太田光とは、お笑いコンビ「爆笑問題」の一人である。タイタン所属。
概要
1965年5月13日生まれ。
大学で相方の田中裕二と知り合い、「爆笑問題」を結成。ボケ役。
基本的には漫才を制作しているが、活動初期および2016年のタイタンライブ開始から20周年を記念したライブや2018年の爆笑問題の単独ライブ『O2-T1』では自身の脚本によるストーリー性を持ったコントも演じられている。
時に毀誉褒貶がありながらも、人柄やお笑いのセンスに対して先輩・後輩問わず多くの芸人や各界の著名人からリスペクトされている他、タモリ・ビートたけし・明石家さんまら所謂お笑いBIG3それぞれと漫才をした唯一の芸人でもある。他にも、ラジオ番組で立川談志と木魚を叩きながら『談志・円鏡 歌謡合戦』を彷彿させる丁々発止のやり取りを繰り広げたり、桑田佳祐と漫才(台本あり)をしたり、テレビ番組での木村拓哉との即興漫才、嵐との即興コントなど、同業者のみならず異業種の著名人とのコラボレーションにも積極的であり、多くの名(もしくは迷?)シーンとミラクルを残し続けている。また、作詞や小説・川柳・イラストの作成などのセンスも評価されている。
番組上では司会扱いとされることが多いが、実質的な司会は相方の田中あるいは他の人(アナウンサーなど)がこなしており、本人は基本的にボケ倒したり話を引っかき回したりする役割。読書家であり、現在までに執筆した書籍は40冊以上にも上る。「爆笑問題」名義で発売されている書籍の全ては田中のツッコミのセリフも含めて太田一人で書いている。2010年には「マボロシの鳥」で小説家デビューを果たした。
時に世相に対して熱い持論を展開し、生まれ育った日本への強い愛情と世界平和を希求する思いを発信し続けている。月刊誌『一冊の本』の中での「芸人人語」などのように単独での雑誌の連載の際は、思慮深く且つ真面目に物事を語る内容が大半である。酒井若菜や花澤香菜のように太田のこの側面に感銘を受ける著名人も多い。
妻は爆笑問題が所属しているタイタンの社長太田光代。恐妻家として知られており妻には一切頭が上がらない。
お笑いに対するスタンス
父・三郎(2012年没)からは「落語や文楽、人を楽しませること」を教わり、母・瑠智子(2016年没)からは「演劇や小説や物語の楽しさ」を教わったといい、「本当につくづく、親父とお袋に生き方を教育されました」と感謝の念を母の告別式で喪主として挨拶をした際に話している。なお、その際の最初と最後に発した言葉は「ドナルド・トランプです」「ドナルド・トランプでした」だった。もちろん田中からは小声で「やめなさい」とツッコまれた。
自身の人格形成に影響を与えた人物としてビートたけし、カート・ヴォネガット、立川談志、植木等、桑田佳祐、チャールズ・チャップリンといった6人の名前を挙げている。
漫才やコントの場合はブラックさやナンセンスさを活かしながらも、作り込んだネタを展開し、客席を笑いの渦に巻き込む。かつては普通に登場していたが、近年は冒頭で客席に飛び込んだり、「助けてくれぇ〜!!」などの本筋とはまったく関係のない言葉を発して脱線させることも多くなった。
先述の通りビートたけしや立川談志を尊敬していることからも分かるようにブラックユーモアを好み、様々な不祥事にも積極的に触れ、出演者・視聴者等をひやひやさせることが多い。
そのうえ空気の読めていない発言を面白いと思っている節があり、田中をはじめ芸人仲間に幾度となく指摘されているがそのスタイルを変える気配はない。そこには「ビートたけしの笑いを追い求める限り偽者にしかなれない自分が、あえて本物と違うことをする。亜流としての私に対して、唯一の突破口なのだ。」という本人なりのアイデンティティが存在するようだ。そのため、太田が『キョコロヒー』にゲスト出演した際には、齊藤京子から知的なイメージと芸人としての芸風のギャップを「想像していた方とはちょっと違って…。結構“おふざけ”されるのがお好きな方なんだな、と…」と形容した上で嘆かれ、これに対して太田は「仕事として30年以上、おふざけをやってきたんだけど(笑)」と大爆笑しながら反論した。
また、自身の信条をテレビの現状に絡め、「チャンネルを変えられてもいい。太田がまたバカやってる、俺のほうがマシだわ、そう思われるぐらいの役割で十分。テレビなんてものは偉くない。メディアの中で踏ん反り返ってる時代が長すぎたんだよ!」とも。このように自身が視聴者として接していた頃とのテレビのあり方の変化に違和感を覚えており、加えて視聴者に対してはボケをボケとして受け止めて貰えない事象が増えていることに田中共々嘆きの声を上げている。
