この地獄のなかでは信仰しかない
それが俺達を壊す…
Outlast(アウトラスト)とは、カナダのゲーム会社「Red Barrels Games」が開発したホラーゲーム(サバイバルホラー)である。
概要
Ubisoftモントリオールスタジオの元開発者らが立ち上げた、カナダのインディーズ系ゲーム会社が開発した主観視点ホラーADV。
奇怪な精神病院を舞台に、調査の為に訪れたジャーナリストが、凶暴化した患者達から逃げ回りつつ、そこで行われていたおぞましい「実験」の真相を解き明かしていく、サイコホラー的作品。
2013年9月4日にWindows版がSteamで発売。以後PlayStation4・XboxOne・Linux版が順次発売された。
インターフェイス、および字幕が日本語化対応されている。
PS4版の日本発売も決定しているが、価格と配信時期は未定。海外ではPSPlusのフリープレイとしても提供された。
また、2014年5月6日に本編の前日譚となるDLC『Whistleblower』が配信された。
実況プレイ用の作品として人気が高く、Youtubeでは海外の有名な実況プレイヤーによる動画が高い再生数を稼いでいる。
次作「Outlast2」は前作と同じ世界とアプローチを異なるキャラクターで描くという。海外で2016年にPS4、XboxOne、PCで発売予定だったが、2017年上旬に延期された。
2017年4月25日に発売決定。またリテール版トリロジーバンドル「Outlast Trinity」のリリースも決定し、「Outlast」及びDLC「Whistleblower」が同梱される。プラットフォームはPlayStation4/XboxOne。
また公式サイトではウェブコミック「Outlast: The Murkoff Account」が無料で読める。
物語の黒幕であるマーコフ・コーポレーションに関連した事件の隠蔽工作を担当していたエージェントの目を通して描かれる前日譚・後日譚で、事件後の登場人物にも触れられている。
非常に猟奇的な内容なので閲覧には注意。
ゲームシステム
まず初めに、主人公は敵に対する攻撃手段を何一つ持たない。
そのため、ドアを閉める事で時間を稼ぐか、ロッカーやベッドの下などに隠れてやりすごすことしか出来ない。
とにかく、敵に対してはひたすら逃げるしかなく、これが恐怖を増す一因となっている。
所持している取材用のハンディカムで惨劇の現場を撮影しつつ、ドキュメントやメモを回収する事で、事件の真相に迫る事が出来る。また、ハンディカムに搭載された暗視モードを使用し、暗闇の中を探索する事が出来る。
ただしハンディカムのバッテリーは数分しか保たない。そのため、要所要所で節電しつつ、各所にあるバッテリーを発見・補給することが重要になり、状況によっては進行は困難になる。
あらすじ
『マーコフ・コーポレーションが非人道的手段で利益を得ている』
フリージャーナリストのマイルズ・アップシャーはある日、そんな内容の書かれた匿名のメールを受け取った。
彼は真相を究明するため、同社が運営している「マウントマッシブ精神病院」を尋ねるが、何故か玄関は固く閉ざされて入る事ができない。仕方なく建設用の骨組みを伝い、開いていた窓から入る事に成功。
だがそこで彼が目撃したものは無残に殺害された数多くの死体と、凶暴化した患者達だった。
果たして、この病院で何が行われているのか。
そして患者達が崇拝する『ワールライダー(The Walrider)』の正体とは……
Whistleblower
2014年5月6日に配信されたDLC。タイトルの意味は「内部告発者」。
本編の前日譚で、主人公はマイルズに密告メールを送ったエンジニア、ウェイロン・パーク。
繰り返される非人道的な実験を見かねて外部に密告メールを送るがあっさりバレてしまい、ウェイロンは捕らえられて被験体として拘束されてしまう。
だがその直後、ある患者を使った実験が暴走を起こし、恐るべき惨劇が始まった。
キャラクター
- マイルズ・アップシャー(Miles Upshur)
- 主人公。タレコミを受けてマウントマッシブ精神病院に潜入したフリージャーナリスト。
あんな場所に行ってしまったばかりに酷い目に。
何が何でもカメラは手放さないジャーナリスト魂の持ち主でもある。 - クリス・ウォーカー(Chris Walker)
- 精神病院の入院患者で、最初に遭遇する敵。マイルズを「子豚ちゃん(Little Pig)」と呼び、最もしつこく追いかけてくる。
ゲーム中で入手する資料によると、元軍警察でアフガニスタンに駐在していた。その後マーコフ・コーポレーションに勤務していたが、精神に異常をきたしてバラバラ殺人を繰り返し、エージェントにより無力化されてマウントマッシブ精神病院に送られた事、子豚(Little Pig)のぬいぐるみに執着している事がコミックで描かれている。
