ニックスゴー(Knicks Go)とは、2016年生まれの
アメリカ合衆国の競走馬である。
2018年:ブリーダーズフューチュリティ(GI)
2020年:ブリーダーズカップ・ダートマイル(GI)
2021年:ペガサスワールドカップ(GI)、ホイットニーステークス(GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(GI)、コーンハスカーハンデキャップ(GIII)
父はハスケル招待Sを勝ったPaynter、母Kosmo's Buddy、母父は10戦未勝利ながら近親にエーピーインディらがいる血統を買われ種牡馬入りしたOutflankerという血統である。
父はその父がシルバーチャームやスキップアウェイ、スウェインなどを98年BCクラシックで蹴散らし種牡馬でも成功したオーサムアゲイン、母がティズナウの全姉ティズソーという良血で、母父アウトフランカーは大種牡馬ダンジグの直仔である。大きな流れから見れば中々よさそうな感じであるが、細かいところを見ていくとこの馬の有力な供用地になりそうな韓国競馬目線で見てもやや地味である。
そんな血統のせいなのか、1歳のセールで8万7000ドル(約1000万円弱)というお手頃値段で無駄に勝負服がかっこいい韓国国内の競馬主催者・KRA(韓国馬事会)に落札されることになる。馬名の由来はKRAによるK-Nicksプログラムから。
そのK-Nicksプログラムだが、公式説明によると「ニックスパターンと血統理論によって優秀な競走馬を厳選する」プログラムとのことで、内容としてはかつて社台がノーザンテーストでやったように優秀な海外馬を所有し国内種牡馬としての導入まで繋げる計画である……が、このプログラム、肝心の韓国ファンには全く支持されなかったのである。
そもそも韓国国内でのKRAは過去数えきれないやらかしや不正によって『ザ・税金泥棒(前科多数)』『韓国競馬が後進的なのは大体KRAのせい』と言われたい放題で、実際K-Nicksプログラムも例に漏れずアメリカで未勝利戦勝ちがやっとの馬が最大成果だったりと散々たる有様だった。その内に旧天皇賞相応の韓国G1レースの大統領杯を勝っちゃった뉴레전드(New Legend)とかもいるけど
流石に国策でやってる事業の有様に危機感を覚えたのか、今まで韓国受けしそうな血統重視から一転した馬を探す最中ニックスゴーに出会い、K-Nicksプログラムは大きな転機を迎えたのである。
なお日韓のマスコミでこの馬に触れる際の注意点だが、ニックスゴーの競走馬生活におけるKRAの立ち位置はあくまで馬主(&種牡馬としての暫定所有者)のみであり、調教師や騎手は全部アメリカ競馬の関係者であることを言及しておく。
キーンランド競馬場のベン・コールブルック厩舎からデビュー、未勝利戦を勝利すると続くGIII、リステッドでも5着、3着と大崩れすることなくブリーダーズフューチュリティS(GI・8.5ハロン)に参戦。13頭中最低人気であったが逃げ切り勝ちを果たし、調教師と馬主に初のGI勝利をもたらす。この時点で既に既存のK-Nicks対象馬の成果を遥かに超える収穫であった。
前哨戦の勝利を手に2歳秋の大レース、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(GI・8.5ハロン)に挑戦するも、競り合いの脆さという弱点を披露し、後の主戦ジョッキーとなるジョエル・ロサリオ騎乗のゲームウィナーに続く2着に敗れる。
3週間後のケンタッキージョッキークラブS(GII)をシーズン最終戦にするも1番人気を裏切る11着に敗れる結果となる。この時陣営は前走の疲労が抜けていないだけ、と思ったが…
3歳になると三冠競走に向けてロード・トゥ・ケンタッキーダービーの対象レースに出走するも成果を上げることが出来ず、三冠競走は断念。脇役路線のGIIIやその合間の一般競走に出走し終いには芝転向まで挑戦するも芝戦績は8戦0勝とさっぱり。畳み掛けるように肺炎や大腸炎を患って一時は安楽死を考慮する状態となり、その治療とリハビリを余儀なくされてしまう。