尊敬する立川談志は太田の才能を早くから見抜き、「天下、獲っちゃえよ」と応援すると同時に「(相方の)田中だけは切るなよ。こう出来た奴も、なかなかいないもんだ」と述べ、田中が太田にとって欠かせない存在であることを説いた。談志と太田はDVD『笑う超人』やラジオ番組『立川談志・太田光 今夜はふたりで』などで共演しており、後者では木魚を叩きながら『談志・円鏡 歌謡合戦』を彷彿させる丁々発止のやり取りを繰り広げており、談志はナンセンスな自身の言葉に見事な受け答えをする太田に全幅の信頼を寄せていた。
さらに、太田は2014年春には『笑っていいとも!』でタモリと、2017年夏には『世界まる見え!テレビ特捜部』で田中のコスプレをしたビートたけしと、2025年秋には『お笑いの日』で明石家さんまと漫才を行っており、名実ともにお笑いBIG3それぞれと漫才をした唯一の芸人となっている。
サザンオールスターズのアルバム『人気者で行こう』のリイシュー盤(1998年発売)のライナーノーツを太田が担当したこともあり、桑田佳祐からのリクエストにより『爆笑問題の日本原論』と同様の漫才スタイルで書かれていた。その年の秋に放送された『爆笑問題カーボーイ』ではこのライナーノーツをゲスト出演した桑田と共に読み上げる企画を行い、ラジオ番組内でとはいえ、田中共々桑田佳祐と漫才をした唯一のお笑いコンビになった。
また、2008年秋には『SMAP×SMAP』内のコーナー「BISTRO SMAP」で木村拓哉と即興漫才を行い、2012年春には『嵐にしやがれ』で嵐と即興コント『和尚さん殺人事件』を演じたりするなど、同業者のみならず異業種の著名人とのコラボレーションにも積極的である。さらに、松本潤とは『愛LOVEジュニア』でも即興コントを行った経験があり、松本本人も当時のことを「めっちゃ面白かったのを凄い覚えています」と振り返る発言を行っている。
文芸・映像作品への関心と進出
先述の通りかなりの読書家である(それでも読むのは遅いと発言)他、映画、落語を好む。オムニバス短編映画の監督も務めたことがある。
音楽ではサザンオールスターズの大ファンとして知られ、後にラジオでの共演をきっかけにボーカルの桑田佳祐ともメル友になった。特に好きなサザンの曲として「ラチエン通りのシスター」「働けロック・バンド (Workin' for T.V.)」などを挙げている。また、日大時代の傷心していたころに相方の田中と共に江ノ電に乗って互いに片耳ずつイヤホンを付けて「海」をウォークマンで聴いたエピソードも存在しており、現在もその頃の関係性が維持されているといえる。
アニメ、漫画への関心もあり、ど根性ガエルやドカベンを好む。攻殻機動隊への言及もある。あの花はめんまロス。
虚淵玄作品ではまどマギ(爆笑問題は火曜担当だが木曜JUNKの二人に持っていかれた)や、PSYCHO-PASSについて度々好意的に言及している(その縁からか自身のラジオ番組にゲストとして迎え入れたことも)。またコードギアス、ベン・トー、らきすた、けいおん等も視聴し、その上で嗜好に合わなかった作品も明かしているため、気になった作品は一度触れてから評価している事が分かる。
コンビとしての仕事も含めると劇場版アニメ作品への出演が多い。声の演技では田中より俺の方が上手いと張り合うことも。
特に2019年春、劇場版おしりたんていにキャスティングされた太田。自身の出演作ということもあり作画の美麗さなどを絶賛していた。一方同時期に公開された映画プリキュアミラクルユニバースには田中が出演、絶対に相方が僻むと予想していたが、案の定ムキになり散々悪態をつき作品をコケにしていた。なおどちらも東映作品であり、エイプリルフールには(嵐のような暴言を和ませる)コンビ揃ってのジョーク記事も公開された。
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https://twitter.com/precure_movie/status/1112489780657483776
政治への言及
日本国憲法9条護憲論者で、「日本国憲法は敗戦後の日本と戦争はもう嫌だというアメリカの思いが合わさった奇跡の憲法」などの発言をしている。2006年には、思想家の中沢新一と共著で『憲法九条を世界遺産に』という本も上梓している。
