立花孝志とは、NHK出身の政治家兼YouTuberである。元・NHK党の党首。
現在は政治団体「NHKから国民を守る党」の党首。なお、国政政党時代の「NHKから国民を守る党」と現在の「NHKから国民を守る党」は別団体扱いである。
概要
NHKでは経理畑が長く、不正経理をやらされてうつ病になったという。NHKに関する内部告発を行った後NHKから懲戒処分を受け依願退職。その後はパチプロとしてYouTubeにパチンコ必勝法の動画をアップするなどしていたがNHKが受信料不払い者に対して訴訟を起こしていることに目を向け、NHKだけ受信しない装置「イラネッチケー」や、NHKの集金を追い返す方法を説く動画などをアップロードして人気YouTuberとなった。2018年時点のYouTubeでの広告料収入は1248万円になったという。2013年に「NHK受信料不払い党」(後の「NHKから国民を守る党」)という政治団体を設立した。[1]
- 2015年4月28日、千葉県船橋市市議会議員選挙にて当選し、同年5月から船橋市議会議員になる。
- 2016年、市議を辞職して東京都知事選に立候補。21人中8位の票を集めるも落選。同時に出馬したマック赤坂や後藤輝樹と並ぶ泡沫候補として話題を呼んだ。
- 2017年、複数の市議会議員選挙に立候補して東京都葛飾区議会議員選挙に当選。
- 2019年に辞職して大阪府堺市長選に立候補して落選。
- 2019年7月の参議院選挙で比例当選し、参議院議員となった。この立候補と政見放送、そして当選により立花孝志の名は一躍全国区で知れ渡ることとなる。
しかしその後下記の埼玉選挙区参議院補選に出馬したためわずか3か月で自動失職した。この一見すると謎の行動の理由は、この失職で「NHKから国民を守る党」の浜田聡が繰り上がり当選するので、その後に自身が改めて当選すれば参議院の自党議席が一つ増えると踏んだためである。 - 2019年10月、予定通り参議院埼玉選挙区補欠選挙に出馬したが、落選。
- 2019年はこの後複数の市長選に出馬したが、すべて落選。
- 2020年、東京都知事選に立候補して、落選(→2020年東京都知事選)
- 2023年、NHK党の東谷義和参議院議員の「議会での陳謝」が行われなかったことの責任をとり、NHK党党首を引責辞任。
- 2023年3月、不正競争防止法違反・威力業務妨害・脅迫などの罪で執行猶予つきの有罪判決が確定。
NHK
NHKに入局(就職)後、20年弱勤務していた。NHKでは5年ほどでメイン局のひとつである大阪放送局の経理担当になり、有働由美子アナウンサーなどNHKのアナウンサーとも面識がある。
最終学歴は高卒なのでNHKに入れたこと自体御の字なのだが、そこから非常に順調な出世を遂げていることになる。37歳となった2005年に、週刊文春に不正経理を複数回リーク。NHKに不正経理で懲戒処分を受け、依願退職した。退職してからは主に古巣であるNHK、特に受信料問題への批判を展開。
- NHKを見ていない場合、それどころかテレビを見ていない場合でもテレビがあれば受信料を払わなければならない。
- ワンセグ機能を持つ携帯・スマートフォンは受像機、つまり「NHKを見るために購入した」と解釈され、受信料徴収の対象になる。
- 逆に、受信料を払っていなくても見ることができる。NHKに裁判等で強制支払いを求められなければ「タダ見」ができてしまう。
といった問題点を挙げ、NHKに対しての訴訟を度々起こしている。
最終的な目標はNHKのスクランブル化=「払わなければ見られない、見なければ払わなくていい」システムへの移行。
選挙活動について
政権放送にて、手元で拳を固めながら、満面の笑顔で「NHKをぶっ壊す!」とキメる姿で話題を呼ぶ。
NHK出身者が、NHKで撮影されたNHKの政見放送で、NHKをぶっ壊す発言というシュールな絵面はネット上でも大いにネタにされ、以後立花孝志が地方・国政選挙で立候補する際の定番のネタになった。
とは言え基本的にはこれは(外山恒一やマック赤坂と同じく)選挙用のパフォーマンスであり、討論などに呼ばれた際は真面目に意見を述べている。
また、このキャッチコピーから勘違いしがちだが、あくまでNHK党の現在の目的はNHK受信料のスクランブル化である。別にNHKという組織を解体しようとしている訳では(今のところ)ない。
2019年夏の参院選では、画面外のNHK職員に向かって「あなたも、NHKをぶっ壊す!」と振るネタを決行。当然反応する(できる)訳もなく、「やるわけないですねー」と自虐して笑いを誘った。また政見放送において「不倫路上カーセックス」[2]を連呼、小選挙区は当選しなかったが比例代表で1議席を獲得してしまった。
同年12月、彼の「NHKをぶっ壊す」という発言がネット流行語大賞2019で見事金賞を勝ち取った。「N国党」も銀賞を受賞したことにより、堂々のワンツーフィニッシュを果たすことになった。
NHK党
立花が政治活動を行うために設立した政治団体。詳しくは当該記事(NHKから国民を守る党)を参照してほしいが、ここでも軽く説明する。
