メタルマックスとは、データイーストから発売されたFC用ゲーム、及びそのシリーズの名称である。ジャンルはRPG。
現在はWiiや3DSのVCからも500Pで配信されている。
シリーズ全体ついては「メタルマックスシリーズ」の記事で扱うものとし、この記事では1作目であるFC版メタルマックスについてのみ扱う。尚、当ゲームを名前の由来とする同名の生放送主が存在する。
ストーリー
リオラドの修理屋の息子として生まれ育った主人公は、モンスターハンターに憧れる少年だった。
ある時、彼は父に己の夢を打ち明けるが、地道な生活こそが一番と語る父は、息子の夢を一喝する。
それでも主人公は己の夢を諦め切れず、とうとう父は姉の制止も省みずに主人公に勘当を言い渡し、家から叩き出してしまった。
こうして主人公は一人、己の力こそが全てを決める世界へと足を踏み出す事になったのだった。
概要
「竜退治はもう飽きた」のキャッチコピーに象徴される、ドラゴンクエストのような王道とは一味違うRPG。
リメイク版のメタルマックスリターンズが1995年に発売されている。
あらゆる機械の原因不明の大暴走である「大破壊」によって文明が崩壊し、人々が嘗ての文明の遺物を食い潰しながらも逞しく生きている(マッドマックス或いは北斗の拳に近い)退廃的な世界が舞台。
そんな世界で、家を追い出された主人公が戦車(「クルマ」と読む)に乗ってモンスターを狩るハンターとして成長していく物語である。
特徴となるのは「しなくてはならないことは無い、あるのはただできる事だけ」と言われる異常なまでに自由度が高い作りになっていることで、主人公は勇者と異なりそもそも『世界一のハンターになる』と言う漠然とした目的以外の旅の理由が存在しない、まるっきり当てのない旅なのである。
なので、文字通り自由気ままに冒険する事こそが冒険の目的と言い換えても良く、ゲーム内を貫く大目的もなく、ただただ先の町を見てみたいという思いだけでひたすら進んでいくのである。
その代わり、当時としては珍しく寄り道できる所が非常に多くなっており、新しい世界をもっと見てみたいと思わせるような個性豊かな町に出会ったり、手ごわい賞金首を狩ったり、戦車をチューンしまくったり、只管敵のレアドロップアイテムを狙ったり、家に戻って引退すると言えばエンディングに直行できたりとやりたい放題である。
また、デコゲーらしい壮絶なセンスの敵や、荒廃した世界で逞しく生き抜く人々の吐く独特の台詞もいい味を出している。
賞金首や強敵との戦闘で流れる「お尋ね者との戦い」は屈指の名曲としてファンに親しまれており、後に「WANTED!」と名前を変えて後々のシリーズまで使用されている。
登場人物
メタルマックスのプレイヤーキャラクターの姿は職業に依存し、喋らないドラクエ型のため余り個性は強くない。
現時点で以降のシリーズの基本となる3職業が登場したが、後のシリーズ名物となる犬は加入しない(登場はするが、仲間にはならない)。
主人公の名前は自由に決められるが、メカニックとソルジャーの名前は主人公の名前次第でランダムに決定される。
- ハンター
- 本作の主人公。何も入力しないと「はんた」となる。
リオラドの修理屋の息子で、父と姉の3人家族で暮らしていた。
しかし、ハンターになる夢を諦めきれなかったことで父親に勘当され、一人旅立つ事になった。
そして、旅の中で世界の荒廃した理由と原因を知る事になる。
劇中にてハンターとは広義に於いて、戦車(クルマ)を操ってモンスターと戦う賞金稼ぎを指す言葉と定義されている。
外見は戦車帽を被った戦車兵に似た姿で、パーティーの中で最も戦車の扱いに優れ、主に戦車戦で活躍する戦闘の花形である。
白兵戦でもソルジャーに次ぐ戦闘力を持っており、装備できる人間用武器防具も豊富。 - メカニック
- ポブレ・オプレの街のお金持ちの家に住む所謂お坊ちゃん。デフォルト名は「いじる」となる。
おぼっちゃまだが、広い世界に憧れメカニックとしてハンターの相棒となって旅する事を夢見ている。
街の南西にある元トレーダーのウリウ爺さんの家に入り浸っては旅の話を聞かせてもらいつつ、自分を連れて行ってくれるハンターが戦車に乗って訪れる日を待ち侘びている。
戦車の修理を得意とし、修理キットやメカニックキットを持たせておくと戦車やパーツが壊れた際に修理することが出来る。
