からくり屋敷の おひいさま
待ち人来ずして 夢ん中
三年ねむぅて 梅となる
十年ねむぅて 鶴となる
百年ねむぅて 風となる
千年ねむぅて 何となろ……?
不思議のダンジョン 風来のシレン3~からくり屋敷の眠り姫~とは、チュンソフトにより開発された風来のシレンシリーズのタイトルのひとつである。
関連動画のタグとしては『風来のシレン3』が付けられている。タグ検索→風来のシレン3
風来のシレン3は、Wii用のゲームソフトとして2008年6月5日にSEGAから発売された。
後に細部を調整したPSP版の『風来のシレン3 ポータブル』が2010年1月28日にスパイクから発売されている。PSP版はシレンシリーズ初のPS系ハードでの作品である。
ナンバリングタイトルだけあって今までにない試みが多く取り入れられており、シレンシリーズでは珍しく長大なストーリーとなっており、それに伴ってキャラクターがリアルな等身の3Dで描かれ、ストーリーの要所にはムービーシーンが挿入されるなど見た目部分も大きく変化している。システム上もレベル継続や操作キャラクターの切り替えなど、これまでにないシステムを多く導入しており、全体的にローグライクよりもRPGに近い作品となっている。
しかし、シリアスなストーリーへの路線変更が、シリーズ恒例のほのぼの・何でもアリ・ギャグ等の部分を削ってしまい、それ以上に、RPG的な部分がローグライクのシステムとうまくマッチしなかったことで様々な問題がある。その結果、特にクリア前のストーリー部分については、ファンからの評価はかなり悪いものとなってしまった。また、多くの量販店で投げ売りされたり、反動でWIN版アスカの価格上昇を招いたりと散々な結果となった。
そのため、システム的に3系列と言える作品はないが、続編の風来のシレン4では多くの反省点が生かされている。
また、風来のシレン3については、どの出版社からも攻略本が発売されておらず、
代わりに公式の攻略サイト(有料)が公開されていた。(現在はサービスが終了している)
砂漠での冒険から1年。久し振りに都に出たシレンは、叔父であるセンセーと再会する。
センセーはシレンに奇妙な形の鍵を見せ、その謂れを語る。
これは伝説のからくり屋敷の鍵。
莫大な財宝が眠るというが、誰もその姿すら見たことがないというからくり屋敷――
その鍵が手元にあると聞き、シレンの中の風来人の血が騒ぎ出す。
こうしてシレンとコッパは、センセーと共にからくり屋敷が隠されているというホウライ山の麓、オオツツキ村を訪れた。
これから始まる冒険が、天地が鳴動する一大事の発端となることも知らずに……。
お馴染み主人公。本作では21歳。
ストーリー重視の本作でも、やっぱり喋らない主人公。今回は基本的に無口。
ただしSFC版であったように一部の選択肢は台詞形式になっている。
今回のストーリーではシレンの両親や祖先についてのエピソードも語られる。
従来の剣+盾の装備の他に、今作では二刀流も可能。
こっちもお馴染み、シレンの相棒の語りイタチ。シレンが喋らないため、仲間連れでない時はストーリー進行担当。
お調子者で口の減らない、なかなかイイ性格をしている。
本作ではツンデレな一面を垣間見せたり、タヌキになったりする。タヌキコッパのかわいさはガチ。
シレンの叔父(母の弟)で、幼い頃に剣術を教えてもらった師匠。十数年ぶりにシレンと再会する。
派手な格好でいい加減な性格の飲んだくれ浪人だが、剣の腕は一流。
独自のポリシーがあるらしく、盾は使わず二刀流で戦う。
意外にも神話や伝承に造詣が深く、ストーリー後半では解説役。
敵が口にした断片的な情報から真相を見破る推理力はキバヤシ名探偵さながらで、
その異常なまでの察しの良さが本作の「電波シナリオ」という評価の一因になっている気がしなくもない。
コッパとはアスカ見参以来、シレンとは2以来の再会となる風来の女剣士。24歳の乙女。
もう大人ということで、ござる口調は卒業したらしい。この事実は一部のファンを深く悲しませた。
パーティの常識担当、しっかり者。
二刀流はできないが、特殊な両手用武器を多く使える。もちろん剣+盾装備も可能。
ホウライ山の魔物たちを従える謎の美少女。からくり屋敷の番人のような存在に見えるが……?
