交渉人真下正義 単語


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コウショウニンマシタマサヨシ

7.4千文字の記事

弾丸ライナー下さん、交渉人真下正義って知ってる?」

下「交渉人真下正義?それってのこと?」

弾丸ライナー「違うよ。映画の題名。」

下「映画?」

※この記事はネタバレを含んでいます。

概要

2005年5月7日開された日本映画フジテレビ系列局において、テレビドラマ及び劇場映画として制作が行われてきた、踊る大捜査線シリーズから生して作られた作品。本作以降「踊るレジェンド」と称される生作品が制作されていく。

演は、シリーズ開始当初からメインキャストの一人でありながらOPでクレジットハブられ続けてきたユースケ・サンタマリア東京地下鉄舞台に、正体不明の爆弾魔と、警視庁初の交渉人である正義を中心とした警視庁の面々の攻防が描かれる。

時系列としては2003年11月に発生した台場役員連続殺人事件を描いた映画踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(OD2)」から1年後にあたる。本作開に前後して、本作の前日譚や同時進行劇を描いたドラマ制作されている。

踊るシリーズ世界物語として、未出演のキャスト過去の事件について触れられる部分はあるものの、物語は本作のみで完結している。縦割り社会や上層部の圧力といったしがらみの描写もどないため、にでも楽しめるように作られているのもポイント

ストーリー

序章

2003年11月24日台場役員連続殺人事件が解決した直後の湾署前において、報道に囲まれる男の姿があった。警視庁初の交渉人、正義である。

下「確かには、警視庁初の交渉人なんて騒がれていますが・・」

そんな下の映像を繰り返し見続ける不穏な人物が・・。

クモ暴走開始~犯行声明~

1年後、2004年12月24日16時00分。

舞台は、東京に8つの地下鉄路線を持つ、東京トランスポーテーション・レールウェイ(略称:TTR)の総合室。クリスマスイブによる乗客の増加により、列車遅延立ち始めていた。そんな中、員の一人が、中野と西船橋を結ぶTTR東陽線、中野方面行きの列車運行標示盤の、葛西~西葛西間を移動する不穏な車両の標示を発見する。

時同じ頃、警視庁ホームページに、弾丸ライナーを名乗る不審な人物から、奇妙な犯行明文がアクセスされてきた。

下警視、出ておいで。一緒に地下鉄走らせようよ。」

室井慎次管理官の名により、警視庁初の交渉人、正義は総合室へ向かう。東京地下鉄舞台とした戦いが始まる。

主な登場人物

所属や階級は、2004年12月24日時点でのものである。

警視庁関係者

刑事部

交渉課準備室

雪乃さん、必ず行くから。」

警視庁初の交渉人(別名、ネゴシエーター)。OD2において犯人グループとの交渉に活躍したものの、その後の報道を相手にした調子が良すぎる性格が災いし、弾丸ライナーに名しされてしまう。

「ここ、居心地悪くないっすか?」

OD2において、湾署地下の監視ルームで防犯カメラを運用しつつ捜本部の弁当を食べていた青年。本作では犯人プロファイリングに活躍。

「だからなんでバックアップ取ってないんだよ!」

交渉課準備室発足以来のメンバー線と情報解析を担当。

捜査一課
  • 室井慎次管理官(警視正):葉敏郎

責任が取る。以上だ。」

交渉役として下を始めとする交渉課準備室を名する。自らが推進してきた交渉課を名したことや、下自身の性格の問題について、上層部からよく思われていなかった模様。

本作の事件終結後、新宿北署の捜本部に呼び出され、物語は次作「容疑者 室井慎次」へと続いていく。

下ぁ!メリークリスマスバカロウ!」

本作が初登場の刑事。荒っぽい口調にサングラスタバコトレードマーク。地上班のリーダーとして犯人を追う。口調は悪いもののく「悪い人じゃない」とのこと。「の勘は外れたことがない」が持論だが、永田町駅隊長を探す際に、うっかり遠い階段を降りてしまう一面も

「裏の裏の裏って・・裏じゃありませんか?」

の部下。常に木行動を共にしているため、彼の野生的な性格に苦労している様子。

警備部

特殊急襲部隊(SAT)

「出番のないまま退却か・・。」

OD2冒頭の訓練で青島に撃たれるという失態を演じたSATの中隊長クモ狙撃のために永田町駅へ出動する。

爆発物処理班

グレーメチャメチャ高えなあ。」

テレビシリーズ第2話の湾爆弾騒動以来の登場。葛西第二公園の爆破現場に出動する。木とは飲み友だが、木とは違い「勘は当てにならない」とのこと。

湾岸署

「ねえ、何かあったの?」

OD2で犯人グループ誘拐されるものの、捜員たちの活躍により事救出される。下からのストーカーまがいの恋愛アプローチを受け続けている。

署の刑事新宿の検問所の場面で登場。 

TTR関係者

総合指令室

警察地下鉄の何が分かる?」

TTRの総合長。偉そうな態度についての評判がよろしくない模様。線引き屋の熊沢外の人物のどを名前で呼ばない。室を訪れた下のことも当初は快く思っていなかったものの、徐々に信頼を寄せ始める。

「何言ってるんだお前?自分が言っていることが分かっているのか!?

