ジェノザウラーとは、『ZOIDS』シリーズに登場するティラノサウルス型戦闘ゾイドである。
完全な新規モデルで、同じティラノサウルス型でもゴジュラスやデスザウラーとは違って最近の恐竜の姿勢考証に基づいた水平に近い姿勢を持ち、そしてサラマンダー以来の尻尾を引きずらずに歩行が可能なキットになっている。
機体解説
ジェノザウラー GENO SAURER |
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基本情報 | |
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型式 | EZ-026 |
所属 | ガイロス帝国 ネオゼネバス帝国 |
モチーフ | ティラノサウルス型 |
スペック | |
全長 | 23.0m |
全高 | 11.7m |
全幅 | 不明 |
重量 | 112.8t |
最高速度 | 260.0km/h |
武装 | |
ゾイドテンプレート |
ガイロス帝国が開発したティラノサウルス型完全戦闘ゾイド。
超古代のオーバーテクノロジー“オーガノイドシステム(OS)”組み込んで制作した世界初のOS搭載ゾイドであり、それによって現在使われているあらゆるゾイドを超える性能を獲得、また、頭部形状がEZ-21デスザウラーに酷似しており、文字通り“小型デスザウラー”と言うに相応しい存在となっている。
OSによって機体性能そのものが大幅に引き上げられており、高められた装甲剛性と再生力から来る強靭な防御力、より俊敏になった反応速度と運動性能と言った機動力、そして狂おしいまでの激しい闘争本能に基づいた凄まじい攻撃力が両立された機体となり、当時においては従来の同クラスのゾイドが勝つ事はまず不可能とまで言われていた。
武装も最新鋭のものを採用しており、背部には主武器である強力なパルスレーザーライフルや頭部のレーザーガンを装備する事で高い火力を有し、格闘性においてもその鋭利な牙と爪を用いた攻撃はOSで強化されたパワーやスピードと相まって絶大な威力を発揮する。
何より最強の武器は口腔内の集束荷電粒子砲で、機体そのものを砲台にして放つその威力は小型~中型ゾイドならば一瞬で消し飛び、たとえ大型ゾイドでさえもまともに食らえば致命的なダメージは免れないほどのものを誇っている。
ただし、発射の際には脚部をアンカーで固定せねばならないため、エネルギー充填中および発射中には動く事が出来ず、撃てる方向は一方のみになっている。
発射後は尻尾に展開した放熱フィンから余剰熱を排出する。
このように極めて強力なゾイドだったが、OSの問題点を一番最初に露呈したのもこのゾイドであり、OSによってコアの性質そのものが凶暴化しているため操縦性が極端に悪くなっており、一部の実力派パイロットでなければ乗りこなせない上に、その凶暴化したゾイドの闘争本能がパイロットの精神にも悪影響を与える事など様々な弊害が出るようになり、このジェノザウラーのパイロットは心身ともに大きな負担を強いられてしまう事となってしまう。
そのため、量産を行うにはOSのレベルを引き下げる他なかったが、それでも操縦性と量産性はあまり改善されず、こちらも少数がある程度生産されるにとどまっている。
登場当初は同じくOSが組み込まれたEZ-27レブラプターと共に従来のゾイドの在り方を変える存在として帝国軍の勝利を決定づけるかと思われたが、共和国軍も同時期にRZ-28ブレードライガーを始めとするOS搭載ゾイドの開発に成功したため優位性を発揮する事は出来ず、さらに時を経るに連れジェノザウラー以上の性能を持ったゾイドが続々と登場するようになり、本機も旧式化の波に飲まれていった。
ただし、その中で極一部の機体はよりその戦闘能力を高めたEZ-34ジェノブレイカーへの強化が図られている。
とは言え、その優れた性能からか、ガイロス帝国はおろか後のネオゼネバス帝国でも使用され続けており、そしてこれ以降登場するほとんどのティラノサウルス型ゾイドはこのジェノザウラーの思想を踏襲したような設計になっている。
劇中での活躍
バトルストーリー
ZAC2100年ロールアウト。帝国技術部が古代遺跡より入手したOSを組み込んで開発した実験機として初登場。
今後の主力ゾイドの座を巡ってリッツ・ルンシュテッド中尉をテストパイロットにして既存機種の改良系ゾイドとの模擬戦に挑み、結果はジェノザウラーの完全圧勝に終わり、そのままこの第1号機が実戦配備された。
その後は西エウロペ大陸になる新たな遺跡の制圧のためレブラプター部隊を率いて進軍、侵攻を阻止しようとした共和国軍1個大隊を蹴散らして遺跡へと侵入を果たし、そこで未知のゾイドコアらしき物体を発見する。
