玩具で世界征服とは、コロコロの漫画やいわゆる販促アニメではよくあることである。
概要
玩具で世界征服に使われるのは、こちらの世界の玩具に似た明らかにパワーアップされた別物の玩具である。そしてこれらを使って世界征服を企む悪の組織の人々は大真面目にハイテンションで羞恥心の欠片もなく玩具を使用し、作中内全てのキャラクターが一切つっこまない。ここから派生した物に「スポーツで世界征服」や「玩具で人類滅亡」などがある。
大真面目ぶった解説
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以下の記述には筆者の主観や偏った知識による独自研究が含まれています。 だからといってこのような研究が大学や研究所から発表されているかと言えば そんな前例はなく、今はこのようにまとめざるを得ませんでした。 「ドラえもん学」のような研究があるくらいなので、今後「玩具で世界征服学」のような 研究が行われ世に発表されるようになることを願ってこの版を執筆します。 |
この課題について論じるにあたって、まずは「ゲームセンターあらし」(1978~1983年、コロコロコミック他)について解説せねばなるまい。いわゆる玩具促進漫画の部類に入る漫画が、どう考えても現実に実行できない・原理説明そっちのけな秘技を連発し、それが魅力となり大変に人気が出た作品である。Wikipediaにも
『月刊コロコロコミック』が、『ドラえもん』を核とした雑誌から、現在の少年向け対決物路線に軸足を移していく道筋を付けた作品の一つである。
とさえ書かれているほどである。
「ゲームセンターあらし」によってファンタスティックすぎる技が確立されてその10年後に連載が始まった「爆走兄弟レッツ&ゴー!! 」(1994~1999年、コロコロコミック)では対戦相手のマシンを破壊する悪役が登場。ミニ四駆にトゲつきローラーを装備したり重みで相手のマシンを押しつぶす等、レギュレーション違反を平気でこなす姿はまさしく悪役そのものであり、それまでのいい子vsいい子の範疇に収まっていた玩具対決漫画に一石を投じたのである。
このような「ファンタスティックすぎる技」と「相手の玩具(※当然劇中では玩具とは表現しない。この場合、最高の呼び方は相棒である)を平気で破壊する悪の操作主」の存在が下地となり、現在では玩具を使って世界征服を企んでみたりする悪党が絶えず現れ続けるようになったのである。
困ったことに、世間的にこの2大イメージが先行してしまったために玩具漫画が例外なく世界征服物であると誤解を受けている節がある。字義通り解釈すれば、実際に玩具が世界征服に使用された例はほんのわずかにすぎない。意外かもしれないが、「玩具の研究成果を利用して世界征服」という間接的に利用した例のほうが多いのである。まぁそれを”玩具で世界征服”に含めてもいいんじゃね?という反論はあるかもしれないが…。先述の「爆走兄弟レッツ&ゴー!! 」に登場した大神博士は今の多くの20代が印象に留めているキャラだが、彼の目的はあくまでバトルレース至上主義の主張であり世界征服は目論んでいない(それはそれで大の大人としてどうかという気もしないではないが、とにかく世界征服とは関係ない)。
ちなみに、レッツ&ゴーの少し前である1992年~1994年7月(この月はちょうどレッツ&ゴーの開始月なので入れ替わりということになる)にかけて連載されていたバーコードファイターという漫画では、明確に世界征服を目論んだ悪役が登場する。正確にはバーコードバトラーというバーコードを読み込む玩具の技術であるバーコードをベースにしているため「玩具にも利用されている民生技術」なので上記の広義寄りの例だが。
本作の悪の科学者枠である草鴫令法(くさしぎりょうぶ)は、バーコード技術が古代超技術文明にも存在し(メダロットの一部のような設定)、そのレベルは「生きた人間すらバーコード化して情報体として管理可能」なものであることを知っており、その技術を復活、現代に広めることで人類どころかその他の生態系すら含めてコントロールする存在になる、という意味で「おれこそが未来の地球王なのさ」とまで発言している。
この草鴫、時期的にはバーコードファイター終盤(打ち切り9か月前)に6ヶ月ほど出てくる悪役で、「今月の悪役」とコメントされたゲームセンターあらしのドクロ大帝くらいのポジと言えるかもしれない。しかも打ち切り漫画のキャラなので、大神博士ほどの影響力はないだろう。だが、大神博士よりは前に出てくる地球征服おじさんであることは間違いない。彼のようなキャラが出てくるもとになったその他のホビーやスポーツものの黒幕(プロゴルファー猿のミスターXとか)を考えると、ホビーあるあるの悪の博士オリジン自体は大神博士のイメージよりは古くから実在したと言っても的外れではないだろう。どっちかというと、大神博士は有名キャラなだけにそれ以前に出て来た(丁度時期の近い草鴫のような輩の)キャラクターの風評被害や混同を受けた博士枠と言えるのかも知れない。
ごくまれに、メダロット(異星人との交流)やエンジェリックレイヤー(義肢の開発)など、ポジティブな目的を持って玩具が展開されることがあるが、そういったものであっても一部のキャラによって悪用される運命にある。そうじゃなきゃ漫画が盛り上がらないし…。
玩具を利用して悪事を働いた人々
- 大神博士(爆走兄弟レッツ&ゴー!!)
