Doodleチャンピオンアイランドゲームとは、2021年7月に発表されたGoogleのミニゲーム集である。
概要
東京オリンピック(2020年)を記念し、2021年7月23日(開会式の日)にGoogleのトップページで発表された。なお、「Doodle」というのはGoogleの誤記ではなく、Googleロゴが記念日等に変化することを指す言葉である。
忍者猫のラッキーがチャンピオン島を訪れ、7つの競技に参加し、各競技のチャンピオンに打ち勝って7個の巻き物を集めるという内容。7個のミニゲームステージを、16ビットのドット絵RPGのフィールドでまとめている。競技にはクリアに必要なもの以外に、やり込み用の高難易度ステージが複数設定されている。他にも競技とは連動しないサイドクエスト(おつかいパート)が20個以上ある。
キャラクターデザイン・アニメーション部分は日本のSTUDIO4℃の製作、ゲーム部分はGoogleの製作である。内容については協議しながら進めたようで、例えば当初は主人公が狐のキャラクターだったが、STUDIO4℃側から「日本では狐は詐欺師のイメージがある」という意見が出され、三毛猫に変更されている。
狛犬、河童、桃太郎など日本人の多くが知っている民話・伝説上のキャラクターが多く登場している。他にも主人公のラッキーは三毛猫であるほか、タヌキやキツネなど日本でなじみ深い動物も多い。オープニングでは鳥の群れが青空に飛び立つという、あるあるなシーンが挿入されているなど、いろんな意味で「日本らしい」要素が多く詰め込まれている。
これほどテキスト量が多いDoodleが初めてであるためか、23日時点では若干翻訳に違和感がある箇所や、誤訳に感じられる箇所もある。
オリンピック開催中の2021年7月31日にはGoogleのロゴは通常状態に戻ったが、閉会式が行われる8月8日のみ、再びロゴからプレイ可能になった。
また、パラリンピック開会式の8月24日に一部要素が追加、スコアがリセットされて再びプレイ可能となった。同様に7日間表示された後は通常ロゴに戻り、閉会式の9月5日のみ再びプレイ可能となった。
内容・操作
これまでにもミニゲームのDoodleは、黒猫のモモが登場するハロウィンの「Magic Cat Academy」など複数あったが、製作陣によると、今までのDoodleミニゲームの中で今回のものは最大規模とされている。これまでのミニゲームは一通りのクリアならかかっても数十分程度で済んだが、今回はサイドクエストのトロフィーコンプリートを目指すなら数時間かかることが多い。
スマホの場合は操作が難しく処理落ちもしやすいため、パソコンで遊ぶのがおすすめである。クリアまではパソコンならそこまで難しくはないが、やり込み要素の難易度は一筋縄ではいかず、練習を重ねる必要があるものも多い。
キーボードの場合は方向キーで移動。スペースキーで決定、または移動中の加速。左上のコンパスで各地域に置かれた赤い門(鳥居)にワープできる。キーボード・コントローラーの操作設定も可能。
簡単なマップ
「南西」「北東」などの方角がキャラクターの台詞中に出てくるが、これは特に注記が無い限り「中央広場からの方角」と考えた方がよいと思われる。
与一の波止場 (アーチェリー) |
フクロウの山 (クライミング) |
天狗の竹林 (卓球) |
竜宮城 (アーティスティックスイミング) |
中央の広場 | 鬼ヶ島 (ラグビー) |
タヌーキシティ (スケートボード) |
港 | キジムナーの浜 (マラソン) |
主人公
「忍者猫ラッキー」、または「ラッキー・ザ・キャット」。周りからは「ラッキー」と言われている。性別は女の子。実際に三毛猫はメスであることが多く、公式動画でも「女性を入れたいっていうのがあったんですね。ラッキーは三毛猫…(略)…一概には言えないんですけども女の子、メスの場合が多くて、猫という形に決まりました。」とされている。なお、日本語公式翻訳での一人称は「僕」「俺」「自分」など安定しない。
最初の登場では赤いバンダナを口に当ててクールにしていたが、島に着いてからは表情豊かに競技や街の様子を楽しんでいる。忍者ということもあってか、どのような競技でも軽々とこなすことができ、競技によっては透明になることもできる。
チーム
4つのチームに分かれて参加し、全世界のプレイヤーの合計ポイント数を競う。この形式は以前のDoodleでも見られた。
- ウシ(ブルーチーム)
- 「俺はウシだ。ブルーチームの猛牛マスコットだ。ハードなトレーニングこそが勝利への道だ。ついてこれるか?」
荒くれ者が多いチーム。本拠地はタヌーキシティ。牛は、太宰府天満宮や北野天満宮など、菅原道真公を祀る神社では神使とされる。得点では長らく3番手を維持していたが、最終日の8日時点で最下位となってしまった。 - カラス(レッドチーム)