しかし、そこに遅れてやってきたアーサー・ボーグマン操縦のブレードライガーが現れた事で両機はそのゾイドコアを巡って交戦、ジェノザウラーはブレードライガーの高い格闘戦能力により苦戦を強いられるものの、謎のゾイドコアの奪取には成功しそのまま逃走した。
この時の戦闘データからジェノザウラーではブレードライガーの特化された格闘能力に対して遅れを取ってしまうという欠点が発覚し、リッツ機はジェノブレイカーへと改造される事になる。
それ以降はOSのレベルを引き下げた量産型および改造機が一部の戦線で見られたが、第2次会戦撤退の際に護衛として使用された改造ジェノザウラー隊は暴走したデススティンガーの手で壊滅させられ、さらに本土防衛隊配備の機体もまた“鉄竜騎兵団”の奇襲により部隊もろとも撃破されている。
ただし、ガイロス帝国だけでなく後に誕生したネオゼネバス帝国でも量産型が配備されており、共和国軍残党基地の捜索や拠点の防衛戦において使用が確認されている。
アニメ
『ゾイド -ZOIDS-』から『ゾイドフューザーズ』まで登場。
なお、アニメでは両腕がワイヤーで繋がれたロケットアンカーになっているという特徴があり、これは後に発売されたゾイド格闘系ゲームでも一部反映されている。
『ゾイド -ZOIDS-』では主人公バン・フライハイトのライバルのレイヴンのセイバータイガーに代わる新たな乗機として初登場。
デスザウラーのクローニング過程で生まれた副産物的なゾイドとされる。
プロイツェンからレイヴンに与えられてデスザウラー育成のためのゾイドコア確保に従事していたが、遂に因縁の相手であるバンと再会。その時はバン達と一緒にいたルドルフを守ろうとしたロッソ、ヴィオーラが乗るアイアンコングの妨害で取り逃がすも、2戦目では荷電粒子砲でバンのシールドライガーを撃ち抜き、完全に破壊した。
そして3戦目、帝国首都ガイガロスへ向かうバン及びブレードライガーの前に立ちはだかり、その圧倒的な戦闘能力で追い詰めるが、レーザーブレードで荷電粒子砲は防げるという点を突かれて荷電粒子砲発射中に口腔にレーザーブレードを突き立てられて爆散した。
第2部の『GF編』では自失状態から立ち直ったレイヴンにダークカイザーが与えたというフレームの赤い2号機が登場。
レイヴンの操縦技術の向上も相まって以前とは比較にならない戦闘能力を見せつけてバン達を苦しめるが、突如として戦線離脱、名もない渓谷の奥地に降り立つやそこでシャドーと共にエボリューションコクーンを形成して自己進化を開始し、後にジェノブレイカーへと変化する。
他にも中盤にはリーゼが操るサイコジェノザウラーが登場し、さらに終盤ではダークカイザーを護衛する無人のジェノザウラー3機が出現。連携攻撃でジェノブレイカーを翻弄するも、鬼神の如きレイヴンの猛攻で全滅させられた。
『/ZERO』ではバックドラフト団所属のチーム・フーマの乗機として登場。
正式な選手機ではなく組織内の派閥間内紛で使用され、ロイヤルカップで快進撃を続けるバーサークフューラーを倒そうとするアルタイルの差金で3機編成でバーサークフューラーを襲撃したが、バーサークフューラーの圧倒的な力の前に手も足も出ずに3機ともあえなく敗北している。
『フューザーズ』では普通のゾイドバトル選手機扱いになっている。
ブルーシティとは別の都市からやってきた“地獄の破壊王”の異名を取るファイター、ロジャー(若本規夫)の機体として登場(フレームカラーはイエロー)。
バトルロイヤル参加という名目だったが、事前にユニゾンゾイドの強さをラスターニが主催となってギルバート、サラも交えた打ち合わせに参加し、一緒にバトルロイヤルに参加したRDのライガーゼロフェニックスのみを狙うという八百長試合となる。そして打ち合わせ通りにブレードライガー、レッドホーン、レイノスと共にライガーゼロフェニックスに集中攻撃を行い、最後には集束荷電粒子砲を放ったが、それさえ通用せず敗北した。後に対セイスモサウルス戦でレジスタンスとして参加した。
また、回想シーンではルーキー時代のブレードが使用して、RDとゾイドバトルで対戦していたが、ある日マシントラブルを起こしてRDに敗れる。その原因についてチーム・サベージハンマーのオーナーであるサンドラからRDの仕業であると吹きこまれた事が、彼がRDを敵視するようになった理由だとされている。
漫画
アニメ同様、レイヴンの新たな愛機として登場。
帝国内では「G」と呼ばれており、その力はドクトルF曰く「一個大隊とも渡り合える化物」との事。
合体する度に副作用でそのゾイドを殺してしまうオーガノイド・シャドーに対応するため体内にゾイドバイオコアを9個内蔵しているのも特徴。
