全体的に何とかしたほうがいいIXIONとは、ゆえぴこ氏による動画シリーズ。2023年3月から2023年6月までニコニコ動画に投稿された。全15話。作者によって付けられたシリーズ名は「ムネオハウス」。
概要
どうしようもないソフトウェアトーク劇場シリーズで知られるゆえぴこ氏による動画シリーズ。巨大な宇宙ステーションを舞台とするSFシティビルダー「IXION」のプレイ内容を複数の音声合成読み上げソフトと自作の3DCGのキャラクターを使用して再現する、ソフトウェアトークのゲーム実況の中で「遊劇場」と言われるジャンルにあたる。元々は同じくゆえぴこ氏が展開する全体的に何とかしたほうがいいシリーズで投稿された実況動画で、その時は小春六花とフィーちゃんの立ち絵が使われていた。しかし太陽系から抜け出したタイミングで自作の3Dモデルによるドラマパートが追加され、「ムネオハウス」として元のシリーズから独立して投稿が開始された(第1話のコメントによると「こういうのも作りたいなと思って,遊劇場作ってみました。」とのこと)。その為プロローグから太陽系までのストーリーは第1話冒頭であらすじとして触れられる程度になっている。
ゆえぴこ氏が複数展開するシリーズの中でも特にギャグやパロディネタなどのぶっ飛んだセリフが多い全体的に何とかしたほうがいいシリーズで始まった動画であるためか、指示を出すゲームパートとその結果を再現するドラマパートの落差は凄まじいことになっている。またゲームパートでのうっかりミスがドラマパートのシリアスシーンに繋がったり、シリーズロゴや主人公たちの装いが他のゲームのコスチュームそっくりであるなど視聴者にしか見えない笑いどころも多い。物語後半に行くにしたがって動画中でシリアスが占める割合が増加していき、最終話付近ではゲームパートになってもキャラクターのテンションが切り替わらないなど完全にSFドラマになった。
元々シティビルダーゲームであるIXIONには主人公含め名前がついているようなキャラクターがいないため、作者により殆どの主要キャラクターの3Dモデルが制作されている。以前からどうしようもないソフトウェアトーク劇場において3Dモデルは登場していたが、主人公のフィーちゃんと小春六花はリメイクされ、古くから登場していた春日部つむぎ、冥鳴ひまり、ずんだもん等は登場せず、代わりにオリジナルのキャラクターにCoeFont.cloudからボイスを当てる方式になった。この時制作されたモデルは本家どうしようもないソフトウェアトーク劇場に脇役として担当ボイス共々出演するようになった他、遊劇場ジャンルの次回作である「全体的に何とかなるSuzerain」にもゲーム内キャラクターを担当する形で続投している。
多数の3Dモデルが登場する群像劇にもかかわらず第1話の投稿からほぼ1週間程度の期間で投稿が継続していた。完結直前の2023年5月からはyoutubeにも投稿が始まり、完結後にはドラマパートのみを収録した動画が「総集編」と銘打たれて発表されている。
あらすじ
宇宙開発企業DOLOSは、地球が生態系崩壊の危機に瀕する中
人類の新たな故郷を見つけるためー
超光速航行を可能とするVOHLEエンジンを搭載した宇宙ステーション“ムネオハウス”を建造していたしかし、月面軌道で行われた、最初のVOHLEジャンプで月が崩壊…
地球環境は致命的となり、人類は帰る故郷を失ってしまう最期の人類となったムネオハウスのクルーたちは
太陽系内から資源を調達しー
DOLOSが残した次世代エンジン“IXION”を木星基地から発見しサルベージに成功するVOHLEジャンプの座標計算に必要なタキオン計算機が失われた今ー
ムネオハウスは、DOLOSが最後に送り出した人類の箱舟“プロタゴラス”の後を追って、太陽系を旅立つことになる第1話冒頭より
登場人物
ムネオハウス司令部
- フィーちゃん
- 演 - CeVIO AI フィーちゃん
- 今作の主人公。宇宙ステーションムネオハウスの管理者の1人。
