この記事では、4人打ち麻雀を中心に編集されています。 |
麻雀のルールは、地域や団体などにより様々なバリエーションが存在する。一般的なルールについては解説書や本記事のWikipediaタブを参照のこと。
ここでは、現在の日本で普及しているルールの中で、組織やローカルルール、ハウスルールにより異なる場合があるものを比較し一覧にして示す。
まずは初歩の初歩。初心者のためのルール解説から
※わからない語句は、個別記事をみるか、本記事下の用語説明を参考してください。
基本的に牌3枚の組み合わせ4組と牌2枚の組み合わせ1組の計14枚で役をつくり、より速く役を作ったものが和了りと言ったものです。例えば、
自分でその牌を持ってきて役が完成して和了る(アガる)ことをツモといい、他の人が捨てた牌で役が完成して和了ることロンといいます。
牌3つの組み合わせは面子(メンツ)といい、同種牌の数字が連続している(例:)順子(シュンツ・ジュンツ)と、同種牌3つを集めた(例:)刻子(コーツ)があります。牌2つの組み合わせとして同種2つを集めた(例:)対子(トイツ)があり、和了りに使われたものを特に雀頭(ジャントウ)と呼びます。
しかし、ただ数字を並べればいいとか、なんとなく3つずつになればいいと言うわけではなく、和了る為にはいくつかの制限があります。その制限の一つに「役がないと和了ることができない」というものがあります。
役は、最終的な牌の組み合わせや和了り方によって決まります。上の例の場合、門前で自摸和了ったことにより「門前清自摸和」と言う役がつきます。そこに、「一盃口」(同じ順子を二つ作る)と、「三色同順」(萬子・索子・筒子それぞれで同じ順子を作る)と、「断ヤオ九」(全体をヤオ九牌=1・9・字牌以外の牌のみで作る)、あとおなじみの「平和」で計6+赤ドラ1で7飜となります。
※詳しい役の説明については、「麻雀の役一覧」を参照
翻(又は飜)とは、その役の得点みたいなものです。符はその役の作り方や待ち方によって変化します。最終的にこの翻と符で点数計算を行います。
※詳しい点数計算の方法については、本記事下の「得点計算方法の概要」を参照
ドラとは、ボーナスです。その場の最初にドラ表示牌がめくられます。しかしドラ表示牌と同じ牌がドラというわけではなく、ドラ表示牌の次の順の牌がドラとなります(例:ドラ表示牌が三萬のとき、ドラは四萬)。1牌につき1翻つきますが、役ではないのでドラのみでの和了りはできません。
基本的なゲームの流れとしては、自分の順番が来たら手前にある裏向きの牌(山)から1枚取り、その後手元にある全ての牌の中から1枚選んで捨てると言う事を繰り返します。誰も和了らないまま山の牌が残り14枚になった時は流局(りゅうきょく)となり、基本的に各プレイヤーが聴牌(テンパイ)であるか否かで得点の配分を決めます。聴牌とは、あと1牌で和了ることができる状態のことです。
なんといっても、まず役を覚えることが重要です。以下は、初心者でも覚えやすい役です。
- 立直(役がなくても、基本形が出来ていれば、立直してあがることが出来る。門前のみ)
- 門前清模和(立直がなくてもツモればいい。門前のみ)
- 役牌(鳴いても役がつく。字牌ならなんでもいい訳ではないので注意)
- 断么九(タンヤオ。通常鳴いても役がつく)
- 混一色(鳴いても役がつくが、安くなる。役牌を入れて点数を上げたい。字牌が無ければ清一色となり点が高くなる。逆に字牌のみだったら字一色で役満になる)
- 七対子(対子を7つ作る。これは役の作り方が特別。対子のみで構成されるため必然的に門前のみ)
- 対々和(刻子を4つ作る。鳴いても役がつくので楽だが、我慢して七対子を狙っても良い)
- 国士無双(なんとなくかっこよく、ヤオ九牌一つずつだから、という理由で親しまれている)
- 平和(ピンフ。基本中の基本だが条件が意外に複雑なため、コレがあがれる様になったら役に関しては初心者卒業)
※詳しい役については、「麻雀の役一覧」を参照
概要
アリアリ | 主に関東周辺のアリアリルール |
---|---|
完先 | 主に関東周辺の完先ルール |
雀荘 | 主に関東周辺のフリー雀荘のルール |
プロ | 各プロ団体のルール |
競技 | いわゆるリーチ麻雀とは異なる競技ルール |
コンピュータゲームはプロ、麻雀漫画は雀荘、ブー麻雀は競技にそれぞれ近い。
アリアリ | 完先 | 雀荘 | プロ | 競技 | |
