ポリスノーツ(POLICENAUTS)とは、コナミ株式会社(現:コナミデジタルエンタテイメント株式会社)が開発したアドベンチャーゲームである。
展開プラットホームはPC-9821(1994年4月)、3DO(1995年9月)、プレイステーション(1996年1月)、セガサターン(1996年9月)、およびゲームアーカイブスとしてPSP、PS3(2008年5月)。海外未発売。
制作は小島秀夫率いる小島組が担当。「メタルギア」「スナッチャー」から連なる『メタルギアソリッドとは違う系譜』の連作である。
概要
「スナッチャー」で試みられた映画的演出をさらに高めた作品。ちなみに今作のパクリイメージコンセプトは「リーサルウェポン」シリーズ(「スナッチャー」は「ブレードランナー」であった)。
ゲームシステムは基本がコマンド選択方式のアドベンチャーゲーム、また各所に射撃や間違い探し、爆弾解体などミニゲーム的要素を組み込んでいる。PC版以外の3DO・プレイステーション・セガサターン版もマウス対応、更にセガサターン版はバーチャガン対応。
3DO以降のコンシューマ用ソフトからムービーシーンやCGといった演出も強化された。
開発環境面ではアドベンチャーゲームを効率よく開発するために使われる「スクリプト言語」をスナッチャーからより発展・完成させ、のちの「ときめきメモリアルドラマシリーズ」や、「メタルギアソリッド」シリーズに使われたGCL言語へと受け継がれることとなる。
ゲームのキーパーソンであるEMPSをはじめとするメカニックデザインをカトキハジメ(代表作:機動戦士ガンダム0083)や新川洋司(代表作:メタルギアソリッドシリーズ)がおこない、花を添えている。あのカッコイイEMPSに乗れなかった事にがっかりした人多数。
先に述べたがミニゲーム的要素の多さや、大抵だれてしまう選択肢総当たり型のアドベンチャーゲームにもかかわらず思わず選択肢総当たりをしたくなるような選択後のリアクションのお遊び要素、周回ごとに違うエンディングロール(SS版)など、のちにも引き継がれる小島秀夫の『ユーザーにゲームを骨の髄まで遊ばせる工夫』がこのソフトにもふんだんに盛り込まれている(後述「ミニゲーム・お遊び的演出」参照)。
ストーリー
2010年、人類は最初のスペースコロニー「ビヨンドコースト」を完成させた。
本格的なコロニー移住を迎え、コロニーの治安を維持すべく5人の宇宙訓練を受けた警官を選抜した。
ゲイツ・ベッカー、ジョセフ・サダオキ・トクガワ、サルバトーレ・トスカーニ、エド・ブラウン、ジョナサン・イングラム
世界中の警察から選りすぐられた彼らは、警察権限を持つ宇宙飛行士、「ポリスノーツ」と呼ばれた。
しかし2013年の就任直後、コロニー外活動訓練中に事故が発生。
ポリスノーツ専用船外服『EMPS』のテストをしていたジョナサンはコロニーから遠くに飛ばされてしまい、EMPS付属の緊急救命ポッドて冬眠しているところを回収されるまで行方不明となってしまう。
冬眠期間25年、世の中は全て変わってしまっていた。彼一人を残して。
2040年、ジョナサンは地球に降り、オールド・ロサンゼルスでネゴシエーターまがいの探偵をしながら孤独な日々を過ごしていた。
そこにある日、自分より25年老いてしまった元妻、ロレインが訪ねてくる。行方不明となった再婚相手であるケンゾウ・北条を探し出してもらうために。
宇宙を恐れるジョナサンは彼女の依頼を渋るが、直後にロレインが目の前で何者かに殺害されてしまう。
ジョナサンに残されたものはロレインが託した「葉の切れ端」と「カプセル剤」、「プラトー」という言葉。
ジョナサンは事件の真相を探るため再び宇宙へ、「ビヨンド」へ旅立つ決意をする。
25年間何もかも置き去りにして先に進んでしまったビヨンドで、ジョナサンを待ち受けているものとは・・・・・・
キャラクター
ジョナサン・イングラム(声:田中秀幸)
主人公、55歳(戸籍上)。ただし肉体的には30歳の現役バリバリ(色んな意味で)。
元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。ロス市警からの選抜。
EMPS遊泳事故後、宇宙恐怖症となり地球のOLD L.Aで探偵をしているところを元妻ロレインから依頼を押しつけられ、油汗にじませたり無重力の神秘を堪能したりしながら再びビヨンドへと向かうこととなる。
