バイオハザード(映画)とは、カプコンの人気シリーズ『バイオハザード』をベースにした映画シリーズである。2002年から2016年にかけて6作が公開された。
2021年11月全米公開、2022年1月日本公開のリブート作品については『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』を参照。
原作となったゲームの大ファンであるポール・W・S・アンダーソンによって、同じくシリーズのファンであるミラ・ジョヴォヴィッチ主演で映画化された。
ジョージ・A・ロメロによって確立されたゾンビ映画の要素を踏襲しつつ、原作シリーズの設定・要素をしっかり取り入れ、なおかつオリジナル要素も追加すると言う、非常に意欲的な作品。
ジョヴォヴィッチ演じるアリスという女性が一貫して主人公であるが、ゲームの登場人物も登場する。
蓋を開けてみれば、一周して原作ゲームとは違うところに着陸したような、アクション満載の作風になってしまったが、オリジナル要素や世界観が原作シリーズに逆輸入されるなどの動きもある。
続編が5作も作られる世界的な大ヒットシリーズとなり、アンダーソン監督・ジョヴォヴィッチの両名を代表する作品となった。ちなみに両名はこのシリーズによって親交を深め、とうとう結婚するにまで至っている。
なお原題は、バイオハザードシリーズの海外タイトルと同じ「RESIDENT EVIL(身近な恐怖)」である。
世界興行収入1億200万ドル。
ゾンビから逃げ惑う恐怖を強調していた原作に比べ、アクションが強調された作品となった。
原作シリーズファンから批判の声も上がったが、観客には好意的に受け入れられ、以後の続編ではもう脚本とか演出とか無視したアクション重視に拍車が掛かっていく。
ゾンビなどのクリーチャーも去ることながら、館のセキュリティコンピュータ『レッドクイーン』が仕掛けるトラップなどの恐怖も描かれており、「CUBE」「ソウ」のような要素もある。
またサスペンス要素もあり、黒幕の意外な正体など驚かされた方も結構いるはず。
ラクーンシティ・t-ウィルスなどの設定は取り入れられたが、原作の登場人物は登場しない。
一方で、『レッドクイーン』と、彼女(?)が仕掛けるレーザートラップは、原作シリーズの『4』と『UC』に逆輸入された。
主に登場するのはゾンビ。ラスボス的位置づけで、原作では雑魚であるはずのリッカーも登場した。
アメリカ・ラクーンシティの広い洋館で、アリスは目覚めた。
しかし、自分が何者かであることすらわからない記憶喪失の状態だった。
不安を感じつつも屋敷をさまようアリスは、侵入していたマットという男性と出会い、次いで、突入してきた特殊部隊らしき集団に拘束される。
わけもわからず混乱するアリス。部隊の隊長らしき男は彼女に、「屋敷のセキュリティが発動し、神経ガスを噴射されたことによる一時的な記憶喪失に陥っている」と話す。
隊員達に拘束されたまま、アリスとマットは屋敷の地下に連れて行かれる。そこにあったのは、地下鉄道だった。
ラクーンシティの地下には、アメリカの薬品業界を一手に握る巨大企業・『アンブレラ社』の秘密研究所『ハイブ』が存在していた。地下鉄道は、ハイブへの入り口だったのだ。
ハイブへと突入する一行。
実は、ハイブ内部では、研究中の細菌兵器『t-ウィルス』が流出するというバイオハザードが発生していた。内部の人間は全て死亡し、メインコンピュータ『レッドクイーン』だけが作動していると言う状態にあった。
特殊部隊は、彼女のシャットダウンと事態の収拾のために派遣されたのだった。
衝撃を受けるアリス。しかし、自分の素性については未だ思い出せない。
そうこうしている内に、列車はハイブへ到着した。突入する特殊部隊。だが、そこに待っていたのは、暴走するレッドクイーン、そしてゾンビの群れであった……。
監督は、アレクサンダー・ウィットへと交代。
オリジナル要素が多かった前作に比べ、原作へのオマージュとアクションがより強調された作品となった。ひいては、シリーズ全体の方向を決定した作品と言ってもよい。
特にその中でも、アリスが超人として描かれ始めたのが大きい。全体的にも、ゾンビから逃げ惑う恐怖感は抑えられ、爽快なアクションが多く取り入れられた。
原作シリーズ『3』をリスペクトしている。今作から、原作の登場人物も多く登場し、『2』や『コードベロニカ』へのオマージュ(墓場からゾンビが蘇るシーン(これはそもそもロメロの『ゾンビ』へのオマージュだが)、ホールドアップから銃を落とすと見せかけて素早く拾い上げて発砲するシーン)も多い。
特に、『3』最大の特徴であり敵である『追跡者』=ネメシスが、キークリーチャーとして登場している。
ハイブでのバイオハザードから逃げ延びた、アリスとマット。しかし、脱出した直後にアンブレラの特殊部隊に拘束されてしまう。
ラクーンシティ病院の白い病室で目覚めたアリスは、壊滅した街を目の当たりにする。捨てられた新聞には、「死者が動く」という見出しが躍っていた。ハイブのバイオハザードは、ラクーンシティ全域に展開してしまっていたのだ。
