アイズ・ヴァレンシュタインとは、大森藤ノの小説「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の登場人物である。
概要
プロフィール | |
性別 | 女 |
年齢 | 16歳 |
種族 | ヒューマン |
身長 | 162C |
職業 | 冒険者 |
ステイタス | Lv.5→Lv.6 |
二つ名 | 【剣姫】 |
所属 | 【ロキ・ファミリア】 |
本作品のヒロインの一人で、外伝「ソード・オラトリア」の主人公。
金色の髪と瞳を持つヒューマンの少女。第一級冒険者。
見る者の目を奪う美しい容姿の持ち主で、オラリオに住まう冒険者たちの高嶺の花のような存在。
迷宮都市オラリオの最強派閥の一角、【ロキ・ファミリア】に所属する一流の冒険者でもあり、その美貌と『最強』と謳われる剣の実力から【剣姫】という二つ名で呼ばれている。オラリオの冒険者の中ではトップクラスの有名人。
7歳の時に【ロキ・ファミリア】に入団し、わずか1年後の8歳の時にLv.2にランクアップしている。この記録は後にベル・クラネルが登場するまで歴代最速記録だった。
本編が始まった時点ではLv.5だったが、物語序盤でLv.6相当の力を持つ深層の階層主ウダイオスをほぼ単身で討伐し、Lv.6にランクアップしている。
ベルにとっては憧れの人であり、戦い方を教わった師匠でもあり、目標でもある冒険者としての彼に大きな影響を与えている人物である。
なお、本編ではあまりキャラクターが掘り下げられておらず、物語が進むにつれて主戦場が外伝のほうへと移っているため、原作者からも感情移入がしづらいキャラクターと評されている。
人物
性格は寡黙で感情をあまり表に出さないタイプ。簡単に言えば天然で口下手。
人見知りでコミュ障な一面もあり、大人びた風貌とは裏腹に精神的には幼いと言える。しかし仲間思いでもあり、ファミリアのメンバーが危機に晒されたら一目散に駆けつけて救おうとする。
また非常にストイックで、暇さえあればダンジョンに潜ろうとする。
ひた向きすぎるぐらいに強さを求めており、ある時ダンジョンの攻略中において団長の命令に背き、単独で大量のモンスターを相手にしたことから仲間達からも心配されていた(その後団長のフィンから説教され反省した)。
幼い頃、目の前で両親をモンスターに殺されたことから、モンスターに対して半ば異常ともいえる憎悪を抱いており、幼少期から「怪物は必ず殺す」と誓いを立てている。彼女のこの憎悪の大きさは凶悪なレアスキルが発動してしまう程で、【ロキ・ファミリア】に入りたての頃は怪物を殺す以外には興味が無く、非常に荒れていた。この彼女の復讐心が原因で異端児騒動のときにはベルと対立し、剣を向けるまでに至った。
そんな彼女に主神のロキが「息抜きに」と誘った露店巡りの際には武器屋の前で足を止めてしまい、ロキから「アイズたんにはもうちょっと女の子してほしいなぁー」と言われる始末だった。
好物はジャガ丸くん(潰した芋に衣をつけて油で揚げた食べ物)。中でも「小豆クリーム味」がお気に入り。ジャガ丸くんに釣られてくだらないクエストをあっさりと引き受けてしまうことさえある。
人並み外れた抜群の運動神経を持つ彼女だが、実は泳ぐことができない。原因は子供の頃にリヴェリア・リヨス・アールヴに対して反抗して「おばさん」呼ばわりをしたことでトラウマレベルのスパルタ教育を科されたことによる水への恐怖心である。また、重度の酒乱であり、酔って仲間を切りつける事件を起こしたことがある。
外伝では、自分の前には英雄は現れないという絶望と自身が強くなる必要があるという必死の心情が過去の回想と絡めて幾度も描写されている。また彼女の出生には重大な秘密が隠されていることが作中で仄めかされており、謎の多い人物である。彼女の謎について知っているのは主神のロキと古参のファミリアの団員(フィン、リヴェリア、ガレス)のみである。
ここからネタバレ部分
アイズは父と母との思い出を「ただの記憶」と表現している。さらに作中では、「私の前に英雄は現れなかった」と回想しており、両親がアイズを置いてどこかへと去っていく様子が描写されている。
母親の名前は「アリア」であり、漫画やアニメではアイズと瓜二つの容姿として描かれている。彼女の正体は風の精霊であることが示唆されており、怪人のレヴィスはアイズのことを「アリア」と呼んで執着している。だが、本来精霊は子供を産むことはできず、レヴィスも「アリアに子供を産めるはずがない」と話している。
もっとも、アイズに精霊の血が流れていることはほぼ間違いないようで、風属性の魔法である【エアリアル】が強大な威力を持っているのもそのためだと考えられる。
父親の名前は「アルバート」であり、こちらも『迷宮神聖譚』に登場する大英雄「アルバート(二つ名は『傭兵王ヴァルトシュテイン』)」との関連が示唆されている。
