ガンダムヘビーアームズ(XXXG-01H Gundam Heavyarms)とは、アニメ『新機動戦記ガンダムW』及びその関連作品に登場する架空の人型機動兵器、モビルスーツである。
本項では派生機「ガンダムデリンジャーアームズ」や各種バリエーションについても解説する。
概要
| Gundam Heavyarms | |
|---|---|
| 型番 | XXXG-01H |
| 設計者 | ドクトルS |
| 製造者 | ドクトルS |
| 頭頂高 | 16.7m |
| 重量 | 7.7t |
| 材質 | ガンダニュウム合金 |
| 武装 | ビームガトリング×1 |
| 胸部ガトリング砲×2 | |
| マシンキャノン×2 | |
| バルカン×2 | |
| ホーミングミサイル×6 (EW版は×32) |
|
| マイクロミサイル×24 (EW版は×56) |
|
| アーミーナイフ×1 | |
| ビームサーベル×1(16話のみ) | |
| イーゲル装備×1(EW版) | |
| ダムゼルフライ装備×1(EW版) | |
アフターコロニー(A.C.暦)における5機のガンダムの内の1機であり、ドクトルSが設計・開発したモビルスーツ(MS)。 OZ側でのコードネームは「ガンダム03」(ゼロスリー)、もしくは単に「03」。
5機のガンダムの中でも随一の火力を誇り、全身に多数の火器を内蔵する機動弾薬庫とも呼べる機体。
一方で接近戦用の武器は基本的にアーミーナイフ1本のみと貧弱であり、弾切れの際の火力低下が著しいという欠点を持つ。しかしながら全弾撃ち尽くした状態の本機は大幅に軽量な状態故に機動性が向上しており、接近戦においても十分な戦闘能力を持つ。
また、これだけの弾薬をどのように確保しているかは不明であるが、当初は組織(バートン財団)からの支援が予定されていた。支援部隊は正体を偽ったトロワが壊滅させたため、自力で確保していると思われる。
(五飛は武器商人から、カトルとデュオも支援者から補給を受けている)。
OZ南極基地でミサイルも含めて補給を受けているため、OZ内でも使われているものである可能性がある。
また、近年では漫画「敗者たちの栄光」や「Frozen Teardrop」、プラモデルのMG化などに伴い、アーミーナイフ・シールドなど武装や装備などさらに設定が追加されている。また、一部の武装の詳細な設定は公式・監修のものも含めて資料によって違うため、非常に安定していない。
作中において他の4機が自爆したり鹵獲されたりと散々な目に会っている中で、本機のみがそのような状況に陥っていない。代わりに中盤は出番がほぼない。
もっとも、パイロットの方が散々な目に会っているとも言えるのだが……(主に黒カトルのせいで)。
ガンダムヘビーアームズのファイティングアビリティ(リーオーをオールレベル100として換算)
ガンダムヘビーアームズ改
| 型番 | XXXG-01H2 |
|---|---|
| 頭頂高 | 16.7m |
| 重量 | 8.2t |
| 材質 | ガンダニュウム合金 |
| 武装 | 2連装ビームガトリング×1 (EW版はダブルガトリングガン×2) |
| 胸部ガトリング砲×2 (EW版×4) |
|
| マシンキャノン×2 | |
| バルカン×2 | |
| ホーミングミサイル×6 EW版×36(+8・フロントスカート) |
|
| マイクロミサイル×24 EW版×56(サイドスカート含む) |
|
| アーミーナイフ×1 |
コロニー独立派勢力のMS「ガンダムヘビーアームズ」の改修機。
舞台が宇宙に移行した後、空間機動性と火力を強化したこの形態へと改修された。
改修時にバックパックや各部に姿勢制御用も含めた大小の推進器が追加された他、ビームガトリングも1基増設され2連装になった。
ガンダムヘビーアームズ改(EW版)
OVAの「Endless Waltz」の発表に合わせてカトキハジメの手によりデザインを改められた。
こちらはアーミーナイフがオミットされ、ミサイルの搭載数が大幅に増えた他、ビームガトリングはダブルガトリングに代わり2つ携行する(過去の資料や媒体によってビームとも実体弾とも紹介されているが、現在では実体弾という設定が主流)。カラーリングも暗い青緑調になった。
劇場版の特別篇公開時にパンフレットで改修前(地上用)のデザインも公開されたが、こちらは武装の一部変更とTV版を意識したカラーリングとなっている。
改修前は主に「アーリータイプ」、改修後(改)では「EW版」「~(EW)」「~カスタム」等と呼ばれる。
設定上はTV版と同一機体であるが、武装や細部の形状が大きく異なる。
武装詳細
- ビームガトリング/2連装ビームガトリング
ヘビーアームズの主兵装。6銃身の大型回転式ビーム機関砲。シールドと一体化しており、左腕に装着される。
