はい、みなさんこんばんは。今夜は怖くて眠れませんよ。
「スペース・バンパイア」。スペースバンパイアって何でしょう?
宇宙のバンパイア、宇宙の吸血鬼です。またいつもとおんなじような…
ところがちがうんですよ。今日の吸血鬼、ちょっとちがうんですよ。あなたは旦那さんですか、奥さんですか、お嬢ちゃんですか、坊ちゃんですか?
この映画ご覧になったら、旦那さんは今夜眠れないかもしれませんよ。いろんな意味で。(中略)
スペースバンパイア(原題"Lifeforce")とは、1985年のおっぱいがいっぱいなSFホラー映画である。イギリス製作。116分カラー。
概要記述は不完全・・ 描いていると・・・気分が・・・おかしい・・・・
監督は『悪魔のいけにえ』シリーズなどで著名なホラー映画の巨匠トビー・フーパー。
に、ギャグホラーの代表格『バタリアン』やコメディチックなSF『トータル・リコール』で有名なダン・オバノンが脚本を担当してしまったことに加え当時19歳だったマチルダ・メイのおっぱいも手伝って誕生。
その他、スターウォーズに携わった人材など、当時の超豪華スタッフを結集して造られたB級映画の珍作である。
日曜洋画劇場では、過去5回も放送されており、吹き替え版も2種類存在する。きっと、スケベなお父ちゃんたちに絶大なる人気を誇っていたのだろう。しかし、2005年の新吹き替え版放送を最後にテレビ放送はなくなってしまった。きっと「えっちなのはいけないと思います」というPTAのお母様方による厳重な抗議があったのだろう。旧版吹き替えは視聴困難だが、新版は2014年8月にDVD化される。また、DVDは公開当時カットされたシーンを復元したディレクターズ・カット仕様になっているほか、一般映画館のスクリーンやテレビ放送だとさすがに映せなかったのか、マチルダ・メイのヘアがDVDだときちんと解禁されている(一応この2つは吹き替えの無い旧DVDでも共通)ので、その意味でも是非購入したいところである。
ストーリー的にはオバノンの代表作のひとつであるリドリー・スコット監督の『エイリアン』に先述の『バタリアン』とマチルダ・メイのおっぱいを足してそのまま3で割ったような作品であり、ついでにキューブリックの『2001年宇宙の旅』も入れといた結果、誕生したような正直ワケわからん話。
内容は漂流した宇宙船に放置されていた人型のおっぱい丸出しの全裸宇宙吸血鬼ならぬ吸精鬼(一応、全裸男も2人いる)が地球に持ち帰られ、ロンドンの街を恐怖に陥れる、というもの。
吸精鬼は人間そっくりに擬態して、相手の精力を全て吸いきってミイラ化させてしまう上に、その被害者を同じ吸精鬼に変えてしまい2時間ごとにエネルギーを吸わなければ身体が炭化して砕け、体内も砂になって死んでしまうという厄介な体質にしてしまうという恐ろしい存在として描かれている。ちなみに、男性と女性で砕ける描写が若干異なる。男性の場合はエネルギーを求めて檻に体当たりしたことで自滅したかのように粉々になったが、女性被害者の場合は心電図などの医療機器に拘束された状態で異常な波長を放ち、やがて勝手に自爆して木っ端微塵になった。
しかも、襲う側である元々の漂流宇宙船にいた男の吸精鬼はやたらイケメンで、女の吸精鬼は超が付く美女である。そして、女の方は基本的に男ばかりを狙うという悪質かつ合理的な手段を用いている(一応女も襲われてはいるが、被害者のほとんどは男だった)。
クレジットではマチルダの演じる方が「SPACE GIRL」とされているのだが、男の方は何故か「1ST VAMPIRE」「2ND VAMPIRE」とマトモに名前を付けてもらっていない。しかも男の方の台詞は一人がラストに一言あるだけという扱いの悪さである。 おっぱい女優の力は偉大である。なお、一応、マチルダが服を着ているシーンもあることにはある。
美人女優の、しかも極めて合法的に撮影当時未成年(19歳)のおっぱいをたっぷり堪能できる上に一瞬とはいえ、ジジイと若い男のキスまで見られるという稀有な映画でもある。しかもそのキスの相手役はスタートレックのピカード艦長で有名なパトリック・スチュワート。女バンパイアに乗っ取られたため妙に色目を使っているのだが、いやに色っぽくなっており、とても気色悪い。
中盤の悪夢を見た後に催眠術をかけられる主人公カルーセン艦長のシーンなぞ、「見た夢を教えろ」と言われてるのに、説明がなければどう観たってとっても淫らな妄想を延々淫猥と語る若者にしか見えないという点も非常に残念である(しかも、描写がやけに生々しくエロい)。そして、何の説明も無く主人公が吸精鬼の体質の秘密を知り、女バンパイアの心を読む力などを手に入れていき、次第に事件の全貌が明らかとなっていく。
