概要
呉キリカ(くれ キリカ)とは、テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の外伝作品であるマンガ『魔法少女おりこ☆マギカ』に登場する魔法少女である。
おりこ☆マギカの新規キャラで一番最初に、ニコニコ大百科での独自項が制作される及び、外伝漫画の新キャラの中でまたぎ☆マギカへの登場をユウリ様をも差し置いて一番最初に果たした魅惑の人気キャラでもある。
その後おりこ☆マギカの外伝としてまんがタイムきららマギカVol.2~3に掲載された『魔法少女おりこ☆マギカ~noisy citrine~』では主人公を務めている。さらに同時間軸を掘り下げた新約『魔法少女おりこ☆マギカ~sadness prayer~』では契約直後から織莉子の駒となるまでの詳細も描かれており、かなり痛ましい事情の過去も描かれている。
人物像
短い黒髪に黄の瞳をした魔法少女。魔法少女としての衣装は黒を基調としたスタイリッシュなものだが、私服ではピンク色が多かったり、スカートを好んでいたりと割と女の子らしい服装が多い。また、甘いものと可愛いもの好き。
まどか達と同じ見滝原中学校に通う中学生で、巴マミと同学年の3年生である。学校はやや不登校気味だったらしいが、一応契約後『sadness prayer』でも『noisy citrine』でもそこそこ経ってからも通っており、どちらでも友達に囲まれている描写がある。
実は本編では、その正体は、暗躍している主人公・美国織莉子のために魔法少女狩りを行なっている黒の魔法少女。
作者のムラ黒江氏が東方同人誌を描いているためか、黒江氏の描く宇佐見蓮子に非常に似ている(ただおりこ☆マギカ本編単行本の発行後に、別の作品の雑誌連載で絵柄に変化があったせいか、『noisy citrine』では、結構かわいい感じに描かれており、スラリと背が高いイメージのある本編のソレとは受ける印象が異なる。まどか本編のアニメ風のファンフィクションイラストでは、杏子の改造画像だったが、今だったらさやかの改造画像になっていただろうというレベル)。実際には背はそこまで高くはない。低身長かつ幼児系の体型に描かれるまどかや沙々よりはっきり上、高身長な織莉子やえりかと並ぶとはっきり下と差がつくくらい。つまり普通ってとこだろう。(えりかはともかく織莉子はいろいろとでかいが)
というか、プロポーションとしては特に別編からはスラリどころか一貫して(いい意味で)肉付きよく描かれている。胸が大きいのは本編から。
前述した魔法少女狩りを行う理由は織莉子の為だけであり、織莉子の為なら何でも行なう極めて危険な思考を持っている。ところどころ語源が狂っていたり、愛にやたらとこだわっていたり、マミさんが思わず「この子壊れてる……!」と驚いてしまうほど。
『sadness prayer』ではそうなるまでの理由が描かれており、契約前後、また契約後『ある一件』により織莉子に病的な依存(というよりほぼ洗脳)をさせられるまでで人物像が変わる。
契約前後には大きな変化はないが(後述するが性格に影響するような記憶の有無)、言うまでもなく洗脳前後は別人レベル。マミに言われているとおり、その一件で実際に重大な精神崩壊を起こしてしまっている。
契約直後は、「違う自分になりたい」という願いの結果、自分の願った内容は知っているものの理由や自身の過去についての一部を忘れてしまい、精神的に不安定になり苛立っていたという事情が明かされた。その苛立ちを見知らぬ魔法少女(織莉子)にぶつけて喧嘩を売ってしまったことから彼女の災難ははじまる。
織莉子に負けてしまったキリカは、与えられた致命傷を治す代わりとしてソウルジェムの真実を知り駒となる。その後は魔法少女を「脅かしてグリーフシードを奪う」レベルの魔法少女狩りをさせられるのだが、事故的な要因から織莉子の知り合い二人を殺してしまい、一人じゃまともに生活も送れなくなるほどのトラウマを背負う。この時点ですでに精神的に病んでいたのだが、まだまともな人格が残っている故。その後、事情に気づいた織莉子がそれを利用し、自身に依存するように、また自身の為に倫理観を崩壊させるように仕向けたのが壊れた理由。
例の一件後も学校での交友は続けており、普通に当たり障りがない会話やちょっとしたコイバナすら交わすことも出来ていた(演技)はずなのだが、もっと後にマミと話している際には、「魔法少女」だということを事前に知っており演技が必要なはずにもかかわらず、「好き」という単語を発するといきなり愛について語り出すなど、突拍子もなく発狂したりするので織莉子以外とはまともに会話も出来なくなっていた。
さらにいえば、初期には感情に任せて動いた織莉子を咎めていたり、沙々の犠牲にした人々についても一応気にするような発言もしていたのでもう少しまともであったことが窺えた。
これについては計画が進むにつれて更に人格の崩壊が加速した(上記の際に織莉子から『意見するな』、『ただ従っていればいい』という旨を少々暴力的な八つ当たりで命令されている)ということが作中で示されている。
つまり、例の状態ではキリカ自身が元々持っていた人格はほぼ残っていない。