物語中盤から登場する(量産のため低質とはいえ)ガンダニュウム合金製であるMDビルゴⅡを破壊できる威力がある。左側面に右手で保持するためのフォアグリップのアームが折りたたまれているが、描写としては漫画版1話での使用のみ。不使用時はバックパックに懸架する。改修時に2連装となった。
MSは装備によって機体の左右バランスが偏りが発生することがある(片手に小型の銃、片手に大型の盾など。逆に同じ重量の装備で左右のバランスを取ることも可能)。それを機体コンピュータが自動で補正・制御している。
この武装はその重量ゆえに機体のバランスが不安定なものとなっているが、トロワは投棄した際の重量バランスの変化(恐らく切り替わりのタイムラグ)を考慮しあえてシステム上の補正を行っていない。
小説版では実体弾として扱われているが、このデザインだと腕部に銃身基部ごと装着する方式であるため、弾を装填する場所がない。小説版ではPD(プラネイトディフェンサー)が実体弾に効果がない、という設定であるため有効な武装となっている。
ガトリング砲は複数の銃身を用いることで、弾の装填→発射→排莢というサイクルを高速で次々に行う。
PS2ゲーム「A.C.E」に登場した際に大型掲示板での考察から、「ビームの充填→発射→冷却」を繰り返し行っているのではないか、という説が一部で紹介されているが公式での明確な設定や解説は今現在に至ってもない。
EW版ではさらに大型・長銃身となり、ドラムマガジンをバックパックを装備して給弾ベルトで繋がれている。腕部を収納せずグリップを握るタイプに変更された。シールドは装備されていなかったが、後にTV版を思わせるものが新設定された。公開時のパンフレットなどの情報では実体弾であったが、近年ではビームとして扱われている。 - ダブルガトリングガン×2
カトキデザインのEW版(改修後の機体)の主武装。TV版で2連装であったが、これをさらにもう一挺装備して一斉射する。その威力は、軽く浴びせるだけでネオチタニュウム合金製のサーペントの装甲がボコボコになるほど。
(サーペントが装備するものはヘビーアームズの生産ラインを流用した同型であるとされている)
当初はプラモデルの解説も含めてビームとするものもあったが、小説版では実体弾であり、劇中では薬莢と思われるものも落ちている。小説版では信管を抜いているという描写がある(MSサイズの銃器は炸裂する榴弾などの砲弾。徹甲弾を用いるものもある)。
現在では専ら実体弾という扱いだが、排莢の描写がなく、本体も大型ではないため装弾できる数などから実体弾なのか疑う人も少なくない(あるいはスタッフ側での設定が明確に決まっていなかった、連絡ミスの可能性もある)。 - 胸部ガトリング砲
胸部に内蔵された2門の実体弾式ガトリング砲。胸部装甲を観音開きに展開することで使用可能となる。
TV版ではコクピット部の装甲ごと開く構造なので何気にかなり危険な武器。胸部中央の緑色のレンズが何であったか未だ不明だが、恐らくセンサーの類と思われる(カトキ版では存在しない)。
カトキ版では展開方式が修正された他、『~改』(改修後)では小型化され4門に増設されている。後に登場した「アーリータイプ」は今現在ではTV版と同じ2門となっている。 - バルカン
他のガンダムと同様頭部に2門搭載する。火力自体は低いため、迎撃や牽制が主な用途。 - マシンキャノン
左右肩部に2門内蔵する。他のガンダムタイプよりも大型。対MS戦においても十分な威力を持つが、本機の場合は補助武装としての位置付けが強い。 - ホーミングミサイル
両肩に内蔵された6発の大型ミサイル。熱紋、電磁波を探知するパッシブホーミング式ミサイル。螺旋状に回転して推進・追尾する。爆風だけでリーオーがバラバラになる威力を誇る。
カトキ版では36発(9発×4基)。こちらでは脚部に移されており、脚部のミサイルを指す。媒体や資料によってTV版と同じく肩部ミサイルをするものも存在する(あるいは明確にどちらであるか記さない)。
HG1/144キット化にあたり新たに腰部前面装甲(フロントアーマー)にも左右に4発ずつ追加されている。
(デザイン上マイクロミサイルと区別が難しいが)パッケージイラストの解説などでは「HOMINGMISSILE×36+8(OPTION)」と記載されている。合計44発。
漫画「BATTLEFIELD OF PACIFIST」では肩のオプションラック(爪状のパーツ)にミサイルランチャーを装備している。 - マイクロミサイル
左右の脚部のランチャーに搭載されるミサイル。12発×2。こちらは一斉射による面制圧火器としての側面が強い。
カトキ版では44発(8発×2、7発×4基)。前述のホーミングミサイルと入れ替わり、TV版と違い肩部のミサイルを指す。媒体や資料によってそのまま脚部ミサイルとして扱うものも存在する(あるいは不明確)。
