妖精さんとは、
主人公である旧人類の「わたし」(中央)と妖精さんたち(周囲)
(・ヮ・)
声の出演:
※斜体は、特典映像「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」における妖精さんの声優。
緩やかに衰退し、黄昏時を歩む旧人類に代わる新しい人類。
3頭身、身長10cm程度。三角帽子を着け、人間用のボタンを一つだけ付けた厚手の外套をまとい、ちんまい手袋とブーツを着けた非常にファンシーでファンタジーでメルヘンな謎の存在。その外見とは裏腹に、絶頂期の旧人類の科学技術すら及ばない超技術を持つ。極めて敏捷。失禁癖あり。どんなに荒れ果てた土地でも自由に生きる力を持っている。人口は既に数百億人を超えていると目されており、作中の地球は既に彼らのものである。
とは言っても、旧人類をその科学力で支配して労働使役しているのかというとそんなことは全然なく、旧人類に対してはむしろ友好的・従属的。ただし極度の人見知りでもあるため、旧人類が多い場所には姿を現さない。妖精さんを見たことがない人も多く、中には妖精さんを視認できない人もいるようである。
作中ではさまざまな騒動を引き起こす、物語の実質的な主役である(サブタイトルも、一部を除いて「妖精さんの、○○」「妖精さんたちの、○○」に統一されている)。物語の語り部である「わたし」に懐いており、彼女の最後の手段として活躍する(そういう意味で「妖精さんの、おさとがえり(アニメ5・6話)」は「わたし」史上最大の危機だった)一方、悪意こそないものの彼女をたびたび騒動に巻き込む。
周囲の人間や、里全体を巻き込んだのっぴきならない事態に発展した場合、「童話災害」と呼ぶ。
生物のような外見を持ってはいるものの、従来の生物からはかけ離れた特徴を持つ。活動・生存・増殖に必要なのは水と食料ではなく、「楽しさ」という非常に抽象的・刹那的なもの。「楽しさ」のためなら旧人類の持つ常識や物理法則すら平気で無視した超技術を駆使し発展させる。
楽しいことの例
普段はバラバラに暮らしているが、楽しいことがあると集まり増殖する。増殖した個体が更にその「楽しさ」を加速させ、「楽しいこと」は雪だるま式に先鋭化・大規模化し、それとともに妖精さんの数も爆発的に増える。乗っかるのも大好きで、人間達が楽しそうなことをしていると真似しだしたり無闇に助長したりする。
ただし飽きるのも早く、長続きはしない。散るときは一瞬であり、しかもその後はそのことをロクに覚えていないことも多い。これを妖精さんの集合離散の性質という。
(余談ではあるが、これらの性質に関しては現実世界のネット住民との類似性が読者の間で囁かれている)
一方、物理的な腕力は見た目相応程度で、大体カブトムシと同じぐらい。戦闘力は皆無に近く、「わたし」に強さを聞かれたときは
「こないだ、かぶとむしにまけました」「くわがたに、かんぜんはいぼく」「ぼく、かなぶんにいじめられてます?」などと答えている。
言動や性格は押しなべて小さい子供のようで、喜怒哀楽から怒と哀を抜いた感情を持つ。ひらがなだけの舌っ足らずな言葉を喋るが、幼児のそれとは違い、語彙は比較的豊富である。言葉は通じるものの脈絡のない返答も多いので、意志の疎通が出来ているかは疑問。また、「個性」が希薄であり、比較的簡単に消失・増殖する。
「記録する」という概念を持たず、記憶力もあまりない。そもそも個体ごとにアイデンティティが連続しているかすら怪しいところがある。
生きていくのに食料は必要ないが、嗜好品としての「お菓子」が大好物。不可思議な超技術を持つ彼らだが、なぜかお菓子はうまく作れない(「わたし」は、「お菓子作りでは、妖精さんの苦手な計量や計画的手順が重要だからなのでは」と推察している)。そのため、お菓子での餌付けが可能である。なお、ポテトチップスなど甘いもの以外のお菓子も嗜む模様。
他にも、物語などの創作は苦手なようである。
破裂音が苦手で、危機を感じるとボールのように丸まる。また冗談や恐怖に耐性が無く、脅かすと容易に失禁する(ちなみに、彼らが排泄するのはほぼ真水らしい)など、彼らの外見も相まって微妙に嗜虐心をくすぐる一面も。堪えるのは「するー」だそうなので、かまってちゃんの面もあるようだ。
電磁波(特に電波やマイクロ波)に弱く、浴びると無気力になり鬱のような症状を示す。