半荘戦、東風戦の別 | 決めによる | 半荘 | いずれもある | 半荘 | 半荘 |
西入 | 決めによる | なし | 通常なし | なし | なし |
二飜縛り(ある場合は5本場から) | あり | あり | 通常なし | なし | なし |
後付け(元先付け)* | あり | なし | 通常あり | あり | あり |
振り聴片和了りロン | 通常チョンボ | チョンボ | チョンボ | チョンボ | チョンボ |
親の連荘条件(聴牌連荘かアガリ連荘) | 通常聴牌連荘 | 通常聴牌連荘 | ハウスルール | 聴牌連荘 | アガリ連荘 |
オーラスアガリ止め(聴牌止め) | 通常あり | なし | 通常あり | なし | なし |
ダブロン | 決めによる | 頭ハネ | ハウスルール | 頭ハネ | 頭ハネ |
三家和 | 流局が多い | 流局 | 頭ハネまたは流局 | 頭ハネ | 頭ハネ |
ダブロン時の積み棒 | 上家取り | - | ハウスルール | - | - |
ダブロン時の連荘条件 | 親が上家 | - | ハウスルール | - | - |
振り聴立直 | あり | 発覚時チョンボ | 通常あり | あり | あり |
立直後ロン牌見逃し自摸和了 | あり | チョンボ | 通常あり | あり | あり |
オープン立直 | 決めによる | なし | 通常なし | なし | なし |
残りツモ番がない時の立直 | なし | なし | 認めるルールもある | なし | なし |
一発 | あり | あり | 通常あり | あり | なし |
裏ドラ、槓裏 | あり | あり | 通常あり | あり | なし |
立直後の暗槓(注1) | あり | あり | 通常あり | あり | なし |
ダブル立直後の途中流局 | 通常なし | 通常なし | 通常なし | 団体により異なる | 流局なし |
四家立直 | 通常流局 | 通常流局 | 続行 | 団体により異なる | 続行 |
喰い替え | 通常なし | なし | 通常なし | 団体により異なる | あり |
槓ドラは常に即めくり | 決めによる | 明槓時は打牌完了後 | 通常即めくり | 即めくり | - |
国士無双暗槓ロン | 決めによる | 決めによる | ハウスルール | 団体により異なる | なし |
四槓子聴牌者がいる時の5つ目のカン | なし | なし | なしまたは流局 | なしまたは流局 | あり |
大明槓包(注2) | 決めによる | 通常あり | 通常なし | 団体により異なる | なし |
九種九牌、四風連打 | 通常流局 | 通常流局 | ハウスルール | 団体により異なる | なし |
流し満貫 | 通常あり | 通常あり | ハウスルール | なし | なし |
途中流局時の親の連荘 | 決めによる | 決めによる | 通常輪荘 | 団体により異なる | - |
待ち牌を全て使いきった聴牌 | ノー聴扱い | ノー聴扱い | 通常ノー聴扱い | ノー聴扱い | - |
数え役満 | 通常あり | 通常あり | ハウスルール | なし | なし |
ダブル役満(複合を認めるか) | 通常あり | 通常あり | ハウスルール | なし | なし |
本場 | 300点 | 300点 | 300点または1500点 | あり | なし |
聴牌料 | 場3000点 | 場3000点 | 通常場3000点 | あり | なし |
切り上げ満貫 | 通常あり | 通常あり | 通常あり | あり | なし |
喰い平和形の出和了 | 30符 | 30符 | 30符 | 30符 | 20符 |
連風牌の雀頭 | 通常2符 | 通常2符 | 通常2符 | 4符 | 通常2符 |
雀頭の符と単騎2符の複合 | あり | あり | ハウスルール | あり | なし |
嶺上開花のツモ符 | 決めによる | 決めによる | ハウスルール | なし | あり |
役満包時の他者振り込み | 折半 | 折半 | 折半 | 折半 | - |
人和 | 役満/倍満/満貫 | 役満/倍満/満貫 | ハウスルール | 認める場合は満貫 | なし |
赤ドラ | 決めによる | なし | 通常あり | なし | なし |
*後付けと先付けの意味
昔 | 先に役を確定させること |
現在 | 先に副露して、後から役を確定させること(詳しくは後述) |
比較表の語句の説明
- 半荘戦・東風戦
