割れ厨とは、非合法に商品を所有している人物の事を指す。
概要
割れとは、もともと商用ソフトを非合法に配布・販売する事ならびにコピーソフトを違法に配布・所有することをWarez(ウェアーズ、ワレズ)と呼ぶ事から来た当て字であり、今日ではWinnyなどのファイル交換ソフトにおいて流通しているデータも指す。これらのデータを所有している人物が所謂「割れ厨」である。言わずともかな違法所有故に批判も多く、割れ関連の話題になった場合、大抵荒れる。。
ヒエラルキー
割れ神(ピラミッドの頂点=神)
↑
放流厨←──┐
↑ │
┌→吸出し厨 ┐ウイルス厨
│ │
├→購入厨─┤
│ │
└─販売厨←┘
↓ ↑
卸し厨
↓ ↑
製造厨
↓ ↑
開発厨(食われるだけの存在=ミジンコ)
割れの一例
割れの特殊な例として、ニコニコ動画上でも批判が起こっている物にゲームエミュレータがある。
これは、カートリッジやCD媒体からコピーする所謂ROMイメージと、BIOSイメージと言う物を用いて、パソコン上でゲームを動作させたり、携帯ゲーム機でプレイするものである。これらは専用の機械を使用するのであるが、これを巡ってはゲームメーカーに対する著作権の侵害が指摘されており、近年ではゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDSで横行して問題となったマジコン(マジックコンピューター)を使用する例が増えている(DSiからはマジコン対策施工済)。詳細はマジコンでググれ。
GBAでは非常に手間が掛かっていたものがDSでは無改造で使用できるため、任天堂とソフトメーカーがマジコン業者に対して販売を差し止めるよう提訴した事が記憶に新しいが、一般的に私的利用をする場合は問題はない。ただし、バックアップしたゲームデータをインターネット等で配布する行為は無論違法行為となる。
加えて、コピープロテクトの解除を行ってリバースエンジニアリング(情報解析)してからインターネットに流すといった行為を行った場合は不正競争防止法に抵触する恐れがある為、これらのROMを流した者に関しては、多額の損害賠償を請求される可能性が高い(因みにあくまで原告の利益侵害が認められた場合である)。
当たり前の話であるが、友人間で共有させたり、データを横流ししたりするのも私的利用の範疇を逸脱しているのでNG。
一方、司法的観点から見れば、著作権法は現状親告罪(つまり著作権者が被害届を出して告訴する事で初めて罪に問うことができる)である為、見方を変えれば告訴されない限りは犯罪とはならない、つまり違法・犯罪であるが、事実上告訴されない限りは罰せられないと言った話になる。言わばやるもやらないも割れ厨のモラルに任されていると言える(しかし、後述のように著作権法の公衆送信権侵害で捜査当局に検挙される事例が増加している)。
加えて、常習的にマジコンを使用してP2Pなどに放流・違法販売したり、違法であり罰せられると知っておきながらプレイしている不届き者の場合は弁護の余地は無いが、たまたまそれらの事項を知らずにDLしてプレイしていた者の場合、いわば過失と言う扱いになり罰せられないと言うのが通説であったが、2009年2月末に不正競争防止法が適用され、中華マジコン業者5社に対し輸入・販売の差し止めと在庫の廃棄を命じたが、未だに秋葉原や日本橋でR4タイプが多く売られている実情に、同年10月5日、ついに任天堂をはじめとする54社連合の堪忍袋の緒が切れ、先述のものに加えて損害賠償を請求した。さらに、任天堂HP上に情報提供を受ける窓口が開設された事により、配布者はマジメに損害賠償を受ける可能性が出てきた。
いずれにしても、ニコニコ動画では風土柄、割れが悪い事か否か知ってなくともうpして判明すると攻撃対象になるので、うpするべきではない。
歴史
90年代以前~90年代末
違法コピーソフトの歴史は意外に古く、70年代には既に存在したのが確認されている。
当時の配布パターンは違法業者によるアキハバラ等電気街の路地裏の屋台での手売りが中心。
90年代に入り、インターネットの普及によって急速に違法コピーの存在が知られるようになるとともに、Warezサイトの数も増加し始めた。
ファイル共有ソフトの存在しない当時は、無料のホームページスペース用アカウントを取得し、ファイルをそのままアップロードするといった作業が行われていたが、ファイルサイズの巨大化に伴い、ファイル分割ツールを作成する者が現れ、更に多様な拡張子に対応した解凍ツールや、元ファイルの拡張子を偽装するツール、ホームページアカウント取得用ツールなど様々なツールが開発された。
エミュレータ界では、スーパーファミコン用ソフトの特殊チップ搭載ROMを解析する者が現れ、自サイトで公開。再配布禁止と称し、再配布した者に対してそのシンパから制裁が加えられるなど、権利者そっちのけの茶番が繰り広げられる事もあった。
当時の活況を今に伝える詩が残されている。
初心者見つけて説教たれる、ああ小市民。
匿名だと急に「ワル」になる、ああ小市民。
匿名なのに評判気にする、ああ小市民。
匿名だからホントの事書いちゃう、ああ小市民。
ネットで大物ぶりっ子・社会じゃ小物、ああ小市民。
人の掲示板でしつこい宣伝、ああ小市民。
「直・無断リンク禁止」と仕切りたがる。ああ小市民。
「必ずお読み下さい」に常識書く、ああ小市民。
「世の為 人の為」にと割れ物UP、ああ小市民。
割れ物使いがルール説く、ああ小市民。
アクセスカウンター眺めてニンマリする、ああ小市民。
