幻想郷にお笑いの旋風、今、再び。
~蘇る、伝説の漫才バトル!~
第2回東方M-1ぐらんぷりとは、同人音楽サークル「いえろ~ぜぶら」が製作した電子メディア同人作品「東方M-1ぐらんぷり」のシリーズ第2弾である。
製品概要
本作は前作「第1回東方M-1ぐらんぷり」が登場してからわずか半年程で頒布に至るという経緯を持つ。
本作以降「東方M-1ぐらんぷり」シリーズは毎年冬のコミックマーケットでの頒布となる。
舞台設定
優勝賞品にある「十万石」についてだが、「石」という単位は大河ドラマなどでよく耳にする言葉であるものの、広さの具体的なイメージが思い浮かばないと思われるのでここで説明する。
「石(ごく)」は尺貫法において、もともと「体積」を表す単位であり180.39リットル、1000合に相当する。1合は通常1食分の米の量を表すものとして料理などで用いられている。つまり石は、我々が1年間に消費する米の量を表すものである(実際に計算すると3合/日×365日=1095合となるが、便宜上1000合としている)。
体積を表す「石」を面積に直すには、1石の米がとれる面積を表す「反(たん)」を利用する。これは作物の出来具合などによって収穫量が変化するので厳密には同じではないが、本記事では便宜上「1石=1反」とする。
換算すると以下のようになる。
100,000石=100,000反
100,000反≒1,000,000アール
1,000,000アール=10,000ヘクタール
10,000ヘクタール=100平方キロメートル
100平方キロメートルは東京ドーム2139個分、神奈川県横須賀市とほぼ同じ面積である。
この区画が丸ごと優勝者のものになると考えれば、霖之助が心配するのも無理はないだろう。
登場人物紹介
司会
- 森近霖之助(CV:らんてぃ)
- 前回に引き続き司会進行を務める。前回とは比にならない奔放ぶりの今回の審査員に悪戦苦闘する。
- 上白沢慧音(CV:和龍之介)
- 今回の女性側司会。鼻声に定評ある人。ネタ中で妹紅をコケにする輝夜に対し怒りを募らせ、やがて……。
審査員
注意:フランドール・スカーレットとチルノは2人1組で審査する。よって審査員は事実上4人。
- 八雲紫(CV:ねね)
- 冬眠の時期が近いせいか、若干荒れ気味。少しでも笑いが小さければ式神にも制裁を下す。しかし最後は…?
- フランドール・スカーレット(CV:りぇる)
- 暴れん坊精神は今回も健在。お得意の弾幕を披露しようとするが、さすがに会場側もある対策を練った模様。
- チルノ(CV:NEVE)
- なぜかフランに連れられて一緒に審査員をすることに。彼女が審査できることよりも「頓知」という言葉を知っていることに驚いた人は少なくないはず。
- 小野塚小町(CV:姫野あやか)
- ある者の魂を連れてきた。魔理沙ではないかという可能性はあるが、真偽の程は不明である。輝夜に三途の川を渡らせたいという「永遠に不可能な」願望を抱く。
- 稗田阿求(CV:小泉菜実)
- 今回の審査委員長。 歴史に残りうるお笑いを期待している。挑発されるとちょっと古風な怒り方をする。
決勝進出コンビ
- 狂気と詐欺師「てゐレーセン」
- 因幡てゐ×鈴仙・優曇華院・イナバのコンビ。
- 最強の式神「やくもチェン」
- 橙×八雲藍のコンビ。
- 蓬莱の民「蓬莱てるよ」
- 八意永琳×蓬莱山輝夜のコンビ。
- 紅魔館の頭脳「パチュみりん」
- 紅美鈴×パチュリー・ノーレッジのコンビ。
コマーシャル「にとりのテレビショッピング」
- 「言語翻訳機」
- 人語を話さない者に装備すると、その声が人語に翻訳されるというもの。
- どう聞いても初音ミクです。本当にありがとうございました。
- お値段100貫文也。
