勝算アリーヴォ(Arrivo)とは、令和の小倉マイスター2018年生まれの日本の競走馬(牡・鹿毛)である。名前の由来はイタリア語で「到達する(父親からの連想)」。
父ドゥラメンテ、母*エスメラルディーナ、母父Harlan's Holidayという血統。
父はクラシック2冠を達成しながらも故障に泣いた未完の大器で、その初年度産駒にあたる。
母は交流GⅡの関東オークスなどダートを中心に4勝を挙げた馬でその第2仔にあたる。
母父ハーランズホリデーは2002年フロリダダービーなど米GⅠ3勝。産駒に2019年から3年連続北米リーディングサイアーのイントゥミスチーフがいる。日本での母父としての主な産駒はモズベッロ。
2018年5月17日、ノーザンファームで誕生。募集価格は一口6.4万円×500口(=3200万円)だった。
母がダート馬だったこともあってか、2歳10月に中京ダート1800mでデビュー。7番人気と評価もそれほど高くなく、出遅れると終始後方のまま11着に惨敗。続く未勝利戦は阪神の芝2000mを使うが3着に敗退。
年が明けて3歳、続く3戦目は小倉競馬場の芝1800m戦。アリーヴォはまたしても出遅れるが、直線入り口で外から並びかけると楽々と突き放して2馬身差の完勝。未勝利を脱出する。しかしその後は新潟と阪神で芝2000mの1勝クラスを2着、3着と惜しい内容。その間に春クラシックは終わってしまった。
夏になり、本馬は再び小倉競馬場に参戦。まず7月3日の国東特別(1勝クラス・芝2000m)を4コーナーで外から捲ってカレンルシェルブルの追撃を凌いで押し切り勝ち。
続いて8月14日の柳川特別(2勝クラス・芝2000m)では大雨の超不良馬場の中、直線で馬群を割って追い込みラストヌードルと1着同着ながら2連勝を飾る。
夏の上がり馬として期待されると同時に、3勝全部が小倉のため「小倉巧者」としても着目され始める。
秋に向けて放牧に出された矢先、悲報が舞い込んでくる。父ドゥラメンテが9歳の若さで急死。種牡馬としても順調なスタートを切った矢先の出来事であった。
弔い星をあげることを期待された本馬はトライアルを使わずGⅠ菊花賞へと直行。春のクラシック馬2頭がいない混戦模様とはいえ、あくまで条件馬でしかない本馬は11番人気に留まる。低評価を覆したいところだったが、残念ながら特に見せ場はないまま7着に終わる。逃げて圧勝したのは同じくドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーであった。
年内は休養し、明けて4歳となった2022年、本馬は三度小倉競馬に参上。自己条件に戻った1月の壇之浦ステークス(3勝クラス・芝1800m)ではきっちりと差し切ってオープン入りを果たす。
そして小倉競馬場冬の一大レース、小倉大賞典(GⅢ)に参戦。54kgの軽ハンデということもあり、単勝4.4倍ながら1番人気に支持される。そしてレースも大外から堂々と差し切って見せ、見事重賞を制覇して見せた。ドゥラメンテ産駒としてはタイトルホルダーに次いで2頭目の重賞制覇である。そして小倉では5戦5勝(他場では5戦0勝)、小倉の王としての評価もいよいよ固まった。
小倉開催も終わって春のGⅠ戦線、本馬は鞍上に武豊を迎えて大阪杯に狙いを定める。ここには同期にして前年の年度代表馬エフフォーリアがいた。そのほかにも4連勝で金鯱賞を制したジャックドール、前年覇者レイパパレ、エリザベス女王杯覇者アカイイトら錚々たる面子が揃った。前評判はエフフォーリアとジャックドールの2強対決ムードで、アリーヴォは7番人気……と言えばまずまずの人気に見えるが、単勝は47.5倍。勝ち負けは厳しいという感じの評価であった。
レース開始後、本馬は中団でエフフォーリアをマークして進める。しかし第3コーナー、エフフォーリアの手応えが良くない。それを見て取った武豊は馬群を縫って進出開始。直線半ばでジャックドールが捕まり先頭はレイパパレ、それを追うはポタジェ、さらにそれを追う脚色で追い詰めるアリーヴォ!! 武豊が今年もGⅠを取ったか!!
