陸上自衛隊 高等工科学校(JGSDF High Techinical School;HTS)とは、「日本最強・最恐・最凶・の高校生」を養成する
防衛省・陸上自衛隊の教育機関である。所在地は神奈川県横須賀市の武山駐屯地。
2010年、陸上自衛隊 少年工科学校(JGSDF Youth Technical School;YTS)から改編されて誕生した。
略称は高工校、HTSなど。
また、旧称の「少年工科学校」の英略称「YTS」をもじって「横須賀 武山 少年院」と呼ばれてたりする。
在校生達からは「大体あってる」ともっぱらの評判である。
高工校の概要
簡単に言うと、「自衛隊の高校」、または「防衛大学校の高校版」である。少年院じゃないよ!。
その特殊性からテレビや新聞などのメディアでも取り上げられることが多い。特に東日本大震災以降はその数が急増、各テレビ局のニュースやバラエティ番組、さらにはなんと、「あの」朝日新聞にまで取り上げられている。最近は、大麻で全国的に取り上げられちゃったよ、
しかし、理解しにくい為かメディアで取り上げられる際には上記のような名称に言い換えられることが多い。
そして、取材の度に浴場で裸のままバカ騒ぎするのは、もはや風物詩である。
特筆すべきはその採用対象者である。数多ある自衛隊の採用種目の中でも15~16歳の中卒男子のみを対象に
将来部隊の中核、または小部隊の指揮官となる陸曹を養成すると言う非常に珍しい制度である。
この類を見ない学校には毎年、北は北海道から南は沖縄まで全国から受験生が集まり、一般採用試験で20倍、推薦採用試験では50倍という凄まじい倍率を誇っている。
が、一般受験に限って言うと、受験料が掛からず一般高校より少し早い時期に試験日が設定されていることから本命の一般高校受験の予行演習として高工校を受験する人もいるとか。というか3、4割はそう。まあ、一般隊員と違って地本の広報官にはノルマがあるから仕方ないね!(こんな事やっているから詐欺師呼ばわりされるんだよなぁ、悔い改めて)
採用試験に合格すると、特別職国家公務員の「高等工科学校生徒」に任命される。
生徒には衣食住環境の他、毎月94,900円の生徒手当と年2回の期末手当(いわゆるボーナス)が支給される。
また、冒頭で述べた通り、高工校は防衛省・自衛隊の教育機関であり、学校教育法 第1条の定める学校(所謂普通の高校)ではなく、文部科学省の管轄外であるため、高工校だけでは高卒認定資格を得る事ができない。しかし、一般大学の受験は高等工科学校からできない。
そこで、生徒は高工校に入校すると共に、提携校である「神奈川県立横浜修悠館高校通信制」にも同時に入学し教育を受けることで、3学年修了時には同高の卒業資格も得ることが出来るようになっている。もう一度言う、一般大学受験は出来ない。受験をしたかったら、中退するしかない。
よく旧軍に存在した「陸軍幼年学校」に例えられるが、幼年学校が指揮官たる幹部(士官)を養成する制度であるのに対し、高工校は部隊の中核、または小部隊の指揮官となる曹(下士官)を養成する制度であり、制度としては全く異なるものであるため、この例えは正しくない。が、あながち間違いといえなくもない。(後述)
「高校生であると共に自衛隊員」、という日本において(世界でも?)かなり特殊な存在である彼らだが、何だかんだ言っても普通の自衛官 高校生と変わらない青春を送っている。たぶん。ちょっと自由と青春と女子と娑婆との絡みが皆無なだけであり、彼らも彼らなりの青春を送っている。送っているのである。
中退者数も多く、卒業までに100人くらい中退する。中退理由は、進路の不一致、精神病、リンチや訓練によるケガ、脱走(脱柵)等々、普通の高校では考えられないものばかりである。人間性を形成する貴重な3年間を何でこんなところで過ごさねばならないのか?受験生たちは情報収集を怠らず、よく熟考してから入校して欲しい。
高工校の歴史
この高工校の歴史は意外に古く、その始まりは昭和30年(1955年)にまでさかのぼる。
昭和30年 高工校生徒の前身となる自衛隊生徒制度が発足。生徒140名を久里浜、土浦、勝田の各駐屯地に
分けて教育開始。
昭和34年 生徒教育隊として生徒を武山駐屯地に集め教育開始、翌35年から定員を520名に変更
高工校の教育
高工校では将来活躍できる陸上自衛官を育成するため、「一般教育」、「専門教育」、「防衛基礎学」の3つを主たる教育として実施している。
基本的には「午前中は一般教科や機械や電子機器の実習やって、午後は迷彩服来て匍匐前進」みたいな感じ。
ただ、制度改変の影響で第一教育隊(通称:一教、一年、奴隷、虫けら、非捕食者)在籍時は少工時代には行われていた銃貸与が行われず、二教に上がった時に4月中に銃貸与が行われる。
結果として、一年時には戦技訓練は行われず通常の授業が行われる。
まぁ、当然ながら戦技訓練が一年出来ないので少工時代よりも圧縮した日程で進むことになる。
二教の先輩たちは、体育大会の錬成期間の忙しい合間を縫って銃の各部品の名前を覚えるという高等テクニックをしなければならない。 本当にお疲れ様です。
ミリオタくんは、受験勉強の合間に89式の各部品の名前を覚えておくと二教に上がったとき楽になるぞ!
