『機動戦士ガンダム MS IGLOO』(エムエスイグルー)とは、機動戦士ガンダムの舞台である1年戦争をテーマとし、全編3D-CGで制作された外伝OVAである。
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概要
2004年に第一期の『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』が千葉県松戸市のガンダムミュージアム(現在は閉館)で上映するために、全編3D-CGの外伝作品として制作される。
本作はジオン公国軍 第603技術試験隊のオリヴァー・マイ技術中尉の眼を通して、歴史の闇に消えていった試作機・実験機とその試験に関わり翻弄された人々を描いている。この為、シリーズを通しての主役であるオリヴァー・マイ以外に、各話の中核となる新兵器(とんでも兵器とも言う)と専属のパイロットが主役として登場している。
監督は今西隆志[1]が起用された為、兵器から軍服まで細かな設定があるミリタリー色の強い作品に仕上がっている。
2005年にローソンのロッピーで予約限定で発売され、販売終了後はレンタル専用のOVAとなる。
この事からローソンの予約限定販売を逃したユーザーは涙目と思われたが、2006年に1年戦争秘録(全3話)が収録されたUMDが発売、2008年にはDVDとBlu-Rayが発売された。
2006年には第二期の『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』がOVAとして発売された。
第一期からタイトルやオープニングは変わっているがストーリーは連続したもので、第603技術試験隊の戦いを1年戦争終結まで描いている。シリーズのコンセプトも第一期と同様で、各話に新兵器と専属パイロットが登場する。(例外もあり)
最終話で1年戦争終結までを描いたことから『MS IGLOO』シリーズは完結したものと思われていたが、2008年に第三期の『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』がOVAとして発売された。
満を持して登場した『MS IGLOO 2 重力戦線』は第一期、第二期とは打って変わってジオン公国軍の技術試験隊ではなく、地球連邦軍の地上部隊『第44機械化混成連隊(独立混成第44旅団)』を主役として描いている。
重力戦線の大きな特徴は二つあり、一つは作品を通しての主役が存在せず、代わりに中世装束に身を包んだ『死神』が登場して兵士を悪夢に導く事。もう一つはジオン公国側が技術試験隊と言うモチーフを用いて、新兵器による戦局の打開を求め足掻く様を描いているのに対して、連邦側はジオンの新兵器『モビルスーツ』の登場により苦境に立たされ、地べたを這いずりまわる一般兵にスポットライトを当てている事である。
この為、各話の中核となる兵器はロケットランチャーや戦車、急造兵器等になっている。
漫画は下記の5冊が刊行されている。
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO 603 (全2巻 著:MEIMU)
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079 (全1巻 著:MEIMU)
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線 (全2巻 著:MEIMU)
この中で注目すべき作品は初期の『MS IGLOO 603』でOVAでは映像化されなかった話が含まれている。
小説は下記の2冊が刊行されている。
登場人物
第603技術試験隊
- オリヴァー・マイ技術中尉 (技術本部 技術試験科の技術士官で23歳)
- モニク・キャディラック特務大尉 (総帥府所属の大尉で技術試験隊の指揮を執る管理官。25歳)
- ヒデト・ワシヤ中尉 (技術本部 技術試験科のパイロット。士官学校卒業後に歪な成績から試験科に回された23歳)
- ジャン・リュック・デュバル少佐 (技術本部 技術試験科のパイロット。12年間、ZIMMAD社のテストパイロットを務めた後、士官教育を受けて技術試験科に配属された35歳)
- オッチナン ・シェル中尉(ヅダ 3番機のパイロット)
- ハンナ・カリーナ技術中尉 (技術本部 技術試験科の技術士官)
- フィリップ・ブーランジェ技術中尉 (技術本部 技術試験科の技術士官)
- エドガー・ノーズ技術中尉 (技術本部 技術試験科の技術士官)
ヨーツンヘイム
