日本生類創研単語

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SCP Foundation > SCPの関連項目一覧 > 要注意団体 > 日本生類創研

どうして科学の発展を前に、資金を惜しむということができるのでしょうか。ヒツジのクローンを製作できるのに、ヒトのクローンが作れないふりをすることになんの価値があるでしょうか。未知と神秘を覆い隠すことで問題がないように見せることに意味はあるのでしょうか。

我々は、そのような欺瞞とは無縁です。試料や資金の不足はあらゆる手段をもって解決しますし、薄っぺらい倫理観など日本生類創研には存在しません。科学には犠牲がつきものなのですから。

日本生類創研ハブ - SCP財団より,2022/09/01閲覧

日本生類創研 (Japan Organ is ms Improvem ent and Creation Laboratory) とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場する要注意団体(GoI)である。

略称は本記事で用いる『JOICLE』のほか、『ニッソ』『JOICL』『日生創』『日創研』などが存在する。なお公式が多用する略称こそが『JOICLE』なのだが、上記の英名を見てわかる通り、「E」に該当する単語が存在していない。財団は発音の際の語感を優先したと推測しているが、当のJOICLE自身はどうしてEをつけたのか共有されていない模様。

概要

日本生類創研 (以下、JOICLE) は、既知の科学を超えた異常な生物、及びバイオテクノロジーを取り扱う研究団体であり、また商業活動も行う会社組織でもある。設立は1970年代だが、前身となる『生類塾』が戦前には存在していたこともあり、かなり古い団体であると言える。

JOICLE自身による紹介では生物現象の真理を追求する研究団体であると謳われており、生物化学や遺伝学、病理学といった一般的な学問はもとより、超常進化学や形而上生物学といった一般に知られていない分野を含めて幅広い研究活動を行っている。当初は非営利団体だったようだが、商品企画部や外部企業との連携など商売にも積極的であり、商品カタログなども準備されている。商品カテゴリは医療・食品・娯楽・環境保護・兵器など多岐に渡るが基本骨子はバイオテクノロジーに関するものが多い。

ここまで見ると普通のバイオテクノロジー企業にも見えるのだが――。

日本生類創研は、安全管理・事後処理能力が著しく欠如しており、意図して、もしくは意図せずに生物等をしばしば放置・脱走させます。これらは財団に収容された以外にも、他の要注意団体によって回収されている事例が確認されています。また、構成員には倫理観が欠如している傾向がみられ、結果としてその脅威をより大きくしています。

日本生類創研ハブ - SCP財団より,2022/09/01閲覧

JOICLEには大きく欠けているものが3つある。

まずひとつは、責任感の欠落。JOICLEは作った生物やその他のアノマリーが作った後どうなるかなど全く考えてもいない。故に作ったら作りっぱなし、失敗したらその辺に放り捨てる。興味のあることはどんなことでも試すが、興味のないことは全て考慮外というわけだ。なんならあと2つが欠けているのもこの責任感の欠落が主因とも言えなくもない。

ふたつめに、管理能力の欠缺。JOICLEが作った生物には、野生に放たれた場合、生態系はおろか環境そのものを破壊しかねないアノマリーも多数存在する。しかし、彼らは往々にしてそういったアノマリーを漏洩してしまう傾向にある。しかもそれを何度も繰り返すにも関わらず管理体制を改善しようという動きにはなかなかならない。

そして最後は、倫理観の欠如。当然、生物を扱うにも関わらずその生物の生命や尊厳も軽く考えている。しかも彼らの生体実験はネズミや虫、犬猫などにとどまらず当然のように人体実験も行われる。その人間のサンプルの取得法も謎に包まれており、少なくともまっとうな研究機関とは到底看做せない。

総じてJOICLEは自分たちの好奇心を満たせる研究を第一義としており、その結果がどうなろうと後は野となれ山となれ、というたちの悪いマッドサイエンティストの集団である。彼らの金稼ぎも、研究をより多く、深く行うための手段だからこそ精力的であるともいえ、その尻拭いをなんなら財団やその他の個人・組織に押し付けることもザラである。

彼らの最終目的も不明――というより、そこに研究するものがあれば研究しようとするJOICLEにとって、ゴールなどないのだろう。今日も彼らは異常な生物を産み出し、それを逃しては財団に後始末をさせ続けるのだ。

彼らが関わったオブジェクトは数多くあるが、著名なところではSCP-240-JP - 『0匹のイナゴ』、SCP-020-JP - 『翼人』、SCP-183-JP - 『繁栄の街灯』などが挙げられよう。また、『緋色の鳥』ことSCP-444-JPが今の危険性を獲得したのもJOICLEが原因でもある。