半荘戦が一般的だが、ゲーム時間を短縮する目的で東風戦も盛んである。地域によっては東風戦が主流。またワレメdeポンの影響でワレメルールを採用する場合は東風戦が多い。麻雀漫画では『むこうぶち』はほとんどの試合が東風戦となっている。 - 西入
南4局終了時点でトップが一定点数(通常30000点)に達しない場合、西場に突入する。ローカルルールであり、採用されないことが多い。西4局終了時点でも同様であれば北場に突入し、さらに同様なら帰り東場に突入する(西場や北場で打ち切ることもある)。東風戦でも同様に南入するルールもある。 - 二飜縛り
現在のリーチ麻雀はほぼ全て一飜縛りであるが、5本場からは二翻以上の役がないとアガれないとする二飜縛りのルールがある。ネットゲームや雀荘、プロ団体及び公式大会ではほとんど採用されない。 - 後付け(元先づけ)
アガった時点で役があればいいとするルール。河底のみや槍槓のみが認められる他、両面待ちの片アガリ三色、先に関係ない面子を副露して役牌をポンする、いわゆるバックも含まれる。アリアリルールといった場合、先づけ(後づけ)アリ及び喰い断ヤオアリという意味である。完先ルールでは先づけはチョンボとなる。なお、お年を召した方はバックはみっともないからしない、というポリシーをお持ちであることも多いが、デジタル派の研究ではバックの戦略的な有効性が示されている。 - 振り聴片和了りロン
ローカルルール。現在ほぼ全てのルールでチョンボであるが、関西の一部などで採用されている。国際ルールにおいては、現物でもロンできる。 - 親の連荘条件
流局時、親が聴牌であれば連荘できるとする聴牌連荘が一般的だが、最近ではゲーム時間の短縮からアガリ連荘(流局だと連荘できない)も採用されてきている。半荘だと東場はアガリ連荘、南場は聴牌連荘で行われる事もある。流局時は必ず連荘できるとする不聴連荘というルールもある。 - オーラス和了り止め
オーラスにおいて親が和了った場合、連荘せずゲームを終了させることを認めるルール。2着止め3着止めラス止めも可能で、逆に和了りトップであっても続行可能と解されるが、ネットゲームや雀荘では和了りトップは強制終了となる場合が多い。余談だが、桜井章一が普及させたとするルールである。 - ダブロン
2人がロンを宣言した場合、2人のアガリを認めるルールと頭ハネ(放銃から見て上家優先)となるルールがある。雀荘においては、卓の回転率からほとんどの店舗でダブロンが認められているが、プロ団体のルールは全て頭ハネである。仲間内の麻雀ではあらかじめ取り決めが必要。 - 三家和(サンチャホー・トリプルロン・トリプル・トリロン)
3人がロンを宣言した場合の取り決め。流局とするのが一般的とされてきたが、最近は認められていることが多い。なお、三家和は極めて稀にしか起こらず、発生確率は清老頭より低いかもしれない。 - ダブロン・トリプルロン時の積み棒
ダブロン・トリプルロンを認める場合において、積み棒は普通上家取りであるが、全員が受け取れるというローカルルールも存在する。 - ダブロン・トリプルロン時の連荘条件
ダブロン・トリプルロンを認める場合において、通常、親が上家であれば連荘、下家なら親が流れるが、下家でも連荘できるとするローカルルールが存在する。 - 振り聴立直
振り聴でも立直できるとするルール。ほぼ全てのアリアリルールで認められるが、完先ルールではチョンボとなる。 - 立直後ロン牌見逃し
- 自摸和了立直後に和了を見逃すことができるとするルール。見逃し以降は、振り聴立直に同じ。最高目ツモは見逃すことができないとするローカルルールも存在する。また見逃し自体が無効な一部ローカルルールでは、他のプレイヤーが和了宣言する以前なら、巡目を遡って和了ることができる。
- オープン立直
詳しくは麻雀のローカル役一覧を参照 - 残りツモ番がない時の立直
一般的に王牌を除いた牌山が4枚未満の時点(最終巡)の立直は認められないが、一部雀荘では回転率アップの目的で認められている。またモンド21麻雀プロリーグで採用されている。これにより立直一発河底撈魚と言うこともある。 - 一発・裏ドラ・槓裏
アリアリルールでは標準役だが、競技麻雀やブー麻雀では採用されない。 - ダブル立直後の途中流局
途中流局があるほぼ全てのルールで、ダブル立直後でも途中流局が優先。 - 四家立直
四家立直は、通常4人目の立直宣言牌がロンされなかった時点で流局となる。しかし多くの雀荘ではゲーム時間短縮の目的で続行されるのが一般的である。