地下鉄列車運行管理担当。上記のセリフは、下が交渉の過程で犯人に放った言葉に対してのもの。片岡以外の長の中で、名前を呼ばれる場面がある一の人物。

「乗務員のいないヤツが、なんで勝手に走り出したんだ!」

地下鉄の運行システム担当。ATO及びPTC-S1の不調に関し、新マイクロシステムの業者を呼ぶ。

「整備中クモが消えたそうです。」

地下鉄車両管理担当。クモ狙撃計画開始に関し、下にクモの図面を見せる。

「各線給電緊急チェックだ!そうだよ緊急!」

地下鉄の電力設備担当。

「ハハハハハハハ・・あれ?

TTRの広報担当。保守姿勢ばかりの員たちに変わり、下たちにTTR情報クモ情報提供する。モットーは「広報は明るく想良く」。

「お払いからのご帰還だ!」

列車ダイヤを組む専門職。通称「線引き屋」。クモの出現によって乱れたダイヤを修正するべく、室に現れる。

東陽町駅

「来た!」

「職務中にすみませんでした!」

職務中に私物の携帯電話クモを撮していた駅員。彼が撮したクモの運転台の写真が事件解決のとなる。

「ぶつかるぞー!」

九段下駅

九段下・・封鎖できません。」

九段下駅改札係員1023列車クモ九段下通過するのに際し封鎖のを受けるも、多すぎる旅客に改札を突破されてしまう。

その他

スタートレックを着用している、踊るシリーズ恒例の脇役。本作では冒頭のおもちゃ屋の場面で買い物をしている。

クリスマスコンサート揮者。読みは「まえぬしかずみち」。

クリスマスコンサートにおけるシンバル奏者。ボレロ演奏中、背後から現れた何者かにより、自身の演奏(のみ)を妨される。

フジテレビアナウンサーデパートタワービジョンに映る番組「男おばさん」の中で、ラヴェルボレロ紹介していた。笠井アナは本作のDVDプレミアムエディション(後述)において、本広監督と共にコメンタリー出演もしている。

「男の人って困りますわね。」

片岡母親息子の勤務先のデスクに直通電話をかけてくるあたり、かなりの世話焼きであることが推察される。片岡コンサートを見る約束をしていたものの、息子が来ないと知り帰宅するが、その雪乃と会話をしている。

声のみの登場

本作序盤に登場する、クモE4-600の紹介映像ナレーター

不審車情報提供する警察線。

本作の被疑者。事件序盤の段階では性別や性格・前歴等は一切不明なものの、プロファイリングの過程で、社会との接触が極めて少ない引きこもり系の人物であることが推察されていく。

東京トランスポーテーション・レールウェイ(TTR)について

概要

本作に登場する架鉄道会社。東京メトロ及び前身の営団地下鉄モデルになっている。劇中で「民営化」という単語が登場することから、株式会社であることが分かる。

ロゴマーク

営団地下鉄が使用していたSマークの横棒部分を「TTR」としたようなデザイン。ただし上部や下部の線も営団地下鉄のSマークよりも細めになっているため、細部も含めると異なる点は多い。本作開時に発売された公式ガイド本には、ウルトラセブンに登場するウルトラ警備隊のマークに似ていると記されていた。

路線

営業している路線

路線名 ラインカラー 区間 軌間 モデルとされている実在の路線
渋谷線 オレンジ 渋谷~浅草 1435mm 東京メトロ銀座線
八重洲線 ~池袋 方南町~中野坂上 1435mm 東京メトロ丸ノ内線
目黒線 シルバー 中目黒~北千住 1067mm 東京メトロ日比谷線
東陽線 スカイブルー 中野~西船橋 1067mm 東京メトロ東西線
代々木線 代々木上原~綾瀬 綾瀬~北綾瀬 1067mm 東京メトロ千代田線
桜田門線 ゴールド 和光市~新木場 1067mm 東京メトロ有楽町線
九段下 渋谷~押上 1067mm 東京メトロ半蔵門線
白金 エメラルド 目黒~赤羽岩淵 1067mm 東京メトロ南北線

ラインカラー実在する東京メトロの路線と同じものが使われているが、本編内では撮されたロケ地の都合上、設定されたラインカラーと対応しない車両が(に総合室に置かれているモニターに)登場していることがある。

建設中の路線

路線名 ラインカラー 区間 軌間 モデルとされている路線
14号線(仮称) 不明 渋谷~池袋 1067mm 東京メトロ13号線(仮称)