この電磁鬱とは別に、余りにも極端に密集しすぎると「ぼくって、いらないこ、なんじゃ?」「おとなになんて、なりたくない」「がっこう、いきたくない」などと思い込み、元気を失ってしまうことがある。これは蝟集性(いしゅうせい)ストレスと呼ばれる。妖精さんは自然に散らばる性質を持っているが、何か離れがたい理由などがあればこの症状が出る。餌付けをする場合は注意しよう。
妖精さんが作り出した道具は妖精遺留物と呼ばれる。
大抵は妖精さんサイズではなく人間サイズなので、おそらくは人間への贈り物だと思われる。が、いずれも原理不明で物理法則無視かつデタラメな効果を持つものばかり。見た目はガラクタや何の変哲もない日用品でも、一歩間違うとシャレにならない童話的災害を引き起こすこともあるため(一応、「死人は出ない」程度のセーフティはかけられているようだが)厳重な管理が必要である。だが困ったことに、いくら厳重に管理してもいつの間にかなくなっていることも多い。
妖精遺留物の例
また、妖精さんは既存のモノや道具に潜り込むことができる。憑依できる、と言うべきかもしれない。とにかく、彼らが中に入ると、その入ったモノはわけのわからない機能を発揮するようになる。これらも「妖精さんの道具」に分類される。
粒子と反粒子が衝突し、お互いの全質量がエネルギーとなって消滅してしまう現象を対消滅という。
それとは全く関係ないが、妖精さんは伝承や神話の中に消えることができる。これを、「つい消滅」という。
記憶も神話の一種とみなされるため、人の記憶にも隠れ住むことができるのだと思われる。そうやって記憶の奥に消えた妖精さんを、人はなかなか思い出せなくなる。まるで幼い頃に聞かされた童話のように、漠然とした印象になってしまう。子供の頃に妖精さんと遊んだことがある人でも、大人になった頃には大抵忘れてしまっているのはそのため。
また、記憶に潜んだ妖精さんといえど「楽しい場所には集まってくる」という性質は変わらないため、人の記憶の中でお茶会を開いたりもする。妖精さん同士があたかも通信のように交流するため、相互理解をなんとなく促進したりする効果があるのではないかと「わたし」は推論している。
妖精さんは個性が希薄である。そのため基本的に名前を持っていない。
仲間内では「にゅあんすで」やり取りしているらしいが、それに不便を感じた「わたし」により、初めて拉致された接触した4人がそれぞれ次のように命名された。
彼らはその後、その個性とともに繁殖(増殖?)したらしく、妖精さんの集団には一人か二人程度の彼らの子孫(?)が確認できるそうだ。なお、「ひみつのこうじょう(アニメ第1・2話)」で「わたし」一行に同行した「なかたさん」はその内の一人だと思われる。
妖精さんの考える「楽しいこと」は、非現実的である傾向がある。つまり、妖精さんがたくさんいると常識に囚われない、ご都合主義的な現象が多発する。ただし、妖精さんは動物や旧人類の殺生を好まないため、迷惑を被ることはあっても死ぬ事はまずない。以下に、過去に人間がまとめたと思われる妖精さんの「まぬある」から抜粋して示す。
地域でもっとも妖精さんと親しい人物をひとり選んでください。一日に訪れる妖精さんの人数を計測し、妖精密度(妖精さん版の人口密度)を概算することが出来ます。
単位はf(Fairy)を用います。
例えば1fならば、一日でだいたいひとりの妖精さんと出会う環境です。
妖精さんは数が増えると厳密性が損なわれる傾向があり、計測は無意味になります。そこで本数値は15fを上限とし、それ以上は過密状態を現すFで示します。
- 15~10f
妖精さんだらけ、妖精さんまみれ、妖精さん濁の状態です。
極めて危険な反面、極めて安全です。
あなたはひどい目に遭うでしょう。
でもまず死ぬ事はありませんからご安心を。
- 10f~
相当数の妖精さんがいるこの状態でも、前項【~F】に準じた混乱と安全が予想されます。
トラブルの発生率だけは、妖精さんの数が少ないためいくぶん抑制されるでしょう。
ただ安全面は万全ではないため、注意一秒怪我一生であることを意識しましょう。
- 状況例
『高層ビル二十階から落下する』
→基本的には生存可ですが、トラバサミからペガサスを助けるなどの事前準備が不十分なときなど、場合によっては仮想的に顕現した神"あたり"に『このまま落ちて死ぬのは不憫だ』なる理由で鳥とか星座に変えられてしまう、といった根暗な文学や神話のような結末を迎えてしまうことがあります。