『noisy citrine』や『sadness prayer』を見る限り、不安定になれば八つ当たりをすることもあるけれど大した悪事はできない、それどころか悪事を見れば怒りを覚える、極めて善良で常識的な振り回されキャラというのが元々の性質である。
なお、『noisy citrine』では契約直後に元々記憶があったり、元々平和的に織莉子を慕っていることになっていたり、そもそもまどかが魔女化するどころか既存キャラの存在が一切でてこない等の設定の違いがあるため、上記のような悲劇的な事情は一切ないし精神崩壊もしていない。
また、幼少時に、「まるで双子の姉妹のように仲の良かった親友から、万引きの濡れ衣を着せられる」という酷い裏切りを味わった過去も描かれた。契約前にずっと人付き合いに消極的だったのはこれがきっかけ。
マミと出会った時に「なくした」と言っていた兎のストラップ(マギアレコードによると命名はうさまる)は織莉子からもらったもの。これも『sadness prayer』で詳細が語られている。
見てはいけないと言われている美国邸の父親の書斎に勝手に入った際、織莉子が見れば大きく動揺するだろう父の思いの綴られた「アルバム」を発見してしまい、当人にバレかかったため隠そうと慌てていたら、織莉子がなぜか傍にあったストラップを見つけて「これが気になってたのね」と勘違いをしてキリカにあげたものである。マミと会ったのは、その後ウキウキで外に出て行き、人混みの中でなくしてしまったところ。
結局ストラップが「なんだったのか」は不明だが、発見した場所からして織莉子の父親のものと思われる。もしかしたら、織莉子にあげるつもりだったのかもしれない。
しかし案の定、アルバムは織莉子がその後発見してしまい、キリカが思っていた通り織莉子は目的を見失い大きく荒れ狂うこととなる。
キリカの能力&魔法+衣装
魔法少女としての実力
上述の通り織莉子との戦闘時には敗北しているが、機転を利かせての勝利であり、小細工なしでの戦闘力ほぼ同程度。キリカが正々堂々でなく本気で安否を気遣わずに追い詰めようとしていれば、敗北する前に追撃をしかけられていたかもしれない場面もある。
その他、あまり経験の長くない小巻とは互角、ベテランとの一騎打ちではあっけなく心臓を貫かれる、強い魔女には苦戦するなど、やはり戦闘力は新人レベルに描かれている。
それでも魔法少女狩りとして脅威となったのは、『魔法少女の真実を知っていること』『なりふり構わない殺意』『相手が活動歴の長くない新人ばかりだった(見滝原は長い事マミが一人で持っていた縄張りである)』が決め手と思われる。実際、ベテランのマミ相手には不意打ちをしても尚負けてしまった。
武装:かぎ爪
魔法少女としての武器は「魔力で出現するとても長い爪」である。近距離型であり、後述の魔法も活かした高い機動力と跳躍力を駆使して相手を切り刻むスタイルを取る。
また下記の二つの必殺技から解るように、このかぎ爪は射出したり大量に形成&合体させたり、意思のままにコントロールすることも可能。
ただし、破壊力はそこそこ。『noisy citrine』では通常の使い方では魔女に攻撃を通すことができず、『sadness prayer』では鈍足な小巻に盾で防がれ威力が少ないことを馬鹿にされていた。
一応、織莉子の庭に現れた魔女は一刀両断している。その魔女が紙装甲だったのか、お茶会を邪魔されたくないあまりありったけの魔力を込めていたのかは不明。
必殺技
- ステッピングファング
かぎ爪を敵めがけて打ち出す技。作中では魔女の口づけをされたえりかの首つり自殺を阻止するため使用。
『魔法少女おりこ☆マギカ~noisy citrine~』で使用。 - ヴァンパイアファング
かぎ爪を大量に連結させて鞭のように形成し、敵を鋸引きにしたり、刺突したりして仕留める大技。
『魔法少女おりこ☆マギカ~noisy citrine~』『魔法少女おりこ☆マギカ~sadness prayer~』で使用。
能力:速度低下
固有能力として「一定範囲、対象の動きを遅くするスロー効果能力」を持っている。これにより相手からはキリカが素早く見えるため、銃使いのマミを相手にするには相性が良かった。(ただし、叛逆の物語では、マミは自身の周りに銃を大量に浮かばせて一丁一丁をマシンガンのように高速で回転させて撃ち出すなど、最早エイム&ファイアなど関係ない戦法も取っている)
さらに効果を強力にすることも可能だが、範囲が絞られ、威力のある攻撃を繰り出せなくなる。
衣装
裾が長く胸元の大きく開いた黒地の上着、ミニスカ、ショートブーツ(ついでにスパッツ)、眼帯。そこに純白のブラウス&ハイソックスと、綺麗に白と黒に分かれており、唯一真紅のタイがアクセントとなっている
(スパッツで防御は完全なため、どんな体勢になろうとパンチラとは無縁)。ソウルジェムの色は青紫で、背中のベルト状パーツの付け根と、美樹さやかと、丁度表裏真逆の位置にある。
関連動画
関連静画
関連チャンネル・関連コミュニティ
関連キャラクター
関連項目
魔法少女おりこ☆マギカ | |
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本編 | 美国織莉子 - 呉キリカ - 千歳ゆま |
外伝 | 優木沙々 - 浅古小巻 |
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