しかしながら、国民過半数の総意で改正が決まった場合の日本にも忠誠を誓う覚悟があるとし、「それが民主主義だろうと思う」とも発言しているため、恒久的な護憲を目的とした政治的活動を展開している他の著名人らとは一線を画している。
靖国神社への参拝やA級戦犯の合祀に理解を示し、戦死者や遺族の心情に寄り添う立場をとっており、ラジオ番組『日曜サンデー』や月刊誌『一冊の本』での連載の『芸人人語』でそのような趣旨の発言を行った。特に前者では大橋巨泉との対談で行ったため、巨泉からは手厳しく叱責された。
また、靖国の件に限らず『芸人人語』では、掲載されている月刊誌『一冊の本』の発行元(朝日新聞出版)の親会社(朝日新聞社)から発行されている『朝日新聞』の論調と全く異なる内容の文章を書くことも多く、コロナ禍の中で開催された2020年東京オリンピックに対する『朝日新聞』の姿勢のダブルスタンダードを指摘したこともある。さらに、各国が行った2022年北京オリンピックへの外交的ボイコットについては意外に感じていたことを語っており、オリンピック憲章には「人権侵害は認められない」と記されているため「新疆ウイグル自治区で人権侵害が行なわれているのならば、オリンピックはそれを否定しなければ成り立たない」という見解を示した。
いろいろと誤解されることもあるが、太田自身は生まれ育った日本に対する愛着があることを公言しており、「なにより、東京や日本が好きだ」「やっぱり俺は日本という国が好きだ」という名言も残している。
表現者やコメンテーターなどの在り方については「もうそろそろ愛国心にあふれた平和主義者が必要なのではないか」「もうそろそろ『平和主義のナショナリスト』が登場しても良いのになぁと思う」という発言を行っている。これらの点は敬愛するビートたけしや桑田佳祐のスタンスとも共通していると言って良いだろう。
このような側面がある故か、思想が一部異なる百田尚樹からも「太田氏とは会ったことはないけど、頭のいい人と思ってる」「彼の言葉もいろいろ切り取られて取り上げられるが、大半はギャグで言ってることだろう」とTwitterで言われるなど、保守派からも賛否がありつつだが一定の評価を得ている。
発言
- かつて出演していた番組で医療従事者、消防士、自衛官、警察官などを志す若者達を取材した経験があり、彼らが口々に述べた「誰かの役に立ちたいと思った」という言葉に対して「自分の若いころとずいぶん違う」「頼もしい」と感銘を受けた旨を語っている。彼らがそういった発言をした背景については東日本大震災の影響が強かったのではないかと太田は推測している。また、太田はこれ以降も事あるごとに若者に対して「お前ら頑張れよ」「いいんだ、今のまんまいけよ」などといったエールを送る旨の発言を行うことがある。
- 直近に自然災害が発生した時期に出演するライブや番組で漫才をする際には冒頭で「頑張れぇ〜!!」などと叫び国民にエールを送ることが度々ある。
- 皇室や天皇に対しては畏敬の念があることを述べており、「思想や国粋主義だとか、右翼だとか左翼だとか、そういうことに関わらずですよ。歴史なんですよ、陛下っていうのはね」とし、2013年秋の園遊会において当時第125代天皇の明仁に直接手紙を渡した山本太郎については「日本人が昔から持っている畏れみたいなものを感じない人の行為のような気がする」といった見解を示した。また、皇統の男系維持に一定の理解を示す旨も『芸人人語』で述べている。
- 自然災害発生時に各政党が見解の相違を理由に足並みを乱して責任をなすりつけ合う行為については批判的な見解を持っており、「こういう時になんで一枚岩になれない? こういう時は置いといて、オールジャパンになったほうが良い」と語っている。
- 安倍晋三銃撃事件が取り上げられた際に、安倍元首相の暗殺を肯定する声が一部界隈やSNS等で存在した点を問題視したうえでテレビ番組内のコメントで、「今回の犯罪行為を肯定すると犯人の目論見通りになってしまう。テロで社会が動くようなことは決してあってはならないと思う」と法治主義の重要性を訴えた。
関連動画
関連商品
関連項目
外部リンク
- 爆笑問題のプロフィール|タイタン
- 27時間テレビで見せた爆笑問題『太田光』の全ボケ・暴走まとめ - NAVER まとめ
- 太田光bot (ota_hikari_bot) on Twitter
- 太田光の名言 厳選集 - 名言DB
- ほぼ日刊イトイ新聞 - 爆笑問題・太田光の家族をつくったゲーム。
- 爆笑問題 太田光 | Facebook
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