立て直しの為陣営は翌年ブラッド・H・コックス厩舎に転厩を決定、調教師からは「体は回復している、後は自信を付けさえすれば2歳時の輝きは戻るはず」との判断で、4歳初戦でキーンランドのオプショナルクレーミング競走(出走馬の一部が売りに出されている下級レース)に出走、久々の勝利を飾るもまさかの足首骨折。またしても引退の危機を迎えるが師の強権で現役続行、秋まで休養することになる。
秋の復帰戦では「振り落とされさえなければ、一周回りながらいい景色が見れるだろう」という調教師の保証付きでジョエル・ロサリオを主戦にお迎えし、お馴染みキーンランドのオプショナルクレーミング競走を1:40.79のレコード勝ち、2年ぶりのGIであるブリーダーズカップ・ダートマイル(GI・1マイル)に参戦する。当時のライバル層の薄さやキーンランド競馬場開催というころで1番人気となり、ハイペースで逃げてからそのまま後続を引き付けないまま3馬身1/2差、1:33.85というレースレコードを叩き出して勝利。
この勝利によって運のいい早熟馬と言われた韓国国内での評価も「K-Nicksは怪しいがニックスゴーは本物」という形に変わることになり、ブラッド・コックス調教師はニックスゴーを含みこの年のBCでモノモイガール(ディスタフ)とエッセンシャルクオリティ(ジュヴェナイル)を合わせて3勝、生涯初のエクリプス賞最優秀調教師賞を獲得したのである。やったぜ。
翌年はペガサスワールドカップ(GI・9ハロン)に出走。今まで8.5ハロンまでしか経験の無いこの馬にとって初の9F戦となったが他馬を抜かせない逃げは健在で、難なく勝利。これで4連勝を果たした。次走のサウジカップは昨年施行されたばかりの世界一の賞金レース。前年分割競走となった幻のアーカンソーダービー馬シャーラタン[1]や前年のチャンピオンズカップを制したチュウワウィザード、前年ジョッケクルブ賞馬のミシュリフなどが出走していた。レースは今まで同様ハナを切っていたが、第4コーナーでシャーラタンに抜かれると抵抗することが出来ず、ミシュリフの4着に敗れた(シャーラタンが2着だった)。
帰国後、6月のメトロポリタンH(GI・1マイル)で復帰。ここでも4着となり「今度こそ衰えたか?」とも騒がれたが、コックス師は冷静にニックスゴーの自信の付け直しに取り掛かり、7月のコーンハスカーH(GIII・9ハロン)で10馬身半の大勝利、3度目のBC出走が掛かった8月のホイットニーS(GI・9ハロン)でも力差を見せる勝利を飾る。
三度目のBCはブリーダーズカップ・クラシック(GI・10ハロン)を選択。前年のBCクラシック出走馬が軒並み引退していたのもあり、ブックメーカーによる同レースのオッズで4.50倍と1番人気に躍り出た[2]コックス師も「デルマーなら10ハロンでも少し自信が持てる」という風に語る。対抗馬としては3歳馬が中心で、同厩舎でベルモントステークス含めて3連勝中のエッセンシャルクオリティ、ケンタッキーダービー勝ち馬メディーナスピリット、9月にGIを初勝利して勢いに乗るホットロッドチャーリーやマックスプレイヤーがいた。
レースはスタートで先頭に立つと向正面で生じたリードを活かすレースとなった。最終の直線では後続を突き放し、メディーナスピリット、エッセンシャルクオリティの追撃を許さずゴール。人気に応える形となり、128のレーティングを叩き出した。2021年のレーティングではミシュリフ、セントマークスバシリカ(127)らを上回り1位である(暫定)。
その後は2022年ペガサスワールドカップをラストランに想定しており、引退後は計画通り韓国で種牡馬……のはずだったが、BCクラシックの前段階でケンタッキー州のテイラーメイドスタリオンズで種牡馬入りが決まった。初年度の種付け料は3万ドルとのことである。
KRAとしては種牡馬としてのニックスゴーを米国で計ってから輸入したいとのこと。
引退レースとして予定通り出走したペガサスワールドカップでは6戦5勝2着1回の成績で前年のブリーダーズカップ・ダートマイルを制した4歳馬ライフイズグッドとの一騎打ちと見られたが、その中でも同馬と並んで単勝1.8倍の1番人気タイに推された。レースでは逃げるライフイズグッドを番手から追撃し、直線でこれを追い詰めたものの及ばず2着となった。
現地時間2月10日に2021年のエクリプス賞受賞馬が発表され、最優秀古馬牡馬・年度代表馬を受賞。予定通り種牡馬入りする事になった。