ポルトの街にて共和国の先遣隊であるプテラス複数を一瞬で撃破、そのままバンのシールドライガーと交戦し、これを圧倒的な力を持って退ける。
その後レイヴンを止めに来た帝国の三色電光隊(サイカーチス×3)やカール・リヒテン・シュバルツの駆るアイアンコング、そしてシャドーキーを使い復活したシールドと戦うが、それすらも軽く打ち破った。
しかし止めを刺す寸前、フィーネの愛の力によってシールドはブレードライガーとして復活。
ポルトの街の人々の応援を背に三度立ち上がったバンの前に、今度は逆に追い詰められてしまう。
最後はフルパワーの荷電粒子砲で全てを吹き飛ばそうとするものの、ウェンディーヌ(ポルトの街に設置された発電ゾイド)からアドバイスを受けたバンにより、アニメ版と同じ方法で倒された。
主な機体バリエーション
プロトブレイカー
ジェノブレイカーの開発過程で生まれたジェノブレイカーのプロトタイプ機。
背部に高機動スラスター、脚部に格闘戦用の可変式ブレードが搭載され、機動性と白兵戦能力が高められている。
ジェノトルーパー
ジェノザウラーの背部に中型のマグネッサーウイングを装備して一時的に飛行能力を与えた機体。
とは言っても、おそらく飛行と言うより高地より滑空して敵を強襲するような機体と推測される。
サイコジェノザウラー
サイコジェノザウラー PSYCHO GENO SAURER |
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基本情報 | |
---|---|
型式 | なし |
所属 | なし |
モチーフ | ティラノサウルス型 |
スペック | |
全長 | 23.0m |
全高 | 11.7m |
全幅 | 不明 |
重量 | 112.8t |
最高速度 | 260.0km/h |
武装 | |
ゾイドテンプレート |
『ゾイド -ZOIDS-』に登場したジェノブレイカーの因子を培養して作られたというリーゼ専用ジェノザウラー。
機体色は青で、頭部に小型2連ビーム砲を装備、さらに脚部には濃霧と幻影を発生させる装置が搭載されている。
バン・フライハイトのブレードライガーと交戦し、レイヴンと合流した後でヒルツのデススティンガーに破壊される。
ジェノリッター
ジェノリッター GENO RITTER |
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基本情報 | |
---|---|
型式 | 不明 |
所属 | 帝国 |
モチーフ | ティラノサウルス型 |
スペック | |
全長 | 23m |
全高 | 15.8m |
全幅 | 不明 |
重量 | 131.6t |
最高速度 | 450km/h |
武装 | |
ゾイドテンプレート |
ゾイドコンセプトアートシリーズに登場するジェノザウラーの改装機。
背部にドラグーンシュタールと呼ばれる巨大なブレードを搭載した格闘戦用機「ヤークトジェノ」を前身とし、それにマスクのような制御システムを装着させているのが特徴で、高推力のマグネッサーバーニアーによる超機動性を持って相手を翻弄し、そのドラグーンシュタールでとどめを刺す電撃戦を得意とする。
ジェノザウラー・タイプOSC(オーガノイドシステム・キャンセラー)
小型インターフェイスゾイド「オーガノイド」との融合を前提に設計された機体。
内蔵型オーガノイドシステムを廃したため機体性能は通常機に劣るが、操縦性は向上し、さらにオーガノイドとの融合によって卓越した戦闘力を発揮できる。
プロイツェン管轄のオーガノイドを従えたゾイド乗りに供与され、その中にはレイヴンもいたという。
詳細はHMMシリーズ27弾「ジェノザウラー レイヴン仕様」解説に記載されている。
ジェノフレイム
ゲームオリジナルゾイド。『ZOIDS SAGA』と『サイバードライブゾイド』に登場する。
ジェノブレイカーと異なる強化プランで作られたとされている。
ジェノザウラーRT
お絵カキコ
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
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- エレファンダー
- ガン・ギャラド
- ザバット
- ジェノブレイカー
- セイバータイガー
- ダークスパイナー
- デススティンガー
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- ヘルディガンナー
- ライトニングサイクス
- レブラプター
- ヴァルガ
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