- 「私はカラス。レッドチームの気高きマスコット カラスだ。知識が勝利への唯一の道だ!」
情報分析に優れたチーム。本拠地は鬼ヶ島。日本神話では八咫烏(ヤタガラス)として有名。見た目のかっこよさのためか得点ではトップを維持している。 - カッパ(グリーンチーム)
- 「カッパ・カパカッパ。カッパ?カッパ!!カッパ・カーッパ!カッパカッパ。カッパ!」
- 言わずと知れたキュウリ大好きな水の妖怪。以上のような台詞でプレイヤーを勧誘してくるが、何を言っているか全くわからない。可愛らしいものの、このような話し方のためか、23日時点では4チームの中で最もポイント数が低かった。しかし、8月に入ると急に追い上げ、最終日の8日には3位となった。ちなみに普通に喋るカッパや、やたらと難しいことを言う賢人カッパもいる。本拠地は竜宮城の辺り。
- イナリ(イエローチーム)
- 「私はイナリ。トリックが得意な、イエローチームのマスコット狐だ。こっそり行動すると人生は楽しくなるぞ。」
キツネが中心の化けるのが得意なチーム…のようだが、うまく化けきれていないキツネや、うっかり秘密の言葉を話してしまうキツネも多い。本拠地は天狗の竹林。日本では狐は稲荷神の使いとされている。24日には一時的に得点がトップだったが、現在はカラスに抜かれた。
競技
競技の評価は串に刺さった三色団子の数で示される。競技内容はインターネット上で遊びやすいようアレンジされている。おそらくパラリンピックを意識したためか、中には義足・車椅子の選手も混ざっている。
- スケートボード(タヌキ)
- 最も島で栄えているタヌーキシティで開催される。スペースキーでジャンプ可能。制限時間内に、建物や柵、ジャンプ台などを利用し、多くのトリック(技)を決めることで得点を稼ぐ。ステージにいるタヌキを探して見つけると5000点入る。難易度は易しく、何となく楽しんでいてもいつの間にかクリアしていることもある。計算式が「(素点)×(チェイン数)2」となっているため、ノーズグラブを連鎖させるだけで数百万点を超えることも可能で、上の4チームでの争いでは重宝される。ただし、転倒してしまうとポイントが入らないので注意。
一回ジャンプした上で、以下のコマンドを入力するとトリックを決めることができる。◎はジャンプコマンド(キーボードの場合はスペースキー)。また、柵や電線の上を移動すると点数が1ポイント刻みでたまっていく。
トリック コマンド 点数 ノーズグラブ ◎ +100 フェイキー 進行方向に対して後ろ向きに着地 +100 キックフリップ ←◎ +200 バレルロール ←↑◎ +300 ワンエイティー ←↑→ +300 ヘリコプター ←→←◎ +500 ヘッドスタンド ↓→↑◎ +500 (かくれんぼ) タヌキに触れる +5000 - アーティスティックスイミング(乙姫)
- 竜宮城やその周辺の鳥居でプレイできる。内容はDDR(ダンスダンスレボリューション)のような音ゲーである。アーティスティックスイミングは、以前は「シンクロナイズドスイミング」と呼ばれていたが、2017年に改称された。操作に合わせてラッキーも踊り、浦島太郎・乙姫・亀の踊りに合わせることになる。
- アーチェリー(那須与一)
- 左右に移動しながらスペースキーで矢を放って、水の上を移動する扇や的に当ててポイントを与一と競う。矢は貫通するので、扇や的が一列に並んだところを狙うのがよい。爆弾を破壊すると周囲の扇・的も壊すことができる。歴史上の人物が登場するが、平家物語の那須与一は実在性が疑われている人物でもあるので、半分伝説のような存在ということなのかもしれない。
もともとは通常難易度版しかなく、「少し手ごたえがあるが、油断しなければまだ勝てる」ぐらいのレベルだったが、パラリンピックの開始に合わせて他の全ゲームの難易度を凌駕するほどの高難易度版アーチェリー(通称:高難易度版与一)が追加された。 - クライミング(フクロウ)
- フクロウが落としてくる大きな雪玉を避けながら、制限時間内にクライミングで山頂を目指す。スペースキーで飛び移ることが可能で、長押しするとさらに長く飛べる。青色のホールド(持つところ)は移動し、緑色のホールドは捕まると一定時間後に落下するので注意(数秒後に元の位置に復活する)。灯籠のある足場を経由していると、落下・雪玉に衝突してミスしても、そこから復帰できる。7つの中では難易度が高いが、ホールドの配置は変わらないので、練習を重ねればクリア自体は難しくないとも言われる。タイムアタックの場合は1ミスが大きなタイムロスになるので、やはり難易度は高い。
