参照。
出力が調整・改良されたのか不明だが、ネオチタニュウム合金製のサーペントの装甲をも貫く。 - バルカン
頭部に固定搭載されている近接防御火器。口径は不明。
資料や媒体によって存在しない。
ガンダムVS.シリーズにおけるトールギス
原作のスーパーバーニアを再現した特殊な仕様で、長時間のブーストダッシュができない代わりにブーストボタンを1回押すだけでNEXTダッシュが発動し、水平にではなく少し上方へ機体が移動する。その特殊な軌道から稼動初期には対処が困難な強機体とされていたが、最終的には2000コスト帯下位ランクにまで落ちている。
ガンダムW EW枠にトールギスⅢが追加参戦。コストは新設の2500。
前作のストライクフリーダム同様、大幅に強化された機体であり、現状において前々作のフリーダムガンダムばりの性能を持つ一強機体として話題になっている。
かつてプレイヤーに「壊れ機体」と言わしめた同作のケルディム・クロスボーンX1・マスター・デスティニーの初期性能を遥かに上回るポテンシャルを秘めており、それを最大限に発揮できるプレイヤーが使うとAC北斗のトキよろしくほとんど被弾しない無敵の機体が戦場に舞い降りる。
曰く、「トールギスはトールギスでしか倒せない」。
これだけの性能でありながら、定期アップデートによる修正を一度スルーしており、プレイヤーからは非難の声が上がっている。
そんなトールギスだが、現在は度重なるアップデート等でかなり弱体化し、「癖が強くて使いにくいのにそれに見合った結果が出にくい」という機体になっている。
更に新たにトレーズの駆るトールギスⅡが実装され、こちらがトールギスⅢと比べて「癖がなく扱いやすい上に高性能」な機体で在るため、厳しい立ち位置になっている。
最新作のエクストリームVS2では一部ライバル格の機体コストが主人公格の機体に合わせて上方修正された。トールギスⅢもそのうちの1機で、ウイングガンダムゼロ(EW)に合わせてコストが3000にアップ。
それに伴い、機体の目玉でもあったスーパーバーニアがコマンド制(特殊格闘)に変更され、通常の機体と同じブーストダッシュ挙動が出来るようになるという大胆な調整がなされている。また、武装の内容はほぼそのままに、一部攻撃の挙動が大幅に早くなっていたり、新たなチャージショット、バーストアタックの追加など、コスト3000に相応しい機体に仕上がっている。
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関連コミュニティ
関連項目
- 機動兵器 - 人型機動兵器
- モビルスーツ(MS)
- 新機動戦記ガンダムW - 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- OZ
- ゼクス・マーキス(ミリアルド・ピースクラフト)
- トレーズ・クシュリナーダ
- ウイングガンダムゼロ
- ウイングガンダム
- ガンダムヘビーアームズ
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