一般教育 ~知識と教養の習得~
国語、数学、社会、理科、外国語、保健体育、芸術、情報、家庭など一般の普通科高校でも行っている教育を行う。
これらの一般教育は提携する横浜悠修館高校通信制を基に高工校が独自のカリキュラムを組んで行っている。
通信制とは言っても、それはあくまで学習する内容の事であり関連動画を見てもらえば分かると思うが、授業は一般の全日制高校と同じように各区隊(一般高校で言う学級・クラス)に分かれ、1日7時限で行われている。
また、授業以外では検定や資格取得などのサポートも行っている。
(例:英語検定 / TOEIC Bridge / 情報処理技術者検定など)
3年生になると上記の必修科目に加えて、生徒それぞれの特性・興味・関心に応じて「教養専修コース」、「理数専修コース」、「国際専修コース」の3つのコースから1つを選択する。3年生後期から行われる「総合演習」では各コースの生徒がそれぞれ自由にテーマを設定し、これまでの学習で培った知識や教養を活かし、研究活動を行う。
教官はあくまでサポーターとして生徒の研究を支援し、研究成果は、レポートやプレゼンテーションなどにまとめる。これらの活動を通して、生徒の探究心や考察力を養うとともに、他者へ伝える能力を磨いてゆく。
専門教育 ~技術的スペシャリストへの入り口~
陸上自衛隊では、高性能化・システム化された多くの車両、通信電子機器、火器及び航空機を装備してあらゆる
任務を遂行する。これら装備品の能力を最大限に発揮するためには、専門的知識や技能が必要であり、将来部隊の中核を担う高工校生徒たちにはその能力が求められる。
そのために行われる「専門教育」は、高工校での教育と、高工校卒業後に配属される各職種学校(中期校)における教育に分けられ、高工校においては将来の技術的スペシャリストとしての基礎教育を行っている。
高工校生徒は3年生になると、「電子機械工学」か「情報工学」のどちらかのコースを選択する。
ここでコース選択を間違えてしまうと将来希望する職種に就けなくなってしまうことがあるので注意が必要である。
防衛基礎学
一般教育、専門教育と並んで陸上自衛官に必要とされる基礎的な教育を行う。
「基礎的」とは言っても89式小銃を使った実弾射撃訓練や格闘訓練、通信機器の取り扱いなどかなり本格的な内容である。さらに2年生になると駐屯地内での野外訓練が、3年生には東富士演習場での野営訓練が行われる。
ちなみに少工時代は、一年時にも防衛基礎学を実施していたが制度改変の際に無くなった。
高等工科学校生徒
高工校に在校する生徒であり、青春を国防に捧げた勇者たちである。合掌。敬礼ッ!