- マルティン・プロホノウ艦長 (中佐相当官。民間貨客船の艦長を20年近く務める熟練の船乗りで53歳)
- エーリッヒ・クリューガー副長 (大尉相当官。20歳から実務についている熟練の船乗りで40歳)
- ジーン・ザビエル2等航海士 (曹長相当官。通信・情報分析に精通したクルーで年齢不詳)
- ドメニコ・マルケス3等航海士 (曹長相当官。副長が採用したクルーで操舵を担当している。年齢不詳)
- アレクサンドロ・ヘンメ大尉 (ヨーツンヘイムの砲術長で叩き上げの軍人。約20年艦隊に務めたベテラン。38歳)
- ユルゲン・ヘプナー甲板長 (少佐相当官。ヨーツンヘイムの甲板長)
- キム・ハラミ (ヨーツンヘイムの甲板員)
- ウィリアム・ファン2等航海士 (ヨーツンヘイムの甲板員)
義勇兵部隊(ゲム・カモフのテストに伴いヨーツンヘイムに乗艦)
- エンマ・ライヒ中尉 (元地球市民の義勇兵でゲム・カモフのパイロット)
- ヘルベルト少尉 (元地球市民の義勇兵でゲファンナー・ゲムのパイロット)
- マイク (元地球市民の義勇兵でゲファンナー・ゲムのパイロット)
- ジョージ (元地球市民の義勇兵でゲファンナー・ゲムのパイロット)
- スミス少尉 (元地球市民の義勇兵でザクⅠのパイロット)
- マクリーン曹長 (元地球市民の義勇兵でザクⅠのパイロット)
ジオン公国軍 機動師団
ジオン公国軍 海兵隊
- ヴェルナー・ホルバイン少尉 (性格に癖があるが操縦技術は優れたパイロット)
ジオン公国軍 偽装貨物船部隊
ジオン公国軍 カスペン戦闘大隊
- ヘルベルト・フォン・カスペン大佐 (カスペン戦闘大隊の大隊長で左手が義手。卓越した操縦技術を持ち1級ジオン十字章、2級ジオン十字章、白兵戦功章、ブリティッシュ作戦功労章を授与している。前時代的な軍人かと思いきや停戦命令を無視して脱出路となっているEフィールドの救援に向かう)
- エルヴィン・キャディラック曹長 (モニク・キャディラック特務大尉の弟でオッゴのパイロット)
- フランツ・ブラント伍長 (オッゴのパイロット)
- フリードリヒ・カッテル伍長 (オッゴのパイロット)
- ヨセフ・デューイ伍長 (オッゴのパイロット)
- ヘルマン・エッケルト曹長 (オッゴのパイロット)
- エミール・フローリン伍長 (オッゴのパイロット)
- フレデリック・ヤーン先任准尉 (オッゴのパイロット)
ジオン公国軍 欧州方面軍
- エルマー・スネル大尉 (ヨーロッパ戦線でホワイトオーガーと呼ばれ恐れられたパイロット。乗機はホワイトカラーにトカゲのパーソナルマークが施されたザクⅡ J型。280mmバズーカを愛用し、ウェポンラッチには予備弾ケースを装備している。)
- クライド・ベタニー (RTX-440の機密情報をジオン公国に渡して寝返った士官)
ジオン公国軍 技術本部
ZIMMAD社
ジオン公国 ズム工科大学
- リヒャルト・ヴィーゼ教授 (技術大学教授で観測ポッド バロールの開発責任者)
- ウェインツ教授 (ザクⅡ用試作プロペラントタンクユニットの開発を手掛けていた)
- ナタリー・ウェインツ (ウェインツ教授の娘。ズム工科大学の生徒で首席。)
- ヘルムート (ズム工科大学の生徒で開発部門を目指している。)
地球連邦軍 セモベンテ隊
地球連邦軍 第44機械化混成連隊(独立混成第44旅団)
地球連邦軍 第44機械化混成連隊 対MS特技兵小隊
地球連邦軍 第44機械化混成連隊 戦車小隊
- ハーマン・ヤンデル中尉 (戦車隊指揮官で戦車エースだが味方に「死神」と呼ばれている。131号車の車長 兼 砲手も務めている。ホワイトオーガーに撃破された事があり片足は義足になっている。)
- レイバン・スラー軍曹 (131号車の操縦主)
独立混成第44旅団 囚人部隊
- アリーヌ・ネイズン技術中尉 (RTX-440の開発に携わった技術士官。恋人のスパイ容疑で収監されたがRTX-440の搭乗員になる事を条件に囚人部隊の隊長として釈放された。)
- ミロス・カルッピ技術少尉 (RTX-440 2番機のパイロット)
- ドロバ・クズワヨ曹長 (RTX-440 3番機のパイロット)
地球連邦軍
登場兵器
1年戦争秘録
第一話 大蛇はルウムに消えた
- 試験支援艦 ヨーツンヘイム (民間貨客船の改修艦で、終戦までに幾度かの改修を施される)
- QCX-76A ヨルムンガンド (超大型核融合プラズマ・ガン)
- ムサイ級軽巡洋艦
- グワジン級大型戦艦
- パプア級補給艦 (単艦で分解状態のヨルムンガンドを搭載可能)
- 小型観測艇 (ヨルムンガンドに観測データを送るために頑張りました!)
