デフレーション単語

デフレーション
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デフレーションdeflation)とは、物価の下落と通貨価値の上昇が継続的に発生していることを示す経済学の用である。デフレと略される。

反対の事インフレーション

概要

需給のバランスが崩れて需要過少・供給過多になったとき、また市場に出回る通貨の量(マネーストック)が少なくなることによって起こるとされる。


「デフレは需要の不足によって起こる」と述べてに財政政策でデフレ脱却を論者たちと、「デフレは貨幣である」と述べて融政策でデフレ脱却を論者たちがいる。

後者マネタリストexitと呼ばれ、貨幣数量説exitの信奉者とされる。貨幣数量説を簡単に言うと、「現在から見て将来の通貨量が増加すると考えられればインフレに、減少すると考えられればデフレになる」「将来の予想される通貨量から将来における予想インフレ率が決まるが、人は将来に対する自分の予想に従って行動するため、予想インフレ率の上下が現在の物価変動を決定することになる」といった学説である。

通貨量を決定できるのは中央銀行だけであることから、物価の安定については各中央銀行責任を持つ」と考えるのがマネタリストの傾向である。
 

デフレーションの影響

通貨価値が上がり、物価が下がる

デフレーションは、実物資産の価値を下げ、資産の価値を上げる。そのため、デフレーションは実物資産負債のある者にとってはマイナスとなり、現や預貯などの資産を有する者にとってはプラスとなる。

「年間インフレ率○が10年続いたときに、物価がどれだけ上がり、通貨価値がどれだけ下がるか」というのを示す表を掲載しておく。

インフレ 物価 通貨価値 備考
-3 0.74倍 1.36倍 デフレ
2% 0.82 1.22 デフレ
-1 0.90 1.11倍 デフレ
0 1.00倍 1.00倍
1 1.10倍 0.91
2% 1.22 0.82 クリーピングインフレ
3 1.34 0.74倍 クリーピングインフレ



デフレになると物価が下がるので「土地や(会社所有権)といったモノは放っておくと値段が下がるので、買わないでおこう。じっと貯蓄すれば必ず得をする」という考えが広まる。銀行は「なにもしなくても皆が貯蓄に励むので、利子を低めにしてもいいだろう」と考えるようになる。

デフレに強いのは現銀行である。「通貨があれば何でも買える」という気分になる。
 

通貨価値が上がり、債務者の負担が増加する

デフレでは、借りたときより借を返すときの方が通貨の実質的な価値が高まっているため、返済額が同じであっても実質的には返済額が上がったのと同じことになる(負債デフレーション)。そのためデフレは既に借のある者にとってはマイナスとなる。

ハンバーガー1個300円の時に300円を借りても、その300円でハンバーガーは1つしか買えない。借300円を返すときにデフレになってハンバーガーが1個100円まで値下がりしていたとすれば、額は同じ300円でも、実質的な返済負担は3倍にも増加したことになる。ハンバーガー1つ分の借に対してハンバーガー3つ分の返済をしたことになり、借した人にとっては大損である

将来的にデフレが予想される場合、上記理由により返済価値の実質的な増加が見込まれるため、お金を借りてまで投資や消費をしたくなくなり、「理に借をしてまで買わなくても待っていれば値下がりするさ」という心理が働き、計の消費や企業の投資を鈍化させる、と考えられている。
 

労働者の実質賃金が上昇し、失業率が上昇する

デフレでは、物価の下落に伴い賃も下落するが、物価の下落にべると賃の下落は遅れ、また下落幅も少ないため、労働者の実質賃は上昇する。労働者の実質賃が上昇するため、雇用側としては人を雇い難くなり、失業率が上昇する。そのため、デフレは現在失業中の者や不安定な職についている者にとってはマイナスとなる。

また、上記理由により労働者が豊かになることで消費が増え、それによって経済が活発化するとする説もある(ピグー効果)。
 

名目数値が下落する

また、デフレの大きなとして、名数値の下落が挙げられている。一般には物価を除いた実質値よりも名の数値で判断されることが多く、例え実質所得が増加している状況にあっても見た上の数値が悪化しているならば、人々は見た上の数値にあわせて消費や投資を縮小する傾向にある。
 

