『超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズメタルス』とは、トランスフォーマーシリーズの作品の一つである『BEAST WARS』の2nd・3rdシーズンの和名タイトルである。略称は「BWM」「メタルス」。
原語版ではこのようにシーズン分けこそされているが通しであるのに対し、日本では『ビーストウォーズメタルス』と別のサブタイトルが付けられた。
メタルスの概要じゃ!ワシは解説できんけん、パス
日本でビーストウォーズが放映中の頃、北米ではBEAST WARS2ndシーズンが放送されていたため、即座にメタルスに移行するのが困難であった
(これには北米のTV番組の慣習も関わっている。あちらでは1シーズン(=1or2クール)放送後再放送を流し、その反応で次のシーズンを作成するかどうか決めていることが多い)。
そこで、北米での制作および吹替作業が完成するまでの間、日本では和製トランスフォーマーシリーズとして『ビーストウォーズセカンド』『同ネオ』を製作・放映して間を繋ぐことで対応。そしてビーストウォーズ放映開始から約二年後、二度の劇場版メタルスを挟んだ後にTV放送が始まった。
ビーストウォーズは「コンボイが惑星破壊兵器に特攻して死亡」というバッドエンドであり、一部の好事家を除いて続きがあることを知らなかった。事情を知らない子供達にトラウマを植え付けないよう、最終回では「大丈夫。また会えるよ!」とよい子のみんなに向けた独自のメッセージが追加された。
ビーストウォーズで2クールやりきっていたためか、メタルスでは初っ端からアドリブ&ギャグが大増量。
例を上げると…
- 前番組のCM枠で5秒CMが流れたのだが、メガトロン「今日のビーストはおいしいラーメン屋さん特集!」とか、ダイノボット「俺、今日からビーストやめてモーニング娘入るわ…」など、もやはCMの体をなしていない。
- ポケモンショック以降、アニメでは「テレビを見る時は部屋を明るくして~」の告知文が流れるようになったのだが、メタルスではこの文章が毎回キャラの口調に応じた物に変わっている。
- 提供画面(この番組は、ご覧のスポンサーの提供で~のアレ)の左右にテロップで今日のあらすじを流す(今でこそ当たり前となった手法だが、メタルス以前では皆無だった。恐らく根付かせた張本人)。
さらに後ろでキャストが本編のノリでしゃべっている。 - ビーストウォーズでは各話のタイトルは真面目であったが、メタルスでは幼児退行を起こしてしまった。
本編最終回のタイトルに至っては「ハッピー?これでいいのだ」である。 - ポ〇モン、いい旅〇気分など自局の番組はもちろん、〇TOや名探偵〇ナンなど他局の番組までネタにしている。
など、もはややりたい放題であった。
本作から参加した声優もすぐにこの異常な現場の雰囲気になじんでいったのだが、その一人である岩田光央は後に「誰も台本通り喋ってない!」と証言している。
反面、メタルスはスケジュールの都合で別撮りが多く、先に収録したモン勝ちという状況が生まれていた。
要するに、後から収録する人のことをあまり考えていない「ネタの置き土産」をすることが常態化していたようだ。
リミックスについて
メタルスは全26話なのだが、TV放送に先駆けて劇場版で2話分を公開してしていたため、その分放送枠が余ってしまった。
そこで14話と26話目は、既存の画面を強引に繋ぎあわせて映像をでっちあげ、全員キャラ崩壊している超絶ギャグ回「リミックス」を放送した。今で言う「公式MAD」である。
リミックスは本編と全く関係がないので、出演者は本編以上に好き勝手なアドリブをかましまくっている。あとOPEDで合唱している。
特に最終回放送時はテレビ東京宛に問い合わせの電話が殺到した。しかもその内容はクレームではなく、「今私が見ていたものは一体なんだったのか?」という根本的な内容が多数だったという。
シリーズ内における立ち位置について
このようにギャグ面にばかり目を奪われがちだが、実はビーストウォーズのトランスフォーマー内での立ち位置を明確にした作品でもある。
初代コンボイ&メガトロンや、その他トランスフォーマー達が休眠している状態の姿が多く登場する(つまりサイバトロンとデストロンが目覚めるまでの400万年の間に起きた戦いということ)。
追加キャラクター
サイバトロン
- シルバーボルト(パタパタ犬)声:岩田光央
狼とワシのデータをスキャンしたフューザー戦士。メタルスではないが同等の身体的特徴を持つ。
デス!と語尾に付けたり、ルー大柴張りに時折英語を混ぜた話し方が特徴。
こんな不気味な身なりをして、原語版ではスコット・マクニールによる超イケメンボイスである。
これを聞いた岩田は「久々にイケメンキャラが出来る」と二枚目キャラを作っていったが、ビーストウォーズの現場の空気を知ったうえに「あれ?ww二枚目で行くの?www」と総攻撃を食らったため、あんなキャラが出来た。 - デプスチャージ(オニイトマキエイ)声:梁田清之
イートマキマキイートマキマキ……の後が歌えないエイ。ランページを破壊するためにやってきた戦士。
コンボイとは旧知の仲だがランページとの一件があるため雰囲気は険悪、他のサイバトロン戦士とも共闘はほとんどしていなかった。
ジャイアンのものまねが得意だ、エーイ。最終回で命と引換えに「ひいーてひいーてトントントン」を思い出した。 - タイガーファルコン(ホワイトタイガー&ハヤブサ)声:遠近孝一
あなたと合体したい……なタイガトロンとエアラザーを融合させた新戦士。
強化形態であるメタルス2と、フューザー戦士の特徴を持ち合わせたチートキャラ。
最初はエイリアンの操り人形だったが、やがて二人のスパークが宿ったことで復活したでござるでしょう。
でもせっかく復活したのに最終決戦で殺されてしまったでござるでしょう。
そのあまりの早さに中の人も「え……これで終わり……?」と悲しそうな声で無念を訴えていた。
まあマシーンズ化したら取り返しのつかないことになっていたに違いないので、ある意味幸せだろう。
デストロン
- クイックストライク(サソリ&コブラ)声:飛田展男
パタパタ犬、もといシルバーボルトと同様の経緯で誕生したフューザー戦士。シルバーボルトに比べると体の色が割合メタルスっぽいのが特徴。右手のコブラ部分にも意識があるようなシーンがいくつか存在する。
真面目なシルバーボルトと比べて戦い好きでかつ残忍な性格で、メガトロンには比較的忠実。
……だったのに最終決戦でインフェルノとともに主君によってまとめてあの世に送られた。
森本レオや吉岡秀隆などのものまねが得意だギッチョンチョンチョンチョン、ブラブラー。 - ランページ(カニじゃい)声:檜山修之
プロトフォーム・Xというコードネームで呼ばれていた暴走戦士、あるいは実験動物。
あのスタースクリームの不死身のスパークをマネしようと作った結果がこれだよ!!!