腰部の側面装甲(サイドスカート)にも8発(4発×2基)追加されたため、合計すると52発にも及ぶ(こちらはHG1/100キットから標準装備)。これによってミサイルの総数は96発に及ぶ。
肩部の展開方式も変更され、縦・横に開くだけでなく肩部の背面側の装甲も回転して展開する。 - アーミーナイフ
右腕に装備されたガンダニュウム合金製のナイフ。素材そのものがビームに耐性があるためビームサイズも受け止められる。本来は弾切れを起こした際の予備兵装だが、作中ではエアリーズを両断するなど十分な威力を見せた。
トロワが『弾切れ王子』とか『弾切れになってからが本番』と言われるのは大体この武器のせい。
(実は初披露した3話でカトルのサンドロックに腕をロックされて肘まで壊されているが、これは相手が同じガンダムタイプだったため仕方ない)
斬りかかる際に「はぁぁぁッ!」とトロワが叫ぶことが多いが、ビームガトリングのときも叫んだこともある。
宇宙では使用されないどころか、改修後の初出撃で右下腕ごと喪失したこともある。
カトキ版ではオミットされていたが、近年新たに設定されて外付けとして装備された。OVA発売時の小説版EWでは使用している描写があるものの、詳細は不明であった。 - ビームサーベル
南極でヒイロがゼクスとの決闘のため本機を借りることになった際、予めトロワが仕込んでおいたビームサーベル。
ウイングガンダムのそれを移植したものであり、本機オリジナルのものではない。
また、この装備のために左腕も取り外してしまった。使用する際にはホルダーを露出させるためにビームガトリングを炸薬で切り離さなければならない。
オプション装備(EW版)
- イーゲル装備
漫画『敗者たちの栄光』に登場するヘビーアームズEW版用の追加装備。
両肩に多連装ミサイルコンテナ、脚部にミサイルポッドを装備。前後左右に発射口があり全方位への対応が可能となっている。ロングレンジで大型ビームキャノンも使用されたが強度に問題があるのか撃つとすぐ壊れてしまった。更に下がった機動性を補う為、脚部に無限軌道ユニットを装備し高速移動中の攻撃も可能となる。
コルシカ戦ではこの無限軌道により周囲に全火器を発射(フルオープンアタック)しながら単身敵中に切り込み、圧倒的な火力を見せつけた。その一方で無限軌道ユニットそのものはガンダニュウム合金製ではないのか、エアリーズの射撃で破壊されている。 - ダムゼルフライ装備
漫画『敗者たちの栄光』に登場するヘビーアームズ(EW)用の空戦用の飛行ユニット。巨大なプロップローターとエンジン、降着装置で構成される。
ガンダムスーパーアームドタンク
初出はコミックボンボン。おとといきたろう氏のメカニックデザイン企画で設定されたバリエーション機。
ヘビーアームズのコンセプトである重火力を徹底的に突き詰めた形態。両肩部に小型ミサイルとホーミングミサイルポッド、右ポッド上部にキャノン砲3門を装備。腕部は両腕のマシンキャノンを備え、それぞれ右腕ビーム・クロー、左部クラッシュアームで構成される。
追加武装の重量に耐えるために脚部は無限軌道ユニットに換装しているものの機動力の低下が著しく、またガンダムにする必要性もなかったため、結局製作されず終い。
イメージ的にはガンダム×ガンタンクだが、その比じゃない程ごつい。名が示す通り“攻撃こそ最大の防御”であると言わんばかりの火力全振り仕様で、まさに「動く火薬庫」。ちなみに無限軌道もイーゲル仕様よりこちらが先である。
ガンダムスカイハイアームズ
ヘビーアームズの重火器を空爆に利用するという発想から生まれた形態。背部トランスポーターがジェネレートエンジンとブースターを持ち、高速でヘビーアームズを敵地に送り届ける。ヘビーアームズはブースターと腰のスラスターなどで方向を調整しながら、両腕のビームガトリングガンと脚のミサイルで攻撃をかけることが出来る。
地上に降りてからは通常の兵器で攻撃しながら敵地を離脱するという構想だった。
ガンダムデリンジャーアームズ
模型企画『ティエルの衝動』に登場するヘビーアームズの量産機。
ブレードアンテナが存在しない、いわゆる角無しタイプ。模型的にはヘビーアームズ改(EW?)をベースに製作しているため腕部にダブル・ガトリングガンを備え、火力は通常のヘビーアームズを上回っているようだ。前大戦時にロームフェラ財団が首都防衛用として大量に開発したが実戦配備がなかった。
最高機密である量産型ガンダム(ガンダムルシフェル)に乗っていた兄を捜す聖歌隊の少女、ティエル=ノンブルーの付き添いとして、元OZ宇宙軍のトライノイ・リヴィンスキーがその内の一機を強奪。ガンダムサンドレオンカスタム、ガンダムデスサイズギルティカスタムと激戦を繰り広げた末に相討ちとなる。
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関連項目
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