- MS-06F ザクⅡ F型
- マゼラン級宇宙戦艦 (7門の連装メガ粒子砲を持ち、強力な打撃力で電子戦環境では強いぞ!)
- サラミス級宇宙巡洋艦 (侮るなかれ、電子戦環境ではムサイを上回る戦闘力を持つぞ!)
第二話 遠吠えは落日に染まった
- YMT-05 ヒルドルブ (モビルタンク 全長35.3m 重量220tの化け物)
- パプア級補給艦 (投下コンテナを24個搭載可能だ! ヨーツンヘイムは528個?)
- 投下コンテナ (ジオン公国軍の投下コンテナ、地上部隊に補給物資を届けるぞ!)
- 大気圏突入カプセル コムサイ (ヒルドルブの試験用にコムサイ280が配備)
- MS-05 ザクⅠ (第67物資集積所の警備は任せてくれ!)
- MS-06J ザクⅡ J型
- MS-06J ザクⅡ J型 (セモベンテ隊 連邦軍が鹵獲したザクⅡで通信装置のみ換装している。)
- Type61-MBT 61式主力戦車
第三話 軌道上に幻影は疾る
- EMS-10 ヅダ (土星エンジンを積んだ高機動MS 200m/秒以上の加減速が可能で他の追随を許さない!)
- Hotol ホートル (ジオン公国軍の地球往還機 水平離着陸による大気圏離脱と突入が可能だ!)
- EMS-04 ヅダ (木星エンジンを搭載 ザクⅠを圧倒する機動性を誇るぞ!)
- RGM-79 ジム
- RB-79 ボール (オハイオ小隊のトレードマークはシャークマウス)
- サラミス級宇宙巡洋艦 (ボール搭載型 単装メガ粒子砲を外し簡易カタパルトを装備)
黙示録0079
第一話 ジャブロー上空に海原を見た
- MSM-07Di ゼーゴック (モビルダイバーシステム 3種類の兵装に換装できるぞ!)
- 試験支援艦 ムスペルヘイム (ヨーツンヘイムの同型艦)
- ガウ級攻撃空母 (作戦終了後のゼーゴック回収は任せろ!)
- コア・ブースターⅡ インターセプトタイプ (コア・ブースターを高高度迎撃用の改修した機体)
- マゼラン級宇宙戦艦 (ブースター装備 2段式のロケット・モーターで大気圏外に出撃だ!)
- サラミス級宇宙巡洋艦 (ブースター装備 2段式のロケット・モーターで大気圏外に出撃だ!)
第二話 光芒の峠を越えろ
- MP-02A オッゴ (ジオン公国軍のモビルポッド ザクⅡJ型の核融合炉を積んだ優れものだ!)
- MS-14 ゲルググ (カスペン専用機 高機動タイプのランドセル(カスタムタイプ?)を装備)
- RB-79 ボール (通常の低反動180mmキャノン砲装備と近接戦闘用の2連装機関砲装備タイプが居るぞ!)
第三話 雷鳴に魂は還る
- MA-05Ad ビグ・ラング (ジオン公国軍の機動前線橋頭堡(モビル・フロントヘッド))
- チベ級高速重巡洋艦 (グリーンカラーで艦底部にメガ粒子砲、両舷にプロペラントタンクを装備)
- グワジン級大型戦艦 (ア・バオア・クー戦ではEフィールドから離脱する姿が?)