また本編よりも7年前のオラリオ暗黒期を描いた『メモリア・フレーゼ』3周年イベント「アストレア・レコード」では、【ヘラ・ファミリア】の元幹部だったアルフィアもアイズを見て「例のダンジョンの娘か?」という謎の反応を示している。
アイズの出生の秘密についてはオラリオの創設神ウラヌス、ゼウス、ヘラも何かを知っているようである。
人間関係
オラリオ内でも圧倒的な強さを誇ることから、冒険者の多くからは憧憬と畏怖の感情を持たれている。
ファミリア内ではティオナ・ヒリュテ、ティオネ・ヒリュテ、レフィーヤ・ウィリディスと仲が良く、4人で行動を共にすることが多い。特に後輩であるレフィーヤからは強く慕われており、若干(主にレフィーヤからの)百合気味な描写も見られる。あら^~。とはいえアイズにとってもレフィーヤが入団したことで自己中心的な戦い方も鳴りを潜める様になり、先輩としての責任感も身に付けるようになった。
副団長のリヴェリアとは幼い頃からいろいろなことを教わったということもあってファミリアの中でも特別な絆で結ばれており、姉や母のように慕っている。一方でアイズがもっとも頭が上がらない人物でもあり、彼女に叱責されることを子供のように脅えている。かつては荒れ狂っていたアイズが最低限の礼儀やマナーを身につけることができたのはリヴェリアの教育の賜物と言える。
主神であるロキからは眷属の中でも一番気に入られており、「自分がいる限りは男にやるつもりは無い」とまで豪語している。度々仕掛けてくるセクハラに対しては、容赦なくあしらっている。
ベート・ローガからはライバルや目標のような目線で見られている一方、自身に通じる理想を重ねた同族意識から異性として意識されている節もある。一方、彼の傲慢な一面については拒絶しており、明確に「嫌い」と言い放ったこともある。
ベルとの出会い
ダンジョンの遠征からの帰り道、中層で『ミノタウロス』の群れと遭遇しファミリアで討伐していたが、【ロキ・ファミリア】の圧倒的な力に恐れをなしたのか、突如ミノタウロスたちが上層に続く階段へと逃げ出して行った。
なんとか追いかけて討伐しようとしたが、討ち漏らしてしまった一匹が駆け出し冒険者「ベル・クラネル」のいる階層まで辿り着いてしまう。
突然現れた強敵に為す術もなく、殺されてしまう寸前のベルだったが、追いついたアイズがミノタウロスを凄まじい斬撃で仕留めた。
ベルはしばらく茫然とした後すぐに逃げ出してしまい、アイズは彼を救えたことに安堵つつも、謝罪できなかったことを後悔していた。しかしこの一連の出来事はアイズの中に「忘れていた幼い頃の記憶」を思い起こさせるきっかけとなり、ベルに「夢を運んできてくれる白兎」を連想し、彼と再び出会えることを願った。また、これ以後はベルからも憧れの対象として思いを寄せられる事になる。
冒険者として急激なスピードで成長するベルに興味を持ったこともあり、団員達に内緒で1週間限定ではあるが、ベルに戦い方を教えるようになる。特訓内容は実戦形式で叩きのめし、気を失ったら膝枕をするという飴と鞭が交互に繰り返される方式だった。いや、なんだこれ・・・。とはいえ、この特訓によって伸び悩んでいたベルの『耐久』のアビリティが一気に成長する。
特訓が終わった後、【ロキ・ファミリア】の遠征でダンジョンの深層に向かうことになるが、その途中でベルが死闘の末ミノタウロスを撃破するのを目撃。このときのベルの背中に最後の戦いに赴く父親の姿を重ねていた。そして、その時のベルのステイタスがオールSで、さらにステイタスの一つが限界突破であるSSだったことを知って驚愕する。以後は限界突破を成し得た彼を密かに目標とするようになった。
ベルの所属しているファミリアの神ヘスティアはベルの想いを知っているため嫉妬しており、アイズの事を「ヴァレン某」君と呼んでおり、何かとベルとの仲を引き裂こうとするが、アイズ本人は神として敬意を持って接している。一方、彼女が何かとベルに気に掛けることに一部の団員が嫉妬し、ベルに対する反感を生み出すことになる(特にレフィーヤとベート)。
ベルの前では年上らしく見栄を張ろうとする一面がある。彼女にとってベルは「親に隠れて飼っているペット」という認識らしい。その一方、異性として意識しているような描写もあり、異端児編でモンスターであるウィーネをベルが庇おうとしたことに大きなショックを受けており、彼女の中でベルの存在が日増しに大きくなっていることは間違いない。
戦闘能力
戦闘スタイル
若干16歳にしてすでに超一流の「剣士」であり、元々高い才能を持っていたことに加え、ひたすら鍛錬を重ねた事とダンジョンで戦い続けたため、若くしてオラリオでも指折りの実力者である。パーティーでは前衛を務めることが多い。自身に風を纏わせる付与魔法エアリエルにより攻撃力と防御力を高める戦闘スタイルをとる。