……しかしもうひと伸びが届かず、ポタジェにクビ-ハナ差の3着。小倉以外での初勝利はならず。それでも大健闘といっていい成績である。武豊も「このメンバーでもやれる馬です」と手応えを感じたコメント。なおポタジェが8番人気であったことも手伝い、3連複50,990円、3連単537,590円というなかなかの高額馬券となった。
大阪杯の好走に自信を深めた陣営は、次走に春のグランプリ宝塚記念を選択。鞍上は武豊が続投した。
この年のグランプリはいつにもまして面子がそろっていた。何しろGⅠ馬だけでもエフフォーリア、天皇賞馬になったタイトルホルダー、同厩の無敗三冠牝馬デアリングタクト、ポタジェ、世界のパンサラッサの5頭。そのほかにもディープボンド、オーソリティ、ヒシイグアス、ステイフーリッシュ、メロディーレーンら実力派から個性派まで錚々たる18頭。そんな中でも前走が評価されて7番人気、単勝オッズも12.0倍と充分勝ち負けが期待できるという評価に推される。岡安譲アナ曰く「勝算アリーヴォ」。
レース開始後、本馬は最後方に位置取った。…いや、取らざるを得なかった。というのもパンサラッサとタイトルホルダーがハナを争った結果、1000mは驚愕の57秒6!! そのあまりに速すぎる流れにアリーヴォはついていけず、直線で落ちてきた馬を拾うことしかできず14着惨敗。まさかのメロディーレーン(13着)以下である。武豊も「ついていくだけで精一杯でした」と、コースレコードの超ハイペースにすり潰された格好になった。
宝塚記念のレース後、診断で左前脚の軽度の球節炎が発覚し、ノーザンファームしがらきに放牧に出されることとなった。さらにその後、靱帯と屈腱の状態が芳しくなく、屈腱炎になるのを防ぐため休養と治療が続けられたが、あえなく2023年2月に右前浅屈腱炎を発症してしまう。
復帰を目指し調整が続けられたが、屈腱炎の症状悪化により2024年2月に引退が発表された。通算12戦5勝[5-1-3-3]。結局、小倉以外で勝利を挙げることは叶わなかった。
引退後は乗馬になるとのことで、残念ながらドゥラメンテ後継としての種牡馬入りはならず。乗馬としての第二の馬生が健やかであることを祈りたい。
ドゥラメンテ 2012 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
アドマイヤグルーヴ 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
エアグルーヴ | *トニービン | ||
ダイナカール | |||
*エスメラルディーナ 2011 鹿毛 FNo.3-l |
Harlan's Holiday 1999 鹿毛 |
Harlan | Storm Cat |
Country Romance | |||
Christmas in Aiken | Affirmed | ||
Dowager | |||
*ターシャズスター 2006 鹿毛 |
Spanish Steps | Unbridled | |
Trolley Song | |||
Ms. Cuvee Napa | Relaunch | ||
A Penny Is a Penny |
掲示板
11 ななしのよっしん
2023/02/19(日) 17:15:38 ID: WNYlOSvkKv
右前浅屈腱炎・・・ノーザンファーム空港で軽めの運動している言うが、このまま種牡馬入りも有り得るか?
(ドゥラメンテ産駒かつ重賞ウィナーだし、牝馬の制限もキンカメ孫以外なら問題ない。健闘しそう)
12 ななしのよっしん
2024/02/21(水) 20:14:51 ID: Kc8BfS+BCi
右前屈腱炎の症状が悪化したため引退とのこと。お疲れ様でした。
2022年小倉大賞典勝ち馬のアリーヴォが引退
https://
13 ななしのよっしん
2024/02/23(金) 23:02:15 ID: BUf+PiHbSW
G1戦線にも来れた馬でもひっそり引退迎えてしまうもんなんだなって…
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/20(月) 20:00
最終更新:2024/05/20(月) 20:00
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