日本生類創研のこれまで、そしてこれから

JOICLEはもともと江戸時代の頃から存在した私塾『生類塾』がもととなっている。この私塾は、明治の世に活躍した軍医大尉である凍霧天が記したところによれば、その父が維新の動乱のなかで町医者の傍らとして開いたものであるらしい。そこで凍霧天は久能尚史らとともに学んだ。蒐集院の記録である『第〇三二四番』では、財団日本支部前身組織たる蒐集院の柳田國夫に対して送った書簡の中で、凍霧天はこう綴っている。

異常なるもの全ては、いずれ尋常に置き換わるべし。
異常なるものを考究し、福利を利用せざるべからず。

異常なるもの尋常に置き換わる時こそ、人類新たな暁を迎える時なり。

第〇三二四番 - SCP財団より,2022/09/01閲覧

それから時代は下り、終戦間際には陸軍の協力を得て凍霧天は『日本生類研究所』を山奥に開設した (Tale『虚ろの檻』)。もともと凍霧天は陸軍大尉である上に、彼の友人である米津元帥が大日本帝国異常事例調査局 (以下、IJAMEA) のメンバーであることも考えれば、そのような伝手を探すのは容易であったろう。この頃には大日本陸軍特別医療部隊 (通称、負号部隊) と財団との間で交渉を取り持つ場に凍霧天もいたことから財団との関係は悪くなかったようだ。しかし財団は異常を封じ込める団体であり、おそらくはそれをやがて疎ましく思ったのだろう。日本生類創研という名前となった今は、財団を厄介者扱いしている。

こうしてルーツを紐解いていくと、過去の時点では「人間の便益のため」という目的をしっかり有していたことがわかる。しかしやがてJOICLEは変質し、人をも切り刻み、いじくり倒すようになっていく。

思い出した。日本生類創研の目的を。
私たちは人類の護り手だった、私たちは科学による光の持ち手だった。

雛よ、ああ、雛よ。遠回りした雛よ。
いつからだ、いつから私たちは世界を闇に導く金満家となった。
いつから私たちは世界を滅ぼす闇そのものと化した。狂気となり果てた。

SCP-1407-JP - SCP財団より,2022/09/01閲覧

JOICLEの未来は、カノン-CNの『財団4K』とカノン-JP『1998年』において対極的である。前者『財団4K』ではあいも変わらず妙な生物を産み出し続けており、なんとあのSCP-682を温和に育ててペットとして販売している (『く-S-0682 "おりこうさんトカゲ"販売カタログ』)。他方後者『1998年』では当初こそパラテック・バブルの影響で世界に羽ばたいていったが、JAGPATOの認可を受けぬまま活動し、獣変調ウィルスのアウトブレイクの際に取締対象となって一度解体される。その後東京事変の際に国内企業立て直し政策に乗っかる形で『ニッソ医機』として再生し、数々の医療機器で世界トップシェアを誇る大企業となる。

主な構成員

久能尚史 (くのう・ひさし)

基本情報
久能尚史 PoI-81-007
種族・性別	人間(モンゴロイド) 男性
所属	大日本帝国陸軍 (軍医) →日本生類創研
在住地域	N/A
活動目的	ヒト科のアノマリーの研究・作成及び販売
特記事項	陸軍時代負号部隊に所属か？凍霧天・米津元帥と交友関係有
SCPテンプレート

Bエリア第3研究所ヒト科生物研究室長を勤める白髪交じりの眼鏡を掛けた老齢の男性。とりわけ生と死をテーマとしたアノマリーの研究が多く、避妊手術である『が-B-0134 "ファーテリティ・ダウンフォール施術"』、若返りを実現するロブスター『え-B-0551 "タケトリロブスター"』、人間を同性同士で生殖可能にするSCP-1637-JP - 『産声は腹の中』でなどに関与している。

もともとは生類塾で凍霧天と共に学んでいたことが凍霧の手記などから明らかになっており、その後大日本帝国陸軍の軍医少尉 (後に軍医大尉) となっている。このときには大日本帝国異常事例調査局 (IJAMEA) のエージェントである米津元帥とも交友関係を持っていたようだ。一方で自身はいくつかの資料より、陸軍時代に大日本帝国陸軍特別医療部隊 (通称、負号部隊) に属していたことが示唆されている。

逆説的に言えば、彼はJOICLEのかつての理念・理想を知っていながらにして他のマッド・サイエンティストを止めようともしていないともいえ、その信念の転向は今後どこかでテーマとなるのかもしれない。

凍霧陽 (いてぎり・よう)