まとめ

デフレにおいては、債権者や安定した職に就いている者が得をして、債務者や失業者が損をする。勝ち組と負け組に二分化される。

このため、内の経済格差がじわじわと拡大していき、格差社会になっていく傾向がある。
 

デフレーションからの脱却方法

デフレーションから脱却する政策には、融政策と財政政策がある。また、労働政策や「個人の財テクに対する政策」や通商政策にも、デフレ脱却に向けた効果がある。
 

金融政策

融政策は、中央銀行日本なら日銀アメリカ合衆国ならFRB)が単独で実行する。

融緩和して、銀行の貸出限度額を増やして、世の中に出回る通貨の量(マネーストック)が増えるように誘導する。

銀行というのは、日銀当座預金の額が大きいほど、貸し出し限度額が大きくなって貸し出ししやすくなる(準備預金制度の記事で解説されている)。

日銀市場操作をして銀行の保有国債を買い取り(買いオペレーション)、銀行日銀当座預金を増やして、銀行の貸し出し可額を増やす。買いオペレーションを持続的に行うことを量的緩和という。

日銀が政策利を引き下げて、銀行日銀当座預金を少ない利で借りられるようにして、銀行日銀当座預金が増えやすい状況にして、銀行の貸し出し可額が増えやすいようにする。政策利を下げることを利下げという。政策利を0近くにして非常に日銀当座預金を借りやすくさせることをゼロ金利政策という。

さらには、マイナス金利政策を導入して、銀行に貸し出しを強要する。

ちなみに日銀の政策利は短期金利を与える。日銀の政策利の利下げにより、世の中の短期金利がことごとく下がり、借り手にとって優しくなり、消費が活発化する。
 

財政政策

財政政策は、予算議決権を持つ国会(立法府)と予算編成権・予算執行権を持つ内閣行政府)が共同で行う。

政府の支出を増やして、共事業を増やし、共事業関連の民間企業に勤める労働者の給料を増やし、個人消費を活性化させて需要を増やす。こうした政策を財政出動とか積極財政などと呼ぶ。

国債を発行して銀行に保有させ、得た資政府共事業に使う。そうすると、国債発行額と同じだけ銀行の預が増え(国債の記事で解説されている)、世の中に出回る通貨の量(マネーストック)が増える。

減税して消費の活性化を図る。とくに、消費意欲の高い貧困層向けの減税が効果的である。

消費の増大をはかるため、消費を活発に行う若年層・新婚世帯・子育て世帯への支援を行う。高校教育償化、大学教育償化、大学学費の引き下げ、奨学利引き下げ、奨学利をゼロマイナスにする、奨学の返済義務の免除、結婚した世帯への支援結婚新生活支援事業費補助金exit)の増額、児童手当(子ども手当)の増額、など。


公務員の雇用を増やしたり、経営不振の民間企業有化したりして、安定した収入を持つ人を増やし、消費の増大をはかる。

公務員の給与を引き上げる。公務員の給与を引き上げることで、世の中の大企業の給与を引き上げる効果がある。中央政府地方自治体は、就職市場において大企業と競合しており、優秀な高学歴学生を奪い合っている。中央政府地方自治体公務員給与を引き上げることで、大企業は「々も給与を引き上げよう。そうしないと、優秀な学生がすべて的職場に引き抜かれてしまう」と焦るようになり、大企業の賃上げが進んでいく。

経団連のような大企業の集まりに賃上げを要請する。すなわち、官製春闘exitをする。
 

労働政策

内の人々の労働時間を操作する労働政策も、デフレからの脱却を促進する効果がある。

労働政策によって内の長時間労働を抑制すれば、「長時間労働から解放され、お金を使うヒマがある」という状況になり、人々の消費意欲が増加していく。

労働基準監督署の人員を増やして世の中の企業への監視が行き届くようにして、企業の長時間労働を減らし、労働者の余暇を増やし、消費を活発化させる。

公務員の雇用を増やし、的職場の人手を充実させて、的職場の長時間労働を減らし、公務員の余暇を増やし、消費を活発化させる。

所得税累進課税を強めて、労働意欲を抑制し、「仕事すればするほどを稼げるというわけではない」という状況にして、仕事中毒ワーカホリック)の人を減らして、長時間労働を好まない社会潮を作り上げ、労働者の余暇を増やし、消費を活発化させる。
 