『至近からの銃撃を受ける』
→あなたを想う人が盾となり死んでしまうことがあります。
『親族間の遺産トラブルに巻き込まれる(ついでに殺人事件も起こる)』
→遺産に執着しないことが肝要です。調査にやってきた探偵などに「わたしはお金などいらない」等と清貧ぶりをアピールすることによって、民俗学における末子成功譚の恩恵に与ることでしょう。
『人食い怪物の襲撃』
→食べられた後、人食い怪物の体内でもう十年も脱出できぬまま暮らしている老人などと出会い、新たな冒険がはじまってしまう可能性があります。- 5f~
あなたはかなり現実味のある状況に置かれています。
危険に遭遇すれば怪我をすることもありますし、場合によっては命を落とすこともあるかもしれません。
ただ5f以上というわずかな数値であっても、あなたの生存確率は大幅に高められている事は確実です。
常に冷静に行動することで、危機を乗り越えることが出来るでしょう。
- 状況例
『高層ビル二十階から落下する』
→厳しい状況です。この危機を脱するために、自力で迅速にワイヤーフックなどを射出してください。その行動を取ることが出来れば、フックは必ず神技レベルでしっかりと係留されます。また多少厳しい方法ですが、落下中に秘められた力に覚醒するという荒業もあります。あなたが少女で、いわくありげな指輪やペンダントなどを所持しているならこちらをオススメします。
『謎の怪人に追い回される』
→長時間逃げ回ることになるでしょう。しかし最後には、機転をきかせて撃退することも出来るはずです。相手がチェーンソーやかぎ爪を所持していることもありますが、頑張って生存してください。印象ほど絶望的な状況ではないはずです。ただしあなたが素行不良の若者である場合、死亡率は跳ね上がります。素行にはご注意ください。
『ライバルとの最終決戦』
→順当に相打ちになってしまうでしょう。それはそれで美しい結末になりそうですが、命が大切な方はご注意ください。- 1f
わずか一人の妖精さんしかいないという状況です。
「これでは現実と何ら変化は無い」と思うかもしれません。
その予想は半分は正しいといえます。事実この状況では容易に死の影がちらつきます。あなたは普通の死因で落命することがあります。1f以下の世界はきわめて現実的なのです。物語めいた麗句に彩られた自分を夢想できるときではありません。
妖精さんが一人でも希望を捨てることのないよう。とにかく悲劇ではなく喜劇的な方向を目指してください。肉体を酷使することになると予測されますが、ここを先途と駆け抜けましょう。コロコロと方針を変えてはなりません。初期の確信を貫くようにしましょう。例えば錆びた剣を手にしたなら、それをみだりに投棄したりしないことです。そのような奮闘によって"童話的災害"が"伏線効果"の働きによって事象をプラスに転じさせることもあるのです。状況例は割愛します。- 0f
冷たく過酷な現実です。わたしたちの生きる世界です。
起こるべきことが起こります。
事故や病気に気をつけて、天寿をまっとうできるよう頑張りましょう。
2014年6月23日に発売された「人類は衰退しました 9」にてその正体が判明した。(以下反転)
妖精さんの正体は、かつての旧人類が持っていた「心の光」に惹かれ、そして「無意味」から逃れるためにやってきた異世界の存在である「妖精」、が人間への憧れから進化して人類そっくり(以下妖精人類)になり、衰退していなくなってしまった人類に代わり、「人間」として生きるために捨てる「妖精の魔法」そのものである。
旧人類ということになっている、現地球人類である妖精人類は、周囲の様々なものと結びついた「妖精の魔法」を「感知」して、「妖精さん」と呼んでいる。
※「見て」ではなく「感知」が正しい。妖精人類の目は、穴に目玉っぽいものが嵌っているだけで見えていない。「妖精人類」は「妖精の魔法」で周囲をコウモリのように把握している。
妖精は心を持たない魂未満の存在であり、「この世界」の外側の「おそろしげな暗闇」から、「心の光」を持つ存在を眺め、そして憧れていた。
やがて「心の光」を持つ「なめくじうお」が人類になると、妖精は人類と接触を試みるようになり、中世の頃には不完全だが肉体を伴って人類の前に現れるようになる。