高工校の前身である少年工科学校では「自衛隊生徒」と呼ばれる別の制度で生徒を募集していた。この制度において生徒は陸上自衛官に任命されると共に1~3等陸士の階級を与えられ「少年自衛官」という俗称で呼ばれていた。しかし、2004年に日本政府が批准した「児童の権利に関する条約」において自衛隊生徒制度が(実際に戦闘に参加することは有り得ないが)本条約で禁止している少年兵にあたる恐れがあったこと、政府の総人件費削減の一環である自衛官の定数削減などの理由によって、自衛隊生徒制度は2009年をもって募集停止となり、代わりに生徒を自衛官の定数外とした本制度が発足した。
本制度において生徒は自衛官ではなく防大や防衛医大、航空学生と同じ「防衛省職員 生徒」という身分になった。
高工校生徒の一日
では、高工校の生徒たちは実際にどんな生活を送っているのだろうか?
こちらの動画を見ながら高工校生徒の一日を順に説明しよう。
なお、以下の内容は第一教育隊準拠のため二教、三教の内容については誰か追記して下さいオナシャス!
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6:00 日朝点呼&清掃(なお体育大会錬成期間等では05:30になる時もある)
\第一教育隊起床、点呼は舎前、窓を開放、服装は上半身裸体、タオルを携行 ×2 /
陸自でおなじみの起床ラッパと共に高工校生徒の一日は始まる。
みんな顔が死にそう。
起床後は隊舎前、通称:舎前(しゃぜん)にて日朝点呼が行われる。雨や雪が降っている日以外は
「季節に関わらず」「上半身裸で」「ダッシュで」舎前に向かわなければならない(目安は大体3分くらい?)
集合が遅いと班長ないし模範生徒のありがたいご指導の下、腕立て伏せをさせて頂くことができるぞ!
全員の点呼が終わるまで隊舎に戻ることは出来ないので、それまでは上半身裸のまま乾布摩擦を
しながら待たなければならない。冬場はまさに地獄である。
ちなみに、雨が降るとジャー戦ことT-3装で廊下点呼になる。 - 8:30 午前授業
1~4時限まで主に一般科目の授業が行われる。1時限は45分。
ちなみに一般教室舎と情報教場、芸術教場との距離がすごく遠い(特に芸術教場と情報教場の間)ので、芸術終わった後に情報やって、一般教室舎で授業を受けて…というプロセスが物凄い大変だったりする。
なので移動は基本駆け足 。三歩以上は駆け足は軍隊自衛隊の大原則である。 - 12:00~13:00 昼食・昼休み
まれにこの昼食時間を引くと20分弱しか無い時間の間に、ベットがフライングアウェイしてる時がある。
時間的に地獄である。
ちなみに自分は、隊舎に戻ってきたらベットがシーツも敷かれて完全な状態に戻されていたことがあった。
取り敢えず笑ったw - 13:00~15:00 午後授業
第一教育隊の間は通常科目、二教・三教については自衛隊科目を行う。
一週間に一回程度、一年生も基本教練や服務礼式の授業があったりする。 - 16:00~18:00 クラブ活動
たいていの場合、クラブ中に1700の国旗降下を迎える。
ちなみに高工校では体育クラブと文化クラブの両方に所属しなければならない。
が、 特定クラブと呼ばれるクラブに所属すると文化部が免除される。
特定クラブは、ドリル部・吹奏楽部・和太鼓部・ロボット研究部である。
しかし、ロボ研は在校生から「妥協部」と陰口をたたかれているため推奨はできない上、今年度中に文化部に降格が正式決定。
しかしドリル部はドリル部で懸垂に関してマジキチな条件があるのでおすすめはしない 、あいつ等は人間ではない。 - 17:00 国旗降下
基本的に、国旗降下の時には不動の姿勢ないし敬礼なので車から降りて敬礼をする職員の姿を見ることが
できる。
ちなみに特別な事情(危険な作業中とかその場で立ち止まることが適当でないとか)が無い限り、職員も生徒も全員敬礼する。
部活中の部活はよくスルーしてるのは内緒である - 17:10~19:00 入浴
当たりの日と外れの日があり、当たりの日は人が少ないがハズレの日はまさに芋洗い状態である。
あと浴槽に入浴したり、浴槽の水を使って体を洗った際はしっかりシャワーの水で体を流すこと。
自衛隊の職業病、陰金田虫になる奴が毎年必ず居る。