射撃の腕は一応凄腕(ある程度プレイヤーにも左右されるが)。無重力下では無反動タイプの銃(リニアコイルガン)が使用されるのだが、ジョナサンは古のベレッタM92F(レーザーサイト装着)を使用している。
特技は射撃と爆弾解体、女性にとある行為をさせること。
よく「・・・という夢を見た」的な行動を起こすが、多分気のせいであろう(けど爆弾解体シーンなどは必見である)
エド・ブラウン(声:飯塚昭三)
ビヨンド警察風紀課主任、55歳。
元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。ジョナサンと同じくロス市警からの選抜。
愛妻を宇宙放射線による肝臓病のため亡くし、男手ひとつで娘と養子の息子を育てる。
うまく立ち回れない性格やいろんな事が災いしオリジナルコップという英雄にもかかわらず署内風紀課というはきだまり部署の主任という閑職に追いやられている。
ジョナサンの来訪に驚き歓迎するが、署内での立場や25年という二人の時の隔たりetcに最初協力を渋る。しかしながら大親友の為、部下とともにジョナサンへの協力を受諾しロス市警時代以来28年ぶりにコンビを組む。・・・が、娘に対するジョナサンの態度にだけは相変わらず警戒心を解けないでいる。
息子が関わる事件の影響で銃を撃てない。
カレン・北条(声:井上喜久子)
ケンゾウ・北条とロレインの娘、25歳。
ビヨンド内のTV局の人気ニュースキャスター。再生不良性貧血という持病を持っている。
母親のロレインと生き写しの美女で、ジョナサンは初めて顔を合わせたとき思わずびっくりする。
ビヨンド行きのシャトルの中のTVで見たような気がするが、トラウマ&特技発動中でそれどころではなかったのであろう。
あと「メタルギアソリッド2・バンドデジネ」でも見たような気もするが、それもきっと気のせいであろう。
キャスターという仕事に誇りを持っており、難病と闘いながら世の中の悪とも戦っている。ついでに両親の日々の喧嘩のもとであるジョナサンとも戦っている。
トニー・レッドウッド(声:塩沢兼人)
ビヨンド警察AP隊員、23歳。
宇宙環境に強いフローズナー(人工受精児)で爆弾処理能力と現用EMPS「ゴダード」の操縦に長けるエースパイロット。別名、Mr,ゴダード。
宇宙環境用に酸素運搬効率を高めた人工血液を使用している。そのため肌が白い。性格は黒いが。
全てにおいて普通の人間の身体能力を凌駕しており、銃の腕前と生命力はチートレベルである。なんて悪役向きなキャラクターなんだろう。
メリル・シルバーパーク(声:寺瀬めぐみ)
ビヨンド警察風紀課刑事、24歳。
エドの部下でデイブの相棒。いつも被弾した体内から取り出した弾のイヤリングをし、ナイフを持ち歩く大女。
地球出身の元軍人。軍人家族に育ち、自然と軍人の道を歩む。かつてとある特殊部隊に所属し、とある特殊作戦参加後、教官職を経て刺激を求めてビヨンド警察へ。
非常にそっくりな人を知っている?キノセイデス。「FOXHOUND」?「ザンジバー陥落」?ハテナンノコトヤラ
デイブ・フォレスト(声:島田敏)
ビヨンド警察風紀課刑事、25歳。
エドの部下でメリルの相棒。
非常に地球(HOME)を愛しあこがれ地球産のものを好む心身ともに健康体な青年。ジャンクフードばかり食べているけど。
やさしい心の持ち主で、銃を撃つ時も関節部など致命部位ではなく行動を封じられる部位に集弾させる癖がある。
アナ・ブラウン(声:冬馬由美)
母の死後、家事や弟の世話を引き受けている。生物倫理学や宇宙開発史に明るく、宇宙飛行士記念館でコンパニオンのアルバイト経験あり。
彼女の作る食事は日本食とカルシウム強化食が主で、その腕前はジョナサンを呻らせた。
マーク・ブラウン
言葉を話せないためいつも持ち歩いているお絵かきツールで絵を描くことにより意思疎通を図る。内向性の性格でエドにはなついていない。けれども映画でしか見たことが無い煙草をジョナサンがくわえているのを見てジョナサンにはすぐなつく。
ロレイン・北条(声:川島千代子)
クリス・ゴドウィン(声:川島千代子)
ビヨンド中央病院理事長、41歳。