後半はSF要素よりもゾンビ映画的な要素が強くなり、どことなく『バタリアン』を彷彿とさせる展開になる。最終的には何故か主人公と女吸精鬼がチューチューとエ○チしながら吸精鬼を鉄の棒でブッ刺して「これ絶対入ってるよね」なポーズで昇天しながら終了し完全に観客は置いてけぼりになる。ケイン大佐が呆然と空を見上げて2001年を真似たと思しき○~な形の宇宙船が何の説明もなく地球を離れてハレー彗星に向かうところでエンドロールが流れる。
「地獄絵図と化したロンドンや市民はどうなったんだよ?」とか「元々のハレー彗星の調査や宇宙人の正体そのものはドコいったんだよ?」とかそういう野暮な突っ込みは言いっこなしよ。
しかし、B級だのストーリー性が弱いだの言われるものの、上記のような間違った方向性とは裏腹に、B級映画としての色眼鏡を捨てて予備知識や突っ込み無しで観るとなかなか展開がスピーディで、宇宙、お色気エロス、ゾンビいろいろ詰まってお得なため、地雷と思ったら意外なほど面白い映画でもある。映像やストーリーはイマイチだが、クソ映画ではない、といったところである。このため、「ネタ映画としてでなく、純粋に映画作品としてもスペースバンパイアが好きだ」という人が結構いる。でも、大抵の人は途中から展開について行けず、正直言ってもうわけがわからないよ状態になることは間違いないだろう。
当時最新のSFXを駆使したといわれる映像やミイラの特殊メイクも、粗いオプチカル合成や気味が悪いだけの造型が目立ってしまい、当時も大して評価されなかったが、そのバタリアン風なミイラの出来自体は悪くなく必見である。実際、映画の興行としては制作費の半分も回収できず、大コケした。また、SF設定面でも、宇宙船内部が無重力だったり、激しいS○Xが出来る位重力がある設定になっていたり、スペースシャトルの脱出ポッドに避難した主人公がバンパイアを倒す為に船内に放火するシーンで、どう見てもポッドの扉が開いているのに都合よくポッドが助かっていたりと突っ込み所だらけになってしまっている。しかし、閉鎖されたロンドンのバンパイアに支配された街並みは予算を結構かけたと見えてなかなか迫力あるものに仕上がっている。
しかしながら、こんな内容にも関わらず、音楽だけは明らかに気合入れる方向を間違えたとしか思えないヘンリー・マンシーニ作曲、ロンドン・オーケストラ演奏による超カッコいいテーマ曲が映画のオープニングや佳境に差し掛かったシーン、エンディングで流れ、おっぱい目的以外で本編唯一の見所が「やたらカッコよく盛り上がるオープニングとそのテーマ曲である」とまで言われることがある。但し、日本国内での劇場公開時にはこのオープニングがカットされていきなりスペースシャトルのシーンから始まっていた(つまり見所はマチルダのおっぱいだけ)。映画を観たことが無い人でも、日本では報道番組や警察特集のスペシャルでよくこのテーマ曲がかかるので、「テーマ曲だけは知っている」という人もかなりいる(聴かせると大抵、「ああこの曲か」という反応が返ってくるはず)。
このため、この映画の解説ではかの淀川長治を含めて「おっぱいを語る」か「音楽を語る」かの二者がほとんどであり、映画好きの友人や2chやニコニコでこの映画の話題が出てもこの2つしか基本的に無い。そして、大抵この映画のことを語りたがるのはスケベでおっぱい星人な男のB級映画マニアばかりである。恋人やお母ちゃんなどの女性と一緒にこの映画を観る勇者はあまり見かけることが無い。うっかり「本編語ろうぜ」なんて言い出すと「スペースバンパイアの本編はナァ・・・」と一気に盛り下がってしまうので、本編でこの映画を語ろうなどというのは一種の禁句となっている。
淀川さんの名解説
本編以上にこの映画で有名なのが日曜洋画劇場の初回放送時に流れた一番上に引用している淀川長治の解説である。
先述のとおり、マチルダのおっぱいのことを本編の解説そっちのけで長々と語っており、ついでにヘンリーのテーマ曲が解説されている程度で、一応「怖い映画」として解説はしているが、終了後に上記のように面白いことにも触れて「困りますねぇ」などと言っていた。しかもこの映画の原題が「Lifeforce=生命力」である点に触れて、そこから明らかに観ていた茶の間の家族が凍りつくであろうトンでもない話題に持って行くという明後日の方向にひたすら脱線したものになっている。ゲイをカミングアウトしていた淀川らしからぬ女優を褒め称えた数少ない例でもあった。