- こはるりと共にムネオハウスの管理者としてステーションを指揮し、太陽系から人類が移住可能な惑星レムスを目指す。管理者の役割としてはステーションの行く先や化学船の派遣など全体の方針に関する意思決定を担当する。
- 動画パートではシリアスと突っ込みを担当。ゲームパートではこはるりの挨拶に続いて「フィーちゃんもいるよ」と言うのがお約束で、ドラマパート以上にボケ倒すこはるりに鋭い突っ込みを入れている。
- こはるり
- 演 - CeVIO AI 小春六花
- 今作の主人公。宇宙ステーションムネオハウスの管理者の1人。
- フィーちゃんと共にムネオハウスの管理者としてステーションを指揮する。主な担当はステーションの建造、修理関係や化学船からの資源サルベージなど。
- プロタゴラスからユリとシズクが加わってからはエッデンのもたらす情報に違和感を覚えるようになっていき、エッデンが自分たちに不利益な行動をとらせようとしているのではないかと疑うようになった。目標とするレムスが旅の失敗の原因になる事を知ってからはユリと手を組んでエッデンを出し抜き第2の選択肢であるロームルスの位置を掴み、ピラネシの撃退とロームルスへの入植を成功させた。
- ゲームパートではゆえぴこ氏のシリーズの代名詞となった「ゾス!小春六花です!」の掛け声とともに登場し、パロディから時事ネタまで織り交ぜた実況を展開しフィーちゃんから突っ込まれたりしている。
- 自分の素性を明らかにする前のユリからは一度失敗した管理者として敵意にも似た感情を抱かれていた。
- マキコ先生
- 演 - AIあけさと -淡々-(CoeFont.cloud)
- 第3話から登場。
- ムネオハウスの船医兼化学委員。航海序盤は船内に蔓延した地球病の対処に追われ、ユリが乗船して来て以降はシズクがスコープチームに所属になったため、喋ろうとしないユリの世話兼監視役として共に行動することが多くなった。
- 後に自分の秘密を明かしたユリからロームルスについて聞かされ協力を要請される。物語後半はピラネシへの対処やロームルスへの植民に向けて殆どムネオハウス首脳部と行動を共にしていた。
- ユリ
- 演 - 白寝ねんね(CoeFont.cloud)(第4話)、ろさちゃん-soft-v2[最高精度](CoeFont.cloud)(第12話~第13話)
- 第4話から登場。
- ムネオハウスがプロタゴラスに接触した際に保護者だったシズクと共にムネオハウスに移乗してきた。
- 幼い少女であるにもかかわらず高い技術や知識を持ち、マキコから監視を受けつつエッデンにアクセスする許可をこはるりから受け、以降は化学委員として活動する。
- プロタゴラスが地球を後にした後に生まれ、地球の事を知らない筈にもかかわらず地球とともに失われた技術を知っているなど、多くの謎を持つ。
- 登場してから一言も言葉を発さずにいた為何かの要因で失語症になったと思われてきたが、フーコーチームがムネオハウスの残骸を発見した所で自分が未来のムネオハウスから来たことを明かした。
スコープチーム
- ネネ
- 演 - 四方ひらり【2.0】(楽)(CoeFont.cloud)
- 第2話から登場。
- ムネオハウスの探査化学船チーム「スコープチーム」のリーダー。フィーちゃんたちの指示を受け星系内の様々な星に赴き資源やレムスに繋がる手掛かりを探す。
- 長い宇宙生活のせいなのか、探査予定の星に水があると聞いただけで碌に説明を聞かずに水着や浮き輪を用意するほど。
- 実はプロタゴラスと接触した時点でユリがレムスにたどり着いたムネオハウスから来た事を聞いていて、その時ユウバリと自分がいなかったことを知った。
- 「たとえ途中で脱落することになっても最後まで共に歩みたい」とユウバリと別れてムネオハウスに帰還したが、ムネオハウスの旅が終わりに近づくにつれ自分の死を前提とする行動をとるようになってしまい、ユキからは大いに心配されることになってしまった。
- ユキ
- 演 - 村田川こまち【楽】(CoeFont.cloud)
- 第2話から登場。
- おかっぱ頭で楽観的な性格が特徴のスコープチームの1人。
