1954年に公開されたシリーズ第1作とは、同タイトルだが違う作品である。
1984年12月15日公開。
1975年の「メカゴジラの逆襲」以来9年間沈黙を守っていたゴジラであったが、それまでの「子供のアイドル」から再び「恐怖の対象」へと戻すことをテーマとして、シリーズ復活が図られた。
従来の設定がリセットされ、1954年の初代「ゴジラ」の直接的な続編となっている。
ゴジラを単体で登場させ、その恐怖を描く内容となっており、他の巨大怪獣との対決は描かれない。これは1954年の第1作以来初めての試みであった。
次にゴジラのみが単体で登場する映画は、海外作品を含めるのであれば1998年の「GODZILLA」まで、日本制作の作品に限れば2016年公開の「シン・ゴジラ」まで間が開くことになる。
ゴジラのほかには、突然変異を起こした大型生物として、ショッキラスが登場するのみである。怪獣と言うよりは、ゴジラの復活が生んだ二次的な脅威のひとつとして描かれる。
東宝特撮の常連でもある、人類側の超兵器も、今回はほぼ登場しない。ただし、秘密兵器として「スーパーX」「ハイパワーレーザービーム車」などが登場する。
ちなみに、本作の主人公は記者の牧や学生の奥村ではなく三田村総理大臣である。
伊豆諸島の大黒島で、大規模な火山噴火が起こった。
その後、その付近を航行していた漁船が、謎の発光現象に遭遇し行方不明となった。
若手新聞記者の牧は、ヨットクルーズの最中に偶然、その漁船と遭遇する。
中に潜入した彼が見たものは、ミイラと化した乗組員と、大型化したフナムシの姿であった。
万事休したかに見えた牧だったが、唯一生存していた乗組員の奥村に救われ、ともに生還する。
奥村は、フナムシの襲撃を受ける前に目撃したものについて語った。
巨大な何かが、咆哮を上げて大黒島から現れた、と。
そして彼は、1954年に東京を襲った巨大生物の写真を見せられると、「こいつだ!」とはっきり証言した。
現総理大臣である三田村にもその情報は届いた。だが混乱を避けるため、情報統制が敷かれた。牧も奥村も、日本に迫る脅威の存在を知りながら、何もできないでいた。
しかしとうとう、日本近海でソ連原子力潜水艦が撃沈された。もちろん、アメリカも日本も関与していないことだった。
30年ぶりに復活した巨大怪獣・ゴジラの魔の手は、既に日本のすぐそばまで伸びていたのだった。
ラゴス島(ナイジェリアに実在する地名とは別物)に生息していた恐竜ゴジラザウルスが、水爆実験の影響で巨大化して生まれた、2体目のゴジラ。
1954年に現れた1体目のゴジラと比べて30メートルも大きい体を持つ(ゴジラのサイズアップが図られたのは今作がシリーズ初である)。
大黒島の火山噴火で覚醒すると、エネルギー源である核物質を狙って原潜や原子力発電所を襲撃しながら東京へと向かう。
カドミウムを大量に摂取すると体内の核分裂反応が沈静化する性質を持っている。
また、特定の音波に反応する性質も持っており、いずれも人類に利用されて対抗策を講じられることになる。
耳と犬歯が復活するなど、デザインが一新されたものの、目は非常に大きいままで、昭和シリーズ末期の面影も色濃い。ただ、表情変化が接写で確認できるシーン以外は常に上を向いており、どちらの目も焦点が合っていないため、何を考えているのかわかりづらい不気味さがある。
後の「ゴジラVSビオランテ」で再度デザインが一新されると、以降そのデザインがVSシリーズ終焉まで引き継がれることになったため、同シリーズの中では今作のゴジラだけ別人っぽくなってしまっている。
また、スーツとは別に5m近いアップ撮影用のロボット「サイボットゴジラ」も作られた。表情や呼吸の動きを表現するため様々な内部機構が組み込まれていたが、当時の技術では上手くいかず評判は著しくなかったようだ。撮影後は映画の宣伝として各地で展示され、その後もイベントなどで登場していた。
復活したゴジラに寄生したことで、強い放射線を浴びて突然変異を起こした巨大フナムシ。
巨体に見合わぬすばしっこさで獲物に食らいつき、ミイラになるまで体液を吸い尽くしてしまう。体を覆う殻も、巨大化に合わせて分厚くなっており、ナイフ程度では歯が立たない。