「掲示板にお礼を書け」と強要する、ああ小市民。
みんな忘れてたのに「お待たせ、復活しました」宣伝カキコ、ああ小市民。
人の掲示板じゃ「悪態くん」自分の所じゃ「親切くん」、ああ小市民。
自作自演の掲示板、ああ小市民。
掲示板でチヤホヤ ご満悦、ああ小市民。
メール貰えば「お友達」、ああ小市民。
ここでは自分がルールブック、ああ小市民。
掲示板だけが我が人生、ああ小市民。
手に負えなくなったら全部消す、ああ小市民。
次のハンドル何にしよ?ああ小市民。
わかちゃいるけどわからない、みんなファイルが欲しいだけ
みんなファイルが欲しいだけ、ああ小市民。(繰り返し)
活況を呈するWarez界だったが、こうした状況を苦々しく思った一部の人々が「垢取りツールって掲示板攻撃スクリプトと何が違うんだよ」と義憤に駆られて?アンチ化し、Warezサイトの掲示板に対して連続投稿攻撃を行ったり、サイトのパスワードを奪ってサイトそのものを乗っ取るなど過激な行動に出る者もいた。
これらの活動は2000年末頃に起こったアンチワレザーに対する個人情報晒しという反撃以降目立たなくなっていった。
2000年代以降
2000年代に入ると、ファイル共有という概念が浸透し始めた。
はじめにファイル共有として利用されたサービスは「i-drive」をはじめとるオンラインストレージサービスで、それまでの無料Webスペースと比べ、容量の大きさやアカウントの削除がされにくいといった利点に世の割れ厨達が飛びついた。ファイルのやりとりを円滑にするためのツールも開発され大いに受け入れられたが、盛況過ぎたのかサービスの方がもたなかった。
次に割れ厨達が目をつけたのは、今に続くP2Pファイル共有ソフトである。当時Napster、Gnutella、WinMXといったファイル共有ソフトウェアが登場し始めており、Webスペースを用いたアップロード/ダウンロードよりも円滑にファイルのやりとりを行うことができる事や、Warezサイト管理者が逮捕される事件もあってか、2001年頃からWebスペースを利用した割れ厨は減っていき、ファイル共有ソフトへと大勢が移行していった。
2002年にはWinnyが開発・配布され、P2Pによるファイル共有がWarez界のグローバルスタンダード化、映像作品やゲーム・エロゲなどが仮想ドライブファイル、エミュレーター・マジコン用のファイルとなり、巷のガキンチョにも浸透して行くと言う忌々しき事態となった。
ところが、これをメーカー・権利者連合が見逃す筈は勿論無い。割れを自慢し炎上する案件も多発し、更にはWinnyで番組を録画したものを無断で流していたアップロード者が逮捕された事を皮切りに逮捕者が増加、発売前のジャンプの漫画をスキャンしてうpったバカが逮捕され、ジャンプ誌上でもその旨注意が掲載されたり(にも関わらず、2010年6月中旬に、YouTubeに発売前の少年ジャンプの漫画の内容をそのまま動画としてうpしたリア厨のガキが著作権法違反(公衆送信権侵害)容疑で逮捕された・・・その際、警察の押収物件が公開され、PC2台、PSP数台など筋金入りの割れ厨だった事が発覚している)、発売5日前にネット上へ流出したエロゲを巡り、発売元が警察に被害届を出したケースなど、捜査当局及び著作権者による割れ厨狩りが進行中であるが、現行法ではマジコン業者の逮捕が出来ない為、この事態を重く見た文化庁は2010年10月、マジコン販売業者及び使用者に対し、問答無用で逮捕・起訴出来るという法案を来年度国会で提出する予定であり、法案が成立した場合、2ヶ月以内に法案が施行される(つまり2011年になると割れ厨・マジコン業者は問答無用で処罰対象である)。
最近ではsteamの普及などにより割れは対策されきったかと思われたが、ソフト起動時にsteamが起動するプログラムをクラックして放流しているという話も聞かれる。
また、ゲームではないがpixiv fanboxやfantiaなどの毎月一定額支援しないと各クリエイターのコンテンツ(イラスト・ムービー・データファイル等々色々)を閲覧できない支援サイトが2010年代後半~2020年代にかけて作られているが、こちらも支援後アカウントをクラッキングしてとある海賊版の割れサイトなどにコンテンツを流し、一切支援を行わずに閲覧出来る例もあり、こちらも割れ厨の類に含まれると思われる。月額の課金額を500円以上に上げると割られにくいなどの見解も絵師の間で広がっていたが実際は1000円台のクリエイターも放流されていたことから課金額は気休めでしかないことが発覚した。その後、fantia・fanbox共に対策を行い、2023年9月以降一応放流は止まっている。但しクラッキングでの放流が止まっただけで画像を保存して他所に流すやり方では引き続き流出が起きている。なおゲームと違い月額課金で見ていく方式である以上被害額は割り出しにくいものの一応fanboxから損害賠償は行われる模様。
関連動画
関連項目
- 違法DLTwitter公言騒動
- 厨房の一覧
- 購入厨
- 2ちゃんねる
- Winny
- Torrent
- どうしてこうなった!
- warez
- みんなのゲーム屋さん
- ハムハム
- ゆいにゃん@れいか
- ニコニコしん
- ひやぞー
- コブレッティ
- ぐるたみん
- 孤独ちゃん
- ヴァッシュ
- 加藤純一違法ダウンロード一覧
関連リンク
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