- 地球にいた時は生物学をかじっていた。命の危険がある状況でも軽口を叩くなど度胸もある、チームのムードメーカー。
- 物語序盤は地球病に苦しんだこともあったが、シズクが合流して来てからは先輩格となったからかそうした描写は無くなった。
- 残骸として見つかった未来のムネオハウスではシズクと共に最後まで戦い抜き、ユキを過去のプロタゴラスへ送り出すことに成功した。
- プロタゴラスでユリの情報を共有した際離席していた為[1]チームで唯一事情を知らずにいたが、ネネが負傷したことでシズクから情報を得てネネに「私を理由にするな」と告げた。
- ユウバリ
- 演 - ピコ=ロジカル-Default-(CoeFont.cloud)
- 第2話から登場。
- おさげ髪特徴のスコープチームの1人。
- プロタゴラスの長老からDOLOSの冷凍プロトコルの欠陥について聞かされ事がきっかけでDOLOSへの不信感が芽生え、ムネオハウスからDOLOSの思惑から外れて自由に生きられるプロタゴラスへの残留を決めた。ムネオハウスにはネネから任務中に行方不明になったと報告されている。
- 実はプロタゴラスに接触した時シズクから情報を共有され旅を続けた先に自身が死ぬことを知ってしまい、これがプロタゴラスに残った直接的な理由だったことが明らかにされた。
- シズク
- 演 - ピコ=ロジカル-Default-(CoeFont.cloud)
- 第4話から登場。元々はプロタゴラスの化学委員を務めていた。専門は物理学。
- ムネオハウスがプロタゴラスに接触した際に保護者として面倒を見ていたユリと共にムネオハウスに移乗してきた。
- こはるりからユリについての尋問を受けた後、欠員の出たスコープチームに加わった。
- 化学委員であったためか他のメンバーと比べると専門性に長け、代わりに荒事を苦手としている。
- プロタゴラスにムネオハウスが接触する前からユリから未来のことを聞いており、自分がスコープチームに加わることも前もって知っていた。未来のムネオハウスではユキと共にユリを過去のプロタゴラスに送り出した。
フーコーチーム
- リーダー
- 演 - 浅木式【地声】(CoeFont.cloud)
- 第6話に登場。ムネオハウスの探査化学船チーム「フーコーチーム」のリーダー。
- 星系全体に散らばるエテメナンキの残骸を改修する為、スコープチームと共に召集された。スコープチームと共に作戦を遂行するのはムネオハウスが太陽系にあった時以来。
- エテメナンキの残骸の調査中、生物兵器ZY6073に同化され、部下共々死亡した。
- 補充された2代目のフーコーチームには調査中の怪我で療養中だと説明されている。
- リコ
- 演 - さいかわボイス(CoeFont.cloud)
- 第7話から登場。ZY6073により全滅したフーコーチームにリーダーとして選抜された。
- 第9話では惑星の調査中に遭遇した細菌生物をムネオハウスに持ち込もうとする大騒動を起こした。
- 第12話ではムネオハウスの残骸を発見してしまったことに対して「私たちは見てはいけない物を見てしまったのかもしれない」と言ってムネオハウスに帰還できてホッとしていた。
- 休止中のピラネシからレムスの座標データをムネオハウスに転送する任務に就いていた際に突如としてピラネシが再起動し、チハルと共に閉じ込められて死亡した。
- チハル
- 演 - 白寝ねんね(CoeFont.cloud)
- 第7話から登場。全滅したフーコーチームの後任としてリコと共に選抜された。
- 調査チームでは一番の後輩であるものの、惑星調査ではほぼ必ず何らかの成果を上げるなどリコ共々優秀な隊員。
- レムスにたどり着いた後はずっと昼寝をして過ごしたいと考えていた。
その他の登場人物
- ムネオ先生
- 演 - VOICEPEAK フリモメン
- プロローグに登場。シリーズ開始前の太陽系で起きた出来事をナレーターとして語っていた所にフィーちゃんからムネオ先生と呼びかけられたことで名前が判明した正体不明の人物。
- 貨物船のP.A.