シレンを以前から知っているような素振りを見せ、1000年の間待っていたと話す。
今回は比較的狭い範囲の伝承が多かったシレンにおいて、日本神話など実在の複数の伝説をモデルにした
かなり大規模なストーリーになっており、規模自体は最大であるが、それ故にシリーズの世界観から若干浮いている。
また、ストーリー自体もシステム側の都合なのか急展開が多く、終盤にセンセー(一部アスカ)が異常に察しがいい推理を行う(キバヤシ化)場合もあったりもする。
おそらく、急展開ではない本来予定していた通りのストーリーを普通のRPGで作れば高い評価を受けたと思われるだけにこちらも惜しい。
問題なのはストーリーそのものよりストーリー主導になったことによるシステムへの影響で、全体的にRPG要素に引きずられてローグライクに必要な「多くのアイテムがランダムで落ちているダンジョンを死んだらやり直し」という部分が上手くいっておらず、システム面の多くの問題の元凶となった可能性が高い点である。
詳しくは後述するがこれを最も象徴する点として、今までのシリーズではダンジョンで倒れると外に放り出されたり、宿屋で目覚めるシーンがあるのだが、3ではダンジョンで倒れるとそのままタイトル画面に戻ってしまう。要するに失敗すると『死ぬ』のであり、3で潜ってるのは不思議のダンジョンではないと考えることもできる。
また、クリア後のストーリーでエンディングでの描写が一部撤回されている(直接矛盾はしていない)こと、シリーズ恒例の良い意味でアホくさいノリが復活すること、クリア後のレベルリセットのダンジョンは比較的良く出来ていることからも、ストーリーというものとシレン的要素のすり合わせがうまくいかなかったことが伺える。
不思議のダンジョンでは、1回の冒険ごとにレベルがリセットされるのがお約束。が、本作では基本的にレベル継続、一部のダンジョンのみ突入時にレベル1になる(ダンジョンを出れば元のレベルに戻る)仕様になっている。
不思議のダンジョンシリーズ全体として見ればトルネコ3やポケダンという前例はあったが、シレンシリーズではこれは初の試み。トルネコ3と比べるとレベル自体は体感的に今までのシレンと同じぐらい普通に上昇する。
当然ながらレベルリセット制とはゲームバランスが大きく異なり、「簡単なダンジョンを何周もして経験値を稼げる」ことも可能だが、「逃げプレイで進めてきたためレベルが足りずボスに勝てない」といった状況も発生し得る。本作のボスには状態異常無効や飛び道具無効などの能力を持つものも多いため、ある程度レベルは欲しい。
自分のレベルに比して極端に弱い敵を倒した場合得られる経験値は通常より少なくなり、最終的には1になる。また、レベルの他にちからの最大値を上昇させた場合も上昇分が引き継がれる。最大値が下がって8未満になった場合は8に戻る。
レベル継続ということは当然、ストーリー上で後に突入するダンジョンほど出現する敵も強い。対処するにはレベルだけでなく、鍛えた装備が不可欠である。よって、ストーリー途中でメイン装備を失った場合の痛手は従来作と比べても非常に大きいものの、今回は竜脈があるため装備の修正値と必要最小限のアイテムならリカバリーは容易である。ただ、一部のイベント中は前のストーリーダンジョンに入れないため、変なところで装備を失うと悲惨なことになる場合がある。
また、ダンジョンのあいまあいまにストーリーを挟むため、多くのダンジョンがレベル継続に合わせて細切れで、出現アイテムも範囲が狭いなどの関係で再訪する価値が低くなっている点、アイテムをやりくりしながら全体の戦略を練るというローグライクの根本的な楽しみの一つがなくなっているのも問題となっている。
レベルリセット式のダンジョンについては、従来通りのプレイ感覚となっている点でも惜しい。
今までのシレンにも仲間になってくれるNPCは存在したが、今回はシレン、アスカ、センセーの3人全員をプレイヤーが操作することになる。仲間の移動や行動はAIに任せることができ、作戦や心得を細かく設定可能になっている他、緊急時は全員操作も可能になっている。
仲間といっしょに行動する場合は、仲間と同時に攻撃できるように仲間の隣まで敵をおびき寄せたり、一時的に待機させたりといった操作が求められる。
しかし、この「完全なプレイヤーキャラである」という点が曲者で、まず仲間が死んでも冒険失敗となってしまうため、3人の仲間を管理しなければならず、また、プレイヤーが狂戦士化すると操作不能のまま仲間を攻撃してしまいそのまま冒険失敗になってしまう。かといって全員操作は1ターンにかかる時間が多いためテンポが悪い。
AIについてもたしかにNPCのAIとしては十分なのだが、通路に罠ができると仲間がついてこなくなってしまったり、作戦によっては背中の壺をちからの回復に使ってしまったりと痒いところに手が届かない部分が多い。