東京メトロ13号線」は、本作が開された当時建設中であった、東京メトロ副都心線に付けられていた仮称である。

駅名

劇中では、東陽町、九段下永田町など、東京メトロとして実在する名がそのまま登場しているが、企業名や施設名が使われている以下の3名が変更されている。

これらの名はメイキング映像や、開当時に展覧会で展示されていた路線図などで確認できたものである。

劇中で下が言及する「渋谷線から九段下線に乗り換え日本橋駅」は、上記の日本橋室町(実際の三越前駅)のことである。

制服

本作に登場する乗務員や駅員は、実際の営団地下鉄の職員が着用していたものより明るめな緑色制服を着用している。本作に出演した俳優の他、撮のために運転された回送列車を運転した実際の乗務員も着用していた。

イメージキャラクター

メトロ太郎」と呼ばれる、車両モチーフにしたマスコットキャラクターが存在する。作中では「名前募集中」ということで、キャンペーンの上りやポケットティッシュなどが登場している。

クモ E4-600について

概要

車両基地内で整備中だった、TTRの試作車両

輪の幅を変えられるフリーゲージ機構を持ち、標準軌1435mm及び狭軌1067mmの双方の路線を走ることができる。内部には蓄電池が搭載されており、パンタグラフから集電・充電した電気を使った非通電区間の走行も可になっている。

外観

銀色塗装。前面は流線形。南海電鉄50000系(ラピート)や南満州鉄道を走行していたあじあ号をモデルに生成されている。

本広監督く、格好よくもあり、怖くもある外観にしたかったとのこと。「地下鉄車両の原則である前面の貫通無視するのに迷いがあった」というのがデザイナーの談。

グッズ展開

本作公式グッズとして、プラレールチョロQなどが発売されていた。

本作の撮影について

ロケ地選定について

東京地下鉄舞台とした本作であるが、東京メトロ及び都営地下鉄では撮許可が降りなかったため、東京以外の地下鉄(及び地下都市トンネルが存在する鉄道事業者)で撮が行われることになった。そのため本編に登場する鉄道車両は(都内で撮された場面に偶然映り込んだ車両を除き)全て東京以外の都市を走る車両である。

本作のエンドロールにおいて「ロケーション協力」としてクレジットされている鉄道事業者は以下の通り。(クレジット順)

登場する車両(上記の事業者順に)

本作開後に引退している車両を含めて記述する。

神戸市交通局

海岸線及び西神・山手線車両が双方登場する。

劇中で東陽線の車両として登場。実際の車両を用いたロケの他、CGによる車両同士の接触、模型を使用したトンネルシーンの撮などが行われている。

SAT線へ進行する場面において側面のみ登場。

横浜市交通局

当時横浜市交通局で活躍していた車両がいずれも登場する。路線は1号線及び3号線と呼ばれていた。ブルーラインという路線名がつけられるのは、本作開後の(グリーンラインが開業した)2008年3月30日である。

クモ暴走が始まる直前の赤坂見附駅の場面において側面のみ登場。(1011という車両番号が視認できる。)

本作のオープニング場面の「NAGOTIATOR」の字幕が登場する場面に登場。

車両基地爆発の場面で登場。

札幌市交通局

東豊線及び東西線車両が登場する。

SATが線路の通路を進む場面で登場する。

ロケが行われた駅や車両基地(一部抜粋)

神戸市交通局

海岸線

東陽町駅の場面が撮された。クモに後続の1033列車が衝突しかける場面においては、実際に車両を運転して撮が行われている。

劇中で西車両基地として登場。

西神・山手線

SAT大手町駅ホームから線路内へ突入する場面が撮された。メイキング映像における神戸市交通局の職員のインタビューもここで行われている。

横浜市交通局

赤坂見附駅の場面が撮された。

車両基地の場面が撮された。劇中ではクモが発進した場所とされている。

札幌市交通局

有楽町駅コンコースの場面が撮された。

JR西日本 大阪支社

JR東西線

永田町駅の場面が撮された。カーブの途中にある島式ホーム」という、実際の東京メトロ有楽町線永田町駅に似た構造であることがロケ地の選定理由とされている。

制作裏話ほか

関連商品(名称のみ)

DVD

「交渉人 正義 プレミアムエディション」

2005年12月に発売された、本作のDVD。収録内容は以下の通り。

この他、TTR路線図美術スタッフが用意したリンクネタ等の見どころを収録したブックレットが同封されている。ブックレットの裏表には黒字白色TTRロゴが描かれている。

書籍

本作の開に前後して発刊された書籍。

公式ガイブック 交渉人 正義 FILE」(角川書店)

「交渉人 正義 ネゴシエイションズガイブック」(宝島社)

「交渉人 正義 シナリオガイブック」(キネマ旬報社)

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