それから妖精と人類の交流は少しずつであるが行われ、軌道エレベーター「国際バーチカルライン」の建設のために、妖精から「妖精の魔法」が与えられると、人類は飛躍的に発展した。
そして人類は「冷たい世界」に敗北し、衰退の一途を辿る。無意味な宇宙で生きていた妖精達の憧れである人類も、この宇宙が本質的に無意味であることに気付いてしまい、耐えられなくなってしまったのだ。
やがて国連は「妖精宣言」を発令し、妖精を人類に認定した。これ以降人類が激減し、情報の断絶が発生する。
そんな中、妖精は執念ともいえる人類への憧れから、人間そっくりの肉体を作り、妖精であることを忘れ、衰退した人類と入れ替わって人間として生きるようになった。
これが現人類である妖精人類の正体である。彼らは「おそろしげな暗闇」からやってきて、胎児のなかに入り込み生まれ、成長に伴い「妖精の魔法」を捨てて人間になる。
妖精が持つ力であり、手を触れずに物を動かすことができる。
ありとあらゆる物質に干渉する力であり、分子、原子、素粒子を自由自在に操り、重力だろうが電磁気だろうがやりたいほうだいに操作できてしまう、自然界の相互作用を逸脱した「魔法」。
この力を手に入れた人類は、太陽系に巨大な経済圏を築き繁栄した。
妖精人類はこの力を生まれつき持っているが、人間の心に収まらない(この力を持っていると人間として生きることができない。例えば少し願ったことが実現してしまう。それは人間ではない。この力を不用意に使ってしまったのが先代の調停官であり、その末路はビフ酒である)ので、その辺に捨ててしまう。それが周囲の万物と結びついて「妖精さん」として見えているように妖精人類は感じている。また、この力は周囲の妖精人類の意識の影響を強く受けるため、「妖精さん」のようなファンタジー成分が少ない堅苦しい妖精人類の周囲で妙な結びつき方をして、「トロール」になり、人類に悪影響を及ぼすこともある。これも一種の童話災害であり、調停官の教育カリキュラムにはトロール討伐が組み込まれている。
この力の本質は、「命の定義を広げる」こと。埋もれている「意識」を呼び起こし力を与えることで、万物と対話し行動させることができるようになる。この世界の外側から来た妖精たちは、生物や人工知能を搭載した機械だけでなく、人工知能を搭載していない旧式の機械や、様々な物理法則による相互干渉が生み出す自然現象にすらも意識を見出すことができる。
この力で万物と対話し、仲を取り持つことが「調停官」の真の役割である。万物と対話して世界に様々な価値観の命をあふれさせ、無意味な世界をおもしろおかしい世界に変えてしまうことで、かつて旧人類が直面し敗北した「冷たい世界」を塗りつぶし、いなくなってしまった旧人類の二の轍を踏まないようにしている。
作中では相談することで摩擦係数を0にしたり、宇宙の法則を書き換えたりと無茶苦茶をやっている力だが、この力をもってしても「ふるしかと」する過去に影響を及ぼすことはできない(タイムパラドックスとして成立している祖父の腕日時計の件を除く)。じくうぱいせんにに逆らうことはこの力をもってしても難しい。また、意識あるもののリミッターとして、失われてしまった意識を戻したり、複製したりすることも可能だができない。
「人類は衰退しました」には原作小説の挿絵が旧版・新版の2種類、加えてコミカライズが3つとアニメ版の計6つのキャラクターデザインがある。現在「妖精さん」のイメージ検索でヒットするものは大半がアニメ版のものだが(この記事にある絵もアニメ版のもの)、描写される妖精さんはメディアごとにどれもデザインが全く違う。
原作挿絵がまだ旧版の頃に作られたPV・旧版の妖精さんデザイン
特に、原作新版とアニメ版の2つは「わたし」を始めとする人間たちのデザインはほぼ同じなのにもかかわらず、妖精さんのキャラデザインだけが違う。理由は不明。
この記事も参考に→しめじ(ソフトウェア)
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最終更新:2025/02/12(水) 04:00
最終更新:2025/02/12(水) 04:00
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