最初は「NHK受信料不払い党」として設立。すぐに「NHKから国民を守る党」に名前を変えて長らく活動してきた。
2019年の参院選で1議席を獲得し、国政政党となった。2020年末ごろからは党名をコロコロと変えるも、2022年4月にいったん「NHK党」で落ち着いた。
2022年7月の参院選では再び1議席を獲得し、ガーシーが当選した。しかしガーシーは登院せず除名処分となったため、立花はNHK党を引責辞任。党首は大津綾香に変わり、同時に「政治家女子48党」に名称を変更した。現在はさらに名称変更を経て、「みんなでつくる党」になっている。
その後立花と大津は党運営をめぐり対立。旧・NHK党所属議員は党を離脱して無所属となったため、党は国政政党ではなくなった。立花は別途の政治団体「NHKから国民を守る党」を設立し、現在はそちらで活動している。
立花時代の党と大津時代の党は、党としては同じものだが、その政策は全く異なる。ニコニコ大百科でも記事は別としており、立花党首時代の記事は「NHKから国民を守る党」、大津党首時代の記事は「みんなでつくる党」を参照していただきたい。
有罪判決
2022年1月20日には東京地裁にて立花に懲役2年6カ月執行猶予4年の有罪判決が言い渡された。
同判決によれば、立花は2019年9月、NHK受信料の集金業務を行っていた男と共謀して業務用端末に表示されたNHK契約者の氏名などの情報50件を動画撮影し、同11月には一部修正を加えてYouTubeに投稿。さらにNHKに対して「個人情報を拡散する」とも話したという。また、離党した地方議員らに対して「人生つぶしに行く」と繰り返し脅したという。これらの件に関して不正競争防止法違反、威力業務妨害、脅迫の罪に問われていた。
立花側は「正当な政治活動だった」と主張したが、裁判所はNHK契約者氏名を拡散するとした件について「個人情報を人質のように利用し、政治活動としての許容範囲を超えている」と指摘。離党した地方議員らを脅した件についても「恐怖心をあおる過激な表現を用いており、社会的に相当な範囲を逸脱している」と指摘した。
立花は判決確定後の記者会見にて「執行猶予が付いて安心した。正義のために行ったことで、恥じることも反省することもない」などと話し、控訴した。
2022年10月24日には、東京高裁は一審の判決を支持して控訴を棄却。裁判長は「何ら関係のない第三者を巻き込むような悪質な態様だ」と述べた。
立花側はこれを不服として上告を試みたが、最高裁は2023年3月22付の決定で上告を棄却。懲役2年6カ月執行猶予4年の有罪判決が確定した。
「反社会的カルト集団」訴訟
2024年、「NHKから国民を守る党」と立花はジャーナリスト「石渡智大」を訴えた。
石渡が「NHKから国民を守る党」を「反社会的カルト集団」と表現するSNS投稿を行い、また同党を「サリンをまかないオウムみたいなもん」などとも評している動画を投稿していたことについて、名誉を傷つけられたとして石渡に160万円の賠償を求める訴訟を起こしたのである。
だが、2024年11月27日に東京地裁はこの訴えを退ける判決を下した。すなわち石渡の勝訴、立花および「NHKから国民を守る党」の敗訴である。
勝訴した石渡はこの判決文のスキャン画像をウェブ公開している。
この判決文内の「当裁判所の判断」によれば、裁判所は「原告代表者」すなわち立花について以下のような事実が存在していることを記した。
(前略) 原告代表者やその支持者らは、本件政治団体が設立された頃、日本放送協会職員又はその委託職員に対して暴行を加えるなどし(別紙事実2)、原告代表者は、その後、日本放送協会の業務を妨害したことなどにより有罪判決を受け(別紙事実8・9・16)、本件政党に所属していた本件議員が脅迫の罪で有罪判決を受け、原告代表者は脅迫に当たるとされた本件議員の発言等に同調する発言をし(別紙事実17)、原告代表者の指示を受けた本件副党首らが日本放送協会職員の容姿を撮影したことにつき、原告代表者及び本件副党首は不法行為責任を認める判決の言い渡しを受け(別紙事実5)、原告代表者は、本件政治団体の市議会議員が被告に対して提起し、不法訴訟に当たるとの判決が言い渡された訴訟の提起等に関与していた(別紙事実3)ものである。このように、原告代表者及びその支持者らについては、平成25年以降現在に至るまで、複数回にわたって、犯罪行為又は不法行為と評価される行為をしていた事実が認められる。
また、原告代表者は、上記有罪判決を受けた各事実につき検察官送致された際、以後も日本放送協会の業務を妨害し続けることを宣言し(別紙事実10)、本件政党において不法行為に該当するサービスを一般市民に向けて提供し、以後も法律を守らずに活動を行っていくとの発言をしていた(別紙事実12・13)ものである。このように、原告代表者は、法律を遵守する意思がない旨、繰り返し表明していた事実が認められる。