移動した後には謎の白濁液が残る。
奥村の乗っていた漁船・第五八幡丸を襲撃し、彼以外の乗組員をすべて捕食し殺害した。
その後、乗り込んできた牧も襲ったが、奥村の鉈の一撃で倒された。
設定上は複数で船を襲ったらしいが、この個体以外は劇中に登場していない。
ただし小説版では、大群がある漁村を襲撃して住民を皆殺しにしていたりする。
本作の検討案であった『ゴジラの復活』の時点では、敵怪獣として「バガン」が存在していた。バガンが登場する以外は本編とほぼ同じ内容であったという。しかし検討の末、作品はゴジラ単体で制作されることとなり、バガンが公式に登場するのは1993年のゲーム『超ゴジラ』まで待つことになる。
主題歌として『ゴジラ(愛のテーマ)』が制作されている。歌っているのはオランダ出身の女性バンド「スター・シスターズ」で、歌詞は「古き友」であるゴジラとの別れを惜しみ再会を願うという、劇中ラストの三田村総理の心情を思わせる内容となっている。
本作以降、ゴジラ及びモスラ映画に東宝シンデレラ経験者が出演するようになっており、本作では沢口靖子が出演している。なお、最多出演は三枝未希を演じた小高恵美の6作である。
| 受賞者名 | 回 | 出演作品・役名 |
| 沢口靖子 | 第1回 | ゴジラ84(奥村尚子)・VSビオランテ(白神英理加) |
| 斉藤由貴 | 第1回 (準グランプリ) |
VSビオランテ(本人役・声のみ) |
| 小高恵美 | 第2回 | VSビオランテ~VSデストロイア(三枝未希) |
| 水野真紀 | 第2回 (特別賞) |
ゴジラ FINAL WARS(音無杏奈) |
| 今村恵子 | 第3回 | VSモスラ・VSスペースゴジラ(コスモス)、VSメカゴジラ(センター職員) |
| 大沢さやか | 第3回 (特別賞) |
VSモスラ・VSスペースゴジラ(コスモス)、VSメカゴジラ(センター職員) VSデストロイア(小沢芽留) |
| 野波麻帆 | 第4回 | モスラ2 海底の大決戦(ユナ) |
| 田中美里 | 第4回 (特別賞) |
ゴジラ×メガギラス G消滅作戦・ゴジラ×メカゴジラ(辻森桐子) |
| 長澤まさみ | 第5回 | ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS・ゴジラ FINAL WARS(小美人) |
| 大塚ちひろ | 第5回 (特別賞) |
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS・ゴジラ FINAL WARS(小美人) |
| 復活ゴジラ(VS)シリーズ |
| ゴジラ84─VSビオランテ─VSキングギドラ─VSモスラ─VSメカゴジラ─VSスペースゴジラ─VSデストロイア |
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掲示板
81 ななしのよっしん
2022/05/06(金) 19:59:12 ID: jxqK/zkLCj
ドナルド=トランプ・ジョー=バイデン・ウラジーミル=ウラジーミロヴィチ=プーチン・習近平・金正恩、此奴等は恐らくゴジラ対手でも核は使うんだろうなぁ…。そしてアニゴジ前日譚『怪獣黙示録』『プロジェクト・メカゴジラ』へと続く、的な感じになりそう。
82 削除しました
削除しました ID: FSgnkDeBCi
削除しました
83 ななしのよっしん
2023/11/29(水) 18:47:16 ID: SnCyoMZx+N
84ゴジラの三田村首相は気骨のある人だと思うけど、自治大臣が金子信雄で、通産大臣が加藤武で、防衛庁長官が織本順吉だからなあ。
ゴジラ関係なく閣内で仁義なき戦いはじめて内閣瓦解、とかになっちゃいそう。
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最終更新:2025/12/29(月) 14:00
最終更新:2025/12/29(月) 14:00
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