ニコニコ大百科

現実ではありえない、ファンタジー世界特有の法則を考えるのって意外と難しいけど楽しいよな
こっちの世界じゃ○○したらこうなるけど、あっちではどうなるの？
それが△△になるのはどういう現象なの？
そういうちょっとした疑問をさ、この世界の常識には頼らずに組み立てていくんだ

ただ「〇〇して△△になるわけないだろｗｗｗ」と頭ごなしに否定するよりもさ、それが成立する法則を考えてこそファンタジー世界って輝くと思うんだよ

現実は絶対の正解があって、現実世界も理路整然とした法則があるからオタクは減点方式ばかりして評価するが、ファンタジーは作者や創作サークルが世界の神だから加点方式で評価されやすいのが楽しい　お出しされたルールを学び世界に順応する楽しみがある

まぁ煮詰まりだすと声のでかいオタクが「ＳＦとは〜ファンタジーとは〜」みたいな独自解釈ルールを押し付けだす警察なんかが蔓延りだし衰退するリスクもあるが

現実も現実で不可知論の支持、法則の不支持が広まってるし、減点方式が多数派ってのも疑わしいけどね。

とはいえSF論等への反発の結果、今ではSF=「ファンタジーの一種」ってのが多数派になったのは実感する。

フィクションの世界は作品と読者とが共同で作り上げる空間だから、読者が「どうでもいい」と思った部分については答えが存在しない　これが現実世界との大きな違い
読者は語られない部分については「一方で」と考えることができる

「ライフストリームというエネルギーが地球に流れてたらどうなる？」→「セフィロスに翼が生える」における「→」は「だから」でも「しかし」でもなく、「一方で」だ
この「一方で」の領域はSFを含むあらゆるファンタジーに存在する

良質な作品において、「どうでもいい」「一方で」と思えなかった部分はすべて「だから」がなければならない
「しかし」があったら「なぜなら」がないといけない
そして読書経験に占める「だから」「なぜなら」と読者が考える割合が多ければ多いほど、そのファンタジーはSF的になり、それに実現の可能性があればあるほど、また新規性があればあるほど、SFに近づく

ファンタジーだから｢何をやってもいい｣って考えの奴がたまに居るけど、やっぱある程度設定がしっかり決まってた方が面白いと思うんだよ。露伴先生もリアリティが重要だって言ってたしな

何でもありなファンタジーですら出来ない事をひとつでも用意しなきゃ上手く話を作れないっていう世知辛い現実

>>273
学界レベルだと不可知論は結構人気だけど、SNSは討議的民主主義の世界なので不利みたいだ
不可知論の研究者ですがと発言すると、科学的根拠なしに専門家を名乗るなと論破厨が群がって炎上する

ファンタジーなら、ファンタジーに科学理論持ち込むんじゃねえという反論が結構有効だけどな
だがやはり反不可知論の風潮に乗っかって、科学で説明できないファンタジーなんて認めねえという過激派がそこそこいる

ハイファンタジーに自然科学・社会科学的な考証をする上で事前に提示して欲しい二つのこと

1. どこまでが「確定の効果」でどこからが「確定度の弱い効果」なのか
→火の玉を出して操る呪文は唱えれば火の玉が出ることが確定している(確定の効果)が、唱えるタイミングや火の玉の用途(確定度の弱い効果)までは指定されていない。科学的に扱える(読者がフェアに予想できる)のは後者な筈であり、前者は作者が自分勝手に決めている(理由を後付けすることもできるが、それにしてもまだ確定度は弱いはず)ので科学的に扱うべきではない

2. 扱うのはどういうファンタジー作品なのか
世界観として、指輪物語に古典特撮映画のビジュアルを切り貼りしてTRPGやCRPG風にしたものなのか、ライトノベルや漫画の要素があるのか、MMORPG風のなろう小説なのか。
モチーフとして、ハリポタやドラクエのパロディなのか、絵本や児童文学風なのか、ローラシア系神話風なのか、実際の近現代や近世や中世や古代の特定の土地をモデルにするのか。機械や西洋以外の要素はあるのか。

1.は異世界がそもそも反粒子で構成されていないハビタブルゾーンかつ人が呼吸して喋れる世界で、知的生命体が存在して人と同じ言語体系を持っている(そして多くは現代人も生活しやすい)ということ自体が奇跡なので、その前提を作者が勝手に決めた上で細かい世界観だけを謎にしておく理由づけが欲しい
2.は異世界のイメージが個人個人で異なるので「異世界によくあるこの部分おかしくね?」と言われても「俺の異世界はそうじゃないから…」と前提から共感できない

ファンタジーとメルヘンの境目として
「メルヘンはいきなり動物が喋り出してもいいが、ファンタジーは人間が魔法の指輪を持っているとか、動物が姿を変えられた人間であるなどの理由付けが必要」というのを見てなるほどとは思った。
でもこれでも分類しきれないケースはたくさんありそうだよなぁ。

理由は書いたり確定しなくてもいいが、読者や作者が知らなくても理由は存在するはず…という前提があるのがファンタジー
ただ書いた時の"つもり"と実際書かれた描写と読まれ方は互いに拘束力が弱いし、書いてる間にも変化するから、個々の作品を絶対的に分別できる類いの基準ではない

メルヘンは説話とかの現実に訴える要素が必要不可欠なんで、それ以外の部分は雑でも言いたいこと伝わりゃ調理方法問わないってのが持論だわ

「神や自然法則といった何か巨大なものに身を委ねる、個人の解釈が無意味なモノとしてのファンタジー」と、「純粋経験の果てにある、個々人がそれぞれの解釈を持つモノとしてのファンタジー」というのがある筈で、
純粋なファンタジーとやらを標榜した作品はしばしばこれら二つを混ぜてしまっているからテーマがあやふやになっている
前者は寧ろ実現の可能性が無い点を除けば科学に近いもので異世界ファンタジーに向いたものな筈だ

