フライングパワーディスクとは、1994年にデータイーストから発売された業務用(MVS)スポーツゲームタイトルであり、フライングディスクと呼ばれるハイテク円盤を投げあってエアホッケーの様なゲームで競うバトルスポーツゲームである。 海外版のタイトルは「WINDJAMMERS」。
豪快バトルスポーツで盛り上がれ!
概要
キミは「フライングパワーディスク」(以下FPD)という競技を知っているか。ハイテク円盤を使って行う、いま最高に熱くてかっこいいバトルスポーツなんだ。そのFPDの世界選手権がついに開催されることになったゾ!さまざまな戦術を秘めた特製コートで繰り広げられる、かつてない激戦を制するのは、パワーか、スピードか、テクニックか。各国代表6選手のショーアップ・プレイに期待せよ!!
独自性の強すぎるセンスのゲームをリリースする変なゲーム会社「データイースト」が製作した業務用タイトルで、対戦ゲームと言えば「対戦格闘」か「対戦パズル」ばかりだったMVS/NEOGEOにおいて、データイーストらしい切り口での対戦ゲームとなった。
ゲームそのものは、フライングディスクと呼ばれる円盤を投げあって、相手の背後にあるゴールにディスクを投げ込むというもので、壁にぶつかってもディスクが落ちる事なく軌道がかわるところから、エアホッケーを元にしたゲームである事が解る。
状況による切り替えは必要なものの、基本的にはレバーと1ボタン(一応2ボタン使用するが1ボタンでも充分楽しめる)で、ディスクのキャッチは背面以外から触れるだけな他、
といった操作が可能で、キャッチしたディスクを投げあい、壁を利用してディスクの飛ぶ角度を変え、レシーブして高く舞い上がったディスクが落ちてくるまでに落下点で溜めたパワーを開放して必殺シュートをはなつ、と言うゲーム性そのものは非常に解り易いものとなっている。
移植等
1994年4月8日にNEOGEO用ROM版が、1995年1月20日にNEGEO-CD版が発売された。
2010年6月に、NEOGEO版がWiiのバーチャルコンソール用タイトルとしてリリースされたが、配信は2013年末に終了している。
2017年8月にアーケード版の「WINDJAMMERS」をリメイクした「フライングパワーディスク: Windjammers」がPS4/VITA向けに発売されている。その後、2018年にNintendo Switchにも移植された。
フランスのソフトメーカーであるDotEmuが「Windjammers 2」を2019年にPCとNintendo Switchで発売することも発表し、2021年末にはPC,Nintendo Switchに加え、PlayStation4,XboxOneでも発売されること発表し2022年1月20日に発売することに決定。更に、発売と同時にXboxGamePassにも対応されることも同時に発表した。
競技用具
「フライングパワーディスク」は、フライングディスクと呼ばれる特殊な円盤と、専用コートを使用して行われる。
フライングディスク
- 特殊な制御装置を内蔵した専用のハイテクディスク。
- 障害物に衝突した際に搭載されたマイコンによって演算して瞬間的に同等のエネルギーを内蔵バッテリーから供給することで、エネルギーをロスすることなく反射させ、計算上は抵抗がゼロに等しい正確な反射になる。
- 試合時は、コートの壁とネット上の反射板のみ対応するようプログラムされている為、選手の体やプロテクター、ネット、コートのゴール部分と衝突した際は、反射機能は反応しない。
- その他にも、ボーリングのピンなどの様々なものをプログラム対象にすることは出来るらしい。
専用コート
- ネットを挟んでお互いのエリアとなる形式で、両サイドにフライングディスクの反射対象に設定されている壁に挟まれている。
- ネットと逆サイドの選手の後方にはゴールが設けられており、3ポイント獲得できるイエローゴールと5ポイント獲得できるレッドゴールがある。
- コートにより全体の広さやレッドとイエローの各ゴールの数・位置が異なる他、ネット上に反射板と呼ばれるディスクを反射させる板が設定されている場合もある。
基本操作
レバー | 選手の移動・スライディング方向の選択・投げる方向の選択・カーブ投球操作 |
Aボタン | ディスクのシュート、ディスクのレシーブ、スライディング |
Bボタン | ロブ |
※MVS形式で表記しています。Wii版はVC同梱の説明書参照の事。
移動キャッチ
シュート
カーブ
レシーブ
スライディング
ロブ
必殺シュートスーパーキャッチ |
ゲームルール
ホールディング
得点勝敗
|
プレイヤーキャラクター
フライングパワーディスクには、6カ国の代表が集っている。
彼は全員、何がしかの競技の元選手であり、あるものはフットワークを、あるものは豪腕から繰り出されるファストボールを、あるものは超速のスライディングを、そして必殺シュートを武器に戦う。
:日本代表
AGE | 22 |
HEIGHT | 170cm |
WEIGHT | 55kg |
THROWING SPEED | F:★ |
AVG. | 82.44km/h |
CURVE POWER | A:★★★★★★ |
RUNNING SPEED | A:★★★★★★ |
SLIDING POWER | F:★ |
DEXTERITY | B:★★★★★ |