- 演 - 伊倉まや(おとなしめ)(CoeFont.cloud)
- 第2話に登場。プロタゴラスの船団に属する貨物船の人工知能。
- 救難信号を掴んだムネオハウスにプロタゴラスがエテメナンキに襲われたことを伝えた。
- プロタゴラスの長老
- 演 - といろん(CoeFont.cloud)
- 第4話に登場。エテメナンキに襲撃されたプロタゴラスの責任者。
- プロタゴラスは内部工作による扇動で内部分裂が起きたと推測されており、ムネオハウス首脳部は危険人物だと考えていた。
- アゴラ
- 演 - 音暖ののん -囁き-(CoeFont.cloud)
- 第14話から登場。
- アシュタンガイト植民団の3代目責任者にして惑星レムスの最高権力者。エルフのような姿をした人物。
- 入植の為に惑星環境を変えることを認めず、辿り着いたムネオハウスにも遺伝子組み換えによる惑星への順応を条件として提示した。
用語
- ムネオハウス
- 地球以外の人類の生息圏を探す為に宇宙開発企業DOLOSが建造した巨大な宇宙ステーション。
- 広大な宇宙を旅するために超光速航行が出来るVOHLEエンジンを搭載するなど近未来のオーバーテクノロジーで作られている。
- 主人公たちを最終目的地まで運んだ後、艦内に大量のバッテリーを抱えたまま追ってきたピラネシに向かって特攻し自爆した。
- DOLOS
- ムネオハウスを始めとする宇宙探索船を数多く建造した宇宙開発企業。主人公達を始めとするムネオハウスのクルーもこの企業に属する。エンブレムは何故か北海道があしらわれている。
- 作中に登場するDOLOSのロゴや制服は名前が似ているからかよく似た別の企業に酷似しているが、それに関しては作中で触れられることは無かった。
- 正蔵
- 演 - 無料3Dモデル - ポーズドFree 3D model - 049_Ken(アトリエブラウン)
- 第2話から登場。こはるりが逼迫していた艦内の資源を勝手に使って建造した謎の像。
- 正体不明にもかかわらずメインキャラクターと同じ扱いをされるばかりか脈絡なく何度も登場してフィーちゃんに壊せと何度も怒られていた。
- 視聴者からはシリーズの看板キャラクターとして大いに親しまれ、オチに登場するたびにコメントが大量に書き込まれた。
- 後に同作者のどうしようもないソフトウェアトーク劇場シリーズや、遊劇場シリーズ第3弾となる「ハコワールド」にも登場する。
- ちなみに3Dモデルの名前は「Ken」であり、正蔵ではない。
動画クレジット
- 原作:Bulwark Studios「IXION」
- 3DCG:Globacore、Triplebrick、Dmitriy Dryzhak、Vattalus Assets、CGY(Yemelyan K.)、CGPitbull
- アニメーション:RamsterZ、AAAnimators
- 3DCG制御:Flmpossible Creations
- 特殊効果:Kronnect
- 音楽:Audiostock
- キャラクター音声:VOICEPEAK、CeVIO AI、CoeFont.cloud、音読さん
- 動画制作:Unity
メインテーマ
各話リスト
話数 | 動画 | サブタイトル | パート | 備考 |
---|---|---|---|---|
01 | 「エテメナンキ」 | セタ星系編 | ||
02 | 「未確認貨物船」 | |||
03 | 「プロタゴラス」 | |||
04 | 「長老たち」 | |||
05 | 「残骸」 | |||
06 | 「ZY6073」 | エテメナンキ編 | ||
07 | 「ピラネシ」 | |||
08 | 「アシュタンガイト」 | |||
09 | 「善意の悪魔」 | |||
10 | 「フリーマン」 | ピラネシ編 | ||
11 | 「フラウス・タキオン」 | |||
12 | 「ジョバンニ・バティスタ」 | |||
13 | 「利己的な遺伝子」 | |||
14 | 「コッチニオイデ」 | レムス編 | ||
15 | 「さよなら」 | 本編最終回 |
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関連項目
脚注
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