大神学園の理事長でありミニ四駆研究の第一人者。ライバルカーの破壊をメインとするバトルレーシングの親玉であり、大神軍団のカイ達に戦闘用ミニ四駆を与えた。
純粋なレースを楽しみたい主人公達と真っ向から対立した経歴を持つ、立派な悪役である。が、世界征服を目論んではいない。っていうか世間的にどういう立場の人間なのか謎(原作はともかく、アニメでの目標はミニ四駆シェアの独占っぽいが…)。
ミニ四駆研究は趣味なのか仕事なのかすら不明。
彼の提供するバトルマシンは、「マシンを貫くぶっとい針を発射」「マシンを真っ二つにする空気のナイフを放つ」「重さでマシンを轢き潰す」「マシンから火炎放射」など、もうミニ四駆どころか人を殺せるレベルの代物ばかりである。
スキンヘッドに某サイヤ人のアレっぽいやつのおかげで見た目のインパクト抜群な人。 - プロフェッサー・ボルゾイ(爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX)
バトルレース大好きジジイ。ミニ四駆研究の結果を宇宙開発へ応用し、宇宙経済を独占しようとした。世界征服を企んだと言えなくもないが、一体ミニ四駆の研究がどのように宇宙開発へ応用できるのかは不明(ただしアニメでは超物質「MGストーン」を用いた重力のコントロールに成功していた…逆にそれがミニ四駆の研究とどう関係(ry。
バトルレーサー育成施設、ボルゾイスクールはカムフラージュのためという説もあり、最終的にその建物であったボルゾイタワーには軌道エレベーターが接続され、衛星軌道上でのレースが行われた。 - ザガート(爆転シュート ベイブレード)
闇のベイブレード開発者。ベイブレードのビットチップに宿る聖獣の力に目をつけ、四聖獣を利用して故人となっていた息子を蘇生させようとしていた。
四聖獣の力を集めるために聖封士(セント・シールズ)を組織し、次々と破壊バトルを仕掛けさせた。
頻出するファンタスティック技を聖獣の力と位置づけることで違和感を取り除くことに成功した作品の一つ。 - 不亞ザキラ(デュエル・マスターズ)
闇組織「ガルド」を率いてデュエリストの抹殺を進める男。ラスボス特権なのか使用カードがガチ環境に入ることが多い。 - ペガサス・J・クロフォード(遊戯王)
カードゲーム「マジック&ウィザーズ」(後の遊戯王OCG)を生み出したゲームデザイナー。古代エジプトの石版画に触発されてカードを作ってみたら大流行したが、調子に乗って古代の儀式をカードに再現したところ、決闘者にリアルダメージを与え再起不能に陥れる「三幻神」(神のカード)を作り出してしまう。彼に世界征服の意志は無く、むしろ神のカードを自ら葬ろうとしたが失敗している。 - また、公式ファンブックにて、絵の才能をエジプトのオーパーツ・千年アイテムに付け込まれ、上記のものを作るよう半ば操られていたとされる文章も記載されている。
- 草鴫令法(くさしぎりょうぶ)(バーコードファイター) 古代バーコード文明の技術を用いて地球の人類と生態系の掌握を企む男。方法論的には蛮野天十郎の先達と言えばいいか。性格は残忍で下衆。彼の操るバーコードの効果には肉体の改変能力があるのだが、それを自分の強化に用いるだけではない。作中ではある子供の声を人質にその弟妹を含め3人を他の子供のバーコードを勝負で強奪させる強盗犯的な鉄砲玉に仕立て、バーコードが集まり声を返すかと思えば精神改変バーコードで声を奪った子供の精神を凶悪な戦闘要員に書き換えながら高笑い、最後には妹に「バーコードを渡せば兄を戻してやる」と言うが結局バーコードだけ奪って戻さずどこかへ逃亡、戻った理由は主人公側の味方のフォローでしかないというオチまで付く紛れもない悪人。また、古代バーコード文明の技術入手先についても彼自身が見つけた訳ではなく、主人公の味方側の博士が発見したもののうちバーコードデータの解析員として共同研究に携わっている過去描写があり、遺跡が事故で稼働し主人公に味方する博士が呑まれた後で研究を盗んでいるらしき節がある(博士の息子と対立しているため、少なくとも「お父様のことは不幸な事故でした」と取り繕って友人ぶっている様子は0)
世界征服に使われたことのある玩具
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関連項目
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