基本情報
凍霧陽 PoI-81-031
種族・性別	人間(モンゴロイド) 男性
所属	日本生類創研
在住地域	N/A
活動目的	ヒト科のアノマリーの研究・作成及び販売
特記事項	凍霧天の子孫か？
SCPテンプレート

Bエリア第3研究所ヒト科生物研究主任の男。比較的若年らしく、『UFOラーメン (SCP-1910-JP) 』の常連でもあるようだ (Tale『UFOラーメン繁盛記』)。

姓から、久能の友人だった凍霧天の子孫 (順当に考えるならば息子か孫といったところだろうか) であることを思わせるが、仮にも人々の黎明たらんとした天と比較すると、その爽やかな笑顔の写真の背景にある考え方はかなりグロテスクである。

『が-B-0183"リプロダクションライト"』の販売の際には通常版・畜産家版の他に何故か欠陥の多いプロトタイプまで一緒に販売している (しかもそのプロトタイプが一番安い) という通常ならばやってはならない商売を行っている。また、Tale『匣より出でるもの』では倫理観の不足はもとより、協調性もないことを指摘されてしまっている。~~なぜそんな彼が外部企業との共同プロジェクトであるSho-Hei projectのプロダクションに多数参画するのかはまったく不明。~~

ある意味、我々が考えるJOICLEという組織を体現する、というよりそのものズバリな研究者だろう。

対外関係

財団及び世界オカルト連合からは当然だがいい目で見られておらず、もっぱら襲撃の対象にもなっている。これは彼らが非人道的だからというよりは、彼らが一般人相手にも平気で商売を行っているためヴェール政策に著しい障礙を齎しているのが要因であろう。ただしJOICLEもたまに顧客がずさんな管理を行ったりした場合は財団に情報を意図的にリークしたりすることもあり (例：SCP-1485-JP) 、また有事には財団との協力体制を取ることもある。

またウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ (以下、WWS) からも動物を酷い目に合わせるという都合上あまり快く思われていない。

一方で東弊重工とは「Sho-Hei project」なる共同プロジェクトを推進しており、いくつものプロダクションを製作・販売している。

マナによる慈善財団 (以下、MCF) にはしばしば協力と称してアノマリーを提供している。しかしMCF サイドの思慮不足によりしばしば各所に被害が出ている。

産み出されたアノマリー

SCP-030-JP - 石油喰らい

基本情報
SCP-030-JP
OC	Keter
収容場所	サイト-8161
著者	tok age-otoko
作成日	2013年 11月2日
リンク	SCP-030-JP
SCPテンプレート

JOICLEが初めて登場した記念すべきオブジェクト。

いわゆるカイコガの幼虫。しかし無変態の特徴を持ち、単体でも3日以内に繁殖可能な上、一度の繁殖に約300個の卵を産む。この上でSCP-030-JPの捕食者が自然界にいないため餌さえあれば増殖してしまう。

恐ろしいのはその食性で、SCP-030-JPは石油または石油製品を食料とする。そのうえで糞は不燃性であるため燃料にはなり得ない。寿命こそ30日と短いものの、SCP-030-JPはプラスチックのように自然分解の速度が極めて遅く、800度以上の高温で焼却しないとダイオキシン類が出てしまう。

JOICLEが研究中に一部を逃してしまったらしく、このSCP-030-JPが発見された、既にJOICLEに放棄された施設には10000匹以上のSCP-030-JPが発見されている。

絶対に逃すな！
↑ごめん＾＾；

SCP-030-JP - SCP財団より,2022/09/01閲覧

ごめんで済んだら財団は要らないんだよ。

SCP-020-JP - 翼人

基本情報
SCP-020-JP
OC	Safe
収容場所	サイト-8141の人型生物収容室
著者	mizuno
作成日	2013年 12月22日
リンク	SCP-020-JP
SCPテンプレート

10-12歳くらいの少女のようなアノマリー。ただし両腕が翼に置き換えられてしまっており、推定される年齢と同世代の女児と比較して体重が大幅に軽いという特徴を持つ。全体的に発育不良と骨粗鬆症であり、一部の内臓が消失しているうえ、知能も4歳児程度。翼は鳥のそれになっているものの、上述の骨粗鬆症に加え筋肉発達も不十分であるため飛ぶことは困難と見られている (体重も、人間としては軽いが鳥と考えるとむしろ重すぎる) 。

ある日衰弱してカラスに襲われているところをキャンプ中の大学生に発見され、保護された後、検問所にて財団のエージェントに確認され、以後収容されている。SCP-020-JPはこの大学生の刷り込みが入っているため大学生に懐いているのだが、当該大学生には財団は記憶処理を行い開放しており、財団職員は彼の顔を模した仮面を着用してSCP-020-JPの収容に必要な給餌・散歩などを行っている。