またプロ団体では最高位戦が続行となるほか、ゲームソフトでもオプションとしてルールの選択ができる物も多い。 - 喰い替え
完成面子を両面でチーして、その筋牌もしくは現物牌を切ることを喰い替えという。例えばをでチーして、を切ったら筋喰い替え、を切ったら現物喰い替えである。アリアリルールでは禁止されていることも多いが、ゲームソフトやネットゲームでは設計が面倒なため、禁止されないことが多い(MJ・麻雀格闘倶楽部・雀魂では禁止)。プロ団体においては最高位戦で禁止されていない。雀鬼流では絶対禁止である。現物喰い替えは禁止だが筋喰い替えはOKとするルールも存在する。なおからをチーしてを捨てる場合は喰い替えとならない。 - 槓ドラは常に即めくり
槓があった場合にどのタイミングで槓ドラをめくるかという取り決めである。お年を召した方の間などでは暗槓時は即めくりで、明槓時は打牌完了後めくりというルールも存在するが、現在は全て即めくりが主流である。 - 国士無双暗槓ロン
国士無双の場合のみ暗槓に対してロンできるという、槍槓の特殊ルール。ローカルルールであり取り決めが必要。採用している割合は、半々くらい? 自家、他家の暗槓でロンされる唯一のパターンである。 - 四槓子聴牌者がいる時の5つ目の槓
複数のプレイヤーが合計4回の槓を行った場合、通常四開槓で流局となるが、一人が4回の槓を行った場合、即ち四槓子聴牌者がいる場合は、ゲームは続行され、以降他のプレイヤーは槓できない。ただし槓は無制限にできる(といっても最大16回までだが)とするローカルルールも存在する。 - 大明槓包
切った牌が大明槓され、さらに嶺上で和了となった場合、槓させた者の責任払いとするルールが存在する。ローカルルールであり取り決めが必要。お年を召した方の間でよく採用されている模様である。 - 九種九牌・四風連打
一般的に途中流局となるが、これらのルールを採用しない場合もある。最高位戦では採用されていない。また、採用する場合も親の連荘となる場合と親が流れる場合が存在する。 - 立直後の暗槓
立直後に槓できる牌を持ってきた場合、一般的に面子、牌姿の確定に関係しない牌ならば暗槓できる。ただし一部の競技ルールではいかなる場合も立直後の槓は認められない。また、雀鬼流では立直後の暗槓は義務であり、誤って切ってしまった場合はペナルティとなる。
○一般的に槓できない例
ツモ
は順子になる可能性もあるため、刻子に固定させてはいけない。
ツモ
和了形は三色確定だが、 はの順子と見ることもできるため、刻子に固定させてはいけない。
ツモoror
和了形は四暗刻確定だが、 は順子と見ることもできるため、刻子に固定させてはいけない。
ツモ
ツモの場合全体役の九連宝燈となるため、刻子に固定させてはいけない。 - 流し満貫
成立条件は麻雀の役一覧を参照。標準役かローカル役か扱いが微妙で、事前の取り決めが必要である。ほとんどのプロ団体では役として認められていないが、ネット麻雀の多くでは認められている。巷の麻雀ではローカル役となりつつある。 - 途中流局時の親の連荘
途中流局(九種九牌/四家立直/三家和了/四槓散了/四風連打)があった場合に親の連荘とするか親流れとするかの取り決め。親流れが一般的なようだが、プロ麻雀連盟で連荘としている他、オンラインゲームでは麻雀格闘倶楽部の競技ルール(それ以外は九種九牌のみ)やハンゲームで連荘となっている。 - 待ち牌を全て使いきった聴牌リーチ
麻雀において通常流局(荒牌平局)となった場合、聴牌している者は手牌を公開し聴牌宣言できる。このとき、待ち牌を全て使いきった聴牌は一般的に聴牌とはみなされない。ただし一部のゲームソフト等では、聴牌扱いとなっていたりする。
○聴牌とみなされない例
チー ポン
和了牌のを自分で4枚使って純カラ。 - 数え役満
古典的には役満とは特別役であり、それ以外の翻数の合算では三倍満が上限である。しかし最近では13翻以上の手を数え役満(四倍満)とするルールが普及している。ほとんどのプロ団体や競技ルールでは認められていない。「指が13本折れてもリーチだ」とは数え役満が確定していてもリーチしろの意。麻雀漫画の『天牌』では「ここのルールでは数えありだからその手は17飜で五倍満」というシーンがある。 - ダブル役満