事件の隠蔽を図るアンブレラ社は街全域を封鎖し、ラクーンシティは地獄と化す。R.P.D.=ラクーンシティ警察署では、S.T.A.R.S.に所属するジル・バレンタインが生存者を連れて街から脱出を試みようとしていた。少ない民間人を連れて無事脱出した彼女だったが、警察署は、死者の波に飲まれ、まもなく壊滅した。
一方、アンブレラ社から派遣された特殊部隊U.B.C.Sも、街に到着していた。その中には、カルロス・オリヴェイラ、ニコライ・ジノビエフの顔もあった。
やがて彼らは街の中で図らずも合流し、共に脱出を試みることになる。前作で覚醒した戦闘能力がさらに研ぎ澄まされていくアリス。しかし、もはや自力での脱出は困難であった。
そんな中、t-ウィルスを開発したチャールズ・アシュフォード博士から、アリス達に連絡が届く。車椅子の自分の代わりに、街中に取り残された娘アンジェラ・アシュフォードを助け出して欲しい、そうすれば脱出の手引きをする……というものだった。
アンジェラを探し始める面々。しかし、アンブレラ社と、強力な戦闘能力を持った謎の追跡者がその行く手を阻む。さらには、核爆弾による街全体の滅菌作戦も開始され……。
2007年公開。第3作。
原題は「RESIDENT EVIL :EXTINCTION」。"EXTINCTION"とは「絶滅」を指す。
バイオハザードが世界全体に広がると言う、「死霊のえじき」や「ランド・オブ・ザ・デッド」にも通じる世界観になった。
が、映画全体の雰囲気は、これらのゾンビ映画を超えて「マッドマックス2」「北斗の拳」などに近い終末的なものとなり、アリスの超人性がいよいよ冗談じみてくる、激しいアクション映画となった。
監督はラッセル・マルケイ。
激しいカッティングとダイナミックなカメラワークに定評のある彼が監督に抜擢されたことは、脚本や恐怖感に関してはもう誰もこだわっていないという認識が、製作側としても固まったことの表れとも取れる。
クリスやウェスカーなど、原作のメインの座にある重要キャラクターが登場する(もっとも、殆どは名前だけだが)。
また、原作シリーズのボスとして有名なタイラントも登場する。
ラクーンシティ崩壊から8年。t-ウィルスによるバイオハザードは滅菌作戦でも阻止できず、全世界に広がってしまっていた。
ウィルスは人類のみならずあらゆる動植物を悉く破壊し、果てしなく広がる砂漠をゾンビの集団が蠢く、まさに死の星の様相を呈していた。
しかし、わずかな人々は、ゾンビに襲われないよう各地を頻繁に旅しながらも、必死に生き残っていた。
その中には、前作で生き残ったカルロス、L.J.などがいる「クレア車団」なる集団もあった。そのリーダーとして車団を率いているのは、クレア・レッドフィールドだった。
一方でアンブレラ社も、世界各地の地下に存在する支部を支えに、対策を練りつつ再起を狙っていた。
その幹部の中には、アルバート・ウェスカーの姿もあった。
かつての仲間達と別れ、アリスは一人旅をしていた。その超能力はもはやリッカーやネメシスの域を超え、人類の及ぶところではなくなっていた。
彼女は旅の途中、アラスカにはウィルス感染が及んでおらず、安全であるという情報を得る。
アリスはこの情報を携え、クレア車団への接触を試みる。そして、数少ない生存者達の、アラスカへの脱出が始まった。
副題の通り、前作ラストでアラスカへ旅立ったクレア達と、アンブレラ社との戦いを本格化させたアリスのその後を描く。
監督は再びポール・W・S・アンダーソンが担当。
シリーズ初めて3D映画として製作され、ビジュアル的にもその意識が強い。
原作シリーズ『5』の要素が色濃く、プラーガによって誕生したマジニ(あるいはガナード)のような外見のゾンビも登場している。が、プラーガ寄生体の存在は描写されていない。また、超人的な身体能力を会得したウェスカーとクリスの戦いや、胸に取り付ける洗脳装置も描写される。
冒頭、t-ウィルスによって東京(渋谷)が壊滅するシーンがあるが、ここでゾンビ化してサラリーマンに襲い掛かる女性を、中島美嘉が演じている。
バイオハザードは、日本の東京にも広がった。ラクーンシティのバイオハザードから数年後、t-ウィルスによって、渋谷のスクランブル交差点で若い女性がゾンビ化。東京は壊滅した。
そのさらに4年後の現在。アンブレラ社は東京地下に巨大な基地を作り上げ、再起と生き残りのためのウィルス実験を繰り返していた。そのトップにいたのは、アルバート・ウェスカーだった。
その基地を、突然アリス達が強襲した。彼女達は、アリス・プロジェクトによって生まれたクローンだった。
超人的な能力を奮い、基地内を蹂躙するアリス達。しかしウェスカーは基地を見限り、爆破装置を作動。クローンアリス達は逃げ遅れ、全て殲滅されてしまう。
ヘリで脱出するウェスカー。しかしその背後に、一人生き残ったオリジナルのアリスが迫っていた。復讐を遂げようとするアリスだが、自身と同じくt-ウィルスに順応し超人的な力を得ていたウェスカーを仕留められず、逆にウィルス中和剤を打ち込まれ、超人的能力の全てを失ってしまう。