HIROMI MITA/三田浩美
元プロテニスプレイヤー。最強のフットワーク&カーブ。ただし、スライディングは苦手。
- 唯一の女性選手にして抜群の移動速度を誇る軌道の魔術師。
- 反面、元テニスプレイヤーと言う出自の為か、ディスクを投げるスピードとスライディング性能に大きな難点を抱えている。
- スライディングするぐらいなら普通に走った方が良い場合が多く、広いコートでも高速で走り回ることで充分対応可能。
- 異常なカーブ軌道でディスクを投げ返せるが、ディスクを投げるスピードの低さから見切られやすくなる事も。
- 必殺シュート「ライトニング・ウェーブ」は、横に広がる残像を残しつつ蛇行しながら飛んで行く。
:イギリス代表
AGE | 20 |
HEIGHT | 180cm |
WEIGHT | 73kg |
THROWING SPEED | E:★★ |
AVG. | 86.96km/h |
CURVE POWER | B:★★★★★ |
RUNNING SPEED | B:★★★★★ |
SLIDING POWER | E:★★ |
DEXTERITY | A:★★★★★★ |
STEVE MILLER/スティーブ・ミラー
元プロテニスプレイヤー。華麗なテクニックを持つ、天才的プレイヤー。
- 抜群の移動スピードと、充分なスライディング性能から来る安定した防御力に定評があり、カーブのかかり具合も抜群。
- 三田浩美とは性能的に「リュウ」と「ケン」の間柄な為、同キャラ対戦的な意図で使える。どちらかといえばスティーブ・ミラーの方がバランスが良い。
- 長身といわれるが、実は参加選手の中では2番目に背が低い。
- 必殺シュート「ソニックカッター・シュート」は、真横に投げた後、コートの壁に添って進む為、非常に解りやすい反面、どっちの壁に投げるかという二択を相手に強いる事が出来る。
:スペイン代表
AGE | 24 |
HEIGHT | 198cm |
WEIGHT | 105kg |
THROWING SPEED | D:★★★ |
AVG. | 94.76km/h |
CURVE POWER | C:★★★★ |
RUNNING SPEED | D:★★★ |
SLIDING POWER | B:★★★★★ |
DEXTERITY | D:★★★ |
JORDI COSTA/ホルディ・コスタ
元スペイン代表サッカー選手。6人の中、もっともバランスの取れた選手。
- 6人の選手の中では最もバランスがとれており、どの能力もバランス良く高い。
- 弱点らしい弱点はないものの、スピードかパワーに特化したタイプと広いコートや反射板付きのコートで渡り合うにはちょっと頼りないかもしれない。
- 必殺シュート「プラナスタ・ブラストドール」は、ジグザグに進んでいくが飛距離が長くなるごとにジグザグの幅が広がる為、相手の撹乱を狙う場合はより相手に近い位置からだせるようにすると良い。
:イタリア代表
AGE | 23 |
HEIGHT | 204cm |
WEIGHT | 110kg |
THROWING SPEED | C:★★★★ |
AVG. | 98.99km/h |
CURVE POWER | D:★★★ |
RUNNING SPEED | C:★★★★ |
SLIDING POWER | C:★★★★ |
DEXTERITY | C:★★★★ |
LORIS BIAGGI/ロリス・ビアッジ
元サッカーの世界No1キーパー。シュートを防ぐ守備力は、さすがに超一流。
- 全キャラ一の長身を誇る万能タイプで、似たような性能のホルディ・コスタが攻撃型+バランス型なのに対して、こちらは防御型+バランス型な性能。
- 但し、バランス型なうえに防御系にふられている為、攻撃については意外と難を抱えている。
- 必殺シュート「ディノ・ボルティチェ」は、円を描くように強烈なカーブをかけて放つ。円軌道は、相手との距離に応じて2回・3回と描くことも。
:アメリカ代表
AGE | 23 |
HEIGHT | 191cm |
WEIGHT | 125kg |
THROWING SPEED | A:★★★★★★ |
AVG. | 104.64km/h |
CURVE POWER | F:★ |
RUNNING SPEED | E:★★ |
SLIDING POWER | D:★★★ |
DEXTERITY | E:★★ |
GARY SCOTT/ゲイリー・スコット
元全米代表プロフットボーラー。最強のパワーを誇るが、機動力に乏しい。
- ディスクを投げるスピードにかけては最強を誇る「力こそパワー」キャラ。
- ディスクをキャッチしてから自動で投げるまでの間の速度低下が緩い。
- ネット近くでの接近戦に強く、相手が後ろに下がったらパワー満点の必殺シュートで相手ごと押し込むという豪快な遊びが出来る。反面、機動力は非常に乏しく、広いコートでは油断するとあっという間にやられてしまう事も。
- 必殺シュート「ブラスト・シュート」は、コートの壁面にディスクをなげて対角線を描くようにジグザグに飛ぶという普通のシュートでもよくみられる軌道だが、スピードが半端なく速く、コートの後方でキャッチしようとした相手ごとゴールに叩き込む事も可能なぐらいパワフル。
:ドイツ代表
AGE | 24 |
HEIGHT | 194cm |
WEIGHT | 122kg |