実はビーストウォーズが起こるキッカケを作ったといっても過言ではないキャラクター。
メタルス劇場版で初めて登場し、最強としか思えない超パワーを発揮させていた。
広島県の広島市で生まれたらしいけんのう。(中の人も広島出身じゃい!) - メタルスダイノボット(ヴェロキラプトル)声:藤原啓治
ダイノボットのクローン、よって声やスキャンした生き物は同じでも別人。初のメタルス2戦士である。
せっかく復活したのに出番が少ないが、ビーストウォーズの感動ポジションとして最後まで君臨した。
もし彼が助かっていたらマシーンズダイノボットとしてキモい恐竜が誕生していたのかもしれない……。 - メタルスジャガー(カセットテープ)声:森川智之
初代に登場していたジャガーご本人。しかし当時の面影はあんまりにゃい。
ビーストメガトロンを捕縛するためにやってくるが、初代メガトロンの遺言を聞いてデストロン戦士として動き出し、サイバトロンを裏切る。レギュラーではにゃい。
今時カセットテープに変身する(「変身!」とは言わにゃいで「トランスフォーム!」と言う)。ギガゴゴゴ。だが初代ファンとしてはむしろそれがいいという話も。
その他
- トランスミューテイト(プロトフォーム)声:池澤春菜
救命ポッドの中にいたトランスフォーマーのプロトフォーム……だったのだが、ポッドの不具合により不完全かつ不安定な状態で誕生してしまった。よって変身もできないが、シャウトすることで敵味方関係なく攻撃する(してしまう)。
彼(彼女?)の登場するエピソードはハンケチを用意しなきゃいけないほど泣けちゃう。 - 猿人・原始人
トランスフォーマー世界では最強と謡われる人類の祖先。度々デストロンにその命を狙われるも、それを守ってくれるサイバトロンとは友好的な様子。
ダイノボットが作った武器で戦う事を覚えたり、チータスが先生となって色々な事を教えたりと、ビーストウォーズが起きたおかげで物凄い勢いで進化を遂げる。 - ヴォーク(エイリアン)声:不明
古代の地球を実験場にして人類をより完璧な生物へと進化させようとしている超存在。地球にエネルゴンがあったり月が二つあったりしたのはだいたいこいつのせい。
原語版ですら消化不良の設定を多く抱えていたため、日本語版では能天気な二人(?)組がかけあいをし続けるというお気楽キャラに終始する。そうだね。そうだよ。
おしえてライノックス!メタルスの何故にWhy!?
- Q.なんでコンボイは生き返ったの?
A.簡単に言うと、ボクがコンボイのスパークをあの世から連れ戻して別のボディに吹き込んだからなんダナ。 - Q.なんでメタルス化したの?
A.前作のラストでコンボイが惑星破壊兵器に衝突した時に発生した「クォンタムサージ」というエネルギー波を浴びたからなんダナ。 - Q.メタルスになってない奴いるけどなんで?
A.「その前に死んじゃった」「再生カプセルに入っていたため、クォンタムサージの影響を受けなかった」「地球で誕生したためクォンタムサージに対する耐性が備わっていた」など、いろいろ理由があるんダナ。
けど、本編ではメタルス化してないのに、ゲームや玩具なんかだとメタルス化しているキャラもいるんダナ。ボクも本編でメタルス化した姿をよい子のみんなに見てもらいたかったんダナ……。 - Q.テラザウラーとスコルポスはなんで1話目で死んでしまうん?
A.大人の都合ってやつなんダナ。「新しいメンバーの玩具を売りたい」とか、「キャラが増えるとそれだけモデリング作業の負担がが大きくなる」とか言ってたんダナ。 - Q.クローンダイノボットはどうして最後に善に復帰したの?
A.劇場版放映されたエピソードで「すぐに俺の出番が来るさ!」とか言いながらダイノボットがコードを自分の身体につないでいるんだけど、実はこの時自分のデータのバックアップを保存していたんダナ。
さらに、脚本はできていたが映像制作が見送られていたエピソードにて、「ラットルがダイノボットの本来の人格を取り戻すため、それをクローンダイノボットに注入したが失敗に終わる」というお話があったんダナ。伏線としては生きていたので、最終回ではこれがきっかけでオリジナルダイノボットの記憶が蘇って、コンボイに味方してくれたんダナ。
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関連項目だ、エーーイ!
- ビーストウォーズ
- ビーストウォーズリターンズ
- ビーストウォーズⅡ、ビーストウォーズネオ(前々番組と前番組)
- 声優無法地帯
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