個人の財テクに対する政策

個人の財テクに対する政策にも、デフレからの脱却を促進する効果がある。

式や債券といった券の売買や、先物取引や、外通貨の売買(外国為替証拠金取引)や、暗号資産の売買に、個人が参加しにくい体制を作り上げる。

キャピタルゲイン税(式等譲渡益課税)やインカムゲイン税(式等配当課税)について、税率を引き上げたり、一課税をとりやめて累進課税にしたり、累進課税を強化したりして、「やればやるほど稼げるわけではない」と考えさせる。

そうすると、「寝ても覚めてもお金を増やすことばかり考えていて、消費をしようとしない人」の割合が減って、余暇と消費を重視する気が強くなり、内の消費が活発化していく。
 

通商政策

関税を高くして保護義をとり、海外からの安価な製品の流入を制限して、世の中の供給の過大化を防ぐ。

関税を低くして自由貿易を促進すると、どうしても安価海外製品が大量に入ってくるようになり、供給が需要よりも大きくなって、物価が継続的に下落して、デフレとなってしまう。自由貿易の行き過ぎを制限することで、デフレを抑制できる。

ちなみにこうした考え方を輸入デフレ論exitという。
 

デフレ発生に伴う金利の自然な下落

デフレが発生すると、中央銀行がなにもしなくても、自然利が下落していく。その結果として、多少ながらもデフレから脱却する方向にが働く。
 

デフレ発生と短期金利の自然な下落

デフレになると需要が減るので、市中銀行exitの貸し出しが減っていく。銀行は、過準備(貸出限度額と準備預の差額で、余剰の日銀当座預金)を減らすため、銀行間取引市場で他の銀行日銀当座預金を貸し付けようとする。

銀行間取引市場日銀当座預金を貸し付けようとする方が優勢になり、担保コール翌日物の利が下落していく。世の中の短期金利担保コール翌日物の利を参照にして決まるので、短期金利も下落していく。すると銀行の短期貸し出しの利が下落していく。その結果として、多少ながら消費を活性化する作用が働き、デフレから脱却する方向へ進む。また、銀行は好きなだけ銀行間取引市場日銀当座預金を借用できるようになり、貸し出しが伸びやすくなり、消費が活発化しやすくなる。
 

デフレ発生と長期金利の自然な下落

デフレになると需要が減るので、市中銀行exitの貸し出しが減っていく。銀行は、過準備(貸出限度額と準備預の差額で、余剰の日銀当座預金)を減らすため、国債を購入して日銀当座預金を減らそうとする。

デフレになると通貨価値が下がるので「将来の100万円の方が、現在100万円よりも価値が高い」という計算が働き、国債市場機関投資国債を売らなくなる。

国債が売られなくなって買い注文の方が数で勝ると、国債の価格が上がり、国債の利回りが下落する(固定利付債の記事を参照のこと)。つまり、デフレになると国債の利回りが下落する。

世の中の長期金利は、国債の利回りを参照にして決まる。このためデフレになると長期金利が下落していく。すると自動車や住宅のローン利が下落していく。その結果として、多少ながら消費を活性化する作用が働き、デフレを脱却する方向へ進む。
 

中央銀行の金利引き下げによるデフレ脱却

デフレが発生すると、中央銀行は人工的に利を下落させる。その結果として、デフレから脱却する方向にが働く。
 

短期金利の人工的な下落とデフレ脱却

デフレになると需要が減るので、市中銀行exitの貸し出しが減っていく。銀行は、過準備(貸出限度額と準備預の差額で、余剰の日銀当座預金)を減らすため、銀行間取引市場で他の銀行日銀当座預金を貸し付けようとする。

中央銀行買いオペを行い、銀行間取引市場における日銀当座預金の貸し手をさらに多くさせる。

銀行間取引市場日銀当座預金を貸し付けようとする方が圧倒的に優勢になり、担保コール翌日物の利が下落していく。つまり短期金利が下落する。銀行は好きなだけ銀行間取引市場日銀当座預金を借用できるようになり、貸し出しが伸びやすくなり、消費が活発化しやすくなる。
 

デフレーションの例

アメリカ合衆国の事例

大恐慌により1929年から1932年にかけて物価準が25%下落した。

2008年リーマンショックでもデフレとなり、この記事exitによると2009年-0.32にまで年間インフレ率が落ち込んでいる。このときはベン・バーナンキexitFRB議長(日本日銀総裁に相当)が中の米国債などを買って買って買いまくり、大規模な融緩和を行って、期にデフレを収束させた。
 