戦車戦もハンターの次に得意だが白兵戦能力に乏しいため、戦車無しで行動する時は注意が必要。 - ソルジャー
- オードリーを拠点としている女ソルジャー。パーティでは紅一点となる。 デフォルト名「アンヌ」。
そこそこ名の知れた女ソルジャーらしく、主人公のレベルが低いと取り合ってもくれない。
オードリーの酒場で主人公と共にならず者ソルジャー達相手に一暴れするも、その場に現れたレッドウルフにパンチ一発でノされて自分の無力を悔やみ、更なる強さを手に入れてレッドウルフに一泡吹かせる為に主人公達に同行を申し出る。
ハンターと同じ賞金稼ぎだが、此方は戦車に頼らずに生身で戦う者の事を指す。
攻守共に高く、専用武器以外のほぼ全ての人間用武器防具を装備することが出来る白兵戦のプロである。 - 主に戦車で入って行けない施設内などでの戦いで真価を発揮するが、最も戦車の扱いが苦手。
パーティ以外のキャラ
- とうちゃん
- 主人公の父親。早くに妻を亡くし、男手一つで子供二人を育て上げた経験からか地道な生活こそ一番をモットーとしており、ハンターへの憧れを捨てきれぬ息子を勘当してしまう。しかし壊れた戦車を無料で修理してくれたり、街にレンタルタンク屋を呼んでくれたり、修理を教えてくれたり(Rのみ)、家に戻ると言えば快く迎えてくれたり、全滅した主人公達を例え全滅した場所がラストダンジョンの最深部であろうともDr.ミンチの研究所まで運んでくれたりと、何だかんだで息子に無茶苦茶甘いツンデレ親父。
- ねえちゃん
- 主人公の姉。主人公にとっては母親代わりのような存在。
常に主人公を心配しており、話しかければ何時でも快く泊めてくれる。 - レッドウルフ
- 自身と同じ名前の真紅の戦車を駆り、『紅い悪魔』の異名で知られる凄腕のモンスターハンター。
クールなニヒリストで腕っ節も強く、同じハンター仲間からも恐れられている。
ゲームの最序盤でバイオニック・ポチに苦戦する主人公を助け、その後見つけた戦車(モスキート)を副砲しか使い物にならない等と言いつつ貴重な戦車本体を主人公に譲ってくれる。また、因縁をつけたソルジャーをパンチ一発で黙らせる等のクールな行動と先述のような意外と情に脆いトコロのギャップが極まっており、初代とRにしか登場しないにも関わらずプレイヤーからの人気は非常に高い。
行く先々の街で得られる情報では、彼は何かを探して旅をしているようだが・・・?
尚、彼の戦車と同型の「Rウルフ」はシリーズの看板として全作品に登場している。
戦車(クルマ)とは
大破壊前の技術で作り出された戦闘力を持つ、或いは持ちうる車両の総称。戦車と書いて『クルマ』と読む。自由に乗り降り出来る。
通常は戦車のことであるが、戦闘能力を有する事の出来る車両ならば、例えそれがバギーでも装甲車でも救急車でも、それは立派な戦車(クルマ)なのである。
所謂RPG的な成長法を踏襲している人間と異なり、さまざまなパーツの組み合わせと改造で強さが変化する。
クルマ本体は以下のパーツから構成されている。
シャシー | クルマの本体のこと。人間で言えばキャラ本体にあたる。 入手方法はダンジョンの奥にあるのを見つけたり、地面から発掘したり等のイベントのみで入手できる。 シャシーには複数の穴があり、穴によって装備できる武器の種類が異なっている。 見た目、穴の種類(装備できる武器の種類)、守備力、特殊砲弾の弾倉、車体本体の重量などが異なる。 改造して穴を増やしたり、守備力や特殊砲弾の弾倉を増やす事が出来るが、元に戻すことは出来ない。 |
エンジン | クルマの動力源。このエンジンの出力がクルマ全体の積載量を決める、極めて重要なパーツ。 他の部品をどれだけ積めるかに影響するため、クルマの強さに直結する。 当然積載量は高ければ高いほど良いので、戦車を強化する際には、まずエンジンから手を付けるのがセオリー。 改造すれば更に積載量を上げることが出来る。 |
Cユニット | クルマをコントロールする電子頭脳。 後々のシリーズでは命中や回避などに影響したり、様々なプログラムが付いたりする。 しかし、初代では本当に戦車を動かすためだけの装備で、防御力しかパラメータが存在しない。 現実では動かすのに3~4人必要な戦車をたった一人で動かせるのは、このCユニットのお陰である。 |
クルマに搭載できる武器は以下の3種類があり、それぞれ対応する種類の穴に装備できる。
武器は改造することが出来ない。