役満が複合して成立した場合、ダブル役満、トリプル役満と称して、2倍(八倍満)、3倍(十二倍満)の点数を与えるルールが存在する。現在では、巷の麻雀、麻雀漫画、ゲームソフト、ネット麻雀の多く、及び一部の雀荘で採用されている。一方、プロ団体や公式大会では基本的に認められていない。また、四暗刻単騎、国士無双十三面待ち、九蓮宝燈九面待ちなど比較的難易度の高い役をダブル役満とするルールも存在する。古くは大役満として六倍満を与えたりもしていたが、現在は概ね単にダブル役満として扱うルールと純正の複合のみをダブル役満として扱うルールに大別されている。 - 本場
一般的に、連荘や流局となったときは積み棒が1本増える。これを積み符といい、積み棒n本の状態をn本場という。通常、積み棒1本につき和了時の得点が300点加算されるが、一部の競技戦などでは積み符のルールがなかったり、ギャンブル性の高い麻雀では1500点だったりする。積み符を認める場合、本場数が表示される全自動卓を使用しない限り、親は1本場につき1本の100点棒を卓上に出し、いま何本場であるかを示さなければならない。このことから100点棒はシバ棒(場棒)と呼ばれる。稀に親が100点未満で場棒を出せない場合飛び扱いにするルールもある。 - 聴牌料
誰も和了しないまま流局(荒牌平局)した場合、聴牌している者は手牌を公開し聴牌宣言できる。このとき、聴牌宣言していない者が聴牌宣言者に支払う点数(ノーテン罰符)を聴牌料という。
ほぼ全てのルールで、合計3000点となっており、非聴牌宣言者が均等に支払い聴牌宣言者が均等に受け取る。ただし、一部の競技ルールやブー麻雀では聴牌料がない。
なお、聴牌宣言とは聴牌していてかつ聴牌の意思を表明する権利であり、聴牌していて聴牌宣言しないことも認められる。一般的に聴牌宣言は親から順にすることとなっており、子は様子を見ながら聴牌宣言の判断ができる。
例外として、その局立直をしていた者の聴牌宣言は強制である。もし聴牌宣言をしなければノーテン立直としてチョンボになる。 - 切り上げ満貫
切り上げ満貫とは30符4飜(親11600点/子7700点)を満貫とするルールである。多くのプロ団体、ほぼ全ての麻雀漫画、ほぼ全ての雀荘で採用されている。そのため巷の麻雀の主流もそうなっていると考えられる。一方ゲームソフトやネット麻雀では採用されていないことが多い。 - 喰い平和形の出和了
現在のリーチ麻雀では普通、平和ツモはツモの2符を加算せず20符計算としている。また副露した和了には平和の複合を認めず、20符であっても30符計算とし最低点を1000点としている。しかし古いルールや一部地域では平和とツモの複合を認めず、平和は完全な20符の和了のみとしている。そのため昔のゲームソフトなどではこのルールの選択ができる。 - 連風牌の雀頭
連風牌(ダブ東、ダブ南)の雀頭の符は自風2符+場風2符の4符とするルールと2符とするルールが存在する。雀荘の多くで2符扱いとしているが、プロ団体は4符である。ネット麻雀ではこのルールが明記されないことが多いが、プレイする限りでは4符が多いようである。ゲームソフトでは両方が存在し、市販のルール本に至ってもどちらか一方のみの記述であることも多い。Wikipediaでは4符又は2符となっている。かなり曖昧なルールである。 - 雀頭の符と単騎2符の複合
通常、翻牌単騎待ちの和了は雀頭の符+単騎2符で計算されるが、単騎待ちの和了には雀頭の符を含めないとするルールが存在する。一部の雀荘で採用されており、どちらかといえばローカルといえる。 - 嶺上開花のツモ符
嶺上開花はツモ牌ツモではないからツモ和了の2符はつかないとするルールがある。具体的には日本プロ麻雀連盟で採用されているが、一般的には嶺上開花であってもツモ符はつくとする場合が多い。 - 役満包時の他者振り込み
特定の役で和了ったときに、その役を確定させる副露を許したプレイヤーに対しては罰則が課される。これを包(責任払い)という。通常、ツモ和了りの場合は一人払い、ロン和了りの場合は放銃者と折半払いとなるが、ローカルには包そのものがなかったり、ロン和了りであっても包者の一人払いであったりする。多くの場合、包の対象は、大三元の3枚目、大四喜の4枚目であるが、稀に四槓子の4枚目にも包を適用しているルールが存在する。麻雀格闘倶楽部で四槓子包を適用している。なおブー麻雀において役満和了はただちにAトップ確定となるため包の概念は意味を成さない。 - 人和
成立条件は麻雀のローカル役一覧を参照。標準役かローカル役かの区別が曖昧な役。日本プロ麻雀連盟や一部の雀荘、一部のネット麻雀で採用されている他、巷の麻雀の多くで採用されていると思われる。通常は満貫役だが倍満、役満とするルールも存在する。人和を役として認めない根拠として、親にだけ権利がないのはおかしいから、ともいわれる。 - 赤ドラ
