これまで数回に渡り描かれてきたゲッターロボシリーズを一つの物語としてまとめたもので、加筆修正や石川賢本人が描いた番外編等も含まれる。
これらの漫画は「原作版」と言われることもあるが、ゲッターロボはアニメの企画が先なので漫画が原作ではなく、正確には「原作者自身の手によるコミカライズ」に相当する。もちろん原作:永井豪・石川賢とダイナミックプロという表記に間違いはない。
また、これらのゲッターロボサーガの漫画はいずれも「原作:永井豪 作画:石川賢」と記載されているが、これは両者が原作と作画を分担したという意味ではなく、ほとんどは画もストーリーも石川賢の手によるものと考えられている。永井豪は隣でたまにアイデアを出しただけとされる(週刊少年サンデー2008年vol.25掲載の漫画で本人談)。しかし、企画レベルでは永井豪も原作者としてクレジットされる立場にあり、作品内容にも全くノータッチだったわけでもないようだ。
永井豪は主題歌「ゲッターロボ」を作詞したほか、ゲッター2とゲッター3のデザインに困っていた石川賢に「こんなのは適当でいいんだよ」と言って本当に適当に描いたという話が伝わっている(小説・スーパーロボット大戦のあとがきにて、団龍彦氏談。石川賢のエッセイ漫画「ゲッターと私」にも同様の記述)。ゲッターロボG以降のデザインに永井豪は関与していないとされる。
全体として、アニメ版では単なる超エネルギーという扱いだったゲッター線が「宇宙規模で進化と闘争をもたらす超存在」としてフォーカスされ、それに翻弄される人類と他種族が正義もくそもない血みどろの生存競争を繰り広げるという、アニメ版の面影を全く残さない内容となっている。しかも時代が進むごとに人類側の凶暴さと敵側の悲劇性がパワーアップしていく。
全5作品
作中世界の年代と発表された年は、ほぼ同じと考えてよい(間話の真ゲッターロボは除く)。
ゲッター線を研究していた早乙女博士は、太古の昔に滅びたと思われるハチュウ人類が人類に対し牙を剥いた事を知る。彼はスーパーロボット「ゲッターロボ」を造り上げるが、その強力なパワー故に普通の人間にはまともに操縦できない物だった。
早乙女博士は政府機関の力を借りて、強い意志と屈強な身体を持った若者を探し出した。達人級の空手の腕前を持つ流竜馬、革命運動家の神隼人である。そして、これに志願者の巴武蔵を加えた3人の乗組員とゲッターロボが恐竜帝国に立ち向かう。
早乙女博士は恐竜帝国の侵略に対抗すべく、以前より密かに現在のゲッターロボの10倍の威力を持つ「ゲッターロボG」を開発していた。しかし、完成まであと1日という所で敵の総攻撃が始まってしまう。
ムサシはボロボロのゲッターに一人で乗り込み、ゲッターG完成までの時間稼ぎをしようとメカザウルスの軍団の真ん中でゲッター炉心を暴走させ自爆、自らの命と引き換えに敵の主力部隊を全滅させる。宿敵であるゲッターロボを倒した恐竜帝国は早乙女研究所の殲滅に帝王ゴール自身が乗り出す。
その影で新たに人類の平和を脅かす存在がいた。百鬼帝国のブライ大帝である。鬼となった彼は恐竜帝国とゲッターロボの戦いで両者が消耗するのを待っていたのだ。
ゴールは完成したゲッターロボGにより返り討ちにあい命からがら逃げ出すも、マシーンランドは百鬼帝国に襲撃を受けすでに地下のマグマ層へと潜航していた。ゴールは百鬼獣により殺されその百鬼獣もゲッタードラゴンにより破壊された。今、ゲッターロボGと新たなる敵、百鬼帝国の死闘が始まる……
石川賢の漫画の中で珍しく完結してしまった作品の一つ(もっとも、本作の先が気になった編集者の強い希望で、後に間話として真ゲッターロボが書かれたり、続編としてゲッターロボ アークが書かれたりして結局終わらないのだが)。
天才科学者アルヒ・ズゥ・ランドウは北極の「ポーラー・ステイション」を本拠として全世界に宣戦布告した。十数年前から各分野の科学者たちを洗脳・改造し、己の部下として世界征服計画を進めていたのである。
しかし、彼の計画を阻止しようと戦う男がいた。ランドウの洗脳から逃れた自衛隊の神隼人一佐である。彼は超人的な肉体を持つ3人の若者を集め、スーパーロボット「ゲッターロボ」でランドウのメタルビースト軍団に対抗しようとした。そのゲッターロボのパイロットとして目をつけられたのが一文字號であった。
橘博士によって作られた対ランドウ用のスーパーロボット。一応宇宙開発用ロボだったらしいが、その割には最初から武装が多い。後の設定で設計・試作は神隼人が行なったことになっている。各形態の呼び方は曖昧で従来のゲッター1という呼び方とゲッター號という2つの呼び方が混在している。
他のゲッターロボと異なり、ゲッター線ではなくプラズマボムスというプラズマエネルギーで稼働する。
メイン形態。アニメ版との違いは、空を飛べることと背中のローターがなくなっていること。また、アラスカ戦線編の後半では口の部分のデザインが牙のように変わっている。手持ちの銃やミサイルポッドなどの武装が豊富である。
空中戦用の形態だが漫画ではゲッター號も空を飛べるのでやはりあまり出番は無い。とはいえ長距離を飛ぶにはこの形態の方が向いているらしい。アニメ版との違いは特にない。
出番が一度きりしか無い。描写が少ないのでアニメ版との違いも分からない。