主砲 | 一発の威力が凄まじい戦車の象徴。 高威力だが数十発の弾数制限があり、一発5Gの弾薬代が掛かる。 榴弾や徹甲弾などの特殊砲弾を発射するのもこの大砲タイプの武器から。 |
副砲 | 低威力だが弾数無限で広範囲をカバーできる補助兵器。雑魚散らし用。 通常は機関砲やバルカン砲だが電撃銃、ビーム砲、火炎放射器等も存在する。 |
S-E | 様々な種類の特殊兵器。スペシャル・イクイップメントの略称。 対戦車ミサイル類が多いが、火炎放射器や多弾頭ランチャーなどもある。 主砲以上に弾数制限が厳しく、弾薬代が高い物で一発1000Gを超えることも。 |
全ての装備には重さがあり、重さがエンジンの出力を上回ると自走できなくなり実質使えなくなる。
余った積載量がHPに当たる装甲タイルを貼れる量=SPになってチューン完了となる。
そして、そこに搭乗者の運転レベルが加味されて最終的な戦車の強さが決定する。
例え強くても重い武器を積みすぎるとSPの最大値に余裕が無くなって脆くなる為、積載量を如何遣り繰りするかを考えなければならない。
装備にも高威力だが異常に重いものや、そこそこの威力で異常に軽いのを売りにしているものなどがあるため、無難にSPを確保させたバランス型にするか、SPを度外視して只管強力な武器を積み込んだ攻撃偏重型にするか、逆に軽量なパーツだけを選別して装甲タイルを山のように貼り付けた鉄壁守備型にするか、或いは実用性をガン無視して完全な好みでパーツを組み合わせるか、プレイヤーごとの個性が出るシステムとなっている。
SPが0になっても戦車は死なないが、SPが0の時に敵から攻撃を喰らうと、シャシーやパーツが破損しやすくなる。
SPが残っていても、敵の特殊攻撃(電撃や音波や車両型モンスターの特殊砲弾など)で破損することもある。
パーツやシャシーは、破損してもそのまま継続して使えるが、更に破損が進んで大破するとそのパーツは使用不可能になる。
特にエンジンやCユニットと言った戦車の肝に当たるパーツが大破すると自走出来なくなり、更にシャシーが大破すると自走出来なくなるばかりか戦車そのものが使用不可能となり、戦闘中だと車外に放り出されて、以後生身で戦わなくてはならなくなる。
壊れたパーツは街の修理屋で直してもらうか、メカニックが同行していれば修理キットやメカニックキットを使うことで直すことが出来る。
ただし、大破したパーツだけは修理屋に行かなければ直す事は出来ない。
当然、クルマは人間と比較にならないほどの戦闘能力を誇り「生身で戦車と戦う」のは無謀の代名詞となっているが、狭い洞窟やビル内などにはクルマが入れない場合があり、その時は白兵戦で戦わねばならない。
登場するクルマ
まだ特性や穴の武器種類の改造といった要素はないため、主に車体重量と守備力がステータスとなる。
本作では車体の耐久性による積載制限がなく軽いほうが大砲や装甲タイルを積みやすいという都合上、戦車より一般車両のほうが強いなんてこともあったりなかったり。
- モスキート
- 一番最初に手に入るクルマ。戦車は戦車でも「豆戦車」と言われる小型のものである。
リオラド南の洞窟の最深部に一台だけ安置されているが、レッドウルフに副砲だけ持っていかれる。
最序盤は主砲弾薬代5Gすら高くつくので、まずこの戦車でやる事はリオラド北の洞窟にある7ミリ機関砲を手に入れる事だろう。
暫くの間戦車タイプのシャシーはこれだけなので、恐らく当面は主人公の愛車になると思われる。
正式な戦車には勝てないものの守備力の改造上限はそこそこあり、その割に車体も軽い非常に優秀な戦車。
使おうと思えば十分ラストまで持っていけるだけの潜在能力は秘めている。 - バギー
- ポブレ・オプレ東にある海辺の工場の社長が、昔ハンターだった頃に使っていたクルマ。
軍用バギーを思わせる外見のクルマで、正式名称は「ワイルドバギー」と言う。花占いで「あげる」が出ると譲ってもらえる。
リメイク版と違って工場内のセキュリティが仕事しているので、人間装備が整ってなかったりレベルが低かったりするとちょっと大変。
戦車に比べて若干防御に不安があるが車体が軽く、あれこれと改造したり重いパーツを積んでも積載量に融通を利かせ易い。
システムの都合上車体の耐久性が積載量に影響しない為、戦車に比べ寧ろ巨砲を積みやすかったりする。