日本の事例

アメリカ合衆国の大恐慌が日本にも押し寄せ、昭和恐慌となった。この記事exitによると、1930年の年間インフレ率は-9.71931年の年間インフレ率は-11.0である。当時の大蔵大臣(現代の財務大臣に相当)は高橋是清だった。高橋大臣は「日銀による自通貨建て国債の直接引き受け(中央銀行の国債直接引き受け」による通貨発行を大規模に行うことで、世界で最も期に日本をデフレから脱却させた。

昭和末のバブル気が終了し、1990年代から15年近くデフレが続き、2008年ごろに資価格高騰による物価高が収まった後は再びデフレとなった。この記事exitではインフレ率の推移が示されており、デフレの期間が多いことが分かる。
 

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146 ななしのよっしん
2019/05/24(金) 14:48:46 ID: JAxSOqcdzn
>>145
方は今の日本に長年のデフレによって労働価値の低迷し、実質賃がまるで上がらずに増税に怯えて消費できずに居る人間がどれだけ居ると思いますか?
このまま政府デフレを解消せずにいれば極々一部のマイノリティが普遍的なマジリティに変わることにお気づきですか?

私は『怠惰無能』なのは財政出動によってインフレ率を上げる事を極端に恐れ、デフレを解消しない国家運営の方だと強く確信しています。
147 ななしのよっしん
2019/06/04(火) 11:42:36 ID: S1HOUiLU7C
>>146
> 実質賃がまるで上がらずに増税に怯えて消費できずに居る人間

これが極々一部のマイノリティであることは認めているわけね。
まあ、こういうデータでも示されているがね。

均貯蓄額は1812万円!40代、50代、60代、世代別の均貯蓄額は?
https://limo.media/articles/-/10203?page=1exit

> 資産を保有していない世帯を含む、年代別融商品保有額の均値と中央値

> (均値はカッコ内に記載)
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
148 ななしのよっしん
2019/06/09(日) 14:56:12 ID: 8DfHej6e0a
2014年消費税増税で気後退しているが理やり変な理屈つけて気後退してないことにしただけ
輸出が伸びてるだけ
プライマリーバランス黒字化に向けて財政赤字
そりゃ実感回復になりますよ
2013年の財政赤字消費税率を維持していれば
今頃ちゃんとした回復になっていたでしょうね
149 ななしのよっしん
2019/06/25(火) 21:19:42 ID: wfraikzzek
ゴーンみたいなのがいると均がドーンと上がるから中央値を書いた方がいい あるいは均以下の人の割合とか
150 ななしのよっしん
2019/10/03(木) 03:25:17 ID: rx659Fspth
韓国の生産人口減少→数年後にデフレ日本不況と類似
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019100280013exit
151 ななしのよっしん
2020/01/04(土) 23:38:59 ID: SgeQtKSbhg
マネーストック全体を見るから悪いんだよな
そこから更に企業資産を除いた、市民のみの資産状況を判断しないと経済の再は難しいんじゃないか?
命名するならばポケットマネーストック(言いたかっただけ)
152 ななしのよっしん
2020/02/11(火) 00:01:09 ID: T4s4lSTuuk
コメ欄でも持ってると持ってない
認識が断絶しているデフレ格差社会ありさまがちゃんと観察できるもんだな
153 ななしのよっしん
2020/04/16(木) 18:57:06 ID: iYp/ozrW3D
>>151 に賛成だけど そもほとんどの人間がこの通貨発行制度を理解してないから 「の借民一人当たり」の下りで騙されてきたんじゃないの?  も理解出来てないけど 少し調べれば「税金で借を返す」とかそういう言葉のニュアンス違和感が出てくる 
154 ななしのよっしん
2020/06/03(水) 20:44:10 ID: GO7pDlYr4D
,
,
タイトル:,
Twitterで紹介する

155 ななしのよっしん
2020/06/03(水) 23:41:59 ID: VjsL0X5lv/
>>154
MSK/JPYだとMSK安円高、つまりインフレってことになるよ
JPY/MSKじゃないの?

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2020/10/22(木)01時00分 現在

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