字面だけ見ても高そうに見える値段だが、実際に計算するとどうだろうか。旧い単位も出てきたので再び解説する。
「文(もん)」とは室町~江戸時代を中心に使われた通貨単位で、「貫(かん)」は1000文を表した。
元文期(徳川吉宗が治めていた頃)を基準にした米価をもとに換算すると以下のようになる。
100貫文=100000文
金1両=4000文、よって100000文=25両
米価1両=40000円、よって25両=1000000円
(このような結果になるので「1文=10円」「1貫文=10000円」と考えてもよい)
元になった製品が10000円少々であることを考慮すると、幻想郷ではバブル経済も青ざめるすさまじいインフレーションが発生しているということが窺い知れる。
見所
今回幻想入りしたもの
注意:ここではネタ内で取り上げられた「外の世界のもの」を列挙する。まだ幻想入りしていないものも含まれる場合があるので気を付けること。
- 犬夜叉(いぬやしゃ)
- 高橋留美子氏の著名な作品の一つ。本格的な「妖怪」を見たい方にオススメの作品。詳しくは当該記事参照。
- 名探偵コナン(めいたんていこなん)
- 青山剛昌氏が生み出した人気推理漫画。犬夜叉と同じく週刊少年サンデーに連載。詳しくは当該記事参照。
- 探偵!ナイトスクープ(たんてい!ないとすくーぷ)
- 1988年に朝日放送が制作した視聴者参加型の番組。毎週金曜日23時に放送。詳しくは当該記事参照。
- 日清サラダ油(にっしんさらだおいる)
- 日清オイリオの代表商品。なたね油と大豆油をブレンドした、揚げ物の際にお世話になる食用油である。
- プリザエース(ぷりざえーす)
- 鷲のマークでおなじみの大正製薬の座薬。ライバルはCMでよく見かける天藤製薬のボラギノール。
- リポビタンD(りぽびたんでー)
- 鷲のマークでおなじみの大正製薬の栄養ドリンク。「ファイトー!」「イッパーツ!」のCMはあまりにも有名。
- タカラ本みりん(たからほんみりん)
- 宝酒造の主力商品であると同時に、みりんを代表する商品でもある。卵焼きに使うとさらにおいしくなるらしい。
- 麻宮サキ(あさみやさき)
- スケバン刑事の登場人物の一人。実写版では主人公の「コードネーム」として各代でこれが襲名されている。
- ニトリ(にとり)
- 「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで有名な家具販売社。決してお値段異常ではない。当該記事参照。
- 太田製薬(おおたせいやく)
- 1986年に帝國製薬に吸収合併された製薬会社。太田胃酸は「太田胃酸」という会社から出ているので注意。
- ミートホープ(みーとほーぷ)
- 数多くの異物混入や虚偽表示などで世間を騒がせた精肉会社。現在は本社建物含め跡形もなく残っていない。
- 日本直販(にほんちょくはん)
- 正式名称は「総通」。2012年11月16日に民事再生法が適用されたものの通販は現在でも平常通りである。
- 織田裕二(おだゆうじ)
- 「東京ラブストーリー」や「踊る大捜査線」などで有名な俳優。テレビCMでその顔を見る機会も多いはずである。
- HMV(えいちえむぶい)
- 正式名称は「His Master's Voice(ビクターのあの犬と同じもの)」。CD不況の影響を強く受けた企業の一つ。
- パラッパラッパー(ぱらっぱらっぱー)
- 独特なゲーム性やグラフィックで有名なPS系列の音ゲー。2001年4月からフジテレビでアニメも放映された。
- 初音ミク(はつねみく)
- もはや説明不要の国民的バーチャルアイドル。東方M-1ぐらんぷりにおいてもたびたびネタにされる。
小ネタ
- ミスティア・ローレライの宿命