ストーリークリア後は人数を選んでダンジョンに入ることができるようになるが、ストーリー時はパーティプレイを強要されてしまうため、従来のひとり操作を望んでいるプレイヤーにはあまり歓迎されなかった。
ただし、ほぼ全員操作前提のボス戦はタクティカルコンバット風味で、不思議のダンジョンとは別の面白さがあり、特定の床に乗るパズル的なボス戦はパーティプレイならではであり、ここはもっと評価されてもいい。
イージーとノーマルから選ぶことができ、ノーマルでは従来通りダンジョン内で死んだら全てを失った状態でセーブされるが、イージーではセーブされない。つまり死んだらリセットして装備を取り戻すことが可能である。イージーを選ぶとセーブデータに【易】の印が付くがとくにデメリットは無い。
本来死亡時のアイテム全消失は「極限状態で全ての手段を惜しまず使用させる」という意味があるのだが、それは従来のストーリーダンジョンのように素潜り前提で持ち込みが救済といったバランスで出来ている場合の話である。
上に書かれている通りシレン3はバランスがRPGに近く、後半は前のダンジョンをクリアした時のアイテムを持ち込む事が前提(=イージーが前提)となっている。そのため道具をロストするとレベルがあっても厳しく、結果的に無駄に立て直しの時間だけがかかってしまうため、今まで通りと思ってノーマルを選んで後悔する人も多かったとか。
このようにノーマルは実質ハードとも言える仕様となっているので、これから風来のシレン3を楽しもうと考えている方には、イージーを選択することを強くおすすめする。
後に風来のシレン4で倒れても装備が高確率で戻ってくるタグが登場し、以降もダンジョンで失った武器・盾が回収できるかもしれないシステムが殆ど批判対象にならなかったことからも、継続前提のバランスに対して全アイテムロストとというルールを押し込んだ結果の産物であると思われる。
盾を持たずに左右の手で2つの武器を持って2回攻撃が可能な仕様。シレン及びセンセーが可能で、シレンは一刀時の80%程度の威力になるが、センセーは二刀流時に一刀時と同じ100%の性能を出すことができる。
そのままでは特殊攻撃への耐性に不安があるが、今作では腕輪が2つ装備可能で合成可能、また一部の盾と同じ効果の腕輪があるなどかなり強くなっている。
ローグライクの「武器<<盾」という鉄則に挑戦したシステムであり、運悪く盾が出てきていない序盤にお世話になる他、終盤は多少大変なもののひとつの選択肢として使える。4以降に継承されなかったのが残念な要素である。
一部のダンジョンに存在する特殊な地形で気・鋼・影・熱・知・樹・幻・雷・土の9種類がある。竜脈にアイテムをお供えした後「結界の巻物」を読んで周囲に結界を張り、足踏み等でターンを経過させるとさまざまな変化が起こる。
敵味方問わずキャラクターが結界内に入ると結界が壊れるのでモンスターから守る必要がある。取り出す際はそのまま中に入って結界を割り取ればよい。
結界は4重(9×9)まで張ることができ、大きい程効果が出るのが早くなるが、守るのが大変になる。
Wii版では竜脈があるフロアはフロア構成を保存でき、結界を張ったまま他のダンジョンに行けばその間も結界内の物は成長を続けるようになる。また、フロアを簡易倉庫代わりにも使用できたが、PSP版ではできなくなった。
アイテムを供えると回数や+値が増えたり竜脈に対応する印がつく、強化限界が外れる、結界内に結界の種類に対応した同種のアイテムが出現する、草なら増殖する、などの効果がある。
シレン3において物理的な稼ぎを大幅に楽にしているシステムであるが、竜脈及びそれに関連するアイテムなどが持ち込み不可には出てこない。
竜脈と同じ9種類の属性が主に敵の色に対応して全ての敵に付与されており、それぞれ本来の能力の他に、確率で発動する追加効果がついている。モンスターの属性はマス目表示の色で確認できる。
■気:敵の直接攻撃を受けたときに自分の満腹度が減ってしまう。
■鋼:敵にダメージを与えたときにダメージの一部が自分に跳ね返ってしまう。
■影:敵にダメージを与えたときに与えたダメージ分、敵のHPが回復してしまう。
■熱:敵の直接攻撃を受けたときに痛恨の一撃(大ダメージ)になってしまう。
■知:敵の直接攻撃を受けたときに必中(必ず当たる)になってしまう。
■樹:敵に杖を振ったときに杖の効果が無効化されてしまう。
■幻:敵に武器や矢で攻撃したときに攻撃が避けられてしまう。
■雷:敵の直接攻撃を受けたときに自分がかなしばりの効果になってしまう。
■土:敵の移動時に姿が見えなくなってしまう。敵に攻撃を当てるかターン経過で解除される。