ただその異世界は魔力やオークや治癒魔法といった独自の用語や類型化され共有された概念を扱う外的なもので、精霊の守り人やデルトラクエストやなんかといったその作品内のオリジナル設定の割合の多いものと比べると確かに特殊な感は否めないが

今、なんか話題になってるフリーレンのハンバーグ呼称問題はどう思う?
「ハンブルグ地方がない異世界の話なのにハンバーグなんて名前はおかしい」という事だけど
オリジナル名称つけても「わかりにくいしハンバーグでいいだろ…」って文句言う勢いると思うんよね
中には「ファンタジー世界にハンバーグ自体出すな」ってのもいるかもしれんけど
ひき肉丸めて焼くなんて料理法は別に異世界でも存在してそうだし

そんなん「ハンブルグさんが作ったからハンブルグ→訛ってハンバーグに」とかいくらでも理由はつけられる

>>283
異世界人が日本語喋っている時点で「ああ現地語を日本語に訳しているんだな」とわかるんだから、
向こうの世界の「ひき肉を丸めて焼いた料理」のことを「ハンバーグ」と訳しているだけのことでしょ
もちろん向こうの世界には「ひき肉を丸めて焼いた料理」を表現する単語があるんだろうけど、それを最も端的に訳せる日本語が「ハンバーグ」なんだから別に考察するほどのことでもない

現実の他国の諺訳す時にどうしてるか考えたらわかるでしょうに

どこかで見たか忘れたが「サツマイモのトウガラシがハンバーグでサンドイッチ」という揶揄を思い出す。

>>283
ベイブレードや味ぽんはいいのかよ。
としかいいようがないよ。

一つの名詞を指摘したら全部修正しなきゃ違和感が出る。それも面倒だろ。
そもそも大抵の技術とかは、何かの技術の偶然の産物が多いし、ファンタジーの作品ひとつ作るたびにその偶然があったと明記しなきゃならんか？　ってなる。「俺の世界ではあるんだよ」でいいな

>>289
なんかそういうのを避けようとストーリーノート作る人はいるらしいけど。壮大になりすぎてるのかプロローグすらまだ見せてもらえてない

十二国記だったかな、「県令」という概念が主人公の語彙の中になかったから、「県知事」と訳されるっていう展開があってあれは上手いと思った

十二国記の昇仙による自動翻訳能力獲得は便利だよな
日本語しか使えないまま異世界に行っても、自在に意思疎通できる

>>288
ガワだけ借りた公式二次創作にまでイチャモン付けるのはさすがにあたおかが過ぎるわ

スターウォーズとかSFだから機械とか出てくるけど、宇宙人というのかは知らないけど亜人種とかフォースとかいう魔法みたいな力とかも普通に出てくるから、ファンタジーに該当するよなと思う

SFと(狭義の)ファンタジーの本質的な違いはある種のフェアネスに関わる要素(トリックのタネとして前振りなく出しても不親切だと受け取られないようなもの)が本に依存しない真理(科学や論理といったもの)を参照するのか、それとも本で示された/示される論理を参照するのかという違いであり、異世界ファンタジーは両者の中間に位置する

SFってそもそも近未来ファンタジーの世界観で作った特殊設定ミステリみたいなもんだし、フェアかどうかで揉めるのもそれが原因ってだけでしょ

>>294
スペースオペラという便利な言葉がある
SF要素をガジェット、物語上の小道具として使ってるだけなので一緒に何を出そうが騎士道や西部劇、武道のような古めかしいモチーフを取ろうが整合性に多少の難があろうが魅力的な世界観構築には差し支えない

実際スターウォーズはサイエンス・フィクションというより「未来ファンタジー」とか「宇宙ファンタジー」と呼んだ方が正確だと思う
でもそれは超能力が出てくるからというより、物理法則や科学への配慮や関心が無いからだと思うんだよな(念のため書いておくと、だから悪いと言いたいわけではない)
「遠い昔、遥か彼方の銀河系で…」と過去形で始まるフォーマットもファンタジーのお作法だし

SFは現実世界と違う物に対して何故違うかどう繋がっているか説明する気がある
ワープ航法を持つ宇宙船が出るなら特に説明がなければ我々の世界レベルの宇宙船から技術が発展して生まれたという前提に立つ
もし後の時代に現実的に無理と判明しても製作当時の仮説まで戻って下さい、で済む
常人では考えられない威力の斬撃も、フォースとかライトセーバーとか肉体改造とか遠い惑星の生物とかで理屈を付けて、地球ではまだそれらが見つかっていないだけで（異宇宙であると強調しない場合は）同じ宇宙同じ物理法則の元存在し得る体で話が作られる
ファンタジーなら存在します、で興味がなければ終わる（興味があるとドンドン細かく説明されてSFと境い目がなくなる）
宇宙で声が伝わる描写があればどんな法則が異なっているのか、その影響は劇中にどう関わって来るのかとかいつでも考えられる
でも実際のスターウォーズファンが全ての設定を気にしてるかと言うとそうでもないだろう
歴史上の人物や場所が出て来る時代劇や神話みたいな物かもしれない

ファンタジーの二つのパラメータ
①虚構性
読者の感じる現前性(=(実現可能性)×(恐怖度))の低い部分の、設定全体に占める割合。
②曖昧性
作品内の記号が読者の知る何かと結びついている度合い。

1. <-虚構性><-曖昧性>
伝奇ホラーやSFが該当。

2. <+虚構性><-曖昧性>
異世界ファンタジーや異能バトルモノが該当。

3. <+虚構性><+曖昧性>
絵本や前衛小説が該当。