THROWING SPEED | B:★★★★★ |
AVG. | 101.27km/h |
CURVE POWER | E:★★ |
RUNNING SPEED | F:★ |
SLIDING POWER | A:★★★★★★ |
DEXTERITY | F:★ |
KLAUS WESSEL/クラウス・ヴェッセル
元円盤投げオリンピック代表。足は遅いが、迫力のスライディングでカバー。
- ディスクを投げるスピードも速い方だが、それ以上に重量級とは裏腹な驚異のスライディング性能を誇る。
- 通常の移動速度は非常に遅く、特に広いコートではスライディングを駆使する必要があるが、スライディングばかりしているとレシーブができず必殺シュートをうてなくなるので位置どりも重要。
- 必殺シュートは「ラキン・ガフ」で、投げた後、一定距離ごとに直角に曲がりながら進んでいくので一見キャッチしやすそうに見えるが、意外と捕りづらい。
※プレイヤーキャラクターの能力別の一覧
THROWING SPEED | CURVE POWER | RUNNING SPEED | SLIDING POWER | DEXTERITY | |
三田浩美 | F:★ | A:★★★★★★ | A:★★★★★★ | F:★ | B:★★★★★ |
スティーブ・ミラー | E:★★ | B:★★★★★ | B:★★★★★ | E:★★ | A:★★★★★★ |
ホルディ・コスタ | D:★★★ | C:★★★★ | D:★★★ | B:★★★★★ | D:★★★ |
ロリス・ビアッジ | C:★★★★ | D:★★★ | C:★★★★ | C:★★★★ | C:★★★★ |
ゲイリー・スコット | A:★★★★★★ | F:★ | E:★★ | D:★★★ | E:★★ |
クラウス・ヴェッセル | B:★★★★★ | E:★★ | F:★ | A:★★★★★★ | F:★ |
コート
試合は、以下の6種類のコートで行われる。
COM戦では、優勝するまでの6戦のうち最終戦はスタジアムコート固定で、それ以前5戦については残り5種のコートから、ダブりなしでランダムに選ばれる。
コートごとに広さが異なり、イエローゴールやレッドゴールの位置もコートによって異なる。
また、特定のコートには、センターネット上に反射板が設置してあり、ディスクがぶつかった際は壁にぶつかったのと同じ扱いで反射する。
BEACH/ビーチコート
LAWN/ローンコート
TILED/タイルドコート
CONCRETE/コンクリートコート
CLAY/クレイコート
STADIUM/スタジアムコート |
ボーナスラウンド
ディスクキャッチ
ディスクボウリング |
音楽
フライングパワーディスクの音楽は、データイーストのゲームサウンドチーム「GAMADELIC」が担当しており、爽やかなスポーツ系の曲の中に、コンクリートコート用BGMの様なRAPが入った曲があるといったGAMADELICらしい内容となっている。
1994年3月18日には、サイトロンレーベルから「ファイターズヒストリーダイナマイト」のカップリングで収録されたサントラCDが発売されている。
※収録されている楽曲の以下の通り
- SHOOOT!!(Arrange Version)
- GET READY(セレクト画面)
- Go FOR BROKE!(決定・ラウンドスタート)
- SHOOOT!!(タイル)
- SET CLEAR(セットクリア~NEXT ROUND)
- WINDJAMMERS(ローン)
- DRAW SET(ドローセット~NEXt ROUND)
- FLYING POWER DISC(ビーチ)
- LOST SET(ロストセット)
- CONTINUE!?(コンティニュー)
- HURRy!(DOG DISTANCE & DISC BOWLING~セットクリア~NEXt ROUND)
- REACH FOR THE TOP(ランキング)
- YOU GOT A POWER(コンクリート~ロストセット~NEXT ROUND)
- BREAK POINT CHAMPS(スタジアム~セットクリア)
- THE WINNER(エンディング)
- GAME OVER
- FLYING POWER DISC VOICE
- FLYING POWER DISC SE
CDにアレンジバージョンが収録されている「SHOOOT!!」は、GAMADELICのベーシスト「ATOMIC」による作・編曲である。
「SHoooT!!」は私の作編曲で、別名「「ちょっぱーRock」。
関連動画
▼VC配信記念に中野TRFで行われた「水輝」VS「でぶるどらごん」のガチ撮り対決。
▼中野TRFで開催のコンプリートゲーマーズトーナメントの種目にも選出された。
▼フライングパワーディスクをリスペクトした同人ゲーム「クレイジーパワーディスク」
関連コミュニティ
関連リンク
- バーチャルコンソール NEOGEOタイトル / フライングパワーディスク / D4Enterprise,Inc.(アーカイブ)
- Windjammers 2(Steam)
- フライングパワーディスク 1+2 オリジナル・サウンドトラック(2022年発売)
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 15
- 0pt