このようなもの
競技麻雀では採用されない。一部の雀荘では赤五萬のみで和了できたりする。赤ドラ普及の影響で、副露した相手の点数を読むのが難しくなったり、手を内に寄せたスピード麻雀が有効になったりと、従来の麻雀から戦略の変更が求められてきている。
ゲーム性から赤がお気に召さない方もおられるが、赤を知ってしまったために元に戻れなくなった方も多いとか。
用語説明
用具の名称
牌
- 場風牌・自風牌
場風牌とは、「東一局」や「南四局」など、そのときの風向きの牌である。東場だったら東、南場だったら南である。
それと同じく、自風牌は、自分の家に吹く風向きである。東家だったら東、南家だったら南となる。
逆に自分の役牌にならない風牌は「客風(オタカゼ)牌」と呼ぶ。役牌よりも先に客風牌を鳴いてきた相手はだいたい役牌を暗刻で持っており、混一色、混老頭、対々和を絡めるなど強力な手(下手すると役満役である四喜和や字一色、あるいはそれらの複合)を仕込んでいる場合が多いので、役牌を先に鳴いてきた場合よりも注意を要する。特にヤオ九牌がドラになっている場合はさらに要注意となる。 - 現物
自分で捨てた牌のこと。聴牌しても待ち牌に現物が1種類でも含まれていると「フリテン」となる。 - ドラ表示牌
これは、山に一つだけ表になっている牌のこと。ただし、これはドラではなく次の牌となる。
一筒だったら二筒、九筒だったら一筒となる。
字牌、風牌は麻雀牌に書いてある順(東→南→西→北→東 白→發→中→白)。
昔は表示牌がドラだった(これを現物ドラという)。 - ドラ
ドラ表字牌の次の牌。これを手にもっているだけで1牌1翻増えるが、ドラだけでは役にならない。ちなみにドラの種類は、「(表)ドラ・裏ドラ・槓ドラ・裏槓ドラ・赤ドラ・抜きドラ」となる。
- 裏ドラ
ドラ表示牌の下の牌。立直して和了った時に、裏ドラをドラとして認める。これも表示牌なので、この次がドラ。滅多に無いが、裏ドラ(裏槓ドラ)を適応しないルールもある。 - 槓ドラ・裏槓ドラ(槓ウラとも)
カンした時にドラ表示牌の右隣の牌をめくって表側にし、ドラ表示牌とする。裏槓ドラは裏ドラと同様。 - 赤ドラ(ローカルルール)
- 牌を何個か赤く書かれた牌と交換する。最近のネット麻雀や、PCソフトでは、ほとんど使用。それぞれの5を一つずつが主流だが、3や7を赤くしたり、金色だったり、枚数を変えたり、ピンズだけなど、卓や雀荘などで違ったりするので注意。
- 抜きドラ(ローカルルール)
三人麻雀で北(一萬・九萬)をツモってきたら、槓と同じ要領で嶺上牌から新しい1牌をとってくるルールがある。ドラ扱いで、4枚揃えると役になるルールもある。当たり前だが、槓ドラは適応されない。抜きドラの牌は必須の役満以外で手牌として使えなかったり、普通に捨てることが許されないルールもある。基本的には抜いたら一発や1巡目等の権利消滅になる。また当たり牌ならロンする事も可能だが槍槓はつかない。 - 季節牌、花牌(ローカルルール)
滅多にないが書いておこう。牌の中に「春夏秋冬」や、「花」の書かれた牌がある。これをツモってきたら、槓と同じ要領で嶺上牌から新しい1牌をとってくる。通常ドラ扱いで、4枚揃えると役になるルールもある。当たり前だが槓ドラは適応されない。こんなルール使っているのはほとんど無いが、麻雀セットの中に入っていたりする。基本的にいれない。
- 裏ドラ
他の物
- サイコロ
基本的に二つ使う。使い道は親決め他色々。卓の中心に埋め込まれているのが主流で、なぜ自動雀卓でも本物を使うかというと、お年を召した方がやる場合、「機械で決めるなんて、本当にランダムなのか?」ということがあるので、自分で振るものが多い。ただし最近ではサイコロが液晶表示であったり、配牌まで自動で出てくるためサイコロがなかったりする全自動卓も登場している。 - 点棒100点、1000点、5000点、10000点の4種類ある(全自動卓の場合はこれに加え500点棒がある)。最初は、2万5000点持ちだと「100点:10本 1000点:9本 5000点:1本 10000点:1本」。点棒の雰囲気的に言うと、100点は[::::]500点は[:::::]1000点は[・]5000点は[:・:]10000点は[・・:・:・・]こんな感じ。全自動卓でも点棒は付属していて、センサーとICチップなどにより点箱に何本入っているかを感知して表示しているものが主流である。