作中でもトップクラスのポテンシャルの持ち主であり、スキル【復讐姫】の恩恵により対モンスターに限れば都市最強の冒険者であるオッタルすら凌ぐ強さを発揮する。一方、対人戦はそこまで突き抜けているわけではないと指摘されており、作者曰く、純粋な勝負なら追い詰められてからが本番のヒリュテ姉妹にも逆転負けの可能性があり、現状条件さえ揃えばベートの方が強いらしい。
彼女の力の源は執拗なモンスターに対する憎悪や復讐心のため、持っている能力は何かと物騒なものが多く、一歩間違えれば彼女自身を破滅へと導く危険性すらある。
ステイタス
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 | 狩人 | 耐異常 | 剣士 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
D564 | D563 | A827 | A824 | S900 | G | G | H |
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 | 狩人 | 耐異常 | 剣士 | 精錬 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
H154 | H153 | H189 | H174 | G202 | G | G | H | I |
スキル
- 復讐姫
- 任意発動。怪物種に対し攻撃力高域強化。竜種に対し攻撃力超域強化。憎悪の丈により効果上昇。
- アイズのモンスターへの憎しみから生まれたスキルであり、ロキから神の恩恵を授かった時点で発現していた。
対モンスターに限れば、地上の歴史の中で発現した全スキルの中でも最強の出力を誇るスキルである。
モンスター限定のスキルのため人間相手には発動しない。
発展アビリティ
- 狩人
- Lv.2ランクアップ時にのみ発現する、レアアビリティ。一度交戦し、経験値を獲得したことのあるモンスターとの戦闘時に、能力値が強化される。
- 耐異常
- 状態異常の症状を防ぐ事の出来るアビリティ。
- 剣士
- 詳細な説明はされてないが、名称から剣を使用した時に能力が上昇するアビリティだと思われる。
- 精癒
- 精神力の自動回復が可能になるレアアビリティ。
魔導士でもないアイズが発現したのは、長年による魔法の連続行使によって、発現したと予想されている。
魔法
- エアリアル
- 風属性の付加魔法。発動したら『風』を全身と武器に纏い攻撃力、防御力、機動力を上げることが可能になる。精神力の燃費はいいが、体への負担は大きく発動し続ければ体が使い物にならなくなる。
- 詠唱【目覚めよ】
- 復讐姫と複合して使用することもでき、風が黒く変色し、通常時の魔法とは比べ物にならない程の破壊力を発揮する。しかし、アイズのこの状態は、モンスターへの並外れた憎悪を起源とする「黒い意志」に支配され殆ど力を暴走させているに等しいらしく、使用すれば使用する程破滅に向かって突き進む事になるとされている。
- このときの詠唱は、【起動——復讐姫】
必殺技
- リル・ラファーガ
- 最大出力のエアリアルを全身に纏い、神速の勢いで敵に刺突するアイズの必殺技。
技名は「必殺技の名前を言えば威力が上がる」というロキに騙され、命名されたもの。ちなみに、ラファーガはスペイン語で「強く吹く」を意味する。
装備
- デスペレード
- 最硬金属であるオリハルコンで出来た不壊属性の特徴を持つ第一等級武装の特殊武器。
攻撃力は低いが、その特性からアイズの剣技と魔法に耐えられる数少ない武器であり、アイズの剣技もあって大抵のものは問題なく斬ることが出来る。
余談
キャラクターモチーフの一つは、作者が少年期に触れた任天堂のSRPG『ファイアーエムブレム』の傭兵・長髪剣士ナバールとのこと。あらゆる強敵やモンスターを一刀のもとに斬り伏せるイメージが踏襲されている。
ダンまち〜メモリア・フレーゼ〜の2周年イベント『偉大冒険譚アルゴノゥト』でベルの前世であるアルゴノゥトの物語が配信されたが、アルゴノゥトが好意を抱いたアリアドネ王女がアイズと瓜二つの容姿をしている為、アリアドネはアイズの前世ではないかと推測されている。
関連動画
関連静画
関連項目
- ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
- ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかの登場人物一覧
- メインヒロイン
- 剣士
- 金髪
- 天然
- 澤村・スペンサー・英梨々(中の人繋がり、金髪ヒロインという共通点)
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