しかし、構造上戦車のような気密性が無い為か、搭乗者がクルマ周囲に充満するガスの影響を受けてしまう欠点が存在する。 - 救急車
- 賞金首「マッド・マッスル」が所有していたクルマ(正しくは「バン」)。
前述した通りメタルマックスのクルマの定義は、「戦闘能力を保有する事の出来る車両の総称」であり、
たとえ本来戦闘用の車両ではなくても改造で兵器を積む事が出来れば、それは立派なクルマなのである。
ジュネーブ条約なんてものはこの世界には存在しない。
入手時こそただの救急車で守備力上限も最低だが、全車両で最も軽量なため重いパーツも楽々積載できる。
外見からは想像できないが、ガチの戦車にも引けを取らない程の恐るべき潜在能力を秘めている。
また、フィールドで一歩歩く毎にHPを1回復してくれるので、白兵戦の多いソルジャーに適したクルマでもある。 - 装甲車
- ソルの街にある装甲車タイプのクルマ。下水道に居るミュータントワニを倒すと譲ってくれる。
モスキートより重量はあるが守備力もモスキート以上で、後々に手に入る戦車タイプのクルマに比べればかなり軽量なのが魅力。
ミュータントワニはかなりの強敵な上に白兵戦で戦わなければならないので、この戦車を取りに来るのはどうしても後回しになりがち。
倒せるレベルまで育つ頃にはもうパーティ全員にクルマが行き渡って改造も大体済んでいる、と言うことも往々にして在り得てしまうので、使用頻度が宜しくない傾向にある。
しかし、前述した通り優秀さは本物なので、改造すれば後々のクルマに見劣りしないだけの性能は秘めている。 - パンサー
- 渚の洞窟最下層のどこかに埋まっている。普通に進めていれば一番最初に手に入る本格的な戦車タイプのクルマとなる。
入手時は95ミリ砲しか積んでいないが、同じ洞窟内にウォズニアクⅡとV24ハルクが埋まっているので、使おうと思えばすぐ使える。
待望の正統派戦車タイプのシャシーで、緑色の車体が如何にも戦車然としていて実にカッコいいのだが、実は守備力上限に対して車体重量があまりにも重く、本気で使おうと思うと「タイガーの水色が気に入らないから俺はパンサーを使う!」と言ったような愛と拘りが必要になってくる。繋ぎとして使うには十分な性能なのだが、主力として使おうと思うとどうしても厳しくなる。
リメイク版でパンサーの代わりに手に入るティーガーも、パンサーの欠点は据え置きでしかもナマリ茸だらけなので、サンタ・ポコで洗車するまで荷物持ちの牽引車として運用するのも難しくなっていると言う有様。パンサーとティーガーが一体何をした。 - タイガー
- ポートスラムで売られているクルマで、値段は戦車屋の機嫌次第だがかなり高い。
根気と多少の無茶をする心さえあれば三台目のシャシーにすることも出来る。
購入時から中々のパーツがフル装備されており、特に主砲の160ミリアモルフが強烈な性能を持つ。
車体自体も守備力上限はパンサー以上かつフル改造してもパンサー以下の重量という優秀な戦車。
水色の車体と言う外見さえ気にしなければ、最後まで主力で活躍出来る。 - Rウルフ(レッドウルフ)
- 赤いカラーリングが特徴の戦車。シリーズを代表する一台で後々のシリーズにも必ず登場している(若干名前が変わる事もあるが)。
元々凄腕ハンターのレッドウルフの戦車だったが、あるイベント以降主人公が譲り受ける事になる。
これまでの6輛を遥かに上回る守備力上限を持ちながら、重量はパンサーと僅差という高性能戦車。
重戦車のほうが使いにくい感もある本作だが、ここまで守備力に大差が付くなら話は別である。
尚、このクルマの初期装備であるS-トルネードは全S-E中最大の攻撃力を有している。
何であれ、最大の魅力はレッドウルフが自分に託してくれた戦車と言う事実なのであるが。 - Kタイガー
- ゴーストベース最下層に一台だけ残されているクルマ。
全戦車で最も硬くて最も重いと言う、何とも分かりやすい性能の重戦車。
バランスだけを見ればレッドウルフのが優秀なのだが、その浪漫溢るる性能に魅せられる愛用者は少なくない。
自慢の最大防御力500を活かしたメタルブレードによる突撃は無類の破壊力を誇る(通じない敵も中には居るが)。
とにかくあまりにも車体が重すぎるので、いっそS-E穴に何も装備しないと言うのも一手。
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