- 起家マーク
四角いプラスチックの表に「東」裏に「南」とかかれたもの。最初に親だった人のところにずっと置いておき、南入時にひっくり返す。
動作や状態における用語
- 自摸(ツモ)
- 鳴く(副露・喰い)
ポン・チー・明槓・加槓をすること。それをしないことを……↓ - 門前(メンゼン)
という。暗槓も副露扱いとはなるが鳴いた事にはならないので、暗槓だけなら副露しても門前となる。 - 喰い下がり
鳴いても成立する役の中で、鳴くと1翻下がるものがある。これを喰い下がり役という。 - 聴牌
最近ではテンパイとカタカナ表記が多い。あと1枚和了牌がくれば和了という状態。門前であれば立直する事ができる。立直とは……↓ - 立直
門前で聴牌であるときに、捨て牌を横向きにして「リーチ!」と発声し、場に1000点棒を一本出す(このとき出した点棒を「リー棒」と呼ぶこともある)。無論、持ち点が1000点未満のときは立直できない(ハコ下ありの場合はできる)。立直後は和了、ツモ切り、暗槓しかできない(上述の通り、立直後の暗槓は一切禁止とするルールもある)。
ちなみに「0点ちょうどでもトビとなるルール」でも「持ち点がちょうど1000点の状態で立直をかける」ことはできる場合が多いが、「この状態で立直をかけた局が荒牌(山牌がなくなること)で流局し、全員が聴牌していた場合」は「持ち点がちょうど0点となるためトビとする」ルールが主流である。
逆に門前で立直をかけずに聴牌することを……↓ - ダマテン(黙聴、闇聴)
という。当然ながら門前で立直をかけていない相手が聴牌しているかどうかはわからないため、捨て牌の種類や捨て方(手出しかツモ切りか)などから判断することとなる。
ダマテンのメリットといえば主に「(特に早い巡目だと)聴牌しても相手に悟られにくい」「先に立直をかけた相手の現物でロンできるようにダマテンすると、待ち牌を相手が出してくれる確率が上がる」などが挙げられる。ただし、熟練者同士の対戦ではダマテンしていても聴牌を読まれやすく、これらのメリットは薄まるので過信は禁物。他には「聴牌にとりつつ、手牌によってはさらなる大物手も狙える(例えば、タンピン(断ヤオ+平和)で聴牌しながらさらに三色同順や一盃口、赤ドラなども複合させる余地も作れる、など)」「自分が和了るよりも先に放銃してしまうと判断した場合にオリる(後述)ことができる」などが相手の実力にあまり左右されないメリットとして考えられるか。
ちなみに、暗槓していても「ダマテン」と呼ぶ場合もある(MJシリーズのサテライト実況では「暗槓のみでリーチせずに聴牌」すると「ダマテンでも十分な点数となりました」などと言うことがある。この形でロン和了を決めた場合に「ダマテン炸裂ー!!」と言うことがあるかは要確認)。
余談だが、MJシリーズの昔の作品ではトレーニングモード内に「透明リーチ麻雀」という、文字通り「相手が立直をかけていてもダマテンのように見える」モードが存在し、「門前で立直をかけていない相手が聴牌しているかどうかを見極める力」が問われた。 - 両立直
漢字で書いてあると読めないが、いわゆるダブルリーチである。ただしビンゴやパチンコなどとは意味が違い、最初に配られた牌からいきなり立直をかけること。他細々なルールがあるので、それは「麻雀の役一覧」を参照。ちなみに1巡目にツモ和了した場合天和、地和(共に役満)になる。 - 向聴(シャンテン)数
「聴牌まで最短で何巡かかるか」を示す数字。例えばあと1巡で聴牌できる可能性があれば「一向聴(イーシャンテン)」、その1つ前は「二向聴(リャンシャンテン)」など。最高6向聴まである。 - 不聴
最近ではノーテンとカタカナ表記が多い。聴牌でないこと。これによって罰を受けるルールがある。 - オリる
捨て牌を相手にロンされること(「放銃」「振り込み」などという)をなるべく防ぐため、あえて聴牌から不聴状態にするなど、向聴数を増やすこと(相手の待ち方次第では放銃を完全に防げるとは限らず、「オリたつもりが放銃」というケースはまれにある)。特に「相手の現物とわかりきった牌であれば暗刻で持っていても1枚ずつ捨てる」など、放銃を回避するやり方が露骨なことを「ベタオリ」と呼んだりもする。
ただし、当然ながら相手は原則的に1人ではないため、「立直をかけた相手の現物だと思って捨てたら別の相手のロン牌だった」なんてことがないよう注意。