シマフクロウはアイヌでは村の守り神などとして見られている。製作陣によると「北は北海道から南は沖縄まで色々な物語を題材にできた」ということなので、おそらくアイヌ神話を意図してフクロウにしたと思われる。金色と銀色のひしゃくを2つ持っているが、これもアイヌの民話の「金のひしゃく銀のひしゃく」が由来と思われる。 - 卓球(天狗)
- 打ち返す操作は不要。ボールの近くまで行けばオートで相手のところへ打ち返してくれるので、見逃さない限りはミスにならない。赤くなったボールを打ち返すとポイントが入る。ゲージがたまった時のスペースキーでパワーショットをすることができ、場にあるボールを全てスマッシュしてポイントにすることができる。
天狗はうちわを使って卓球をするが、うちわを振ったついでに発生した暴風のせいで、近隣の村が壊滅している。ちなみにボールの数は後半に行くにつれどんどん増えていく。 - ラグビー(鬼)
- 桃太郎やその仲間とチームで戦い、右側に向かってトライを目指す(一番右側までボールを持っていく)。スペースキーで▽が出ている選手にボールをパスできる。稲妻マークはスピードアップ、忍者マークは透明化、鬼のマークに触れると選手に炎が発生し、鬼が泣いて逃げていく。ボールを持っている状態で鬼に触れられると敗北。赤い鬼は体が大きい代わりに遅く、青い鬼は素早い。
- マラソン(キジムナー)
- 砂浜のカニやタコを避けてゴールまで走る。カニやタコに触れたり、コースから外れた場所を走ると減速するので注意。ゲージがたまったときにスペースキーを押すと透明になり、一定時間はダメージを受けなくなる。→を押すと少し右に移動するが、何も操作しなくても自動で進み、加速していく。
実質的には避けゲーであり、シューティングゲームに慣れていないとかなり難しい。
キジムナーは沖縄の妖怪であり、飛び跳ねるように歩くと言われる。
その他キャラクター
- 狛犬
- 案内・チュートリアル役。最初に卓球で勝負してくるが、そこまで強くない。
- 鶴
- このゲームではクエストをこなすとトロフィーを獲得できる。そのトロフィーを中央の広場にある小屋で管理している。進行状況の確認に便利。
- モモ
- 黒猫のキャラクター。Googleではハロウィン記念のDoodleゲームに登場することが多い。ある条件を満たすと、ゲストとして登場する。他にも2017年バレンタインデーDoodleのパンゴリン(センザンコウ)もモブキャラクターとして登場する。
2023年1月に『タピオカドリンクを称えて』でラッキー・ザ・キャットと再登場した。1杯のタピオカドリンクを2本のストローで飲むほど仲良しになっていた。
攻略Q&A
- Q:移動が面倒くさい…
- 左上のコンパスから見れるマップで主要地点にワープ可能。移動中のスペースキーで加速。
- Q:タヌーキシティのパン屋さんはどこ?
Q:残り一個の流木どこ? - A:クエストがかなり複雑に絡んでいるので、まずは温泉入口の雪を解かすのを目指したほうがよい。
具体的な攻略の順序はフクロウ右上の温泉→与一右上のフラッフィーの店の矢→鬼ヶ島の溶岩→フラッフィーから矢をゲット→温泉開放→温泉の水をタヌーキシティの工事作業員に届ける→パン屋開放→(ついでにパン屋を鬼に継がせる)→メロンパンを言い争ってるキジムナーに届ける→奥の穴に進む→もう1つの砂浜へ→流木発見…というかなり複雑なものとなるが、これ関連でもらえるトロフィーは多め。 - Q:三姉妹の残り一人は?
- タヌーキシティの南西にいると言われたと思うが、これは正しくなく、実は北東にいる。
- Q:先代チャンピオンはどこ?
- 暖かいところが好きなので、そこでおねんねしているかも。見つけたらしつこく話しかけてみるといいかもしれない。
- Q:アーチェリーとラグビーの高難易度版はある?
- この2つの高難易度版は無いと思われる。8/24追記:パラリンピックに合わせ追加された。
- Q:港からの船は出ないの?
- 仕様上、港から出ることはできないと思われる。8/24追記:パラリンピックに合わせ追加された。
関連動画
関連静画
関連リンク
- Doodle チャンピオン アイランド ゲームが始まります!(Google)
- Behind the Doodle: The Doodle Champion Island Games!(YouTube, 制作秘話)
- ゲーム内ムービーの再生リスト(YouTube,公式)
主な楽曲(公式)
- Overworld(YouTube, Qumu)
- Artistic Swimming Song 1(YouTube, Qumu)
- Artistic Swimming Song 3(YouTube, Qumu)
関連項目
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