知は発動すれば空振り等でも必中、樹は確率で杖無効、鋼はダメージ跳ね返しといったようになっているのだが、問題なのは熱の痛恨と雷のかなしばりで、一回でも発動されてしまうとかなりの痛手を負うことになる。
特に雷属性になったケンゴウ、熱属性のにぎり変化やだましカタナ等が非常に危険な存在となった。
また、全ての敵が2つの能力を持ったようなものであるため、覚えるのも大変である。
ダンジョンの床には罠の他に特殊なマスが存在することがあり、その床に乗った場合、床に描かれたマークにより様々な行動を制限されてしまう。一方で禁止床も罠扱いになっているため、罠消しの杖や巻物で消すこともできる。
禁止床の上には他の罠が設置されていることもないので、アイテムを安全に置く場所としても利用できる。
無効化されるのは禁止床の上での行動であり、禁止床の外からの行動は制限されることなく、禁止床に乗っている相手にも効果が出てしまう。
ストーリー進行に関係なく、序盤からいつでも潜れるアイテム持ち込み可能なダンジョン。
最初は5階までしかないが、シナリオ進行と共に最深階層が増え、ストーリーのクリア後は99階まで潜れるようになる。
ストーリーで装備やアイテムを失ったら、主にここで稼ぐことになる。
このダンジョンは、ストーリー序盤で潜れる浅い階では弱いアイテムしか出ないが、階を進むほどいいアイテムが落ちているようになっている。
百鬼の剣と盾を持ち込めば、共鳴効果を利用して装備を鍛えることができる。
13階~15階では、アイテム合成用のモンスター・マゼルンが出るので、うまく利用できればストーリー攻略にも役立つ。
後発のPSP版では、どこでもダンジョンの他に、いつでも潜れるダンジョンが6つ追加されている。どれもアイテム持ち込み不可・レベルリセットで、ひとりのキャラを操作して30階まで潜るダンジョンとなっており、従来の不思議のダンジョン相当の難易度となっているため、手頃な腕試しとしてちょうどいい。
ストーリー本編を進めるよりも、チュートリアルとしてふさわしい内容になっているため、Wii版で存在していなかったことが悔やまれる。
今作では、クリア後に持ち込み不可・レベルリセットのダンジョンが3つ出現する。内容はシャッフルダンジョンの30階の「サヌキノ竹林」、同50階の「ヲチミヅ峠」、ランダムダンジョンの99階の「ツヅラの迷宮」の3種類。難易度別に3つ存在するのは嬉しい。
サヌキノ竹林とヲチミヅ峠はひとりを選んでプレイするダンジョンで、サヌキノ竹林は初心者向け、ヲチミズ峠は上級者向け。特にヲチミズ峠の全階層壁なしはかなり異例のダンジョン。
ツヅラの迷宮は好きな人数で挑むことができ、途中にはボスもいたりする。
これら3つのダンジョンはレベルリセットであり、バランスはいつも通り悪くないため評価は低くない。
今作では罠ダンジョンがないためクリア後の所謂特殊ダンジョンは肉ダンジョンだけとなっている。
以下のダウンロードダンジョンは、現在サービスが終了して配信停止となっている。
(Wii版は2014年5月、PSP版は2016年12月に終了)
掲示板
121 ななしのよっしん
2025/05/13(火) 22:36:36 ID: rH+ED/tofT
>>119
記憶あやふやだけどもセンセ―は叔父のはずだから肉親よりかは親族?
スリムボデーコッパもたぬきコッパも好きだった リアル調の3Dキャラクターデザインもまあ好み
俺個人は好みだけれども今後3Dのシレン出るかどうかはまず無さげよね…
122 ななしのよっしん
2025/05/14(水) 06:16:49 ID: rH+ED/tofT
失礼、とぐろ島こと6は3Dでしたわ
うまく言えんが青年シレンみたいに人間キャラの等身高めモンスターもバケモンらしさというかブキミさというかそっち重点な3Dデザインとでも言いたかった
属性含めてイヤな思い出は少なからずあるけどもどきダケ系列が好きだった
でもレベル4の属性能力と特技は許されざるよ 金縛りと狂戦士化ってなんだよふざきんな!1!!!!1
123 ななしのよっしん
2025/06/30(月) 14:40:11 ID: WYSt8QR1Yi
身も蓋もない言い方すると、センセーがメアリー・スー気味なんだよなぁ。
かといって劇中の事件を全部解決してくれるような万能キャラでもないし。
センセーのポジションが主人公で、シレンシリーズとは関係ない和風伝奇小説とかだったら素直に面白い話にまとまるかも。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/08(月) 17:00
最終更新:2025/12/08(月) 17:00
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