水虫に関しては、とりあえず足をしっかり洗った後拭いておくように。まぁ、それでも自分はしっかり感染した
ボイラーのメンテ不足が原因なのか、たまに水シャワーなったりするが頑張れ。 - 17:45~18:45 夕食
いつもながらおいしくない。
それでも、時たま「今日、風呂飯どっちにする?」「飯食わないと死ぬ」といって風呂をパスする生徒をよく見るのは何故だろう。 - 19:00 自由時間(という名の洗濯・アイロン・靴磨き・ベッドメイキングタイム)
一応自由時間だが、洗濯やアイロン(通称:プレス)、ベッドメイキング等やらなければならないことが
山ほどあるので本当に自由な時間は多くない。
この時間を使って、電話をしにいく奴も多い。というかこの時間しか電話はかけられない。 - 20:05 日夕点呼&清掃
朝と同じく教育隊ごとに朝礼を行う。各区隊の人員確認・健康状態の報告を行う。
脱柵者が居るとこれより早く臨時点呼がかかることもあるぞ! - 20:15 命令伝達
翌日の行動、課業(授業)に必要となる命令を伝達する。
この時間帯にしっかりメモを取らないと、次の日死ぬ。
先輩のありがた(迷惑)いお話の時間もあるので、しっかり聞いておかないと自分みたいにシメられる。 - 20:25~22:20 自習時間
極稀に模範の先輩に目をつけられた奴はこの時間で「指導」される。いわゆるシメ である。
そうなると、自習も出来ないわ明日の準備も出来ないわで大変なことになる。
ちなみに自分は4回中2回はこの時間にシメられましたw - 22:20 消灯準備
歯磨いたり、ジュース買って飲んだり(解禁されてれば)する一瞬の自由時間。 - 22:30 消灯
ちなみに、シメ終わってなかった生徒は消灯後にシメられることもある。時間制限が全く無いのでむしろ
精神的にこっちの方が辛い。
そして、同期が喘いでいる声を聞きながら寝る同期も辛かったりする。 - ※考査期間中など、特に必要のある場合は延灯も可能。
クラブ活動
施設紹介
- 練武館
ほとんどのクラブがここと隣の体育館に凝縮されている施設。
旧少工第二体育館。
とりあえず、3F(レスリング、柔道)と4F(剣道、銃剣道、空手)は汗が凝縮された道場独特の香りがして臭い。 - 三教隊舎
この施設に行く奴はだいたい2つに分類される。
顔が死んだ状態で行く奴はクラブかなにかで粗相をして、これから死地に赴こうとしている奴。
ニコニコしながら行く奴は、幸運にも三年生と仲良くなって遊びに行く奴である。
が、たまに死んだ顔の奴がすごい楽しそうな顔して帰ってきたり、ニコニコしてた奴が大汗かいて死にそうなってたり
するから怖い。
高工校生になるには
一番手っ取り早いのは、全国の都道府県に一つはある地方協力本部へ連絡し高等工科学生になりたい旨を伝える。
心優しい広報官の方だと自宅まで押しかけ訪問してくれる。(私の家には来なかった)
また、優しい地本だと渡してくれることもあるが出来る限り自分で過去問の問題集を買い、解きまくる。
Amazonで売ってるぞ!(ちょこっと高めだけど
また、2次試験で面接・身体計測・問診があり弱視(近眼、乱視)や色弱は即落とされるらしいので、遠くを見るなどの対策をする。(色弱はどうしようもない)
また体重制限もあり、結構厳し目なのでピザな人たちはかなり努力すべし。ええ。私がそうでした
ちなみに、問診時に私は「男の子が好き?女の子が好き?」と聞かれました(実話
その2次試験を突破すると晴れて、合格通知書が届く。
が、それだけでは採用予定者には入らず「意向調査票」を提出して「採用予定者通知」(青春の死刑執行)が来て、初めて採用されるスタートラインに立つ。
ちなみに、PC持ち込み可とか書いてるけど情報保全の関係で殆ど認められない。ネットもつながらない。
4年間すれば陸曹として官舎住まいできるからそれまで我慢せよ。
関連動画
ちなみに左動画のハルヒコスの彼、公式動画で紹介されていた「彼」である。
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まさか、高工校をモデルにしたラノベが出るとは、たまげたなぁ…
※女子はいません。
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関連項目
- 4
- 0pt