しかし、淀川存命時に放送された4回全て別テイクで取り直されているものの、この初回解説は「どんな横道に逸れてもきちんと映画自体の解説になっている」という名調子中の名調子として非常に人気が高く、後年DVD化もされている。
ちなみに、他の3回でも語っていた内容は大体同じであるが、初回ほどおっぱいには触れず、あまりおっぱいに目を向けないようにと前置きしながら、極力ホラー要素や本編そのものの見所を語るようにしている。
原作と類似作品について
映画オリジナル作品、と思っていた人も多いかもしれないが
実は原作となる小説が存在している。
原作小説はコリン・ウィルソンによる『宇宙バンパイア(原題"The Space Vampires")』という(まんまやないかい)。
映画の題名自体も実は独自邦題でなく、原題のLifeforceより邦題の方が原作に忠実な題名なのである。
おおまかなあらすじは謎の宇宙船から持ち帰った宇宙バンパイアが全人類からエネルギーを吸い取って宇宙に持ち去ろうとする企てをカルーセン艦長が阻止しようとする死闘を描くというものは同じだが、活躍するのがケイン大佐ではなく、ファラーダ教授だったりと細部が異なる。ちなみに、上記の男同士のキスシーンが描かれたアームストロング院長に詰め寄るシーンは原作にもしっかり存在する。また、最大の違いとしてカルーセンが特殊能力に目覚める理由が明確に語られて、しかもそれがきちんと結末に直結していること、さらに原作ではバンパイアの構成が異なり、女2人と男1人であることである。
そのまま原作に忠実に映像化していれば、おっぱい女優がもう一人分増えるので、もっと沢山おっぱいが観られたのに、残念である。
なお、日本の漫画で花輪和一が「玉の価はかりなき事」(宇治拾遺物語が題材)で「美女に変身した異生物と人間の男が愛し合ってしまう」という話を、かとうひろしのCOMに掲載された「運び屋」(執筆時は加藤広司名義)では当時新人持ち込み漫画家であったにもかかわらず、既に「素っ裸の美女バンパイアが宇宙船に潜り込む」という題材を漫画にしている(しかも、バンパイアの眠るケースはこの映画のものに酷似している)。
かとうの作品は本人のWEBページで読めるほか、花輪の作品も単行本化されており、普通に購入可能。
どちらの作品も映画、原作小説より先に発表されているというのが興味深いところであるが
当時はどちらもマイナーだったことを踏まえると、おそらく偶然の一致であろう。
キャスト、スタッフ
出演者
- おっぱい美女スペースバンパイア - マチルダ・メイ
- カルーセン大佐 - スティーヴ・レイルズバック
- ケイン大佐 - ピーター・ファース
- ファラーダ教授 - フランク・フィレー
- アームストロング院長 - パトリック・スチュワート
- ブコフスキー所長 - マイケル・ゴザード
- パーシー卿 - オーブリー・モリス
製作者
好きに動画観て
以前は旧版の吹き替えがアップされていたこともあったが、今は削除されている。
関連商品は圧倒的な魅力を発散して、私を惹きつけた (性的に)
※↑が本編のDVD。HDリマスター版には吹き替えが収録されている。
※↑が初回放送時の解説が入ったBOXと単品。「真理と感慨」・・・?
関連コミュニティは昔から仲間なのよ!入って!
スペースバンパイアに関するニコニコミュニティを紹介してください。
君にこれの関連項目が探せるか?
- おっぱい
- ( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!
- 日曜洋画劇場
- 淀川長治
- ダン・オバノン
- 吸血鬼
- ヴァンパイア
- スピーシーズ
- おっぱいバレー
- ジョルジュ長岡
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- 公式が病気
- 作者はウケると思ってたシリーズ
はい、いかがでしたか。怖かったでしょう? なぁに、面白かった? 困りますねぇ。
ところでこの映画の原名はLifeforceというんですね。Lifeforceといいますと、生命力なんですね。
さあ、その生命力を吸い取られるお話ですね。
しかしこういうことは映画の上であって、実際にそんなことはありえない、そう思われたら大間違い。(中略)
まぁいろいろと怖いことがありますね。
けれどもテレビでこんなにオッパイの丸出しは
私この世に生きて、なんとも世の中変わりましたねぇ、と思いましたよ。それでは次週をご期待ください。
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