漫画版では世界各国でランドウに対抗すべくロボット兵器が開発されている。
ステルス戦闘機に変形できるアメリカのロボット。パイロットはシュワルツとランバート。主な武器はミサイル。肩のパーツをブーメランのように飛ばして切り裂く攻撃などもある。後に量産されたらしい。
敵を押しつぶす巨大なローラーが特徴的なカナダのロボット。メガトン級の攻撃にも耐えうる強固な装甲をもつ。パイロットは双子のホスナー兄弟。アラスカ戦線終盤で敵戦艦「ドラゴンタートル」の進攻を食い止めるため特攻。
ドイツのロボット。小型だが戦車とヘリコプターに分離して戦うことが出来る。またヘリの方は破壊されても小型ロボで脱出できる。パイロットはヒム・シャトナー。改造された橘信一の乗るメタルビースト「ガローンZ54」に破壊される。
イギリスの女性型ロボットで球体に変形し、ミラーボールのようにレーザー光線を発射できる。パイロットはリンダ・ティラミス。
米軍の試作陸戦用メカ。武装は貧弱だが唯一、高速回転して敵に体当たりするドリルアタックは他のロボットに負けない威力を持つ。ゲッターの修理中に號が乗って戦闘に参加した。
イギリスの原子力潜水艦「ゴッドタートルB-48」の艦首に取り付けられているロボット。あっという間にやられた。
巨大な爆撃機に変形できるアメリカのロボット。名前の「ステル」はステルバーから引き継いだだけで、ステルス機能はないらしい。小さな国を吹き飛ばせるほどの爆薬を積んでいる「空飛ぶ要塞」。メインパイロットは橘翔とシュワルツだがほかにも乗組員が数名いる模様。
ロシアの移動要塞型ロボ。変形して「超ウェポン砲モード」になれる。
終盤に登場する「本当のゲッターロボ」。ゲッター線の能力を最大限に引き出す目的で早乙女博士に製作された。しかし実験中の事故によりゲッター汚染を引き起こし15年間封印されていた(後に「真ゲッターロボ」が描かれてからは、暴走したゲッターGがエネルギーを解放したのが汚染の理由ということになっている)。石川賢曰く「全てを終わらせるキャラクター」。
最も特徴的な能力は「同化」である。ゲッターのエネルギーが一定以上に上がると、人やメカを同化するようになる。同化した人物やゲッターに乗ったままゲッターの意思を感じ取ったものは「すべてがわかる」ようになるらしい。ちなみにゲットマシン同士も同化・融合しているらしく、作中では分離(オープン ゲット)せずにゲッター1の胸からゲッター2が生えてくるという奇妙な変形方法をとった。
ゲッター號から15年前の早乙女研究所を舞台に真ゲッターロボ誕生の経緯と早乙女研究所の壊滅が描かれている。
詳細は「真ゲッターロボ」を参照。
ゲッターロボ號の続編。真ゲッターが火星へ旅立った後の戦いを描く。
詳細は「ゲッターロボ アーク」を参照。
2009年10月現在、「ゲッターロボ飛焔 〜THE EARTH SUICIDE〜」と「偽書ゲッターロボ ダークネス」の2作品が存在している。
「ゲッターロボ飛焔 〜THE EARTH SUICIDE〜」は、津島直人によるゲッターロボ・サーガの流れを汲んだ作品である。詳細は当該記事参照。現在は掲載紙が無くなり連載終了。
西川秀明による「偽書ゲッターロボ ダークネス」は、当初「偽書ゲッターロボDASH」のタイトルでマガジンZに連載されていたが、同誌の休刊に伴い打ち切り。掲載紙をヤングアニマル嵐に移し2009年NO.7号から「偽書ゲッターロボ ダークネス」というタイトルで連載を再開した。
ゲッターロボ アークの3巻が最終巻(完結)である。
掲示板
52 ななしのよっしん
2023/07/15(土) 00:58:22 ID: Ej/h5gAakV
大多数の派生作品がこのゲッターロボ・サーガを下敷きにしてる都合上
ゲッターロボよりゲッター線の自己解釈描きたいってのに尺を取られるからね……
あとメインを張るゲッター1系統が大体二本角で赤いから代わり映えしないのと
メインキャラが大体竜馬隼人武蔵弁慶で固定され気味なのがヤバいと思う。
魅力的なのはよく解るがそれのせいで飽きが来るし
ヴァイオレンスを必要以上に盛る傾向にあるので人を思いっきり選ぶんだもの…
そら世間から見たらマイナーメジャーよ。
53 ななしのよっしん
2023/09/05(火) 00:08:40 ID: Pir/cBgyBR
>>50
ポーラーステーション脱出の怨みもあるだろうし、なんなら一介のテロリスト風情が今の今までやってきた俺たちに敵うわけないだろ、という煽りにも見える
冷徹かつ豪胆な隼人らしいというか
54 ななしのよっしん
2023/09/17(日) 01:30:02 ID: Gje3qh+Um2
>>53
そう言われればその前の
「世界は広いですよ、あなたが世界を征服しようとしても、それに従うものなどいやしませんよ」
ってのも
「俺一人従わせられなかったテメーが全人類を従わせられるわけねーだろバーカ」
っていう煽りに聞こえるな
隼人らしいっちゃらしい
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最終更新:2023/10/03(火) 20:00
最終更新:2023/10/03(火) 20:00
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