忍者(にんじゃ)とは、日本の歴史の裏舞台で活躍していた身を忍びながら破壊工作・暗殺・諜報・偵察などを行う集団の事。忍びの者。女性の忍者はくノ一と呼ぶ。
現実の忍者とアニメや漫画などの忍者では大きく内容が異なる。実際に「忍者」「くノ一」といった言葉は第二次大戦以降で普及した呼び方であり、それまでは使われていなかった。
『忍者は正々堂々正面から名乗りを上げてぶつかっていく侍と対極の存在、小太刀や手裏剣のように侍とは違った武器を用い、忍術という不思議な術を使う。超人的な忍耐力と精神力を有し、闇夜を音もなく忍び寄り、諜報や暗殺に従事する者であり、侍が忠義に命を賭けるのに対し忍者は任務のために死ぬ存在である。』……という印象が定着している。
が、実際の活動は情報収集や監視活動、連絡役、破壊工作であって必ずしも戦闘要員ではない。むしろそうした社会的に高く見られない仕事を受け持った存在が忍者と呼ばれるようになったと言ったほうが正しいだろう。
忍者は町や農村に拠点を持たず山地などに住む一族の生業であったとされる。甲賀衆や伊賀衆のように一つの地域を拠点とした腕に覚えのある集団が戦国時代という時勢を背景に大名や領主など地方の有力者に雇われ、諜報や破壊工作のやり方を蓄積した結果として台頭した例などがその典型である。
実際のところ、「山がちで農産物に乏しい地方に住む集団が、外貨獲得のために傭兵を輸出する」というのは結構世界に例があり、たとえばイギリスのハイランダーやスイスの傭兵、ネパールのグルカ兵などがいる。そう考えると忍者というのも、世界的にはそれほど特異な存在ではなかったりする。
一方で、日本には独特の山岳信仰というものがあり、「天狗じゃ、天狗の仕業じゃ!」というフレーズでも分かるように、山に住む人々=妖怪物の怪の仲間というようなイメージがあった。
忍者の側にしても、自ら秦河勝や徐福、役小角の子孫を称するなど、そのイメージを大いに利用していた節がある[1]。忍術を陰陽五行に分類したり、九字刀印を切ったりといった「忍者らしい」要素は、こうした山岳信仰、修験道との結びつきから生じたものである。
現実の忍者は常に黒装束を身にまとっていた訳ではなく、普段は武士や農民の格好、場合によっては商人や虚無僧などにも変装しながら活動していた。(流石に昼間で黒装束は目立つ。)
ただし、当時は灯りが少なく破壊工作や暗殺は夜間に行われており、その際の黒装束は非常に役に立ったと考えられる。
また、現代でも忍者は絶滅した訳ではなく、伝承者として忍術や忍術を発祥とする武術、伝統などを受け継ぐ人が道場などで立派に活動していたりする。
娯楽作品での忍者は時代劇には必ずと言ってもいいぐらい登場する人気の職業で、海外でも人気が高い。そういった娯楽作品での忍者人気は古く、江戸時代中期には忍者が活躍する小説「真田三代記」が大ヒットしている。
時代劇では水戸黄門の「柘植の飛猿」「かげろうお銀(くノ一)」や暴れん坊将軍の「左源太」「疾風(くノ一)」など必ずと言っていいほど登場しており、「影の軍団」や「柳生一族の陰謀」のように忍者やそれに類する者の活躍を描いた作品も多い。 時代小説では山田風太郎の一連の作品のような自由な印象の忍者も人気である。
海外では80年代にショー・コスギ主演のニンジャムービーやファミリーコンピューターのゲーム「忍者龍剣伝」が流行し、外国人の想像する忍者像を確立した。
これらはサムライと同様、外国人の日本人観における重要な要素の一つであり、(誤解だらけの)日本文化を表現するためのアイコンの一種として、映画やカートゥーン作品にたびたび登場する。
小説や漫画、アニメや映画などでもよくネタにされる(どちらかというと主役級よりも飛び道具的な使われ方が多い)。
漫画の世界では「忍たま乱太郎」のように忍者の普段の様子をコミカルに描いたものから、「忍者ハットリくん」「さすがの猿飛」「伊賀野カバ丸」のように現代社会における忍者のミスマッチをコメディの材料としたもの、「バジリスク」のように古典的な忍者物を踏襲したもの、「NARUTO」「忍空」のようにSF風に発展させたなど作風も世界観も様々である。
これらマンガ的作品群の源流としては「猿飛佐助」「カムイ外伝」「伊賀の影丸」「仮面の忍者 赤影」などが挙げられる。
中には特撮「魔人ハンター・ミツルギ」のような奇抜な忍者作品もある。日本人にとっては前置きや説明なしに誰もが印象を共有できる存在であり、また、神出鬼没な印象からか、忍者が登場するとは思えないような時代背景・作風の作品でも脇役・適役として用いられることも多々ある。
本来「忍」とは、人に見つからないようにこっそりと、という意味を持つのだが、ピンクやオレンジなど全く忍んでいないド派手な忍装束で全身を包んだ忍者が描かれることもある。また、夜の闇に身を隠せるとは思えない露出の高さを誇るセクシーな忍者もいる。外国人がイメージする忍者(ニンジャ、NINJA)は特にそれが顕著であり、ヌンチャクを武器として扱う、カンフーなど東洋の武術を使う(と言うよりNINJUTSUが武術の1ジャンルと化してる)など、日本人の間にはない独特のステレオタイプNINJAイメージがある。
元祖RPG「ウィザードリィ」の上級職業の一つである忍者は、何も装備していない状態でも素手攻撃の威力が高く、時々相手の急所を突いて一撃で仕留めることもできる。さらにレベルアップに応じて回避が上がっていき、物理攻撃はかすりもしなくなる。
とはいえ作品にもよるが、実際には仕様の関係上無装備状態は力不足なのであまり用いられない。しかし、アンソロジーコミックなどでは「無装備の忍者=全裸」というネタがよく挙がった。
なお、このゲームの防御力(AC)は低いほど優秀であることを示し、マニュアルには「AC-10は米軍のシャーマン戦車と同等」と明記されている。つまり、AC-10の全裸忍者は戦車の装甲に匹敵するのである。
忍者を賞賛する?コメントの一つ。2chネ実板の"偉人"ブロントさんの名言「汚いなさすが忍者きたない」に由来する。この忍者とは、オンラインRPG「ファイナルファンタジーXI」におけるジョブの1つ(ブロントさんのジョブはもちろんナイト)。
ニコニコ動画では特にフリーの対戦格闘ゲーム制作ツール「MUGEN」の動画上で忍者キャラ(主にストライダー飛竜)が活躍すると同上の弾幕が飛び交う。これは忍者のずば抜けた忍耐力と精神力、それらに裏打ちされた戦闘技巧を讃える祝詞であり、決して常時当たり判定を出しっぱなしのウロボロスが卑怯だとかいう意味ではない。たぶん。また、「汚い忍者」というキャラクターも存在する。
更に最近では、twitterで連載されているweb小説「ニンジャスレイヤー」を元ネタにした独特の言語「忍殺語」の流行も徐々に台頭してきている。おお…ナムアミダブツ!マッポーめいたニンジャイメージの暴走ぶりは未だに留まる事を知らないようである。インガオホー!
詳細はこちら→ニンジャ(ニンジャスレイヤー)
忍び中
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最終更新:2025/03/25(火) 03:00
最終更新:2025/03/25(火) 02:00
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