2024年に無事に産駒が産まれ、2年後の2026年にはKRAなどでデビューを迎える予定。現在日本馬がコリアカップとコリアスプリントで地元の韓国馬を薙ぎ払う状況が続いているが、産駒の活躍で巻き返せるか。
| Paynter 2009 鹿毛 |
Awesome Again 1994 鹿毛 |
Deputy Minister | Vice Regent |
| Mint Copy | |||
| Primal Force | Blushing Groom | ||
| Prime Prospect | |||
| Tizso 1995 鹿毛 |
Cee's Tizzy | Relaunch | |
| *ティズリー | |||
| Cee's Song | Seattle Song | ||
| Lonely Dancer | |||
| Kosmo's Buddy 2005 芦毛 FNo.1-w |
Outflanker 1994 黒鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
| Pas de Nom | |||
| Lassie's Lady | Alydar | ||
| Lassie Dear | |||
| Vaulted 1989 芦毛 |
Alien's Prospect | Mr. Prospector | |
| Change Water | |||
| Aube d'Or | Medaille d'Or | ||
| Cloudy and Warm |
クロス:Northern Dancer 5×4(9.38%)、Mr. Prospector 5×4(9.38%)、Raise a Native 5×5(6.25%)
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掲示板
42 ななしのよっしん
2025/09/09(火) 20:43:05 ID: LNUYhZw8Pd
>>41
第一に、JRA育成馬(抽せん馬)の存在はJRAが馬主活動を始めた場合に予想される公正欠如による抗議の声の大きさを否定するものではないよ
抽せん馬制度が八百長の温床になっていたと仮定しても、それとは別にJRAの馬主活動が追加で詰められるだけだよ
第二に、JRA育成馬(抽せん馬)は国内の馬産を維持/馬主の負担を軽減する措置だけど、それと国外の有力馬を胴元の財力で国内に引っ張って来る行為を同列に語れないよ
なぜなら国内と国外の競走馬に差がある場合、馬主は対抗するため同じように高価な国外馬を購入せねばならず負担が増え、種付けも国外馬に集中し国内の馬産が減るので建前として非常に弱くなるよ
さらに種付け料が胴元に入るなら、産駒が勝利するとさらに種付けが集中して利益を得ることができる非常に危険な構図になるよ
これを日本で荒れないと考えるのはかなり無理があると思うよ
あと胴元のKRAが持ち込み馬の種付け料による出走制限をやってたと思うけど、馬主のKRAが種付け料を決められるの
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
43 ななしのよっしん
2025/09/09(火) 20:45:36 ID: GfkC0E9z40
こんなん許されることじゃないだろ…
44 ななしのよっしん
2025/09/09(火) 22:14:21 ID: UEmABT6dy9
>>42
もともとKRAは済州・長水の種馬飼育場で多数の種牡馬を所有・繋養していて、特に2005年に始まった「高額種牡馬政策」下ではリーディングサイアーのメニフィーを運用した功績もあるからな
理想的には将来民営化して市場競争に委ねることが望ましいのだろうが、発展途上の韓国競馬においては国家主導の産業政策的アプローチもやむを得ず、一定の合理性があると言えるのではないか
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最終更新:2025/12/28(日) 04:00
最終更新:2025/12/28(日) 04:00
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