チョンボ・反則行為について
- チョンボ・和了放棄
反則行為を行った場合の罰のことをいう。基本的には和了放棄と局終了後の満貫(後述)払いである。和了放棄といっても和了を禁止にするだけではなく、自摸切り(自摸った牌をそのまま切る)する(雀鬼流では、パオ確定牌については手牌から切る)。が、ノーレートや友人・家族同士の場合は適用しないか、1000点支払いや、手牌晒、一発芸などとローカルにして楽しくやっても良い。 - 多牌・少牌
文字を見てのごとく、手持ちが多かったり、少なかったりすること。まぁ、ネット麻雀やゲームなどではありえない……はずなのだが……時にバグであるとか? 基本的に和了放棄のみの罰則が多いが、多牌に限りイカサマも可能であることから罰符とすることもある。 - 誤鳴き・誤立直・誤和了
間違って鳴いたり、立直したり、和了ったりすること。これは、友人・家族同士だと「ゴメンゴメン」で済む場合が多い。が、牌を倒したら大人しく罰を受けたほうが良い。
※詳しくはこちら
ルールについての用語
- ウマ
順位に応じてさらに点をプラス・マイナスにするルール。巷では適応しない場合が多い。が、ネット麻雀などではルールによって決めることができる。 - オカ
一試合ごとにトップにボーナス点を与えるルール。こちらも、巷では適応しない場合が多い。が、ネット麻雀などではルールによって決めることができる。
※ウマ・オカに関しては、実際やるときは使わない場合が多いが、ネット麻雀やゲームソフトについては、適応されたりする。
- トビ
持ち点が0以下又は0未満(ルールによって異なる)になった場合、その試合を終了するルール。ソフトによる。 - 一荘戦
東一局から北四局までやる試合の事。現在この長さをやることは少ない。 - 半荘戦(東南戦)
現在の一般的な長さ。東一局から南四局 - 東風戦
東場だけしかやらない。最近半荘から東風に移りつつある。ネット麻雀・ゲームソフトでは半荘と両方用意されている場合が多い。が、手軽にできる東風のほうが賑わっている場合が多い。
得点計算方法の概要
符数はすべて1の位を切り上げる。その後に以下の計算で求められる。
4飜以下の場合
子が得る総得点:
ロン上がりの場合:相手から:符数×2(飜数+2)×4
ツモ上がりの場合:
親から:符数×2(飜数+2)×2
子から:符数×2(飜数+2)×1
親が得る総得点:
ロン上がりの場合:相手から:符数×2(飜数+2)×6
ツモ上がりの場合:相手から:符数×2(飜数+2)×2
以上の計算結果はすべて十の位以下を切り上げる。
また、符数×2(飜数+2)の結果が2000を超える物はすべて2000とする(つまり満貫とする)。
5飜以上の場合
4飜以下のケースの符数×2(飜数+2)の部分を以下の数に置き換えて計算する。
- 5飜:満貫: 2000
- 6, 7飜:跳満: 3000
- 8~10飜:倍満: 4000
- 11, 12飜:三倍満: 6000
- 13飜以上(数え役満)もしくは役満: 8000
- (ローカルルール)ダブル役満: 16000
- (ローカルルール)トリプル役満: 24000
一般的な得点計算方法
得点計算と言っても符数と飜数の組み合わせで決まる上に、得点計算が必要なケースは4飜以下であるため、計算式を覚えるよりも得点計算表を覚えるが一般的である(九九よりもその組み合わせは少ないのだから)。
得点計算式から以下の規則を前提にすると、記憶するのはそれなりに容易である。
- 飜数がひとつ上がると得点がほぼ2倍
- 符数が2倍になると得点がほぼ2倍
- 以上の事より、飜数がひとつ上がることと符数が2倍になることは同じ事である。つまり、40符3飜は20符4飜に等しいし、25符2飜と50符1飜も得点計算においては等しい。
- 親の得点は子の得点のほぼ1.5倍となる。
一般的でない得点計算方法
以下に、一般的でない得点計算方法を載せる。
青天井ルールにおける得点計算の例
140符105飜(天地創造:ビギニングオブザコスモス)で子の場合
となり、こうなる。
日本以外の麻雀ルール
なお、中国や台湾には全く別の体系のルールがある。国標麻雀と呼ばれる中国政府主導で作られたルール、中庸麻雀と呼ばれる麻雀研究家により作られたルール、1メンツ多いのが特徴の台湾麻雀の3つが有名である。国標麻雀や中庸麻雀は競技性が重視されている。
関連項目
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