JOICLEの検体であったことがついていた足環から判明しており、おそらくはヒトとも鳥とも言えぬ中途半端なものになったために捨てられてしまったものと思われる (上述の特徴から、自力での脱走は困難であるため) 。ただし、足環が電磁波を放っていたことから、なんとか頑張って脱走した可能性もあるかもしれない。

SCP-183-JP - 繁栄の街灯

基本情報
SCP-183-JP
OC	Euclid
収容場所	サイト-8161
著者	Fe nnecist, Kan Kan, indonootoko
作成日	2018年 7月2日
リンク	SCP-183-JP
SCPテンプレート

光を浴びた人を長期的な性的興奮状態に陥らせ、かつ生殖能力を発現・または再生させ、男も女も性行為をその辺でおっぱじめるようにするライト。この光を浴びると幼児はおろか胎児、生殖能力を喪失した老齢の人間でも子供を産めるようになってしまう。産むまでの間は母体がなにをしても死なない^[1]。これにより連鎖的な妊娠が発生するが、当然それは近親相姦であるため新生児は先天的障礙を所持しているケースが多い。

なお凍霧陽の項で説明したかの『リプロダクションライト』のプロトタイプ、というのがこのSCP-183-JPの正体である。これを作り、そして販売しているJOICLEもなかなかに醜悪なのだが、この効果を理解しながら購入・設置を行っている利用者達もまた少なからず存在しているようで、道具ははたして作る側が悪いのか、使う側が悪いのか考えさせられる。

SCP-240-JP - 0匹のイナゴ

基本情報
SCP-240-JP
OC	Euclid
収容場所	サイト-81██
著者	dr_toraya
作成日	2014年 5月15日
リンク	SCP-240-JP
SCPテンプレート

限定的な現実改変能力を持つ0匹のイナゴ。何らかの理由で死亡した場合、死亡した事実を消去し、総個体数を維持することができる。この結果、財団確保当初0匹だったイナゴは0匹死亡したが、依然として0匹を維持している。――何かがおかしいことに気付いただろうか？

そう、このイナゴは死んだ際に「死んだ」事実のみならず、「生まれた」事実ごと消去していたのである。

JOICLEはこのイナゴを産み出したあと、この技術を使って『む-A-2407"「とわひかり」種籾』を生み出す。これは台風や病気にやられても元の状態へ瞬時にリセットするという稲。しかも糖質が低くダイエットにも最適な品種である。母本品種の栽培を行っている自営業の男性いわく、原価率がとてつもなく低いので助かっているという。――低いというか、それはもうゼロなのではないだろうか。

SCP-444-JP - █████[アクセス不許可]

基本情報
SCP-444-JP
OC	なし
収容場所	セクター8137
著者	locker
作成日	2014年 4月26日
リンク	SCP-444-JP
SCPテンプレート

あかしけやなげ緋色の鳥よくさはみねはみけをのばせ

ミーム災害を引き起こす文章形式の言葉であり、発声で読み上げた人物は幻覚世界に囚われ、その世界で巨大な赤い鳥に襲われる。そこで先述した読んだ言葉を現実世界の自分の肉体が筆記することで影響下から逃れることができるようになる。

この鳥は明らかに自身を認識する人間を増やそうとしている。これによって認識が強まるといずれは具現化することもできるようになるのかもしれない。戻った人間もその後発狂してしまうため、一度感染すると助かる方法がない。

もともとは断片的な言葉の羅列であり、かつ姿かたちを持たない災害であったが、JOICLEがこれを別のオブジェクトの作成のために文章化し改変・改良した結果、緋色の鳥のすがたを取るようになったようだ。第二次世界大戦末期には既にそのプロトタイプが日本生類研究所にて凍霧天らに研究されていた (Tale『虚ろの檻』) 。

SCP-CN-1463 - ニャン娘育成計画

基本情報
SCP-CN-1463
OC	Euclid 3/Ke neq 2/Caution
収容場所	サイト-CN-33
著者	CaroyalKK aia
作成日	2020年 04月21日
リンク	SCP-CN-1463
SCPテンプレート

JOICLEがアニメキャラクターと結婚するための研究計画局 (以下、PAMWAC) と共同計画して産み出された、猫の耳・目・しっぽを持つ人間の10代のヒト女性に似た実体群。ただし成長が18歳くらいで止まる。知能はヒトと同水準にあり、日本語と中国語に堪能。彼女たちをみたヒト男性は彼女たちを愛し、守らねばならないと考え、家族や本来のパートナーなどを放り出してSCP-CN-1463-1実体群を第一に考えるようになる。