やがてヘリは墜落。アリスは辛くも脱出し、ウェスカーは爆発に巻き込まれる。
半年後、アリスはアラスカを目指していた。ウィルス感染のない安息の地、「アルカディア」を名乗るラジオ放送をきいたためだ。
だが、アラスカには人の姿はなかった。絶望するアリスを、一人の女が襲う。何と彼女は、かつて仲間だったクレア・レッドフィールドだった。
彼女の胸には、赤く光る蜘蛛のような機械がとりつけられていた。アリスが取り外すと彼女は攻撃をやめたが、記憶を全て失い混乱していた。
2人は飛行機で生存者を求め旅立つ。そして、壊滅したロサンゼルスにたどり着く。そこに、夥しい数のゾンビに囲まれた刑務所に立てこもる人々を見つけた。
彼らによると、「アルカディア」とはアラスカにあるのではなく、ロサンゼルス湾に浮かぶタンカーのことであるようだった。
湾への脱出を図るアリス達。しかし、四方八方をゾンビに囲まれた状況では有効な策が無かった。
が、一人だけ脱出経路を知る者がいると言う。それは、生存者達によって殺人者として監禁されていた、クリス・レッドフィールドだった……。
主演のミラが、「Ⅳを最後にこのシリーズへの出演を終える」と発言していたため、その製作は疑問視されていたが、海外の大手映画ニュースサイトによって発表された。
映画第1作のキャラクターの復活や、レオン・S・ケネディやエイダ・ウォンなどの原作ゲームからのキャラクター、さらに前作で登場していなかったプラーガが出るなど、盛りだくさんの内容となった。
『4』のラスト直後、「アルカディア」船上にてアンブレラのヘリ部隊からの攻撃を受けたアリスは海に落ち、意識を失ってしまう。
意識を取り戻したときにはアリスは再びアンブレラ社に囚われていた。アンブレラ社に洗脳されたジルによって執拗な尋問が行われるも、突然、施設のシステムが異常をきたし、アリスは独房から脱出する。
レーザートラップと東京を模した実験施設を抜けた先の制御室でアリスを待っていたのはエイダ・ウォン。彼女はウェスカーの命令でアリスを助けに来たという。はたしてアリスはジルの追撃や生物兵器の脅威を潜り抜けアンブレラ社の実験施設から脱出することはできるのだろうか。
2014年9月公開予定だったが、主演のミラ・ジョヴォヴィッチの妊娠などにより撮影が延期されていた。第6作。これが最終作となる。
前作ラストでウェスカーによりワシントンD.C.に連れてこられ、協力を求められたアリス。しかし、すべては罠だった。ワシントンでの戦いは敗北に終わり、人類滅亡までいよいよカウントダウンが始まった。
そのような絶望的な状況の中、一人生き残ったアリスにレッドクイーンがコンタクトする。世界を救いたければ48時間以内にラクーンシティのハイブに来て、という彼女の言葉を最後の希望とし、アリスの最後の戦いが始まる。
()内は登場作品。
掲示板
161 ななしのよっしん
2023/09/17(日) 01:18:39 ID: Vta9JDGDuk
クローンアイザックスと本物のアイザックス博士の演じ分けが凄すぎて別人に見える
特に本物は戦闘中以外はほぼ常時ポケットに手を突っ込んでたり、アリスと会話してる時も終始小馬鹿にした感じだったり、他者を見下してる感じがよく出てるね
162 ななしのよっしん
2023/09/17(日) 01:29:03 ID: 6KVnGCOdRz
1だけ知ってたけどアマプラで2見てみたら意外と面白かった
つかジルの立ち振る舞いが完コピレベルで良かった懐中電灯と銃の持ち方最高
ストーリーも割と原作なぞってるような感じでいいんじゃないと思ったが
3以降あんま評判良くないのか・・
163 ななしのよっしん
2024/03/25(月) 03:47:58 ID: vc9RXUfmPd
>>162
1と2が面白かったなら3以降はあんまりおすすめできないかな
甘めに判定すると5まではまだゾンビ映画として見れんことは無いが
3→普通に走るスーパーゾンビ達との世紀末超能力バトル
4→3以降では1番マシな映画だけど病原体はTウイルスのはずなのにゾンビ達がマジニになってる。クリスとウェスカーの再現度はかなり高め
5→せっかくジルも再登場してレオンとバリーとエイダが出て来たのに扱いが雑
ファイナル→マジモンのゴミ。前作まで生き残ってた原作キャラや映画オリジナルの主要キャラはクレアとアイツ以外誰も出てこない。実は小説版で全員・・・
ネタバレなしで言うとこんな感じ
まぁCGの出来とアクションだけは本当にいいから何か作業しながら見る分にはいいと思うよ
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最終更新:2024/04/23(火) 19:00
最終更新:2024/04/23(火) 19:00
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