さらに、原告代表者は、上記のとおり、被害者のある犯罪行為や不法行為を繰り返してきたのみならず、本件副党首とともに支持者に対して自らに批判的な言動活動を行う被告又は第三者への迷惑行為を促し(別紙事実11・14・15)、テロや民族虐殺をも辞さないかのような発言すら行っていた(別紙事実1・7)事実が認められる。
これらの事実を理由として判決文に以下のように記し、石渡が「NHKから国民を守る党」を「反社会的カルト集団」「オウムと一緒」「オウムみたいなもん」と表現したことについての違法性を認めなかったのである。
(前略) 原告代表者やその関係者や支持者において犯罪行為や不法行為を次々と行い、原告代表者が法律を遵守しない意思を明確にしていたことなどを踏まえて、原告について、これを違法な行為を平然と繰り返す盲目的な集団又は団体と評価して「反社会的カルト集団」と表現し、また、犯罪行為等を平然かつ盲目的に繰り返す集団又は団体として「オウムと一緒」「オウムみたいなもん」と表現したものであって、このような表現行為について、原告代表者等による上記行為等に対する意見及び論評としての論旨から逸脱し、主題を離れて人身攻撃のように原告を攻撃するような表現であったとまではいえない。
パチプロ
NHK退職後はパチンコの打ち子元締めを始め(チーム立花と称している)、パチンコを主な収入源にしていた。は十代の頃からパチンコに熱中し、NHK在職中もパチンコだけで年間1000万以上収入を得ていた。
下記の貯玉カードを持ち逃げされた事をきっかけに、現在はパチンコをやめており、したいとも思わないと言っている。[出典]
貯玉カード持ち逃げ少女とのトラブル
2011年12月1日、立花は「約68万円持ち逃げした、パチンコバイト二人への対応方法について」という動画をYouTubeにアップロードした。内容は「パチンコ打ち子をさせていた少女二人に現金68万円を持ち逃げされた。十万円の懸賞金を懸けるので少女に関する情報を募集する」というものだが、その後続報の動画を数本アップロードするうちに、持ち逃げされたのは現金では無く、パチンコの貯玉カードだという事があきらかになる。
パチンコ店の規約では貯玉カードはあくまで使用する名義人(少女)の物となり、貸与、譲渡は禁じられているが、は「貯玉カードの財産権は自分にある」と主張している。その後、この少女に対して単純横領で刑事告訴している模様。
双極性感情障害
双極性感情障害(いわゆる躁鬱病)と医師に診断されており、心療内科に通院している。立花は躁状態の方が強いタイプらしい。
青山繁晴氏を批判
2011/11/21 、「青山繁晴のウソ嘘うそつき」というタイトルの動画をYouTubeにアップロードして波紋を呼ぶ。
この動画をアップロード直後から立花に批判が集中し、その後動画タイトルを「NHK内部告発者立花孝志ひとり放送局26-1」に変更している。
青山氏は立花の問い合わせに誠実な対応をしていたが、それに対し立花は「メールやブログでは本人が書いているかどうか確認出来ないので信用しない」と批判を繰り返した。
その後、青山氏がなんの反応もしなくなると、「青山さんは逃げまわっている」とさらに批判をした。
関連動画
立花の政見放送。左は2016年東京都知事選挙、右は2019年参議院議員選挙。
関連リンク
公式ページ等
- 立花孝志(ニコニコ動画アカウント)
- YouTubeアカウント(この他にも削除されたアカウントがある)
- 立花孝志ひとり放送局(公式ホームページ)
NHK党としてのチャンネルについては、NHK党の記事を参照。
関連ニュース
- 週刊文春2005年4月14日p26-32に掲載<NHK現役経理職員、立花孝志氏懺悔実名告白>「私が手を染めた裏金作りを全てお話しします」2012.10.22
- N国・立花党首会見「NHKは国会議員にW杯チケット配っていた」 2019.8.8
- N国党は“政界の肥溜め” 立花孝志の典型的なテロリスト発想 2019.8.10
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- N党の立花党首を書類送検 付きまとい容疑、警視庁 2024.10.28
- 「反社会的カルト集団」N党への名誉毀損認めず 投稿したネット記者勝訴 東京地裁 2024.11.27
関連項目
- NHK
- NHK受信料を支払わない国民を守る党(NHK党)/ 政治家女子48党
- ホリエモン新党
- チャンネル桜
- パチンコ
- ポピュリズム
- 政見放送
- ニコニコ超会議2022 NHK超撃退ブース
- 反社会的カルト集団
- 泡沫候補
- 政治家の一覧
脚注
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- 0pt
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- リビジョン番号: 3332587
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