- 永夜抄におけるゆゆみすのやりとり以降、あらゆる二次創作において食料と化すという「常識」は本作でも通用し、以降も必ず「加工された状態」で登場する。いいのか悪いのかは別として、登場の機会が多いキャラクターとなっている。
- 幻想郷一位の藍さま
- やくもチェンの決勝ネタの後半は「ダウンタウンのごっつええ感じ」のコント「お見舞い」にかなり忠実である。
- これは1991~1997年の間に放送されたものであるため、平成生まれの者にはあまり馴染みのない番組かもしれない。(DVDが発売されているので入手し視聴は可能、またそこから多くのMAD作品が投稿されている)
- とりあえず下記動画を見ていただければお分かり頂けるだろう。
- 以降の作品でも「ごっつネタ」はたびたび使用される。
- CDに収録されているデータ
- 本作はオーディオCDであるため各種ポータブル音楽機器に入れるファンも多いと思うが、このときPCのエクスプローラを使用すると「zip」形式のフォルダが見つかる。ここにはジャケットやブックレットに掲載されているものだけでなく、それぞれのコンビの決勝・最終決戦の様子をもとにした絵のデータが格納されている。
- 担当した絵師は百田やすひと(ももだ-)。
- このデータを利用した作品はニコニコ動画内に存在しないので、ぜひとも製品版を入手し自分の目で確かめてほしい。
- 「東方讃月歌」に収録されているオマケトーク
- 本作と同時に頒布された「東方讃月歌~Smell of Flap~」に収録されているオマケトークでは本作の製作後記にあたるトークが展開されている。しかしオマケと言えど50分近い長尺なので、時間のある方にオススメする。
- 後日談
- 製品版の最終トラックには大会の後日談が収録されている。内容は優勝を喜ぶとあるコンビと、ある理由で出場を逃した人物の話である。
- この内容もニコニコ動画には上がっていないので、製品版でチェックしていただきたい……が、実は今後の設定(特に第6回)にも大きく関わってくる部分があるため、こちらにネタバレを考慮し反転処理にて記載しておく。
- 霊夢は相方となる予定であった魔理沙が第1回大会以降行方不明になり、出場を逃してしまった。観客として参加していた霊夢は悔しがりながら帰りの夜道を歩いていると柿が頭に落ち、怒って柿の木を攻撃したところ何とそこから魔理沙が降ってきた。
- 驚いた霊夢は半年もの間何をしていたのかを尋ねたところ、あるところから「笑渦女命(わらいうずめのみこと)」が執筆したと言われる伝説の奥義書「喜道五麗書」なる書籍を奪ったとのこと。
- これで第3回の優勝は間違いない……と思ったその時、突然藍が現われ魔理沙を連れ去ってしまった!
- はたして、霊夢と魔理沙の運命やいかに!?
-
- この一連の流れは、以降の作品における以下の設定の伏線となった。
- ・第3回大会開催前において魔理沙が紫のところに監禁されていたということ
- ・第3回大会で彼女たちが参加すること
- ・第6回大会の審査委員長に笑渦女命が就任、優勝賞品が喜道五麗書となったこと
使用楽曲
出囃子については各コンビの項目に記載しているので、そちらを参照。
今作に限り、閉会式の楽曲が異なる(他は全て「亡き王女の為のセプテット」)。
関連動画
Full.verを先頭に、登場(再生トラック)順に掲載する。
また音声のみのものを「本家」、有志によって製作された手書き作品は「絵む-1」の項目に分割する。
今作では後に公式絵師として抜擢される「沌x」氏の作品が特に有名。
決勝(本家)
Full.ver以外は当記事が完成する前にすべて削除されてしまった模様。
決勝(絵む-1)
以下は最終決戦以降の動画である。決勝戦を全て見終える前に関連項目を参照する方は、「こちら」をクリック。
最終決戦(絵む-1)
関連項目