極めて狂暴なビッグ・ファッキング・ガイ。趣味は首を狩ること。DLCにもチラリと登場。 - マーティン・アルシャンボー(Martin Archimbaud)
- 独自の宗教観で患者を従えている、神父のような格好をした患者。
何らかの思惑から、脱出しようとするマイルズを院内に閉じ込める。 - ブラザーズ(The Brothers)
- 主人公を殺そうと付け狙う二人組。動作は緩慢だが鉈を持ち歩いており、捕まると即死する。
好きな食べ物はタンとレバーの刺し身。仲良く分け合う全裸兄弟。マーティン神父には比較的従順。 - リチャード・トレーガー(Richard Trager)
- 院内に勤務する医者……のように見えるが、実はマーコフ・コーポレーションの幹部。
患者におぞましい人体実験を繰り返す。気分の浮き沈みが激しいキチガイ裸エプロン。彼に捕まったマイルズはとっても痛い目に合わされた。
コミックでは軽薄な性格が露わになっており、ポーリーンを口説いて性的関係に持ち込もうとして失敗、返り討ちに会った。最終的に悪事がバレ、幹部の座を剥奪されて被検体にされていた模様。 - ルドルフ・G・ウェルニッケ(Rudolf Gustav Wernicke )
- 元ドイツ人の医師。
米国に移住後マーコフ・コーポレーションに勤務し、2009年に90歳で死亡したとされるが……。 - ビリー・ホープ(Billy Hope)
- 患者の一人。彼を被検体にした実験は成功したが直後に暴走、スタッフを多数殺害。彼の能力を目の当たりにした患者達が暴動を起こすきっかけとなった。
コミックで家庭の事情が描かれており、何故彼が精神病院に入れられたのかが判明した。 - 患者たち(Variants)
- 非人道的な人体実験を行われ、虐待されていた患者。暴動に際してスタッフ達に暴行を加え、あるいは殺害している。その場に蹲ったり自傷を繰り返したり、ふらふら近づいてきたかと思えば見ているだけだったりと、大抵は無害なのだが、たまに追いかけて襲ってくるものもいる。
ゲーム中の資料ではVariants(変異体)と呼ばれている。 - ウェイロン・パーク(Waylon Park)
- 「Whistleblower」の主人公。マイルズにマウントマッシブ精神病院で行われている犯罪行為を密告した人物。
職業はソフトウェアエンジニア。妻子持ちのリア充かつ常識人。
密告が露見して拘束、モーフォニックエンジンの実験台にされかかるが、直後に発生した暴動に便乗して脱出を目指すことに。マジキチな状況下において綴られる手記を読む限り、少しずつおかしくなっている事が解る。 - アンドリュー(Andrew)
- 「Whistleblower」に登場するキモいおっさん。服装からして研究者のようだがホモかな?特技は舐める。暴動発生後の消息は不明だが、状況的に生きて外に出る事は出来なかったと思われる。
没ボイスによると、拘束された状態でウェイロンと再会後、彼を解放するか、放置して患者達にリンチさせるかを選択できるイベントがあったらしい。 - ジェレミー・ブレア(Jeremy Blaire)
- 「Whistleblower」に登場。マウントマッシブ精神病院のトップで、マーコフ・コーポレーションのグローバル開発部門副社長。
内部告発をしたウェイロンを拘束・監禁させた上で、妻子の動向も監視していた。暴動発生後は何としてでも外部に情報を漏洩させまいと、脱出しようとするウェイロンをしつこく妨害してくる。 - フランク・アントニオ・マネラ(Frank Antonio Manera)
- 「Whistleblower」に登場する患者の一人。電ノコ片手に人肉料理に勤しんでいたが、ウェイロンを新鮮な肉と認識して襲ってくる。
feed me! feed me! feed me! - 解離性のデニス(Dissociative Dennis)
- 「Whistleblower」に登場する患者の一人。二重人格で、女と喋っているように一人芝居を演じる。
ある人物の許にウェイロンを誘導するが、その人物が強烈過ぎてあまり目立たず空気と化している。 - エディ・グルースキン(Eddie Gluskin)
- 「Whistleblower」に登場する患者の一人。
デニスからは「新郎」と呼ばれ畏れられている。患者は半裸ないしほぼ全裸が多い中で、新郎らしいモーニングめいた服をまとっているのが特徴。
結婚願望があり、新婦のためのドレスを自作している。しかし院内に男性しかいないせいか、あるいは別の理由もあってか、新婦も自作してしまっており、男性の性器を切除して女性の乳房をつける、刃物を突き刺して膣を作る、腹に詰め物をして妊婦に見立てるなど、常軌を逸した行いに励む。
特にウェイロンとはDLC冒頭にある通り多少の縁があるせいか、「ダーリン」と呼んで執拗に追いかけてくる。ウェイロンは一度捕まえられてしまい、全裸にされてあわや女体化(物理)されそうになる(この時ウェイロンのウェイロンがモロ見えなので、修正がない限り動画は削除対象となる)。ではゲイなのかといえば、彼の生い立ちを鑑みるに恐らくそうではない。