- ムサイ級軽巡洋艦 (2隻のムサイがヨーツンヘイムの護衛に就いた。1隻の船名は『ケンプテン』)
- MS-05 ザクⅠ
- MS-06F ザクⅡ F型 (偵察部隊のザクⅡ F型、黒塗りに目を象ったマーキングが特徴)
- MS-09R リック・ドム
- MS-14 ゲルググ (ア・バオア・クー戦ではカスペン機に近いランドセルを搭載した機体も見られた?)
- RGM-79C 後期型ジム (後期生産型のジムに改修を施した機体)
- サラミス級宇宙巡洋艦 (単装メガ粒子砲を外してジムの搭載力をUP)
重力戦線
第一話 あの死神を撃て!
- M-101A3 リジーナ (対MS重誘導弾 有線誘導でMSを撃破するぞ!)
- M61A5 MBT 61式主力戦車5型 (データリンクシステムを無効化されても火力はあるぞ!)
- M72 1/2tトラック ラコタ (地球連邦軍の高機動車両)
- 4 1/2t 6x6 カーゴトラック (地球連邦軍の6輪カーゴトラック)
- MS-06J ザクⅡ J型
- PVN.42/4 マゼラ・アタック (ジオン公国軍の主力戦車 1名で操縦可能なのは何気に凄かったりする)
- ドップ戦闘機 (ジオン公国軍の局地戦用戦闘機 片翼を失っても飛行可能)
- B.M.C.Z78/2 (ジオン公国軍の中型汎用バイク)
- Ruessel 11/2 Zebu リュッセル 11/2 ゼブ (ジオン公国軍の8輪トラック)
- PVN.3/2 サウロペルタ (ジオン公国軍の軽機動車)
- PVN.4/3 機動浮遊機 ワッパ (ジオン公国軍のパーソナル・ホバー・バイク)
第二話 陸戦の王者、前へ!
- M61A5 MBT 61式主力戦車5型 (乗員が3名から2名に減り、主砲は150mmから155mmになったぞ!)
- MS-06J ザクⅡ J型 (ホワイトオーガー エルマー・スネル大尉の乗機で白のカラーリングとトカゲマークが特徴)
- ラングベル対戦車ロケット・ランチャー (ジオン公国軍の対戦車ロケット・ランチャー)
第三話 オデッサ、鉄の嵐!
- RTX-440 陸戦強襲型ガンタンク
- ヘビィ・フォーク級陸上戦艦 (地球連邦軍の大型ホバー・クラフト戦艦、全長は210m)
- ビッグ・トレー級陸上戦艦 (地球連邦軍の大型ホバー・クラフト戦艦、全長は215m)
- RGM-79G 陸戦型ジム
- M353A4 ブラッドハウンド (地球連邦軍のMS戦闘支援車両、4基のホバー・ユニットを装備)
- ダブデ級陸戦艇 (ジオン公国軍の大型陸戦艇、全長は109mと連邦の戦艦より小型)
- MS-09 ドム
- MS-07B-3 グフ・カスタム (オデッサ戦で確認された機体はガトリングシールドを装備していなかった)
- PVN.44/1 ヴィーゼル (ジオン公国軍の水陸両用装輪偵察警戒車で6輪駆動の軽装甲車)
- マゼラ・アイン空挺戦車 (ジオン公国軍の小型戦車で乗員数は4名、マゼラ・アタックとは一長一短)
- トーチカ (ジオン公国軍が地上重要拠点に設置したトーチカ)
コミック
蝙蝠はソロモンにはばたく
- GM Camouf. ゲム・カモフ (形式番号の無い欺瞞MS カモフは偽装・欺瞞の意)
- Gefangener GM ゲファンナー・ゲム (鹵獲したジムのジオン公国軍内での呼称 ゲファンナーは囚人の意)
南海に竜は潜む
- QEX-04M エーギル (試作水中ビーム砲)
- MS-06M ザク・マリンタイプ
- 偽装貨物船 (ジオン公国軍の偽装貨物船、艦名はフォルケッシャー号)
- 連邦軍潜水艦 (666とマーメイドのマーキングが施されている)
- RB-79N フィッシュアイ (水中型ボール、大型クローと銛を打ち出す水中砲を搭載)
視線つらぬく先に
戦雲に光を見た
関連動画
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関連項目
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