元トップモデルの才女。マリリン・モンロー似のグラマラスレディー。
25年前にオリジナルコップ達とグラビア写真を一緒に撮ったっことがある。あんなかわいらしい子がこんな魅惑的なボディーに・・・
41歳とは思えない美貌を維持している。
ビクトル・ユルゲンス(声:宮内幸平)
ビヨンド警察鑑識官、65歳。
アナライザーAID(自動分析鑑識装置)を使ってありとあらゆるものの鑑定を行う。
ケンゾウ・北条
ロレインの夫。トクガワ製薬技術研究所 DDS開発チーム主任、53歳。
音楽の嗜好が良いセンスをしている模様。
サイトウ(林延年)
トクガワ製薬技術研究所 警備員。日系人。
何度もジョナサンにおちょくられるかわいそうな人。
石田(龍田直樹)
サルバトーレ・トスカニーニ(声:佐藤正治)
トクガワ月面工場 保安責任主任、58歳。
元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。ニューヨーク市警からの選抜。
ゲイツ・ベッカー(声:阪修)
ビヨンド警察本部長兼AP隊隊長、56歳。
元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。イギリス・スコットランドヤードからの選抜。
ジョセフ・サダオキ・トクガワ(声:家弓家正)
トクガワグループ総裁、宇宙推進開発事業団理事長、60歳。
元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。日本・警視庁からの選抜。
ミニゲーム・お遊び的演出
全体的には非常にスタイリッシュなドラマが展開される中、小島秀夫らしい小粋な演出が各所にちりばめられている。
ここではゲーム内に収録されたミニゲームも含めて解説する。
シューティングパート
ゲーム内では各所に一人称視点のシューティンクパートが用意されており、マウスカーソルやコンシューマ版ではコントローラーで操作するカーソルをレーザーポインターの光点に見立てて射撃を行う。(SS版では光線銃にも対応、よりシューティングらしさを体感できる)
またビヨンド警察署内にはシューティングレンジ(射撃ルーム)があり、いつでもサークルターゲットやマンターゲットを目標とした3種のモードを体験できる。
- ターゲットモード・・・・・・左右に動く目標の高得点部位をいかに打ち抜くかを競うモード
- トレーニングモード・・・・複数の目標の高得点部位をいかに打ち抜くかを競うモード
- コンバットモード・・・・・・犯人と人質のターゲットをより分け、犯人のみ打ち抜くモード
トレーニングモードは一つの的に複数発打ち込むことでより高得点を得られる。
また、ある条件をそろえることでメリル・デイブ・レッドウッドが射撃の腕を見せに来たり、ターゲットモードの的が色々なものに変化する。
爆弾探し・爆弾解体
ゲーム中にある場所にしかけられた爆弾を探し出し解体するパートが用意されており、これが間違い探しと爆弾解体ゲームとなっている。
特に爆弾解体ゲームは難易度や志向がよく凝らされている。エドがメタ名発言をするが気にしない「ジョナサン‥‥ドライバーは左クリックで開き、右クリックで閉まる‥‥」(PC版)
あと、この爆弾解体が忘れられず「鈴木爆発」を買ってしまった人が何人もいるはず。
チチゆらし
ほぼすべての女性キャラクターの乳房を揺らすことが出来る。
またそれぞれのキャラクタの乳房の形・サイズが違うので揺れ方やSEが違う。とんでもないSEのキャラもいるが気にしない。
チチゆらし専門のスタッフが配置されるなど某アニメ制作会社並みに乳揺れにこだわった作品である。
ゲーム再開ごとにセリフが変わる
ゲームオーバー後に再開を選ぶといわゆる「・・・という夢を見た」的な再開をするのだが、死亡を重ねるごとに再開時のセリフが変化する。
関連動画
ニコニコ動画では通常のプレイ動画や実況動画、裏技関連の動画が主にアップされている。
MADにし易い素材ではあるが、発売自体が古いこともありあまりその方面での動画は思った以上に存在しない。
せっかくなのでプレイ済みのひとはドキドキすること必須の爆弾解体シーンの動画を紹介しておこう。
関連項目
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