デニスのような狂人からも危険だと思われるほどの圧倒的な狂気ゆえにプレイヤーから人気を呼び、DLCの後半に出てくるキャラにも関わらず、すっかり本作を象徴するキャラとなっている。
モデルはエド・ゲインと言われる。 - ポール・マリオン(Paul Marion)
- ウェブコミック「Outlast: The Murkoff Account」の主人公の一人。黄色いネクタイの中年男性。
マーコフ・コーポレーションが関連する事件の隠蔽工作を行うエージェント。
重病の娘の治療費を稼ぐ為、組織の非人道的活動の一環に関わっていた。
事件後に片目を失うほどの重傷を負った状態でFBIに出頭、保護されて物語を語り出す。 - ポーリーン・グリック(Pauline Glick)
- ウェブコミック「Outlast: The Murkoff Account」の主人公の一人。黄色いイヤリングの女性。
マーコフ・コーポレーションが関連する事件の隠蔽工作を行うエージェント。
事件後に両腕を負傷した状態で組織に保護され、相棒を探すことになる。ポールよりもクリアランスレベルは上で、状況によっては彼を「始末」することにもためらいはない。
用語
- マーコフ・コーポレーション(Murkoff Corporation)
- 科学や精神医学の分野で活躍する大企業。慈善事業の一環として、精神病院などの福祉施設の運営も行っている。
一方で訓練された特殊部隊を擁しており、有事においては施設に派遣するなど、何かときな臭い一面を持っている。実際には精神病院に収容した患者を用いた人体実験を繰り返し、超兵士を人工的に作ろうとするなど、非倫理的な違法な活動を行っている。最終的に脱出を果たしたウェイロンにより告発された模様。 - マウントマッシブ精神病院(Mount Massive Asylum)
- コロラド州の山頂にそびえ立つ精神病院。
1971年に起きた暴動および医師殺害事件によって閉鎖されたが、2009年にマーコフ・コーポレーションによる慈善事業を装いつつ再開された。
外見のモデルは旧バッファロー州立精神病院リチャードソン・オルムステッド・コンプレックス。 - モーフォジェニックエンジン(Morphogenic Engine)
- マウントマッシブ精神病院で行われる精神療法「ドリームセラピー」の装置。作中ではロールシャッハテストのような映像を強制的に見せ続けるような描写がある。
元々はナチスドイツが開発していた。明晰夢の状態を維持させつつ、超常現象を発現させる「超兵士」を作る事が目的。
装置を作動させる前に被検体に極度の「恐怖」を与え、生命維持カプセル内で細胞分裂を加速させてナノマシンに組み替える。被検体はこのプロセスで失敗すれば癌や腫瘍といった病変の成長を急激に引き起こしてしまう。
その影響は被検体の周囲に及び、女性は性交の有無を問わず想像妊娠を発露してしまう。病院に女性の患者や研究員が存在しないのはこれが原因である。 - ワールライダー(The Walrider)
- マーティン神父らが崇める謎の存在。ウォルライダーとも。
マーコフ・コーポレーションがモーフォニックエンジンを使って開発を進めてきた「超兵士」計画の産物。
正体はビリー・ホープという患者がモーフォニックエンジンによって作り出した分子の集合体=ナノマシンの群体。ビリー本人は生命維持カプセルの中で「動力源」と成り果てている。
黒い霞が集合したような人の形を取り、人間を軽々と引き裂く力を持つほか、空を飛ぶことも可能。
ゲームのラストでビリーは死亡するが、マーコフ・コーポレーションのセキュリティに殺害されたマイルズを「宿主」として復活、その場にいた全員を抹殺。「Whistleblower」においてはたびたびウェイロンに襲いかかるが、脱出寸前になってウェイロンを殺害しようとしたブレアを惨殺。その最後の姿は、さながらウェイロンを見送るかのように見えた。
Webコミックでは事件後、ワールライダーはビリーの母が住むトレイラーハウスにビリーの姿を取って出現。我が子の帰還を喜ぶ母に暴力を振るった愛人を挽肉に変え、更に母の裏切りを知って彼女も同じように磨り潰した。最終的にマーコフ・コーポレーションの音響兵器によって消滅したかと思われたが、「宿主」をより小さな存在ーークロアリの群体に変えて生存している。
関連動画
トレーラー
実況プレイ動画
その他の関連動画
関連項目
- ホラーゲーム
- Amnesia: The Dark Descent - 直接の関連性は無いが、類似したシステムを持つ作品
- Condemned - 直接の関連性は無いが、類似した世界観の作品
- こんなところ
- PlayStation4
- Outlast2 - 続編
- Steamで販売中のゲームの一覧
- ゲームのタイトル一覧
関連リンク
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